名探偵コナン377-378「桃太郎謎解きツアー」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File377-378 桃太郎謎解きツアー
英題
Momotaro Mystery Tour
放映日
2004/11/8・11/15(前編・後編)
原題
TVオリジナル
ジャンル
本格
事件現場
倉敷チボリ公園~倉敷 美観地区(倉敷考古館~火の見櫓大橋家 住宅倉敷アイビースクエア~ホテル倉敷)
(注)伏字になっている部分は暗号についてのネタバレがあります
管轄
岡山県警(津山刑事)
登場人物
江戸川コナン
阿笠博士
吉田歩美
小嶋元太
円谷光彦
桃井直人(27)
木島弥生(27)
猿渡健吾(27)
乾聖子(27)
鬼貫守(27)
緒方俊也
津山刑事
チボリ公園受付
本編の主人公、正体は工藤新一
新一の家の近所に住む自称天才科学者
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
チボリ公園 観光客、同窓会メンバー
チボリ公園 観光客、同窓会メンバー
チボリ公園 観光客、同窓会メンバー
チボリ公園 観光客、同窓会メンバー
チボリ公園 観光客、同窓会メンバー
桃井たちの小学校時代の同級生
岡山県警 刑事
チボリ公園 受付
高山みなみ
緒方賢一
岩居由希子
高木渉
大谷育江
若林久弥
松谷彼哉
岡野浩介
落合るみ
乃村健次
浅川悠
伊井篤史
原亜弥
あらすじ
「桃太郎と、キジさんの結婚ですね?」

 7世紀の中頃、朝鮮半島の百済より飛来し、吉備地方の鬼ノ城を拠点に悪行の数々を尽くしていた温羅(うら)という鬼を、大和朝廷から派遣された武勇の誉れ高い剣士・吉備津彦命(きびつひこのみこと)が見事に成敗したという伝説が元になっているという童話「桃太郎」。

 歴史の勉強も兼ねた週末旅行で、その桃太郎の舞台となる岡山県へとやって来た阿笠博士とコナン、歩美、元太、光彦の少年探偵団たち。
 東海道新幹線で岡山駅まで向かい、そこから山陽本線に乗り換え、サンライナーでまずは倉敷駅へとやって来ます。

 それから歩美たっての希望で、江戸時代からの街並みをそのまま保存し、白壁の町として名高い美観地区を回る前に、デンマークにあるチボリ公園に倣って作られたという花と緑のテーマパーク、倉敷チボリ公園へとやって来た一行だったのですが…

 ところがそこで探偵団たちは、ひょんなことから周囲の目も気にせずに言い争いをしている男女5人組のグループと知り合いになり、近くの売店でソフトクリームをご馳走してもらうことになったのです。

 その5人の男女、どうやら小学校時代の同級生らしく、その日はその中の桃井直人という男性の選挙への出馬を応援し、彼と木島弥生という女性の結婚を祝うために15年ぶりに集まったのだというのです。

 その他の3人はそれぞれ名前を猿渡健吾、乾聖子、鬼貫守といい、偶然にも5人は桃太郎に登場する5つのキャラクターにちなんだ名前をしていたのです。それもあってか、小学生当時学芸会で自分の名前にちなんだキャラクターを演じた劇をやったこともあったらしいのですが…

 ところがその学芸会の話が出た途端、5人のうちの1人乾聖子が、何気に「俊也」という名前を口にし、彼の台本と演出があってこその学芸会だったと、意味深な発言をしたのです。
 そしてその名前を耳にした途端、他の四人は思わず顔を強張らせ…。「俊也」とは一体何者なのでしょうか?

