名探偵コナン129「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File129 黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
英題
The Girl from the Black Organization and the University Professor Murder Case
放映日
1999/1/4(2時間スペシャル)
原題
第18巻
File6「転校生は…」
File7「黒ずくめの女」
File8「コードネーム・シェリー」
File9「偽りの少女」
File10「チェックメイト」
第19巻
File1「どうして…」
ジャンル
【前半】 サスペンス
【後半】 本格
事件現場
【前半】 帝丹小学校~俊也の家~米花町内のコンビニ~東都線 米花駅~東都線 大渡間駅~根岸不動産~蓮河ビル3F 大渡間新聞社
【後半】 阿笠博士邸~南洋大学教授・広田正巳宅
管轄
【前半】 東京警視庁捜査一課(目暮警部)
【後半】 静岡県警(横溝警部)
登場人物
江戸川コナン
工藤新一
毛利蘭
阿笠博士
目暮警部
高木刑事
灰原哀
吉田歩美
小嶋元太
円谷光彦
横溝刑事
小林澄子先生
俊也
俊也の兄
俊也の母
俊也の祖母
店員
販売員
おじさん
不動産屋
本屋の主
警官
警官
黒ずくめの女
黒い帽子の男
白ヒゲの男
犬山
広田正巳(61)
広田登志子(53)
白倉陽(25)
盛岡道夫(48)
細矢和宏(43)
宮野明美
ジン
ウォッカ
本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
新一の家の近所に住む自称天才科学者
警視庁捜査一課警部
巡査部長、目暮の部下
黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
静岡県警警部
帝丹小学校1年B組担任
事件の依頼人、帝丹小1年A組の生徒
10歳年上の俊也の兄
俊也の母
俊也の祖母
コンビニの店員
駅間のキヨスクの販売員
米花駅の清掃員
根岸不動産の社員
「千円札」のあだ名を持つ本屋の主人
大渡間駅前交番駐在の警察官
大渡間駅前交番駐在の警察官
謎の女、ニセ札作り〈銀ギヅネ〉のボス
ニセ札の男、〈銀ギヅネ〉のメンバー
白ヒゲの男、〈銀ギヅネ〉のメンバー
サングラスの男、〈銀ギヅネ〉のメンバー
南洋大学教授
広田正巳の妻
モデル
獣医、広田教授のチェス仲間
証券会社課長
灰原哀の姉
黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物
黒の組織の男、ジンの手下
高山みなみ
山口勝平
山崎和佳奈
緒方賢一
茶風林
高木渉
林原めぐみ
岩井由希子
高木渉
大谷育江
大塚明夫
加藤優子
くまいもとこ
岡野浩介
服部幸子
声の出演なし
斎賀みつき
???
中嶋聡彦
山口嘉三
???
千葉一伸
高戸靖広
唐沢潤
石井康嗣
声の出演なし
平尾仁
中博史
朝倉佐知
子安武人
宝亀克寿
藤城裕士
玉川紗己子
堀之紀
立木文彦
(注)ネタバレになるため一部伏字になっています
あらすじ
「APTX4869…… これ、なんだかわかる?」

 コナン以来久々に1年B組に転校生がやってくる─可愛い女の子、性格のいい子、ガリ勉タイプのムッツリ君…様々な憶測が飛び交う中、1年B組の教室に現われたのは、ウェーブのかかった茶色い髪がよく似合う可愛らしい少女でした。

 灰原哀と名乗ったその少女は小林澄子先生の紹介が済むやいなや元太の存在もまったく気にかけずにスタスタと歩き出し、コナンの左隣りの席に座ります。コナンに一言「よろしく…」とだけ言い残すとそのまま授業は開始され、放課後を迎えたのですが…

 元太はツンツンしていて気に入らないと言う一方、歩美は緊張しているだけだと何とか彼女と仲良くなろうと懸命に話しかけます。そしてそんな歩美のどこに住んでいるのかという必死の問いかけにも、彼女はクールな姿勢を崩さず、「米花町2丁目22番地」と言い残し、不敵な笑みを浮かべながらコナンの方を見ていたのです…。彼女は一体…?

