(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 横溝刑事 梅谷四郎(45) 中野治夫(40) 笠原英伍(42) 平松正樹(33) 島田巡査 刑事 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 静岡県警警部 クーロン健康器具株式会社のワンマン社長 第一開発部 部長 第二開発部 部長、エクスタシー1の開発者 第三開発部 部長、業務用アイムズの開発者 寮付近の地区を担当する警察官 横溝警部の部下 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 大塚明夫 徳丸完 飛田展男 佐藤正治 鳥海勝美 笹沼晃 長嶝高士 |
「どうしてお父さんの借りる車は故障ばかりするのよ…?」─そんなことこっちが聞きたいくらいだよ…とは言いませんが、そんな気分であろう小五郎の気持ちなどどこ吹く風で、またしても視聴者の期待通りに故障してくれた小五郎のレンタカー。更に今回はそれに追い打ちをかけるように携帯すらも圏外の富士山麓の霧深い夜の闇の中に取り残され、お化け嫌いの蘭でなくても怖くなるような状況が三人に襲いかかります。
ところがそれから間もなく今度は小五郎たちの期待通りに前方から車のスポットライトが─。喜ぶ蘭と小五郎でしたが、それも束の間、その車は目前で脇道を左に折れ、小五郎たちの視界から完全に消え去ってしまったのでした…。
しかしよく見ると脇道の所には看板が出ており、それによればその脇道はとある会社の研修施設へと続くもののようでした。小五郎は強盗なのではと怖がり反対する蘭を押し切って、まだ深い霧の立ち込める中その施設目指して歩みを進めていきます。
しばらく行くと、看板にあった通りに研修施設らしい建物が見え、その建物の前には数台の車もありました。そしてそれらのエンジンはまだ温かく、どうやら先ほどの車もその中に混じっているようでした。
ちゃんと人がいるらしいと安堵した小五郎たちは助けを求めるため建物の入口の前へ─「クーロン健康器具株式会社・富士見寮」─聞いたことがないと思いつつも小五郎はインターホンを押し続け返事を待ちます。
すると中から応対に出てきたのは眼鏡をかけた無表情な若い男。せめて電話だけでも貸して欲しいという小五郎の言葉に対してそっけなく「忙しいから他を当たってくれ」と言い残し、無理やり小五郎を追い出してさっさと中へ入ってしまいます。
あまりのそっけない態度に怒りを隠せない小五郎でしたが、今度は柔和で人当たりの良さそうな中年の男が現われてようやく中に通してもらえます。
中ではどうやら会社の健康マッサージ機の商品開発のテストの真っ最中で、先ほどの眼鏡の男も小五郎たちをスパイだと怪しんで追い出そうとしたようでした。
しかし小五郎があの有名な眠りの小五郎だと分かると、会社の社長・梅谷四郎も途端に親しげな態度に変わり、小五郎はぜひこれから行われる新開発のリラックス・シートのモニターになって社内コンペの審査をして欲しいと要請されます。
小五郎を中に通してくれた中野治夫が部長を務める第一開発部のマシンから始まり、第二開発部・笠原英伍の〈エクスタシー1〉、そして先ほどの無愛想な眼鏡の男・平松正樹が部長を務める第三開発部の業務用アイムズ─と次々とマシンを試していく小五郎。
全てのテストが終わると社長の梅谷はしばらく考えると言い残して部屋を後にしますが、マシンを試した小五郎の様子から第三開発部の無愛想な眼鏡の男・平松の製作した業務用アイムズが優勢なのは誰の目からも明らかでした。そして勝ち誇った平松の他の開発部長に対する辛辣な皮肉と嘲笑…
再び現われた社長・梅谷の結論はやはり第三開発部のアイムズの採用、そして第一・第二開発部の統合というものでした。それを聞いて落胆する中野と笠原を鼻で笑う平松…。それから梅谷は話があるからと言って平松以外を外に出し、小五郎たちも応接室でくつろぎながら二人の話が終わるのを待つことになります。
しばらく待っているとコナンはトイレに行きたくなってしまいますが、トイレに向かう途中先ほどのコンペが行われた部屋の前を横切ります。コナンが気になって覗いて見ると…そこでは社長の梅谷と平松が激しい言い争いをしているようでした。平松は契約を破棄して欲しいと言い出し、梅谷はそんな勝手なことはさせないと言い返します。そこで平松はとっておきの手段に打って出ると宣言するのですが…
トイレから戻るとコナンは小五郎と蘭とともに応接室で第一、第二開発部の中野と笠原がため息混じりに話す梅谷の強引なやり方を半ば同情しつつ聞いていましたが、しばらくすると突然外から車のエンジンの音がするのを耳にします。外を見てみると、どうやらそれは平松の車のようでした。
こんな時間に一体どこへ行こうとしているのか?不思議に思いながら外を眺めていると、ふと隣りの部屋の窓が開いていることに気がつきます。先ほどの言い争いを目の当たりにしているコナンはもしやと思い、梅谷社長がいる部屋の方へと向かっていきます。
すると部屋の中には、第三開発部のアイムズのマシンに身を包み、胸に社長自慢のコレクションのナイフを突き立てられた梅谷の姿が…!!!
一方突然一人で寮を飛び出していった平松は、真っ青な顔に大粒の汗を垂らしながら何かに取り憑かれたようにアクセルを踏み山道を下っていきますが、急カーブに差しかかった所で前方からの強烈な光に目が眩んで……