(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 横溝刑事 明石勇作(60) 砂岡和義(30) 谷川乃絵(27) 長塚克明(40) 田原利明(35) 検視官 刑事A 刑事B 美少女 ジャック・ザ・リッパー5世 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 静岡県警警部 山荘の主人 俳優、アーバン・ハンター役 砂岡のマネージャー、所属事務所社長 「アーバン・ハンター」プロデューサー 「アーバン・ハンター」シナリオライター 検視官 横溝警部の部下 横溝警部の部下 謎の美少女 謎の男 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 大塚明夫 藤城裕士 辻谷耕史 佐々木優子 嶋崎伸夫 谷口節 小西克幸 長嶝高士 千葉一伸 高森奈緒 ??? |
「人里離れた超穴場の隠れ宿」という触れ込みに誘われて、いつものように小五郎が運転するレンタカーではるばる静岡県のとある別荘を目指していた小五郎、蘭、コナンの三人。今回も途中で舌を噛んでしまいそうになる程のガタガタの荒れ道を通ったかと思うと、今度はアーチェリー場から飛んできた流れ矢で危うく大ケガをしそうになるなど、相変わらずの散々な車中の旅となってしまいます……
流れ矢を避けようと急停止した小五郎は、怒り心頭、慌ててアーチェリー場から駆け降りて来た相手を怒鳴りつけてやろうと車から飛び降りますが、現場に現われたのが女性で、しかも自分が眠りの小五郎であることを知っていて途端に上機嫌に。それを見て毎度のことながら呆れる蘭とコナン…。
そしてその女性は「名探偵が二人、ついに顔を合わせる訳ね…」と意味深な言葉を口にするのですが……
小五郎たちが別荘に着くと、遠くからは猟銃の音が激しくこだましてきます。小五郎たちの呼び鳴らしたベルの音で現われた山荘の主人・明石勇作の話では、その別荘の左右の森は猟場になっているらしく、知らずに入ると大変危険だというのです。そしてどうやら小五郎はその狩猟区域の中を「堂々と」車で通ってきてしまっていたのでした。
しばらくすると外は生憎の雨模様となり、別荘の中も真っ暗に…。そんな中薄暗い廊下を一人歩く女性の姿─。そしてその目の前には突然鋭く光るナイフを手にした仮面の男が…ジャック・ザ・リッパー五世と名乗った男はその女性に襲い掛かろうとナイフを振りかざして……
雨模様の中TVに興じていた小五郎と蘭でしたが、しばらくすると外も晴れ上がり、山荘のテラスに設けられたガーデン・レストランで楽しい時を過ごすことになります。レストランは丁度崖の上に設置されていて、すぐ下は谷川になっており、見晴らしも最高。その景色を眺めながら飲むビールもまた格別でした。
そのガーデン・レストランに集まったのは、昼間小五郎た出会った若い女性と関西訛りの小太りの中年男、それに髪を長く伸ばした無愛想で陰気な男、更には晩餐の前に小五郎たちと挨拶を交わした切れ長の目に二枚目の顔立ちをした男性、それに小五郎と蘭、コナンの計七名。
コナンたち以外の四人は、どうやら人気TVドラマ「アーバン・ハンター」の関係者らしく、この山奥の別荘に番組作りのための打ち合せと関係者の親睦を深める目的で集まったらしいのです。
小太りの男がプロデューサーの長塚克明、無愛想な長髪の男がシナリオライターの田原利明、そして若い男性は「アーバン・ハンター」で主演を務める俳優の砂岡和義。
そして昼間小五郎たちが出会った砂岡のマネージャー谷川乃絵の、「名探偵が二人」というのは、言わずもがな小五郎とこの砂岡和義のことを意味していたのでした。
はじめは和やかな雰囲気でドラマの撮影のことや昼間の狩猟やアーチェリーのことなどを話していた一堂でしたが、酔いが回りはじめると砂岡を軸にして徐々にスタッフ内の不協和音が明らかになっていきます。
砂岡と田原はシナリオのことでお互い不満を持ち、長塚は制作費の一部を横領しているのではと砂岡に嫌疑をかけられ、谷川は砂岡の他の大手プロダクションへの移籍話でひどく悩んでいる様子…TVの世界の華やかな表面とは異なり、裏ではいろいろと揉め事が絶えないようでした。
その後悪酔いした砂岡はマネージャーの谷川に抱えられてひと足先に席を立ち、301号室の自室で休むことになったのですが……
しばらくすると面白いトリックを思いついたという田原と、東京からの電話で呼び出された長塚が席を外し、レストラン内は小五郎と蘭、コナンの三人だけになってしまいます。急に静かになってしまったテラスで小五郎が不満そうな様子でいたその時…
突然ガーデン・レストランの谷の向こうから鈍い銃声の音がこだまし、その音を聞いて皆レストランの方へと集まってきます。こんな時間に狩猟をしているのだろうか…!?
一堂が不審に思っていると、階上のベランダには風呂上りの恰好でマネージャーの谷川が様子を見に出てきます。階下にいる小五郎たちの話を聞いて気になった彼女が隣りの砂岡の部屋を覗いてみると、何とその部屋の窓ガラスには拳銃で撃ち抜かれたような穴が…
彼女の話を聞き、慌てて小五郎たちがその部屋に駆けつけてみると…床の上には頭を撃ち抜かれて変わり果てた俳優・砂岡和義の姿が……
今回のターゲットはアーバン・ハンター役の砂岡和義。
1947年から1960年にかけて11作品が製作された映画ミステリー・シリーズ。比佐芳武原作、片岡千恵蔵主演。
アルセーヌ・ルパンを彷彿とさせる七変化を特技とし、クライマックスのセリフ「ある時は…、またある時は…、しかしてその実体は…」は多くの作品などでマネをされた有名なセリフで、皆さんも聞いたことがあるかと思います。
今回の作中で登場したアーバンハンターこと「さばおばんない(作中漢字表記なし)」はこの映画シリーズの名前をもじったものかと思います。詳しくはフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページをどうぞ。