(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 妃英理 横溝刑事 榎本梓 池波静華(42) 柴田四朗 柴田恭子(38) 吉川竹造(47) カミナリボーイ 刑事 鑑識A 鑑識B 監察医 ジン ウォッカ 服部平次 遠山和葉 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 蘭の母親、腕利きの弁護士 静岡県警警部 毛利探偵事務所下の喫茶店《ポアロ》の店員 事件の依頼人 池波静華の尋ね人、中学生時代の同級生 柴田四朗夫人 柴田四朗の友人、麻雀仲間 GI優勝馬 静岡県警刑事、横溝の部下 鑑識員 鑑識員 監察医 黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物 黒の組織の男、ジンの手下 西の高校生探偵、新一のライヴァル 平次の幼なじみ |
高山みなみ 声の出演なし 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 大塚明夫 榎本充希子 勝生真沙子 声の出演なし 松岡洋子 大山高男 声の出演なし 千葉一伸 長嶝高士 菅原淳一 石川和之 声の出演なし 声の出演なし 堀川りょう 声の出演なし |
ある日の日曜日のこと─毛利探偵事務所には、第4コーナーを回り、競馬において一番の見せ場という所で突如かかってきた人捜しの依頼を鬱陶しそうに断ろうとする小五郎の姿がありました。
シワだらけのシャツといつもの薄汚れたスーツ姿に無精ひげを生やし、右の耳に鉛筆をかけていかにも競馬好きなオヤジといっただらしのない格好で、どうせとんでもない顔をしたおばさんが現われるに違いない…と、その表情からはやる気の「や」の字すらも感じられなかったはずなのですが……。
数分後…毛利探偵事務所の下の喫茶《ポアロ》では、シワ一つなくパリッとのり付けされたシャツにスーツ姿、そして自慢の口ひげ以外は丁寧に剃刀のあてられたきれいな顔で熱心に依頼人の話に耳を傾ける小五郎の姿がありました。
他方小五郎の向かいの席には、髪を後ろで束ね、凛とした表情に和服の似合ういかにも日本的といった感じのする美人が、依頼内容について小五郎と蘭、コナンの三人に熱心に話し始めていたのです。
その女性の名前は池波静華といい、依頼内容は彼女の中学時代の同級生を探して欲しいというものでした。彼女は当時剣道部に所属していたらしいのですが、彼女が探しているという柴田四朗という男性は当時の同僚。しかし卒業前に引っ越してしまっため、卒業名簿にも名前がないというのです。
それから彼女は小五郎たちに当時の写真─30年前に撮影されたという剣道大会の際に撮られたという剣道部のメンバーたちによるスナップ写真を差し出したのですが、彼女が探しているのはそれとは別の、中学三年の夏の大会の際に撮られたという、彼女が準優勝の盾を手に写っているという写真だというのでした。
彼女はその写真を柴田四朗から借りたという本を読んでいる時に何気なく栞代わりに本に挟んだままで彼に返してしまい、その後彼の方が引越しをしてしまったため連絡が取れなくなり、それっきりになってしまっているというのです。
そして最近になって彼女の祖母が準優勝の盾を誤って捨ててしまったために、せめてその写真だけでも手元に置いておきたい…彼女は真剣な面持ちで小五郎にそう訴えたのです。
会話を重ねていくうちに徐々に打ち解けていった小五郎でしたが、しばらくすると何を思ったのか突然彼女の趣味について質問し始めます。
すると彼女が答えるのには、自分は編み物が好きでよくセーターを編む一方、料理は苦手らしく、昨晩も久しぶりに包丁を取り、三か所も指を傷つけてしまったというのです。そして気管支が弱くホコリアレルギー…欠点ばかり目立つため未だに独り身を続けているというのですが……
その話を聞いていた蘭は、編み物が得意で、料理はまるで駄目、そして美人にも関わらず小五郎から放っておかれている母親の妃英理に彼女を重ね合わせて、小五郎を散々皮肉ります。
しかし美人の前では普段以上の力が出る小五郎は、そんな蘭の露骨な妨害工作にもめげる事はなく…
柴田四朗に関する手がかりは、30年前に撮影されたという一枚の写真と、彼が彼女のことを彼女が借りた小説に出てくる登場人物になぞらえて「レイコ」と呼んでいたことくらい…
そんな薄弱な手がかりしかない中で、事態を打開したのはやはりコナン(新一)でした。そしてコナンのアドバイスによって見事に柴田四朗の住所を特定した小五郎たちは、彼女を伴って柴田四朗の住む静岡のマンションに向かうことになったのですが…
しかし柴田四朗の住所を見事に探り当てた一方で、コナンはどことなく不可解な表情を浮かべたまま、その日毛利探偵事務所にやって来たこの依頼人の女性を見ていたのです。
どうやらコナンは彼女が言っていることがほとんど嘘で塗り固められており、まるで信用できない様子らしいのです。
偽りだらけの依頼人…彼女が嘘をつく理由とは一体…!?
そして柴田四朗の住むマンションに到着した小五郎たちが、彼の部屋の中で目の当たりにしたものとは!? 更には彼女が探している写真の行方は…?
207「見事すぎた名推理」で初登場を果たした梓さんですが、今回2度目の登場を果しています。原作でも名前こそありませんが、それらしき人物はきちんと登場しています。