(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 横山刑事 宗田光江(73) 宗田真(22) 城戸慶彦(22) |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 光メゾンの大家 光江の孫、城南大学工学部建築学科4年 真の友人、城南大学医学部4年 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 井上隆之 堀絢子 声の出演なし 千葉進歩 |
小五郎が蘭とコナンを引きつれ、分明堂のカステラをお土産に持参して向かった先は、小五郎が大学時代に半年間だけ下宿していたという〈ひかり荘〉。
今にもつぶれそうなオンボロアパートだったらしいのですが、やって来てみると付近にはそのようなアパートはなく…
以前アパートがあった場所には、〈光メゾン〉という新築のマンションが建てられていて以前の面影はまったくありませんでした。しかし〈ひかり荘〉の大家だった宗田光江は健在で、小五郎たちがマンションを訪れると三人にスイカを振る舞い、しばらくは小五郎が学生時代だった頃の話を懐かしそうにしていました。
光江は現在は子供たちが皆独立してしまい光メゾンの4階で一人暮らしでしたが、同じ階に真という孫が住んでいるらしく、寂しくはないとのことでした。しかしその真が最近何かで悩んでいるらしく、塞ぎこむことが多いのが気にかかっているというのです。理由を聞いても話してはもらえず…
そこで今はすっかり名探偵として名を馳せた小五郎に力になってもらおうと電話で連絡し、その日小五郎を招待したという訳だったのです。
ところが約束の8時を20分過ぎても真は現われなかったため、光江は小五郎たちを伴って4階の真の部屋に様子を窺いに向かいます。
しかしインターホンを押しても応答はなく、入り口のドアも鍵がかけられたままになっていました。そこで光江は合鍵を使って鍵を開け、中に入っていったのですが…
中に入るなり小五郎たちを待っていたのは、廊下の壁一面に落書きされた赤いクレヨンの跡…。まだ幼い子供が描いたかのようなその意味不明な落書きは、入り口のドアの内側にもびっしりと描かれていて、小五郎たちを驚かせます。
そして奥の部屋の入り口のドアの前には、壁一面の落書きに使われたと思われるクレヨンが落ちていて、コナンが更に部屋の中に入ってみると、部屋の内壁も同じようにしてクレヨンで落書きされていました。
落書きの他にコナンの目に真っ先に止まったのは、部屋の真ん中の床の上に置かれた〈水中の記念碑〉という名前の入った奇妙な模型。そしてその水中の記念碑に注がれた池の中で、コナンは真の部屋の入り口のドアの鍵を発見したのです。
しかし肝心の真はというと…方々を探し回ったあげく、小五郎たちは真が手にしたカッターナイフで手首を切り、その腕をバスルームの浴槽に突っ込んだ状態で既に亡くなっているのを発見したのです…。バスルームは真の血で真っ赤に染まっていて、見るも無残な光景がそこには残されていたのでした。
それから警察の捜査が始まりますが、調べを進めていくと、真のマンションの部屋は外に面した換気用の小窓を除いて全て内側から鍵がかけられていて、ドアの鍵は内溝式の特製品で容易に複製もできず、その鍵は真の部屋の真ん中にあった〈水中の記念碑〉という建築模型の池の中に沈んでいたのでした。
とすれば部屋の中は密室であり、真は自らの意志で左手首を切りつけ自殺したとしか思えなかったのですが…。
ところが祖母の光江は、真は蜂蜜とニンニク、それにバナナの入った夏バテ防止用のジュースを平らげ晩御飯にはカボチャが食べたいと元気に答えていたらしく、自殺するような様子はなかったと必死に訴えるのでした。そして小五郎たちの自殺説にはまったく耳を貸そうとせず……
これが自殺ではないとすると、犯人は一体どうやって真の部屋から外に出たというのでしょうか…!?