(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 千葉刑事 上田丈二(29) 吉村光夫(25) 原良治(56) 梅本 ウェイトレス |
本編の主人公、正体は工藤新一 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 首都医大医師、吉村の同僚 首都医大医師、マンション501号の住人 マンション管理人 花屋 喫茶店のウェイトレス |
高山みなみ 神谷明 茶風林 高木渉 千葉一伸 森川智之 小野塚貴志 村松康雄 三木眞一郎 赤木美絵 |
ある日の夜のこと、小五郎は映画を見に行くからと蘭からコナンを押し付けられ、二人で事件の依頼人に会うためファミリーレストランにやって来ていました。
コナンは事件を解決する時はいつも自分がいるから、蘭は縁起を担いで小五郎に預けたのだともっともらしい事を言うのですが…しかしその日も小五郎は事件を解決した後、そのことを嫌というほど思い知らされることになるのです。
今回小五郎に相談を持ちかけたのは上田丈二という首都医大に勤務する青年医師で、何でも彼の同僚の吉村という男性が何者かに脅迫めいた嫌がらせを受けているため、誰が何の目的でそのようなことをしているのかを詳しく調べて欲しいという趣旨のものでした。
最初は「探し出して殺す」という内容の脅迫状が送り付けられ、次いで脅迫電話も昼夜見境なしにかかってくるようになり、更に外出すれば尾行されたり…とどんどんとエスカレートしてゆき、吉村医師はすっかり落ち込んでしまいノイローゼ気味になってしまったというのです…。
精神的なストレスで医者として致命的なミスを犯してしまわないうちに何とかしてやりたい…上田は心配そうな様子で小五郎に事態の深刻さを訴えるのでした。
事態を重く受け止めた小五郎は、とにかく吉村医師と会って直接話を聞いてみたいと上田に求め、上田が携帯電話で吉村の在宅を確認すると、コナンも引き連れて三人で、近くのマンションに住むという吉村医師の部屋に向かうことになります。
ところが…三人がマンションの前まで辿り着き、いざ中に入ろうとしたまさにその時でした。突然マンションの近くで若い男性の悲鳴のような声が聞えたかと思うと、何かが地面に落下して物が激しく壊れる音が三人のいるマンション表玄関にまで響き渡ったのです。
その激しい音を耳にしたコナンがすぐに物音のしたマンション横の路地裏に駆けつけてみると、路地裏のゴミ置場には散乱したゴミに混じって一人の男性が身動き一つせずうつ伏せになって倒れていました。
そしてコナンたちと一緒にいた上田によって、それが例の脅迫の被害者であった吉村光夫医師であることが確認されたのです…。
すぐに警察が駆けつけ捜査が開始されます。その結果、まず吉村医師は地上十数メートルの地点から転落し全身を強く打って亡くなったことが判明します。
次にマンションの管理人の原良治によると、そのマンションでは深夜、防犯対策のため備え付けのエレベーターは各階に停止するように設定されているらしいのですが、それを不便・面倒に感じていた吉村医師は、普段からマンションの左に隣接する倉庫の非常階段を使って5階まで登り、そこから自分の部屋のベランダに飛び移るというやり方で部屋に戻ることもしばしばだったといいます。
危ないからと、管理人からも何度となく注意されていたらしいのですが…吉村医師が管理人の忠告を聞かずに、何らかの理由で自分の部屋のベランダから倉庫の非常階段に飛び移ろうとして失敗し、転落してしまったことは誰の目からみても明らかなように思えました。
そして更にそれらの事実を裏付けるかのように、吉村医師の部屋の中は電気はついたままで、リビングのソファにはウイスキーにグラス、水差しに氷入れといった水割りのセットが置かれている以外には特に目立つものは何もなく、また争った形跡も見られずにきちんと整頓されていました。
加えて部屋の玄関のドアは内側からきちんと施錠されていた上に、その鍵は吉村医師のズボンのポケットから発見されており、外部からの侵入は不可能…。
となればどう考えてもただの転落事故で、事件性はないと考えるのが妥当なように思えたのです。
誰もがそう考え始める中、肝心のコナンはというと何かが気になったらしく……