名探偵コナン376「タイムリミットは15時!」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File376 タイムリミットは15時!
英題
The Time Limit Is 15:00 !
放映日
2004/11/1
原題
TVオリジナル
ジャンル
サスペンス
事件現場
奥摩太村 キャンプ場
管轄
山梨県警(担当刑事の名前は不明)
登場人物
江戸川コナン
毛利蘭
阿笠博士
灰原哀
吉田歩美
小嶋元太
円谷光彦
堀越将司(20)
常山美佐(19)
高田政之(25)
刑事
ダムの係員
警備員
レスキュー隊員
本編の主人公、正体は工藤新一
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
新一の家の近所に住む自称天才科学者
黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
キャンプ場の客
キャンプ場の客、堀越の恋人
誘拐犯
山梨県警刑事
奥摩太ダム管理所 係員
奥摩太ダム管理所 警備員
レスキュー隊員
高山みなみ
山崎和佳奈
緒方賢一
林原めぐみ
岩居由希子
高木渉
大谷育江
小野坂昌也
笠原留美
声の出演なし
浜田賢二
遊佐浩二
巻島直樹
水島大宙
(注)「高田政之」は管理人による当て字です(作中表記なし)

あらすじ
「蘭姉ちゃんは生きているよ… 必ず…」

 台風一過とはまさにこのこと─昨日の大雨が嘘のように晴れ渡った青空の下、恒例のキャンプに出かけた少年探偵団たち。

 その日のキャンプは珍しく蘭も参加し、そのせいもあってかいつもの博士のビートルではなく、ライトバンを借りてのゆったりとした快適な旅となっていました。
 しかし肝心の蘭はというと、「眠り姫 危機一髪」というタイトルの小説に夢中になって徹夜で読みふけっていたらしく、何だかとても眠そうな表情でいたのです…。

 奥摩太村のキャンプ場に到着した一行は、早速一番いい場所─テントが日陰となる大きな木の下にテントを設置しようと一目散に駆け出していきますが、既にそこは男女のカップルの手によって確保されてしまっていて、探偵団たちはガッカリとした表情に変わってしまいます。

 ところがそのカップル、探偵団たちが到着するやいなや突如ケンカをおっ始めたのでした。どうやら常山美佐という名前の女の方が、堀越将司という名前の男の用意したレンタルのテントが安っぽいことに不満をぶちまけたらしく、「今からでもいいからもっと立派なものを買って来い」とか、「嫌ならペンションに連れて行け」と無理難題、わがままを言って聞かないらしいのです…。

 そんなカップルに呆れ、半ば同情しつつも、探偵団たちは頑張ってまず男子用のテントを無事立て終えます。

 すると先ほどまで散々言い合いをしていた例のカップル、ついに女の方が我慢の限界を超えたらしく、「帰る」と言い残してその場から立ち去ってしまったのです…。
 そして男の方も慌ててテントを片づけて彼女の後を追いかけ始め…結局後にはテントを張るには絶好の場所が空地として残されたのでした。

 それを見ていた探偵団たちは、再び呆れ、半ば同情しつつも、空いた場所に女子用のテントを張ろうとすぐさま空いた場所に移動。二回目ということもあり、あっという間に女子テントを完成させたのです。

 あとは夕食のカレーを作れば万事準備はOK。テント張りに精を出した元太、光彦、コナンに代わり、今度は女性陣が大活躍をする番。当然蘭は率先して灰原哀や歩美を引っ張っていかなくてはいけない立場にあるはずなのですが……

 しかし徹夜で「眠り姫 危機一髪」の読書にふけっていた後遺症は相当なものだったらしく、蘭はいつのまにか自分が「眠り姫」となってしまっていたのです…。

 仕方なく起きている人間たちでカレー作りをすることになり、準備を始めたその時でした。何とさっき大ゲンカをしてキャンプ場から立ち去っていった例のカップルが、再びキャンプ場に戻って来たのです…。

 すると女の方は、先ほど自分たちが確保していた場所にいつの間にか別のテントが立っているのを目にして激昂。そして後からやって来た男の方もそれに劣らず怒りを露わにし、「自分たちの場所」からすぐにテントをどかせるようにと言って聞かないのでした…。

 しかし既にテントを立て終えていた探偵団たちは不満な表情を隠そうともせず、それを見かねた阿笠博士は、探偵団たちを説得して何とかテントをどかせるように仕向けます。とはいえ探偵団たちの表情にはガッカリとした様子がありありと見え…。

 ところが、そんな探偵団たちの表情を見かねたのか…何と先ほどまで散々わがまま放題だったはずの女の方が急に「そのままでいい」と言い出し、探偵団たちに丁寧に詫びを入れると、さっさとその場から立ち去ってしまったのです…。

 そして後に残された男の方はというと…せっかくの苦労が水の泡となってしまったためか物凄い悔しがりようで、怒りに任せて木の幹を蹴りつけてその場から立ち去っていったのでした。

 それからしばらくして─夕食のカレーがあの食欲をそそる香しい匂いを漂わせ始めた頃、突如思ってもみないような事件が発生します。

 各人が夕食の準備などのためテントを出払っている隙を見計らい、何者かが女子テントへと侵入。そして近くでカレーの準備をしていた探偵団たちを尻目に、寝袋にくるまってスヤスヤと眠っていた蘭を袋ごと抱えて連れ去ってしまったのです…!!!

