(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 千葉刑事 トメさん 妃英理 栗山緑 九条玲子(33) 宇佐美真治(40) 亀田昌子(38) 宇佐美柾樹(5) 平澤剛(28) 部下 裁判長 老母 岡田 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 鑑識員 蘭の母親、腕利きの弁護士 妃弁護士の秘書 東京地方検察庁のエリート検事 容疑者 居酒屋〈美枡〉の女将、宇佐美の元妻 宇佐美の息子、三年前に転落死 会社員、事件の被害者 検察官、九条の部下 裁判官 岡田の母親 弁護士 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 高島雅羅 百々麻子 松本梨香 中田譲治 さとうあい 声の出演なし 相沢正輝 千葉一伸 中博史 岡本嘉子 蓮池龍三 |
〈法曹界のクイーン〉と讃えられる百戦錬磨の超一流弁護士である妃英理は、未だに負け知らずで公判での連勝記録を更新し続けていました。しかしその連勝記録にストップをかけようと意気込む人物がいたのです。
九条玲子─東京地方検察庁のエースであり〈検察のマドンナ〉と言われる超一流の検事。彼女の担当する事件の被告人弁護を今回妃が引き受けることとなり、法曹界のクイーンと検察のマドンナはここに初めて相対峙することとなったのです。
妃弁護士の秘書の栗山緑の話によると、今回妃が担当することとなった事件というのは次のようなものでした。
ひと月ほど前、杯戸町の建設現場で平澤剛という男性が鉄パイプで頭を殴打されて亡くなっているのが発見されたのですが、現場に落ちていた鍵が決め手となり一人の男が容疑者として逮捕されたというのです。それが今回妃が弁護する宇佐美真治という男でした。
そして検察は宇佐美が平澤を殺害した動機を、三年前平澤が酔っ払った末に駅の階段から突き落として死亡させた宇佐美の息子・柾樹の仇討ちと考えているらしいのです。
平澤には事件当時ひどく酒に酔っていたことを理由に過失致死罪、しかも執行猶予のついた判決が言い渡されてしまったのですが、人一人殺しておいて刑務所にも入らないという矛盾に怒りを感じた宇佐美が平澤を…それが殺害動機だというのでした。
そんな宇佐美を弁護することとなった妃は、無罪を勝ち取るためにはまず事件当夜の宇佐美のアリバイを確認するのが不可欠だと考えて調査を開始します。
建設現場で遺体となって発見された平澤の死亡推定時刻が午後9時半から10時の間。その間に宇佐美がどこで何をしていたのかが分かれば、彼の無罪は必然的に疑いようのないものとなるはずでした。
しかし宇佐美は事件当夜のことについては、午後8時半頃居酒屋〈やまぜん〉で被害者の平澤剛と偶然出会い三年前の件で口論となったことは覚えているものの、それから先のことは酔っ払っていて覚えていないと繰り返すばかりだったのです…
そこで妃は、今度は宇佐美の知り合いに彼について何か有利な事実を知っている者がいないかを調べ始め、まず彼の別れた妻に連絡を取ろうとその行方を捜し始めたのです。
「もう忘れました」─「息子が死んだのはお前のせい、なぜお前が死ななかったのか?」お酒に酔うと宇佐美は口癖のようにそう言い、そんな宇佐美に耐え切れなくなって離婚したのだと、宇佐美の元妻で今は居酒屋〈美枡〉を一人で切り盛りする亀田昌子は妃の質問に対し淡々と答えるのでした。
以前の夫を救うために協力して欲しいという妃の申し出にも、自分はもう関係ないと素っ気無い態度を繰り返すばかりだったのです…。
ところがそんな居酒屋〈美枡〉に、何と小五郎が突然姿を見せたのです。妃や彼女について来た蘭の姿を見つけるやいなや早々に退散していきますが、それをきっかけとして亀田昌子は小五郎が事件のあった夜にも美枡を訪れていたこと、そして同じ日に何と宇佐美も美枡へ来ていたことを話し始めたのです。
もっともその時間までは覚えていないらしく…しかし小五郎なら知っているかもしれないという亀田昌子の言葉を聞き、妃たちは急いで毛利探偵事務所へと引き返すことになったのです。
肝心の小五郎が遅くまでどこかで飲んできた上に「酔っ払い光線発射」と一人能天気な態度でいたのには苦労させられましたが、妃たちは苦労の末何とか小五郎が美枡の中で宇佐美を見たこと、そしてその宇佐美が9時25分頃から30分間ぐらいの間ずっと美枡で何か考え事でもしているのか押し黙ったままで座っていたという小五郎の証言を得ることに成功したのです。
小五郎の言っていることがもし事実なら、死亡推定時刻が9時半から10時である以上宇佐美のアリバイは成立することになります。
妃たちはついに無罪を勝ち取るための突破口を見い出したと、喜びもひと塩だったのですが…
公判第一回当日、蘭やコナン、それにたくさんの人々が傍聴席から見守る中、検察官九条玲子の起訴状の朗読が開始され裁判がいよいよ始まります。
ところが起訴状の朗読が終わり証人尋問が開始される直前、検察側は妃弁護士も予想し得なかった意外な手を打ってきたのです。九条検事が繰り出した渾身の一撃とは一体…!?
暗くて分かりにくいのですが、冒頭の栗山秘書の事件についての回送シーンで目暮や高木などの警察陣も姿を見せていることが確認できます。更にその中にトメさんもどうやら姿を見せている様子。これはかなりの盲点で長い間気付きませんでした(苦笑)
細かい所でいろいろと気を使って作られていることがよく分かる一コマです。