名探偵コナン207「見事すぎた名推理」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File207 見事すぎた名推理
英題
The Deduction That Was Too Good
放映日
2000/9/11
原題
TVオリジナル
ジャンル
本格
事件現場
米花駅周辺の居酒屋〈よってけば〉~とあるマンションに住む入江貴行の部屋
管轄
警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
毛利蘭
毛利小五郎
目暮警部
高木刑事
榎本梓
入江貴行(25)
中本博司(26)
出村
老人
店員
本編の主人公、正体は工藤新一
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
警視庁捜査一課警部
巡査部長、目暮の部下
毛利探偵事務所下の喫茶店《ポアロ》の店員
アパートの住人で事件の被害者
入江の友人で米花大学時代の同級生
米花大学教授、物理学研究室で教鞭
近所を散歩していた老人
事件現場周辺のコンビニの店員
高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
茶風林
高木渉
榎本充希子
千葉一伸
家中宏
声の出演なし
家中宏

井上隆之
(注)ネタバレになるため一部伏字になっています
あらすじ
「オイオイ、どうしちまったんだ、おっちゃん。完璧じゃねーか…」

 ある晩の夜、わざわざ駅の反対側にある居酒屋〈よってけば〉まで飲みに行った小五郎を迎えにいった蘭とコナンの2人でしたが、小五郎はというとすっかり酔いつぶれて蘭の背中に背負って連れて行かれる始末…。

 しかしその理由も分からなくはないのでした。なぜなら小五郎のポケットに入っていた赤い色のチラシには、「夜8時から10時までは2000円で飲み放題食べ放題」と書かれていたからです。「払った金の3倍食ったし5倍は飲んだぞ」と自慢げな小五郎に呆れながらも家路を急ぐ蘭とコナンでしたが、その時前方のマンションから突然ガラスの割れる音ともに二人の男性の言い争う声が聞えてきたのです…!?

 「帰れだと? 何が帰れだこの野郎!!」─言い争いを耳にした以上放って置く訳にも行かず、止めに行こうとする小五郎と蘭でした。ところがその時犬を連れて散歩をしていた老人が通りかかり、例の部屋では喧嘩は日常茶飯事なものの、いつもすぐに笑って仲直りするから大丈夫だと諭されたのです。
 それを聞いて安心した小五郎たちは、そのまま帰宅の途に着いたのですが…。

 ところがやはり気になってみて翌朝のぞきに行ってみると、何とその部屋では殺人事件が発生していたのでした…!

 被害者は言い争いをしていたアパートの住人である入江貴行という男性。そして容疑は自然、彼と同時刻言い争いをしていた際に被害者が口に出した「中本」という男性にかかります。
 ところが…その中本が毛利探偵事務所に押しかけてきて小五郎に助けを求めにやって来たのです…!? そして彼は到着するやいなや、自分は昨晩入江の部屋には行っていないのだと、事件のあらましを必死の形相で詳細に語り出したのですが…

 中本の話によれば彼と被害者の入江の二人は米花大学の物理学研究室で一緒だったらしいのですが、最近になってその時の恩師である出村教授が自分たちの研究成果を密かに企業に売りさばいていることを知り、そのことを恨んだ二人は密かに共謀。出村教授を殺害することを計画したというのです。
 そして教授の家族が留守の日を見計らい、テープの争い声で入江が自分の部屋で一人芝居をして中本のアリバイを作っている間に中本が教授の自宅まで赴き、強盗に見せかけて教授を殺害するという予定を立てたというのでした。

 ところが中本が教授の自宅に向かってみると教授は家におらず…仕方なく入江の部屋戻ってみると、逆に入江が変わり果てた姿になっていたのを発見したというのです。

 中本の話を聞いているうちに小五郎は、出村教授が入江と中本の二人の計画を知り、それを逆に利用してまんまと入江を殺害したのではないかと推理。そしてそれを裏付けるように次々と証拠が発見されていったのです。
 小五郎のあまりの見事な推理に、コナンは驚きを隠せないでいたのですが……

今回の見どころ
金田一少年の事件簿最終回

 コナンとは直接関係ありませんが、コナンの前19時から19時半の枠で放映されていたミステリー漫画「金田一少年の事件簿」がこの日3年間の放送を終えました。

 そして次に放映されることになったのは同じサンデー連載の高橋留美子原作「犬夜叉」です。

払った金の3倍食ったし5倍は飲んだぞ

 小五郎が冒頭で述べた台詞ですが、当サイトのこの名探偵コナン関連ゲームのタイトルの由来です(笑)

NEXTコナンズヒント
無人のロープウェイ
コント
コナン「次回は超大作1時間スペシャル!」
元太「いつやるかは教えない」
コナン「10月9日月曜夜7時!」
OP
恋はスリル、ショック、サスペンス」(愛内里菜)
ED
夏の幻」(GARNET CROW)
監督
山本泰一郎/総監督 こだま兼嗣
脚本
扇澤延男
絵コンテ
市丸知佳
演出
栗本宏志
作画監督
平岡正幸
ビデオ
PART8-1
DVD
PART8-1
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★★

  一風変わったユニーク・ミステリーで、非常に面白い話でした。最初は何が何だか分からないまま話が進んでいきますが、最後の結末を聞いて思わず苦笑してしまう、そんな愉快な話ですね。伏線も巧妙に張られていて、30分完結の作品の中では特に傑出した出来栄えの作品だったと思います。

 いわゆるミスディレクションを誘う偽の手がかりに、危うく皆がダマされるところをコナンが何とか真相を見抜いてくれます。ミスティレクションというのは偽の手がかりをばら撒いて、読者を誤った方向に導く手法のことをいいますが、トリック重視のミステリーよりもこういった手法を上手く使うことが出来る作家というのは長続きするものです。意外と応用もききますからね。

 この手法を得意としたのがミステリーの女王アガサ・クリスティーですが、彼女の作品が好きな私としては、こういった形のミステリーに惹かれてしまいます。ミステリーを書くならお手本にしたいような今回のお話でした。

 またこの話には、今現在TVオリジナルでのみ登場しているキャラクターのポアロの梓(あずさ)さんが初登場して、かなり重要な役どころを務めます。またたまには出てきて欲しいキャラクターです。

 追記 ポアロの梓さんはその後43巻収録の350-351「忘れられた携帯電話」で原作でも初登場を果たしました。とても嬉しかったですね。

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