 すぐに探偵団たちは付近を捜索しますが、犯人はその捜索隊の隙を突いて4WDの車で逃走。コナンも必死で後を追いかけますが、車のスピードには勝てずにまんまと逃げられてしまいます…。

 犯人は一体何者? そしてキャンプ場には大勢の客がいる中で、なぜ蘭を…!? コナンたちが困惑する中で直ちに警察も捜査を開始します。

 するとほどなくして付近の山間で自動車の転落事故が発生していたことが判明しますが、車は蘭を連れ去った4WDとは別のものでした。

 ところが車内で意識不明となっていた男の所持していた携帯電話の写真から、男が蘭を連れ去った犯人であることが判明。しかし車内にはなぜか蘭の姿はなく……

今回の見どころ
EDテーマが『忘れ咲き』に

 今回からエンディングテーマがGARNET CROWの「忘れ咲き」に変更されました。郷愁を誘うような懐かしい感じのするメロディーで、聴いていてとても心地良い感じがします。

 またバックのイラストも主要キャラが舞台ごとに勢揃いして登場し、ファンにはたまらない設定となっています。

豆知識
博士の車と道路交通法

 今回はキャンプとしては珍しく、博士のビートルではなくそれよりも大型のグレーのライトバン(ワゴン車)で目的地に向かいました。

 これは蘭が参加したということで、車に乗る人間が7名となったことからそうしたのだと思います(博士のビートルは普通車なので定員は6名)

 ところで道路交通法上では子供は3人で大人2人分というような考え方があるそうですが、そうだとすると丁度6名分ということになって乗れないことはなさそうです。しかし道路交通法上での「子供」というのは調べてみたら6歳未満を指すらしいです。

 こういうものを見ていると、製作者サイドが結構細かい所までちゃんとチェックしているということがよく分かりますよね。

 ちなみに最近はチャイルドシートの着用が義務づけられているため、あまりこういった大人2人=子供3人という考え方は使わないとか。

NEXTコナンズヒント
鏡像
コント
コナン「次回は?」
元太「コナンだけには言っておく… オレ、本当は桃から…」
コナン「えっ?」
OP
START」(愛内里菜)
ED
忘れ咲き」(GARNET CROW)
監督
佐藤真人
脚本
國岡直人、柏原寛司
絵コンテ
青木雄二
演出
戸澤稔
作画監督
青野厚司/サブキャラクターデザイン 佐々木恵子
ビデオ
PART13-6
DVD
PART13-6
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★

▼総括
 恒例のキャンプにやって来た探偵団たち。そして今回は珍しく蘭も同行するのですが、何とその蘭が誘拐事件に巻き込まれてしまいます。

 そして複雑な事件経過を辿って、生命の危機に陥った蘭を、最後には皆が協力して助け出そうとする感動的なサスペンス作品であり、また奥摩太村近辺の大自然を背景に繰り広げられる壮大なスケールの作品でもあります。

▼個人的には
 当初は誘拐事件で犯人当てが目玉の普通の本格推理作品かと思いきや、ラストはスケールの大きなサスペンス作品に仕上がっていて、まるで映画を見ているような印象を与えてくれる、30分作品としてはかなりの傑作だと思います。

 皆が協力して助け合う姿はとても感動的で胸を打つものがあります。何度見ても楽しめる作品です。

 それにしてもとにかくコナンは今回大変でしたね(苦笑)、お疲れ様と言いたいです。 最後にホッとしてぐったりとするコナンには感動的でしたが、冒頭で二つ目のテントを立て終えた後、満足そうにしている探偵団たち3人のそばでコナンがぐったりとして「大の字」になっていたシーンの方はかなり笑えました(笑)

 あとは夕食のカレーのための野菜を丁寧に洗っている歩美ちゃんの表情はとても可愛らしく、この二つのシーンは今回の必見です。

▼ミステリとしての評価
 犯人捜しは今回は特別問題ではなくすぐに分かるでしょう。ポイントは蘭がどこにいるか?ということですが、これも特別な伏線などがある訳ではなく、サスペンス度を高めるためにおまけとして付け加えられているにすぎません。

 それよりも注目すべきなのは、今回はタイムリミットが設定され、それまでに助け出さないと命が危ないという、サスペンス小説ではよく用いられる手法が用いられている点です。
 これがいやが上にも物語に緊張感を醸し出し、助け出された後の感動をより大きなものにしていると思います。

 30分作品には大きなものは期待しないで見るのですが、今回は映画顔負けの、スリルとサスペンスが味わえる傑作だと思います。

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