(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 目暮警部 菊右衛門(78) 土屋益子(42) 有田義彦(36) 瀬戸隆一(35) 大谷薫(36) 鑑識 警官 警官A 警官B |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 警視庁捜査一課警部 本名土屋万吉、人間国宝の陶芸家 菊右衛門の息子の嫁 菊右衛門の弟子 菊右衛門の弟子 菊右衛門の弟子 トメさんっぽい鑑識員 目暮の部下 目暮の部下 目暮の部下 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 茶風林 辻村真人 磯辺万沙子 松尾貴司 高木渉 岩田光央 巻島直樹 井上隆之 千葉一伸 高戸靖広 |
色といい形といい、まさに絶品。さすがに人間国宝の作った作品はひと味もふた味も違うと小五郎、蘭、コナンの三人はいたく感心した様子で陶器の数々を眺めていました。そんな人間国宝の陶芸家・菊右衛門が、一体小五郎にどんな依頼があるというのでしょうか?蘭もコナンも興味津々だったのですが…
ところが菊右衛門がその日小五郎を呼んだのは、何と名探偵の小五郎に意見するためだというのです。何でも最近の小五郎の推理が粗が目立って仕方がないと…それを聞いた小五郎の名推理の黒幕(?)のコナンは思わずドキッとしますが…
しかしそれは菊右衛門の考え出した建て前のようなもので、実際は菊右衛門は小五郎の大ファンで、事件の記事もしっかりとファイルし、小五郎が事件を解く度に大はしゃぎしているというのでした。
そしてその日小五郎を招待したのは、自分の作品の中で小五郎自身の目で見て気に入った物を一点プレゼントしたいということらしいのです。どれも数百万円は下らないと聞き、小五郎は遠慮がちに目の前にあった小さな湯呑みを手にしたのですが……
それから小五郎たちは菊右衛門の下で日々精進している三人の弟子たちの紹介を受けます。最近メキメキと力をつけてきたという有田義彦、一時は6代目菊右衛門を襲名することが確実視されていた程の実力を持ちながら最近少しスランプに悩んでいるという瀬戸隆一、それから窯の準備をしていた瀬戸以上に最近伸び悩んでいるという大谷薫…。
皆二年前に不幸にも事故で亡くなった菊右衛門の長男に代わり、6代目を継がんと日々努力を重ねていいる苦労人ばかりだったのです。
しかし6代目を継ぐためには、菊右衛門の長男も惚れ込んだという目利きの持ち主である長男の妻の土屋益子の目に適う物を作らなくてはならないのです。ところがどうやら益子の目というのは相当厳しいらしく、窯の中には益子の手によって壊されてしまった陶器の破片の山が散乱してる状態だったのです。そして最近調子の出ないという瀬戸や太谷はひどく落胆している様子で自信を失くしかけているようでした。
そんな弟子たちを菊右衛門は明鏡止水の如く、心に余裕を持って取り組めば自ずと結果は付いてくるものだと言って励ましますが…。
その時でした。突然蔵の方から土屋益子のものと思われる悲鳴が屋敷の中に響き渡ったのです。悲鳴を耳にした小五郎たちが慌てて様子を見に行ってみると…
蔵の中には土屋益子が陶器の破片を前にして茫然としながら床の上に座り込んでいたのでした。どうやら益子は小五郎に見てもらうために取りに行った菊右衛門の新作「風水丸」を床の上に落として壊してしまったらしく、申し訳なさそうに菊右衛門に頭を下げるのでした。
しかし菊右衛門は「形あるものはいずれは没する…」と益子を励まし、少し疲れたと言い残して自分の部屋に籠もってしまったのです…。
「風水丸」を壊してしまったことで一時はひどく落ち込んでいた益子でしたが、どうやらそれ程そのことを気に病んでいるそぶりはなく、小五郎たちを招いて催された晩餐の席でも、小五郎に負けじと酒好きな所を見せつけてくれたのです。弟子たちの話では酒を飲むと性格が変わってしまうらしく、陽気に笑いながら楽しそうに語り合っていたのです。それがまさか…
ところが11時を過ぎると酔いが急激に回ってきたのか、益子は大広間でそのまま寝入ってしまっていたのです。酒が入ったまま寝てしまうとそう簡単には起きないという益子を、仕方なく弟子の一人の有田義彦が彼女の部屋まで寝かしにいきますが、その後は大広間に残った7人で深夜まで騒いで飲み明かし、大いに盛り上がります。
そして翌朝8時─結局益子を除き、大広間にいた7人は昨夜の勢いそのままで、部屋の中で寝入ってしまったようでした。
一同が次々に目を覚ましていく中、菊右衛門は自分の部屋で休んでいるはずの益子を起こしにいくように弟子の大谷薫に命じます。ところが…
戻って来た大谷は益子が部屋にいないと報告してきたのです。そしてもう一人の弟子の瀬戸が彼女の携帯に電話しますが、それにも出ないというのです。こんな朝早くから一体何処に行ってしまったのかと、一同が不審に思っていると…
そこへ突然、蔵の方から陶器のような物が激しく割れるような音が聞えてきたのです。誰かが蔵の中にいる…!? 嫌な予感がしたコナンが急いで蔵の方に駆けていくと…
蔵の中には、梁に括り付けられた縄で首を吊ったまま苦悶の表情を浮かべてぶら下がっている、土屋益子の哀れな姿が…!!!
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今回は大広間に集まった人間たちの間でかなり盛り上がった訳ですが、やっぱり主役はこの人でした。語るよりこのイラストをご覧になる方が早いでしょう(笑) | ![]() |