(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 灰原哀 目暮警部 高木刑事 千葉刑事 沖野ヨーコ 須貝克路(39) 内藤定平(47) 相馬竜介(44) 板倉卓(45) ジン ウォッカ テキーラ ピスコ 宮野明美 沼淵己一郎 検視官 赤井秀一 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 人気アイドル ゲーム会社社員、囲碁ソフトを依頼 ゲーム会社社員、チェスソフトを依頼 ゲーム会社社員、将棋ソフトを依頼 ゲームのシステムエンジニア 黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物 黒の組織の男、ジンの手下 黒の組織の男 黒の組織の一員 灰原哀の姉 強盗殺人犯 検視官 正体不明の謎の男 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 茶風林 高木渉 千葉一伸 声の出演なし 松本保典 大矢兼臣 阪脩 大友龍三郎 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 大滝進矢 声の出演なし |
珍しく殺人事件を見事に解決してみせた小五郎は、集まってきたマスコミの前で「男は黙って背中で語る」と言わんばかりの渋い調子で答える自分のインタビューを録画したニュース番組のビデオを、事務所のテレビで何度も見ながら自己陶酔に浸っていました。そんな能天気な小五郎を尻目に、コナンはというと相変わらず正体の掴めない黒の組織のことで頭が一杯の様子でした。
トロピカルランドで体を小さくされてしまって以来、何度となく彼らの尻尾を掴みかけたもののすぐに手がかりは途絶え、現在分かっていることといえば彼らが暗殺を繰り返しながら大金を集め、妙な薬を開発し、更には有能なコンピュータープログラマーを集めようとしていることぐらいでした。
一体何の目的でプログラマーを集めているのか? コナンの疑問はその点を中心に膨らむ一方だったのですが…
そんな中、毛利探偵事務所に一件の依頼が舞い込んできます。内容はとあるゲームのシステムエンジニアが行方不明らしく、その人物の捜索を依頼するというものでした。まさか、黒の組織と何か関係でも…!? はやる心を押し隠しながら、コナンは探偵事務所に現われた依頼主の三人の人物と小五郎の会談をソファの影から見守ることになったのです。
行方不明となっているのは板倉卓というシステムエンジニアの男性で、一週間前から姿が見えなくなっているということでした。もっとも行方が分からなくなることはこれまでにも何度かあったらしく、誰にも邪魔されない方が集中できるという理由から依頼を受けたゲームのシステムの納期が迫ると忽然と姿を消してしまうこともしばしばだというのでした。
今回も納期が迫ったゲームのシステムの催促から逃げるために雲隠れしたと三人は考えているようでしたが、以前姿を消した際に警察沙汰になり板倉氏にひどく怒られたため、今回は私立探偵である小五郎に依頼を持ちかけたというのです。
今回事務所に現われた三人はそれぞれが板倉氏にゲームソフトのシステムの依頼を持ちかけ、須貝克路は囲碁、内藤定平はチェス、相馬竜介は将棋のソフトをそれぞれ依頼したというのです。そして三人それぞれが仕事の掛け持ちをしていたことを隠していた板倉氏に立腹しており、とにかく彼を捜し出して自分の所の依頼をまずこなすようにと迫るつもりでいるというのでした。
話を聞いていくうちに、黒の組織とはとても関係がなさそうに思えてきたコナンだったのですが、小五郎が板倉氏を誘拐するような人物の心当たりはないかと三人に訊ねると、三人からは意外な回答が帰ってきたのです。それは…
何と板倉氏は二年ほど前から口ひげを生やした関西弁を喋る大男と付き合いがあったらしいのです。そしてその男は上から下まで黒で決めており…小五郎たちも以前行ったあの満天堂のゲームソフトの新作発表会にも来ていたというのでした。ということはまさかその男というのは……!?
その話を聞いたコナンはすぐに板倉氏の滞在先を調べたい衝動に駆られ、自らの機転で板倉氏が〈ホテルニュー米花〉の2004号室に滞在していることを突き止めます。そして小五郎と蘭、それに依頼人の三人の男たちとともにそのホテルの一室へと出向き、部屋の中へと入っていったのです。
すると…部屋の中では板倉氏が椅子に腰掛け机を枕にして静かに息絶えていたのです…。そしてその傍らに放置されていたバッグの中には、板倉氏のものと思われる「日記」というラベルの貼られたフロッピーが残されていて……