(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 杉本秀樹(27) 古田啓介(42) 後藤警部 斎藤刑事 駅長(横山) 駅員(森脇) |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 西須三田駅付近に住む会社員 西須三田駅付近に住む会社員 西須三田署所属の警部 西須三田署所属の刑事 西須三田駅の駅長 西須三田駅の駅員 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 家中宏 二又一成 金尾哲夫 稲田徹 岡和男 中田雅之 |
おフランス料理は肩が凝って食べた気がしない─部活で急に行けなくなった蘭を置いて、コナンと二人で出かけたレストランからの帰りの電車の中で、小五郎はスポーツ紙を読みながらもまだまだ物足りなさそうな様子でした。そして次の駅で降りてラーメンを食べに行こうというのです。
次の駅─西須三田駅に到着すると小五郎は本当に電車を降り、塩ラーメンが食べたいと言いながら改札へと急ぎます。まだ食べるのか…と呆れるコナンでしたが、とその時でした。
「この野郎─」という怒鳴り声が聞こえたかと思うと、遠くで二人の男が揉み合う姿が。仕方がないと思いつつも仲裁に入ろうとした小五郎でしたが、争いはますますエスカレートしていき、若い方の男が灰皿とともにもう一方の中年の男を押し倒し、中年の男が持っていた薄緑色のリュックを奪おうとします。そしてそれを奪られまいとして必至にリュックのベルトにしがみつく中年の男…
ところが次の瞬間、ベルトがちぎれ、その反動で中年の男は後ろに飛ばされてしまいます。しかし運の悪いことに…改装中であった駅のプラットホームは、駅構内の壁も修理中で柵がなく、中年男が飛ばされた場所も、ビニールのシートで仮止めされているだけでした…。
勢い余って飛ばされた中年男の重みに耐えられずに、シートは仮止めしてあった紐が次々に外れていき、中年男はそのままの勢いで外へと放り出されてしまいます。
そして西須三田駅の構内は、地上十数メートルという鉄橋の上…外に放り出されれば、待っているのはあとは重力の法則の世界…
すぐに警察と救急車が呼ばれ、現場付近を担当する西須三田署からも刑事がやってきます。事件を担当するのは後藤警部と斎藤刑事。
悲惨な事件を目の当たりにして最初は厳しい表情であった後藤警部ですが、現場に眠りの小五郎がいるのを見つけた途端嬉しそうな表情に。すぐさま打ち解けた態度で小五郎に挨拶。そして小五郎は事件捜査への協力を要請され、警部とともに事件捜査に乗り出します。
調べによると転落した中年男は古田啓介という近くに住む会社員で、いつも電車で通勤し、今晩も同じように帰宅の途中だったといいます。
もう一方の当事者である争いの相手の若い男は杉本秀樹という会社員で、同じく港北線をいつも利用しているということでした。
そして駅員専用の休憩室で杉本の事情聴取を始めた後藤警部と小五郎。彼の話によるとリュックは元々は杉本のもので、彼がトイレに行っている最中に突如紛失し、必死に探し回っていると西須三田駅のホームでそのリュックを担いでいる古田を発見。慌てて電車を降り、リュックを取り返そうとして掴み合いになったのだというのです。
他方駅員の森脇の話によれば、古田はよく忘れ物を駅室までわざわざ届けに来る今時珍しい親切な男性だと駅員の間では評判だったというのです。
二人の話を聞いていると杉本と古田は面識もなく、必死になってリュックを取り返そうとした杉本と、忘れ物だと思って届けようとした古田の些細なすれ違いが生んだ悲しい事故のように思えたのですが……
後藤警部が登場し、小五郎をじっと見ていたシーンで小五郎の後ろに見えた看板にあったのがこの会社の名前でした。
作中にはそれ以外に「にしすみだ」という名前の表記が一切ありませんが、この看板からして駅名も警察署の名前もすべて「西須三田」だと思われます。