(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 鈴木園子 服部平次 遠山和葉 竹富雅男(43) 久米好継(25) 池間伸朗(24) 平良伊江(26) 大東幹彦(47) 下地崇(38) 金城兵吾(63) 金城都 松本嘉子 レポーター |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 西の高校生探偵、新一のライヴァル 平次の幼なじみ TV局ディレクター、松本嘉子のいとこ 現地スタッフ、都の幼なじみ 現地スタッフ、都の幼なじみ 現地スタッフ 現地スタッフ、金城の妻の幼なじみ 現地スタッフ、船長 町長、船浦島の所有者 町長の一人娘、五年前誘拐事件で行方不明 町長家元家政婦、四年前強盗事件の犠牲者 インタビュアー |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 松井菜桜子 堀川りょう 宮村優子 大滝進矢 岩永哲哉 岸尾大輔 皆川純子 金尾哲夫 声の出演なし 長克巳 皆川純子 声の出演なし 千葉一伸 |
あるのは自分が尻の青い大阪の若僧に負ける訳がないという確信だけ─ビーチでそう自信たっぷりにインタビューに答えている小五郎を尻目に、その「大阪の若僧」はコナンを引き連れて、明日のロケの下見に向かう船にちゃっかり乗り込んでいました…
服部平次が和葉を連れて、そして小五郎が蘭とコナンを連れて沖縄までやって来ていたのは、「名探偵東西対決」と銘打ったTV番組での推理対決のロケのためでした。
そしてその日平次はコナンを連れて、蘭と和葉とともに翌日の推理対決の会場となる船浦島でスタッフが行なうロケハンに同行、島の下見をしておくこととなったのです。
鬼亀島─島の尖端が亀の頭のような形をしている所からそう呼ばれているという船浦島には、以前は人が住んでいたのですが、島の所有者である町長の金城の家でここ数年誘拐事件や強盗事件などが発生したため島の評判が悪くなり観光客が激減、今では誰も住んでいない無人島となっていたのです。
そこでTV局を呼び、一年前島に残されていたという身元不明の遺体と奇妙な文字の謎を東西の名探偵たちに解いてもらうことでイメージUPを図ろうというのが町長の金城の狙いという訳でした。
もっとも鬼亀島に向かうTV局のスタッフといってもきちんとしているのはディレクターの竹富雅男だけで、あとは周辺の海に詳しい地元の人間たちばかり。そのためかスタッフは地元に伝わる昔話を持ち出して、早く仕事をしてさっさと切り上げようと意気込んでいたのです。
地元に伝わる昔話というのは、陽が暮れるとグソーの使いがマブイを取りに来るというものでした。「グソー」とはあの世、「マブイ」とは魂のことを意味するらしく、女性が夜なべをして機を織っていると、死に装束を纏ったあの世の使いが音もなくやって来て魂を吸い取るという何とも不気味な言い伝えだったのです…。それを聞いた蘭と和葉は思わず震え上がりますが…
島に到着すると、さっそく平次とコナンは遺体と奇妙な文字の謎が残されていたという町長の別荘の前にやって来ます。
以前は別荘として使われていたというその建物も、台風でメチャメチャになってしまってからは一切手入れされておらず、廃墟同然でした。
そして一年前、その建物の柱の部分に「姫眠るるは甲なりて乙にあらず」という文字が刻まれ、その柱の前で文字を背にするようにして寄りかかった状態で何日も飲まず食わずで餓死した男性の死体が発見されたというのです…。
丁度その頃大型の台風が次々に沖縄を襲ったため、それに遭遇した船の乗員が鬼亀島に漂着したのではないかと考えられているらしいのですが…そうだとしても柱に残されていた文字の内容があまりに不可解なため、地元の人たちも不気味に感じ島に寄り付かなくなっていたのです…。
それから平次たちはディレクターの竹富とともに更に細かい打ち合わせをすることとなり、一方現地スタッフたちは島の周辺の怪しげで謎を解く鍵になるような場所を探して回るため、島のあちこちに散っていきます。
やがて数時間が経過し、陽も暮れかけた頃─コナンと平次はクルーザーの中で未だに別荘の柱に刻まれた謎の文字について推理を続けていました。しかしなかなか良い解答を見つけるまでには至らず…そうこうしているうちにいつの間にか現地スタッフたちも皆船に戻ってきていたのです。
ところがそんな中唯一人、現地女性スタッフの平良伊江だけが姿を見せていませんでした。島に着くなりシュノーケリングをするため海に潜っていた彼女が、ひょっとしたら潮流の速いこの海のどこか遠くまで流されてしまったのではないか…!?
そう直感した平次とコナンはすぐに船着場に停泊するクルーザーを飛び降り、二人はそれぞれが両側から回り込んで小さな島の海岸をぐるっと一周しながら彼女の捜索を開始したのです。
やがて二人は船着場とは丁度反対側の海浜で、平良伊江がを絞められた絞殺体で海岸線に横たわっているのを発見します。
そして遺体のそばの砂浜には、「我はグソーの使いなり」という何とも不気味な文字が残されていて……