 それから同窓会の一行は明日「宝探し」をする約束をした後、夕食までは自由時間ということで、その場でいったん解散となり、探偵団たちも彼らと別れ、倉敷の美観地区の見学を始めます。
 そして倉敷考古館で倉敷をはじめとする吉備地方・瀬戸内一帯の古墳や遺跡から出土した発掘品を見学した後、それぞれが念願のきびだんごとままかりを堪能。

 ところが空腹を満たし満足そうな表情の探偵団たちの目の前を、今度は彼らの好奇心を刺激するかのようにして、何と川の上流の方から桃太郎の童話さながらに、桃がどんぶらこと流れてきたのです……

 本物の桃ではないとは思いつつも、探偵団たちが思わずそれを引き揚げてみると、桃はフタのついた入れ物のようになっていて、中には桃太郎に登場する5つのキャラクターのイラストがそれぞれに描かれた封筒が入っていたのでした。
 そして更に封筒の中身を開けてみると、そこには何とも奇妙な図形が描かれており……

 何かの暗号なのか? コナンは小学生レベルの暗号だと冷静に判断し、思わず阿笠博士の方を見やりますが、どうやら今回のこの手紙はいつものように博士の仕組んだものではない様子。
 一方探偵団の三人は、「鬼ヶ島のお宝が見つかるかもしれない」とかなり興奮した様子…呆れ顔のコナンを強引に駆り出して、お宝探しの冒険をスタートさせたのです。

 しかしあくまで暗号は簡単なもので、コナンのヒントに導かれて探偵団たちはあっという間に目的地へと辿り着きます。そしてほどなくその場所に埋められた筒状の入れ物を掘り当てたのでした。

 お宝ゲットか!? 興奮を抑えつつ、探偵団たちは容器の中身をそっと覗き込んでみたのですが、中に入っていたものはというと…

 その後も暗号に従って探偵団たちは次々と同じような地面に埋められた筒状の入れ物を探り当てていきますが、奇妙なことに決まって何者かが先にそれを掘り出している痕跡が残っていたのです…。

 そして三つ目の暗号を解読して現場に向かった直後のことでした。その場所で探偵団たちを待ち受けていたのは、何と例の同窓会メンバーの一人の、変わり果てた姿だったのです…!!!

 加えて遺体のすぐそばの地面には、被害者が書き残したと思われる「ONI」というダイイング・メッセージらしき文字が残されており……

今回の見どころ
桃太郎、きじ、さる、いぬ、鬼…

 桃太郎の登場人物といえばこの5つで、今回の登場人物たちの名前にはすべてこのキャラクターたちの名前がつけられています。

 冒頭で探偵団たちもこれらのキャラクターに扮していますが、桃太郎がコナン、キジが歩美、サルが光彦、イヌが元太でした。ちなみにこの1羽と2匹、キジは勇気、サルは知恵、イヌは忠実を象徴しているそうです。

サービスカット?

 冒頭の桃太郎伝説の紹介では、温羅(うら)という鬼を退治する吉備津彦命(きびつひこのみこと)の姿が描かれていましたが、とある高校生探偵に似ていましたね(笑)

豆知識
きびだんご (名産品)

 きびだんご(吉備団子)といえば桃太郎が鬼退治の際に持っていった食べ物として有名で、岡山県の名物ともなっています。

 岡山県は古くから良質の黍(きび)の産地として知られており、最初はこの黍を原料としてきび団子が作られたそうです。

 しかし黍を材料にして作られたものは舌触りが今一つであったことから後に餅米が主原料となり、それから江戸時代末期頃になると砂糖や水飴で練って固めた求肥(ぎゅうひ)菓子と呼ばれる形態へと次第に改良されていき、現在の形になったそうです。

ままかり (名産品)

 「飯借り」と表記。正式名称はサッパといい、瀬戸内地方、特に岡山県沖で獲れる鰯(イワシ)によく似た小魚のことです。

 名前の由来はその昔名前も知らないこの魚を焼いて食べた所、あまりの美味さにご飯が足りなくなり、隣りの家にまでご飯を借りにいったという逸話から来ているそうで、まんま(飯)を隣りの家から借りるほど美味しいとされることからその名が付けられたそうです。

 食べ方もいろいろで、酢漬けにしたり寿司や焼きものにもされます。中でも酢漬けは酒の肴として重宝がられ、阿笠博士でなくても「まずはままかりで一杯」やりたくなります(笑)

倉敷 美観地区 (観光地)

 江戸時代、天領として栄えた街並みを当時のまま保存し、白壁の町として有名。そのほとんどが当時の商人たちが建てた蔵屋敷で、倉敷川に船を乗り入れて様々な商品を運搬していたといいます。

倉敷チボリ公園と桃太郎伝説 (観光地)