 それから歩美、元太、光彦の三人は、自分たちが少年探偵団を結成し、皆から依頼される難事件を解明するために日夜活動していることを得意気に語りますが…探偵団の依頼の窓口である元太のゲタ箱には、毎度のことながらその日も依頼は一通も入っていなかったのです…。ところが元太が自分の靴の中をよく調べてみると…

 探偵団たちに事件捜査を依頼したのは1年A組の俊也という男の子でした。彼の話によると、1週間前の夕方から彼の10歳年上の兄が行方不明になっているというのです。
 警察にも協力を仰ぎ必死の捜索が続けられているらしいのですが、なかなか手がかりになるようなものも発見されず捜査は行き詰まりを見せているというのでした。
 そこで探偵団たちは手がかりを求めて俊也の家を訪れることになったのですが…

 俊也の兄の部屋を訪れた探偵団たちは、そこで俊也の兄が描いたピカソやゴッホ、モネやゴーギャンなどの模写を見てその絵の上手さに感心させられます。しかしまだ高校生の美術部の生徒の描いたと分かるレベルで贋作の域までは到達してはおらず、これを描かせて本物とすり替えるために誘拐したとは考えられませんでした。

 その一方夏目漱石の大ファンだったという俊也の兄は漱石の写真のスケッチも描いていて、10日ほど前に町の展覧会に出品していたというのです。そしてそのスケッチを見て俊也の兄の作品をひどく褒めていたという人物の姿形について聞かされたコナンは…
 その人物は縁の広い帽子を被っていたらしいのですが、何と上から下まで真っ黒な服装をしていたというのです……!!!

 黒ずくめの女…!? ジンとウォッカ、彼らの属する黒の組織と何か関連があるかもしれないと知ったコナンは、すぐさま俊也の兄が行きそうな場所を片っ端から捜索し始めたのです。

 ところがなかなか手がかりは発見できず…いつの間にか日も落ちかけ、コナンについてきた歩美たちも疲れと喉の渇きを感じ始めていました。そこで少し休憩を取ろうと近くにあったコンビニに入っていったのですが……

 そんなコナンたちの動静を後ろからずっと観察し続ける灰原哀、彼女は一体何者なのか…!? 一方都内を走る黒い車の中には新一を薬で小さくしたあのジンが、手下のウォッカと何やら内密の話をしているらしく……


「今からおまえに見せてやるよ…真実って奴を…この世に解けない謎なんて…塵一つもねえって事をな!!!」

 灰原哀の姉宮野明美が、数年前自分にに送ってきたという旅行写真のデータを収めたフロッピーを姉に送り返す時に、新一(コナン)の体を小さくした例の薬に関する情報の詰まったフロッピーを間違って送ってしまっていたかもしれない…そして今そのフロッピーは、姉の恩師である教授の元にある…

 そんな灰原哀からの情報を元に、彼女を引き連れてそのフロッピーの持主で静岡県に住む南洋大学教授の広田正巳を訪問することになったコナンと阿笠博士は、静岡までの150キロ、3時間の道のりを彼女について話しながら進んでいました。

 未だに本当の名前も年齢も明かさず、一体何を考えているかもよく分からない…あまり信用すべきでないとコナンは阿笠博士に忠告しますが、阿笠博士はそんな子には見えないと率直な感想を口にするのでした。

 その一方でコナンは、これから訪れる「広田正巳」という名前の人物にも以前どこかで出会ったことがある気がして…何だかすっきりとしない様子で目的地への到着を今かと待っていたのです。

 広田教授の家に到着すると、玄関で彼の妻の登志子が三人を迎えてくれます。彼女の話では先ほどまで何人かの教え子が入れ違いに客人として広田教授を訪れていたらしいのですが、今は彼一人で自室に籠もっているということでした。ところが広田教授の部屋の前までやって来て登志子がドアをノックしてみても、中からは一向に返事が返って来なかったのです……

 不審に思ったコナンは、ドアの上に並んだ小窓に飛びつき部屋の中を覗いてみます。すると…
 何と部屋の中には、本棚の下敷きとなって仰向けに倒れ、頭から血を流して身動き一つしない広田教授の姿が…!!!

