(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 針尾清治(30) 秋田谷徹(30) 大坪圭介(30) 井坂茜(30) 野島栄子(30) 本堂 楠田刑事 安西刑事 監視員 松川 海響館職員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 高校時代のクラスメート、乗っ取り屋 高校時代のクラスメート、秋田谷水産社長 高校時代のクラスメート、東京在住 高校時代のクラスメート、大坪の婚約者 高校時代のクラスメート、本堂の恋人 高校時代のクラスメート、高校三年時に自殺 山口県警刑事 下関中央署刑事 人道トンネルの監視員 唐戸市場役員、秋田谷の取引先 海響館の女性職員 |
高山みなみ 声の出演なし 山崎和佳奈 神谷明 梅津秀行 河口宏 田中啓之 本多知恵子 金月真美 声の出演なし 稲葉実 千葉一伸 小関一 三戸耕三 神代知衣 |
小五郎の黄金の右腕で見事に引き当てた福引の一等賞の懸賞旅行。今回の目的地の本州と九州の接点である関門海峡のある新下関までの新幹線の旅は、自分の福引の腕前と勝利の美酒に酔いしれる小五郎の一人舞台でした。
小五郎は旅の途中そんな自慢話を何度も蘭とコナンに話して聞かせ、あげくの果てに自分のことを「天才そのもの」と言い出す始末…毎度のこととはいえ、コナンはその調子の良さにただ呆れるばかりでいたのです…
ところがそんな三人のそばをサングラスをかけ、携帯電話を手にした一人の男が通り過ぎていきます。そして男はとても穏やかとはいえない言葉を電話の相手に浴びせかけていたのです。
─「自殺するしかないだと?ならさっさとすればいい」…「昔から自分は目障りな人間は片っ端からぶっ潰して生きてきたんだからな…」
そんな男の激しい口調に思わず、声を失う三人…。そしてほどなく新幹線は目的地の新下関駅に到着したのでした。
駅に到着した三人は、まず海峡ゆめタワーの30階にある展望室から下関の町を眺めます。宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘したあの巌流島も見えますが、それ以上にコナンを驚かせたのは海峡を挟んですぐ向うにもう九州が見えることでした。
実際関門海峡は一番狭い所では700メートルの幅しかなく、もし海の上を走れるとしたら5分でいける距離。近くに見えるのも頷けたのです。
そして小五郎たちの近くで見物していた二人組─秋田谷徹、大坪圭介の話によれば、本州と九州は現在では関門橋で繋がれていて、車はの橋を渡れば楽々お互いを行き来でき、橋のすぐ真下には海底トンネルが通っていて、そこを使えば歩いて本州と九州を行き来することもできるというのです。
それから秋田谷と大坪の連れの女性─井坂茜が小五郎が名探偵の毛利小五郎であると気づいたことをきっかけとして、小五郎たちはもう一人の連れの女性─野島栄子と都合4人の男女と一緒に夕食を楽しむ約束を交わすのでしたが…
4人の男女は皆地元下関の出身で、高校時代のクラスメート。頭は悪いが腕力に自信のある秋田谷に、頭は切れるが度胸がない大坪、そして頭は良いが性格のきつい茜に、優しい半面気の弱い栄子と、それぞれ特技や性格は違うものの皆高校時代を仲良く過ごした仲間だったのです。ところが、実は高校時代4人にはもう一人気の合う仲間がいたというのです…
絵が上手く芸大を目指していたという本堂という名前の青年は、高校三年の時に画家にとっては命である腕を骨折。思うように回復しないことで夢を奪われたと絶望した本堂は、やがて関門海峡の袂で自殺をしてしまったらしく…
四人にとっては今も心の奥に深い傷となって残っている出来事でしたが、今は東京に住んでいる大坪と茜を含めて今回皆が下関に集ったのは、大坪と茜の婚約を祝うのと同時に、その本堂の十三回忌を偲んでのことだというのでした。
ところがそこへ突然一人の男が現われて、四人の男女を驚かせます。男の名前は針尾清治といい、四人の高校時代のもう一人のクラスメートでした。そして実はこの針尾が本堂の腕を折った張本人だというのです…!
一方で小五郎たちもその男の姿を見て驚かされたのです。なぜなら針尾は、小五郎たちが新幹線の中で物騒な会話をしていたのを見かけた、あのサングラスの若い男だったからでした…。
間もなく針尾はその場を立ち去ると、栄子も気分が優れないと訴え、夕食までには合流すると言い残してその場を立ち去り、小五郎たちも夕食の時間に落ち合う約束をして他のメンバーともいったん別れたのです。
それから小五郎たちは古くから外国へと開かれていた歴史ある町・下関の見学を再開し、まるで竜宮城のような外観を誇る赤間神宮から関門橋、そしてその下の海底を通る人道トンネルに下関側から入り、九州側の門司を目指したのです。
歩いて関門海峡を渡り切ったことに感動した三人は、今度は九州・門司側の見学をはじめ、門司港のレトロ街を通って門司港駅へ。そしてそこから連絡船に乗って再び下関へと引き返していったのでした。
連絡船ならたったの5分、人道トンネルをゆっくり歩いてもわずか15分─本州と九州が意外と近いことを知ったコナンたちは、地図の上では分からない旅行の楽しさを存分に堪能し、フェリーの上から関門海峡の夕景色を満足な様子で眺めてその日の観光を終えたのです。
そして日もすっかり暮れた頃、小五郎たちは再び例の4人組と再会し、ふぐ料理店で美味しい料理を楽しんでいました。ところがそこへまたしてもあの針尾清治が…
針尾は部屋に入るなり秋田谷に対しては彼の小さな水産会社を売り渡すようにと脅しをかけ…本堂の命日だという栄子の訴えには「誰かいのう、本堂って…?」と冷たく言い放ったのでした…。そしてそれに腹を立てた大坪を殴り倒し…
やがて憮然とした表情で店を後にしていったのです…。あまりの横暴ぶりに小五郎たち三人も言葉を失ってしまいますが…
しかし次の日─そんなやりたい放題の針尾に、ついに天罰が下ったのです。名字が同じというだけで勝手にご先祖様にされてしまった毛利元就の子孫の屋敷があるという長府にバスで向かっていた小五郎たちは、その途中パトカーが何台も停まっているのを発見します。
そして何か事件でもあったのかと、バスを降りて様子を見に行ってみると…
今回の作品の舞台となった関門海峡については「関門海峡Navi」というサイトが非常に参考になります。このサイト様を見れば大体イメージは掴めると思います。