(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 工藤優作 工藤有希子 籏本夏江(22) 籏本武(24) 出雲啓太郎(56) 出雲梓(49) 加越利則(38) 石鎚晃重(67) 浅間安治(39) 青葉徹(32) 明智文代(37) 西村警部 田村刑事 車掌 ウェイター 乗客A 乗客B アナウンス |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の父親で世界的に有名な推理小説家 新一の母親で元人気女優藤峰有希子 籏本グループ長男・籏本将一の次女 夏江の新夫、籏本物産勤務 宝石店オーナー、東京都古糸市在住 出雲啓太郎の妻 宝石店店長 古糸市市長 乗客 乗客 乗客 北海道警警部 北海道警刑事、西村の部下 北斗星車掌 北斗星食堂車のウェイター 北斗星の乗客 北斗星の乗客 札幌駅の駅アナウンス |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 田中秀幸 島本須美 麻生侑里 声の出演なし 牛山茂 藤木聖子 谷口節 藤本譲 辻つとむ 永野広一 島本須美 花田光 長嶝高士 加瀬康之 千葉一伸 小上裕通 友川まり 千葉一伸 |
豪華客船連続殺人事件で知り合った籏本夏江からの招待で、上野発の寝台特急〈北斗星3号〉で北海道に向かうことになった小五郎、蘭、コナンの三人は、自室のロイヤル・ルームで荷物を整理してひとまず落ち着くと、その足で夕食をとりに食堂車へ向かいます。
そして三人は、そこで最近TVや新聞を賑わした宝石店のオーナー出雲啓太郎にばったり遭遇することとなったのですが…
出雲啓太郎というのは東京の古糸市に住む宝石店のオーナーで、その日は彼の妻と宝石店の店長を務める加越利則とともに北海道旅行に出向く途中でした。
そんな出雲啓太郎の店に昨週宝石強盗が入ったらしいのですが、店員たちが震え上がって何もできないでいる中、出雲がだだ一人で犯人に立ち向かい、一喝して防犯ベルを鳴らし見事に強盗犯を撃退したというのです。
そしてそんな出雲の勇敢さに町中の人間が注目を集め、彼は今まさに「時の人」という訳だったのです。
ところがその一方で、その強盗事件そのものが出雲の仕組んだ「やらせ」なのではないかという疑いが持たれているというのです…。
彼は今度の古糸市の市長選挙に出馬の意向を示しているらしく、その人気取りのためにこのような芝居をでっち上げた…一部の人間からはそう指摘されているというのでした。そして同じような疑いを持つ人間が、何と偶然にもその食堂車に乗り合わせていたのです。
その人物は石鎚晃重といって、他でもない古糸市の現役市長でした。選挙を戦う相手ということもありそう疑うのも無理はない所でしたが、石鎚がそう主張するのには宝石店の店員が耳にした「奇妙な言葉」という充分な根拠があったからだったのです。それは…
「話が違う」─宝石店を襲ったのは前科のあるプロの強盗犯でしたが、そんなプロの強盗が何も取らずに逃走したあげく、逃げる前に苦々しい口調でそう口走ったというのです…
そしてその話を聞いた途端、コナンは以前にも同じような事件に出くわしたことがあるような、そんな曖昧な記憶が突然頭の中で呼び覚まされたのです。
一体いつ、どこで…!? かなり昔、子供の頃に同じような事件を見聞きした記憶が、コナンの頭の中で段々と甦り始めたのですが…
一方北斗星の車内には、何やら理由ありな怪しい人物が数多く乗り合わせていました。ベレー帽にサングラス、そしてマスクをした浅間安治という男…そして名探偵毛利小五郎の名前を聞いて不敵な笑みを浮かべる帽子にサングラス、そして赤い口紅が印象的な明智文代という女…
彼らは一体…!? そして自室のドアを開き、廊下の様子をキョロキョロと窺う出雲啓太郎の妻出雲梓は、一体何をそんなに気にしているのか…!? そしてそれらはこれから起きる不気味な事件の前触れでもあったのです。
やがて北斗星は青函トンネルに入りますが、すでに深夜の4時を過ぎているにもかかわらず、コナンは未だに眠れずにいました。なぜなら食堂車で突如呼び起こされた事件の記憶が頭の中でちらついて、気になって仕方がなかったのです。
ところが青函トンネルを通過している最中、またもやコナンの頭の中にその事件の記憶が、断片的にではあるものの徐々に甦り始めたのです。
そして恐ろしいことに…何とコナンの記憶にあった話の通りに、北斗星のロビー車内で宝石店オーナーの出雲啓太郎が何者かによって拳銃で射殺されてしまったのです…!!!
更に時間の経過とともにコナンの記憶は段々と甦っていくのですが、その通りの出来事が次々と現実にも起こり始め、コナンを狼狽させたのでした…
出雲に銃弾を浴びせた犯人は、すぐさまロビー車から逃走を開始し、すっかり闇に包まれた通路を走り抜けて小五郎たちの部屋の前を通っていきます。それからしばらくすると後を追いかける車掌たちに向けて拳銃を発射し、追跡者たちがひるんだ隙に目の前の客室へと逃げ込んでいったのです。
犯人の逃走を目の当たりにした小五郎とコナンは、後を追いかけて犯人の逃げ込んだ客室の中に入ってみたのですが…
すると犯人はもう既に部屋の窓ガラスを拳銃で割り、そこから逃走してしまった後だったのです…
あまりの鮮やかな手口に茫然とする小五郎。ところがそれがきっかけとなって、コナンはその話を以前どこで見聞きしたかをはっきりと思い出すことができたのです……