(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 妃英理 服部平次 遠山和葉 服部平蔵 古川大 鮫崎島治(62) 亀田照吉(45) 蟹江是久(46) 海老名稔(42) 鯨井定雄(50) 磯貝渚(27) 鮫崎美海 叶才三 乗務員A 乗務員B 乗務員C 乗務員D ソムリエ 若い女 野球実況 安栄卓也 |
本編の主人公、正体は工藤新一、10号室 本編のヒロイン、新一の幼なじみ、10号室 蘭の父親で私立探偵、10号室 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 蘭の母親、腕利きの弁護士 西の高校生探偵、新一のライヴァル、2号室 平次の幼なじみ 大阪府警本部長、服部平次の父親 小笠原イルカツアーの企画者 元警視庁捜査一課警視 シンフォニー号の乗客、6号室 シンフォニー号の乗客 シンフォニー号の乗客、7号室 シンフォニー号の乗客 シンフォニー号の乗客 鮫崎元警視の娘 影の計画師、20年前の強盗殺人事件の主犯 シンフォニー号の乗務員 シンフォニー号の乗務員 シンフォニー号の乗務員 シンフォニー号の乗務員 シンフォニー号の乗務員 ルービックキューブを持参した女 野球アナウンサー 緊急特番を報道していた司会者 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 声の出演なし 声の出演なし 堀川亮 声の出演なし 声の出演なし ??? 柴田秀勝 平尾仁 若本規夫 秋元羊介 麦人 深見梨加 岩居由希子 ??? 山野井仁 井上隆之 岩居由希子 小上裕通 菅原淳一 浅野るり 千葉一伸 声の出演なし |
「昭和の頃…ほとんどの日本人が持っていた大切な物…貴方はまだお持ちですか?」─そして現在姿を消しつつあるその貴重な品物を持参した人間先着10名を、二泊三日の小笠原イルカツアーに招待する…
その日小五郎、蘭、コナンの三人が堤無津港にやって来たのは、このような内容の新聞広告を見たからでした。レコード、侍魂、ヨーヨー、ラッパズボン、紅茶キノコ、DCブランド、ファミコン、エリマキトカゲ…
小五郎と蘭がいろいろな答を思いつく中でコナンが思いついたものというのは何と…そして今三人は小笠原に向かう豪華客船シンフォニー号に乗り込む所だったのです。
中に入ると船内はまるでホテルのような豪華な作りで、3日間の船旅をするには悪くない場所でした。そして蘭は今回のこの素敵なツアーを企画した古川大という人物に是非お礼を言おうと船内を探索し始めたのですが…
ところが船内で働く従業員の話では、何と彼ら全てが古川大の姿を見ていないというのです…連絡は全て電話で済ませ代金は全て銀行振込…きっと小笠原に一人先に到着して待っているのだと彼らは考えているらしいのです…。
それから小五郎たち三人は、今回のツアーに見事に参加することができた幸運な乗客たちと出会い、お互いに挨拶を交わします。
小五郎が刑事時代に世話になったという元警視庁捜査一課警視の鮫崎島治、小五郎たちの姿を見るなり印鑑を見せるという奇妙な仕草を見せた亀田照吉と、その亀田に親しげに話しかける蟹江是久。重そうなスーツケースを大事そうに抱えながら最後に乗船してきた眼鏡のサラリーマン風の海老名稔という男。それから蘭がタイタニックの真似をする中、デッキで知り合った口髭を蓄えた小太りの中年男の鯨井定雄と少し影のある美しい女性の磯貝渚…
コナンを除く以上8人と、まだ小五郎たちの前に姿を見せない2人、最初に船に乗り込み今は部屋で眠り込んでいるという老人と小五郎の他にもう一人いるという探偵の計10名が、この小笠原イルカツアーの招待客ということでした…
