(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 工藤優作 工藤有希子 横溝重悟 ラディッシュ・レッドウッド リラ・サンチェス(32) アカネ・ニールセン(27) ローズ・ヒューイット(28) イベリス・ハミルトン(30) ヒース・フロックハート(33) 警官 刑事 タクシー運転手 クリス・ヴィンヤード シャロン・ヴィンヤード 赤井秀一 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の父で世界的な推理小説家 新一の母で元人気女優藤峰有希子 神奈川県警警部、静岡県警横溝弟 NY市警警部 舞台女優、結婚の女神ヘラ 舞台女優、戦いと知恵の女神アテナ 舞台女優、美の女神アフロディーテ 舞台女優、争いの女神エリス 舞台俳優、トロイアの王子パリス NY市警の警察官 NY市警刑事、ラディッシュの部下 NYPDタクシーの運転手 アメリカの人気女優、ベルモット 大女優、クリス・ヴィンヤードの母親 正体不明の謎の男 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 島本須美 大塚明夫 石田太郎 安藤麻吹 林摩理子 山本雅子 野沢由香里 千葉一伸 岩松廉 長嶝高士 岩松廉 声の出演なし 小山茉美 池田秀一 |
Statue of Liberty─新一の両親に会うために、新一と二人ではるばるアメリカまでやって来た蘭が長い眠りから目覚めると、目の前には自由の国アメリカを象徴する〈自由の女神〉像が聳え立ち、その背後には無数の高層ビルの明かりが輝きを放つニューヨークの百万ドルの夜景が広がっていました。
もっとも眠り込んでいたせいで、それが見られたのはほんの一瞬のことでしたが…
その日行きがけのジャンボジェット機内で発生した殺人事件を無事解決した新一と蘭は、ロサンゼルスの工藤夫妻の家に到着したのですが、ところが到着するなり有希子の運転するジャガーで今度はNYへと向かうことになったのです。
本来の予定ではロスの家で一泊した後次の日にNYへ向かうはずだったのですが、有希子無理だと思って諦めていたミュージカルのチケットが手に入ったため、彼女の一方的な都合で急遽舞台の行なわれるブロードウェイのファントム劇場へと直行することになったという訳でした。
しかも開演1時間前に劇場を訪れて舞台裏の見学までする予定でいるというのです。何でもそのチケットを取ってくれた人物というのが舞台関係者と親しいらしく…
同じ頃発生していた日系の男による若い女性ばかりを狙う連続通り魔事件の影響もあってか、市内では厳重な警戒を敷く警察のパトカーが数多く見回りを続けていました。そんな中有希子はパトカーを尻目に猛スピードでジャガーを飛ばし、あっという間に車はファントム劇場へと到着します。しかし問題なく辿り着いたと思ったのも束の間…
それから何とか劇場の中へと入ることができた有希子たちは、有希子の親友で今回のチケットを取ってくれたアメリカの大女優シャロン・ヴィンヤードの案内で楽屋を見学して回ることになります。
楽屋では開演1時間前ということで、既に役者の顔になっている舞台出演者たちが待機していて、自分たちの出番を今かと待っている所でした。
そして普通ならば見学に来た人間たちが役者たちの顔を見て興奮する所なのですが…その日はまったく逆の展開になってしまったのです。
楽屋に姿を現わしたのが大女優のシャロン・ヴィンヤードともなれば、まだ若い女優たちにとっては憧れの存在のようなもの。彼女の姿を見るなり楽屋にいた三人の女優は一様に興奮した表情に変っていきます。
更にシャロンの後ろに有希子の姿を見つけると、三人は今度は何やらヒソヒソ話をし始めて…
もっともそんな三人の女優たちの明るい振る舞いは長くは続きませんでした。なぜなら劇団の内部には、三日前に送られてきたという「不気味な贈り物」のことで不穏な空気が漂っていたからです。
その「不気味な贈り物」とはゴールデン・アップル─金色のスプレーでコーティングされ、動物の血で「最も美しい女性へ」というメッセージが書かれたリンゴが、劇場宛に送られてきたというのです…。
一体誰が何の目的で…!? これから何が起ころうとしているのかすら皆目見当もつかず、皆そのことを陰では非常に気にしている様子だったのです。
もっともそんな中でただ一人、今回の舞台の主役を務める劇団のトップスター、ヒース・フロックハートだけはその贈り物をただの悪戯と決めつけ、心配しないようにと努めて明るく振舞っていたのです。ところが…
まるでそんな彼を嘲笑うかのように、天井に吊るされていた甲冑が舞台裏を歩いていた一団の頭上目がけて落下してきたのです…。そして一人の女優が逃げ遅れてしまい…
次いで起こった上演の最中の舞台上での銃撃事件…一体誰が何の目的でこんなことを…!? そして劇場に送られて来たゴールデン・アップルの意味とは…!?
リンゴというのは俗に「争いの種」とも言われているそうですが、これはギリシャ神話でトロイヤ戦争勃発の引き金になったことからそう呼ばれるようになったといいます。
これらの話については、フリー百科事典ウィキペディアの下記のリンクを参照下さい。よく分かるかと思います。
ちなみに黄金のリンゴにまつわるギリシャ神話というのは実は一つではなく、今回の事件で使われ、ルノアールの絵(1914年)でも有名な「パリスの審判」以外にもあるそうですが、ここでは割愛させて頂きます。
【関連リンク】
・トロイヤ戦争について
・トロイヤ戦争で用いられたトロイの木馬について
・トロイヤ戦争にまつわる伝説について(黄金のリンゴ)
・トロイヤ戦争にまつわる伝説について(パリスの審判)