(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 高木刑事 裕木春菜(21) 緒方秋悟 緒方春奈 緒方常雄(53) 緒方和子(50) 緒方稔(28) 緒方志郎(22) 警察官A 警察官B 運転手 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 巡査部長、目暮の部下 美術大学生、依頼人 春菜のボケベル友達 秋悟の妻、3年前他界 緒方家 主人 緒方家 夫人 緒方家 長男 緒方家 次男 付近担当の警察官 付近担当の警察官 緒方宅付近を通りかかった車の運転手 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 声の出演なし 藤枝成子 声の出演なし 声の出演なし 小室正幸 鈴木弘子 小西克幸 浪川大輔 千葉一伸 横尾博之 井上隆之 |
結局またコナンの姿に戻ってしまったコナンは、毛利探偵事務所から帝丹小学校に通うといういつもの日課を繰り返し、一から出直しを図ることになります。
学校からの帰り道、まだ風邪気味のコナンは阿笠博士のビートルで皆で杯戸町の屋内プールへと向かうという予定をキャンセルし、一人毛利探偵事務所へと帰宅します。すると事務所の中では、所どころ音の飛んだ「春よ来い」のメロディーが流れるオルゴールを前にして、腕組みをしながら考え込んでいる小五郎と蘭、そして依頼人の若い女性の姿がありました。
今回探偵事務所に依頼を持ちかけたのは、裕木春菜という美術大学生で、自分のベル友を探して欲しいというものでした。
そのベル友というのは名前を「秋悟」といい、三年前彼女が美大に通うために東京に来たばかりの頃、まだ友達ができない中で寂しさを紛らわすために「私の名前はハルナ。お友達になってくれますか?」という内容で適当に番号を押して送信した所、「私の初恋の人の名もハルナです。これからもヨロシクお願いします」という返事が帰って来たというのでした。そしてそれ以来二人はずっとベル友の間柄だというのです。
ところが昨年のクリスマス、バイトで金を稼ぎながら学校に通うのが辛くなり、学校を辞め田舎に帰ろうと考えた彼女は、田舎に戻る前に一度会ってみようと「秋悟」と会う約束を交わし、渋谷のハチ公前で待ち合わせをしたというのです。
しかし結局いくら待っても誰も現われなかったのですが、代わりにそばに紙袋が残されていて、その中に「秋悟」のポケベルと今回事務所に持ちこまれたオルゴールが入っていたというのです。
そしてポケベルにはメッセージが入っていて、「これはとても高価なオルゴールなので、学費の足しにして、春菜さんの夢をあきらめないでください」という文章が残されていたというのでした。
気持ちは嬉しかったものの高価なものと聞いては受け取る訳にもいかず、何とか「秋悟」にオルゴールを返却しようと骨董品店などもまわったらしいのですが、結局上手くいかず、そうしているうちに今度は彼女自身のポケベルに「あんたに聞きたいことがある」とか「泥棒猫」といったような悪意を感じられるメッセージが何回も送られてくるようになったというのです。そのため今回小五郎に相談を持ちかけたというのですが…
その話を聞いたコナンは直接本人に会いに行けばいいと小五郎を説得。職権濫用ではという引け目を感じながらも、小五郎は高木刑事に事情を話してポケベル会社に問い合わせをし秋悟のポケベル番号から住所を突き止めてもらい、春菜とともに「秋悟」の住んでいる家を訪問することになったのです。
ところがその家─緒方家を訪問してみると、意外な事実が判明します。しかも緒方家では「秋悟」の残した四枚組で時価2億円は下らないという手彫り切手の行方を探しているらしく、緒方家の人間は春菜が受け取ったオルゴールにその秘密が隠されていると考えている様子でした。そのため春菜は歓迎されるというよりは質問攻めの状態でその夜を過ごすことになったのです…。
日も暮れそんな春菜と女性二人で休むことになった蘭は、嫌なことは早く忘れた方がいいと春菜を気遣いながら、電灯の紐に手をかけ部屋の明かりを消します。
その直後でした、突然蘭の背後から妙な音がしたかと思うと薄明るい廊下を左の方へ向かって杖をついた老人が凄いスピードで走り去っていったのです…!!
蘭の悲鳴を聞いて小五郎とコナンも駆けつけますが、蘭たちの左側にあるのは小五郎とコナンの休んでいる部屋だけ…。
小五郎たちが不審に思っていると、そこへ緒方家の人間も騒ぎを聞きつけて駆けつけますが、彼らの話によると以前にも緒方家では枕元を誰かが通るような気がするという話をしていた客人がいたというのです…。
ところが皆が心配して駆けつけた中緒方家の長男の稔の姿だけが見当たりませんでした。そして一同が稔のことを心配する中で、今度は突然弦のようなものが切れた音がしたかと思うと、何かがぶつかる鈍い大きな音がしたのです。驚いた小五郎たちが音のした部屋の方へと向かってみると…
音のしたのは三年前に他界した家の主人・常雄の母の愛用していたという琴の置かれた部屋でした。そしてその部屋の中では、行方が分からなくなっていた稔が、頭から血を流し、琴の下敷きとなってうつ伏せに倒れていたのです…!!!
そして次の瞬間春菜のポケベルが鳴ったのですが、そこには何とも不気味なメッセージが残されていて……