 今回の作品の舞台となっている倉敷チボリ公園と桃太郎伝説については下記のリンクがとても参考になります。是非本編を見る前ないし見てからでも結構ですので、一読しておくことをオススメします。

 ・桃太郎伝説について
  →桃太郎生誕の地・奈良県田原本町観光協会のサイト(桃太郎伝説についてのflashせ作成したWEBアニメーションもあります)

 ・鬼ノ城について
  →フリー百科事典ウィキペディアの鬼ノ城のページをご覧下さい。「温羅(うら)伝説」と「白村江(はくすきのえ)の戦い」両方について解説されています。

 ・岡山県立吉備路郷土館について
  →岡山県立吉備路郷土館のホームページ

 ・倉敷・吉備路について
  →倉敷観光サイトのWEBページ。美観地区、チボリ公園についての説明や倉敷駅・吉備路一帯と美観地区周辺の地図もあります。

 ・倉敷チボリ公園について
  →倉敷チボリ公園の公式サイト

NEXTコナンズヒント
File377 左利き
File378 露天風呂
コント
File377
コナン「次回は鬼退治!」
元太「いや違うんだよコナン、本当は竹から…」
歩美と光彦?「はあ?」

File378
歩美「秘湯雪闇?」
光彦「振袖事件?」
元太「やっぱり意味分からん…」
OP
START」(愛内里菜)
ED
忘れ咲き」(GARNET CROW)
監督
佐藤真人
脚本
宮下隼一
絵コンテ
亀垣一
演出
File377 依田正彦
File378 静野孔文
作画監督
File377 牟田清司/サブキャラクターデザイン 佐々木恵子
File378 総作画監督 牟田清司/作画監督 石井繁、鈴木克/サブキャラクターデザイン 佐々木恵子
ビデオ
PART13-7
DVD
PART13-7
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★

 冒頭で「吉備路一帯には古墳が多い」ことから「当時の文化はもちろん、人々の様々な思いが埋められているに違いない」という意味深な出だしで始まった今回のお話。

 まさしくその言葉どおりに倉敷駅のすぐ隣りにあるチボリ公園や駅周辺のいくつかの場所に埋められたタイムカプセルが事件の発端となってスタートしました。

 そしてタイムカプセルと一緒に入っていた紙に書かれたメッセージと、被害者の残したダイイングメッセージの意味とは? 犯行の動機も含めて注目点の多い、「南紀白浜」「松江玉造」「関門海峡」「長崎ハウステンボス」に続くミステリーツアー第5弾です。

 前編を終わって推理と言うほどではないですが、あらすじだけではつまらないという方のために(笑)、管理人が思い付いた点を書いておきます。乾聖子は少年探偵団との最後の出会いの時に左手で「じゃあね」と手を振っているから左利き。ということで文字は思わず逆から書いてしまったもの(いわゆる鏡文字)、だから本当は「ONI」なのではなくてその反対に読まれる。しかし「いの」で始まる名前も終わる名前も容疑者の中にはないので、その通りには読まない。そして「NI」という文字はよく見ると二文字ではなく一文字の「M」で、本当のメッセージは「MO」ということでしょうかね(笑)
 MOの右側に更に文字があって犯人が消したのか、さらに被害者がMOの次に文字を書こうとしていたのかは知りませんが、結局「~も」か「も~」と書きたかったということで関係者の中で「も」のつく名前の人間を見てみると桃井しかいない(笑)
 しかし一方でアルファベット二文字のためイニシャルだということも考えられますよね。だとすると鬼貫守か(苦笑)、訳が分からなくなってきました(苦笑) おそらく最後にコナンが言っていた通り、まだ犯人を特定するには材料が出揃っていないのではないでしょうか。

 桃井ということとなれば動機は選挙を間近に控えてスキャンダルでも怖れていたということになるのでしょうか。あまりヒントがないので難しいですが、次回予告で結婚相手の木島弥生がそういえば一人になった時間があったというような言い草だったのでそれでアリバイも崩れるのでしょうかね。

 しかしいまわの際に何でわざわざローマ字にして残すのかが分からないですし、アリバイ崩しの点はサッパリです。あまり真剣に推理するほど情報が出揃っていないので、これくらいで終わっておきます。

TOPへ

名探偵コナンカレンダー

×