日も暮れかけ晩餐が始まると、例の老人と探偵、それに船酔いのため気分を悪くして先に席を立った亀田の三人を除いた乗客たちは、レストランの中で豪華な食事を楽しみながら有名な名探偵の小五郎の話で盛り上がっていました。そんな中小五郎は、給仕係の男性に未だに姿を見せない老人と探偵のことについて訊ねるのですが…
ところが給仕係がその老人の名前を口にするなり、レストランに集まっていた乗客たちは一様に顔色を変えたのです……
叶才三…その人物はまだ小五郎が刑事として活躍し、鮫崎警視とともに追っていた20年前の4億円強盗殺人事件の主犯格の男で、綿密な計画と修羅の如き手際の良さで警察を煙に巻き、「影の計画師」と呼ばれ恐れられていた男でした。
そしてそのヤマごとに仲間を変える一匹狼で、犯行時には決して誰も傷つけないことで有名だったらしいのですが、20年前のその事件で銀行員をついに一人殺してしまい、そのままぷっつりと姿を消してしまったというのです。
もっとも一部の警察関係者の話ではずいぶん前に銃痕と血のついた上着がどこかの浜に打ち上げられていたらしく、既にもう亡くなっていると考えられているということでした。
しかしその強盗殺人事件を解決することに執念を燃やしていたという鮫崎は、叶はまだどこかで絶対生きていると確信しているというのです。もっともたとえ生きていたとしても強盗殺人罪の時効である15年は既に経過はしており、手を出すことは叶わないのですが…
そして何という偶然か…更に翌10月9日の0時をもって、その時に奪われた4億円の民事の時効である20年も経過してしまうのです…。何としても奴らが金を好きなように使うことだけは阻止したい…鮫崎はわずかな望みをかけ、残りの時間を彼らの尻尾を掴むために注ぎたいと考えているらしいのです。引退したはずの刑事がなぜそこまでこの事件にこだわるのか…コナンは不思議で仕方がなかったのですが…。
他方給仕係の話を聞いた鮫崎と小五郎は、すぐに叶を名乗る老人が寝ているという1号室へと急行します。ところが従業員に合鍵で部屋を開けさせてみると、すでにそこはもぬけの殻…。
そこで怪しい場所を片っ端から探そうということになり、小五郎はその時間になっても全く姿を現わさないもう一人の人物のいるはずの隣の2号室のドアを勢いよく叩いたのですが……
それから乗客たちはレストランの中でポーカーをしたりしながら時間を潰していましたが、そんな中、時刻はついに0時を迎え、最後の1分1秒まで諦めないと宣言していた鮫崎も小五郎に付き合わせてヤケ酒を飲もうとボトルと手に取り、小五郎のグラスに脈々と注ぎ始めたのです。ところが……
そこへ突然、上のデッキの方から銃声のような乾いた音が鳴り響き、鮫崎と小五郎、それにコナンたちは急いで音のした方へと向かいます。すると…
デッキに上がった一行は、上空に掲げられていた旗が燃えているのを発見。そしてそのそばの甲板にはナイフで止められた旧1万円札が残されていて、その札には「海神ポセイドンに生を受けて我が屍甦りたり」という文言が書かれていたのです…!!
そして更に今度は、船尾の方で爆発音とともに何かが燃えているのが見えて…
船尾に向かってみると、そこで燃えていたのは非常用のハシゴを収める大きな箱でした。ところが更に箱の中をよく見てみると、何と中で人が燃えているのが見てとれたのです…!!!
火が鎮まると箱の中に入れられていた人物はもうすでに黒焦げとなっており、その死亡推定時刻も、身元も調べることは困難を極めることが予想されました。
ところが乗船していた乗客や従業員を全てチェックしてみると、事件発生時、全ての従業員のアリバイは完璧なことが判明します。
その一方で、事件前後からコナンを除いた10人の乗客のうち蟹江と亀田の二人、それに未だに姿を現わさない叶才三の三人が行方不明であることが判明して……