 すぐにコナンは阿笠博士とともに入り口のドアをぶち破って中に入りますが、時すでに遅く広田教授は既に帰らぬ人となっていたのです…

 それから静岡県警の横溝刑事の指揮の下で捜査が開始されますが、横溝刑事は万全を期し事故と殺人の両面で捜査を開始します。
 ただもし殺人だとすれば、部屋のドアは内側から鍵が掛けられていた以上密室殺人ということになり、犯人の部屋からの脱出方法が焦点になる訳なのですが…

 その一方でコナンたちがお目当てとしていたフロッピーディスクは全て現場から忽然と姿を消していることが判明し…誰かがそれらを持ち出したことは明らかなように思えました。まさか黒ずくめの男たちが先手を打って…!?

 それから横溝刑事の手によって事件当時現場の広田教授の部屋に出入りしていた人物の尋問がなされた後、広田教授の部屋にあった留守番電話の録音テープを聴くことになったのですが、その中にはコナンも聞き覚えのある「ある人物」の声が混じっていて……

今回の見どころ
灰原哀初登場

 今回は彼女の登場がすべてですよね、原作連載当時から大反響を呼んだのは記憶に新しい所です。
 彼女の名前の由来となった二人の探偵は原作にあるとおりコーデリア・グレイ私立探偵 V・I・ウォーショースキーです。どちらも自立した現代の女性探偵として有名ですが、ただしコーデリアは本格ミステリ、ヴィクはハードボイルドと実は全然ジャンルが違いますので読む方はご注意を。

原作との相違点
アニメオリジナルシーンの数々

 1 まず冒頭で俊也の家に向かった探偵団たちがパトカーを見つけて大はしゃぎするシーンが追加されています。助手席の無線装置を発見した元太は迷わず「あれでうな重の出前頼めるかな?」と期待どおりに発言してくれています(笑) ちなみに光彦が頼みたいと言ったものは何でしょうか? ビデオでチェックしてみて下さい

 2 俊也の兄の部屋を捜索していた探偵団たちがおじさんのアメリカ土産のエアーシューズを発見してひと言…更にベッド下の俊也の兄の模写にあった画家、ピカソ、モネ、ゴーギャンにユトリロが加わっています。詳しくはこちらでもどうぞ

 3 茶店、ゲーセン、デパート、路地裏など、俊也の兄の行きそうな所を捜索する探偵団たちでしたが、このシーンはかなり詳細になっています。確認できた所では喫茶店の名前が「サンバ」、画材店の名前が「とみなが画材店」でした。

 4 「千円札」とあだ名される本屋の店長が探偵団たちを追い出して一言「ワシはそんなに安っぽくないぞ!」それから「何で漱石の方が一万円札じゃないんだ…」

 5 3Fに大渡間新聞社のある蓮河ビルは1階が大渡間駅前交番ですが、2階は原作では「山本商店」となっていますが、アニメでは「漢方 大浦薬局」となっています。

 6 これは原作オリジナルではないのですが、18巻File8冒頭のカラーページのナレーションもほぼ忠実に再現されています。そしてこのナレーションの声に起用されているのは何と、この後登場する静岡県警の…

 7 お札を発見した元太は原作でもあるとおり「これだけありゃ、うな重が…」と発言するのですが、アニメでは「ひい、ふう」に加えて更に「みい」と三つまで数えています。それにしても元太の数の数え方って…(笑) 今回はSPということでうな重2連発でした。

 8 最後に事件を解決した探偵団たちが得意気に警察官たちに…前半はかなりのオリジナルシーンが盛り込まれていました。

 9 後半も冒頭のコナンが博士の家を訪れるシーンがかなり詳細に描かれています。

NEXTコナンズヒント
青い帽子の男の子
コント
コナン「遅くなりましたが」
コナン他「明けましておめでとうございます!」
新一「今年もテレビ、映画、サンデー、よろしくね!」
OP
TRUTH ~A Great Detective of Love~」(TWO-MIX)
ED
氷の上に立つように」(小松未歩)
監督
山本泰一郎/総監督 こだま兼嗣
構成
櫻井美知代
絵コンテ
櫻井美知代
演出
元永慶太郎、篠原俊哉
作画監督
河村明夫
ビデオ
PART5-8
DVD
PART5-8
評価

TOPへ

名探偵コナンカレンダー

×