(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 目暮警部 高木刑事 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 松本管理官 白鳥警部 佐藤刑事 千葉刑事 宮本由美 沖野ヨーコ 星野輝美 TWO-MIX 赤木英雄 長さん(高木長介) 仲本広俊(27) 加藤彰 志村由依 荒井 絵川卓郎 刑事A 刑事B 刑事C TVナレーション ゴメラ 仮面ヤイバー ジャガイモ男爵 |
本編の主人公、正体は工藤新一 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 警視庁捜査一課警視、目暮の上司 警視庁捜査一課警部 警部補、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 交通課の婦警、佐藤刑事の親友 人気アイドル 元アース・レディースの一員、女優 人気アーティスト プロサッカー選手、東京スピリッツのFW 警視庁捜査一課刑事、目暮の2年先輩 会社員、事件の被害者 会社員、仲本の同僚 会社員、仲本の婚約者 警視庁捜査一課刑事、強行犯五係 プロ野球解説者 警視庁捜査一課刑事 警視庁捜査一課刑事 警視庁捜査一課刑事 仮面ヤイバーのナレーション 大怪獣 子供達に大人気の特撮ヒーロー ヤイバーの宿敵 |
高山みなみ 茶風林 高木渉 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 加藤精三 井上和彦 湯屋敦子 千葉一伸 杉本ゆう 長沢美樹 原作のみ登場 原作のみ登場 声の出演なし 石森達幸 声の出演なし 柴本浩行 大坂史子 声の出演なし 声の出演なし 渋谷茂 北沢洋 浜田賢二 小野大輔 声の出演なし ??? ??? |
やっぱり遠くへ行ってしまうのは寂しい…その日の日売スポーツを読んだ人間なら、誰もがきっとそう思ったに違いないのでした。東京スピリッツのエースストライカー、ヒデこと赤木英雄のイギリスのプレミアリーグへの移籍濃厚という記事は、海外で揉まれた方が将来プラスになるとはいえ、コナンや探偵団たちを何ともいえぬ寂しい気持ちにさせていたのです。
そして同じ頃、ここ警視庁でも一つの寂しいニュースが本庁内を駆け巡っていたのです。それは鳥取県警にできた合同捜査本部に、応援として本庁からも一人刑事が派遣されるという話だったのですが、その候補として何と高木刑事を推す声が挙がっているというのです…!!
独身で有能で他県での激務に耐えられ、なおかつ土地勘もあるということで、目暮の上司である松本管理官などは、彼のことを高く評価しているというのですが……
その一報を耳にした捜査一課の人々の反応は様々でしたが、佐藤刑事と高木刑事の関係を快く思っていない大多数の刑事たちは、口では高木刑事を励ましはするものの、内心は拍手喝采、手放しで喜んでいる様子…白鳥警部などは、全国にまたがった窃盗団で犯人は複数。殺人未遂事件も起こし、扱う事件の数も半端ではなく、すべて解決するとなると、「最低3年は戻ってこれないかもしれない…」と、ようやく自分に運が巡ってきたことに歓喜の涙を流す始末…そして肝心の佐藤刑事はというと……
とても自分のことを心配しているとは思えない刑事たちの態度に青ざめる高木刑事でしたが、愕然としている暇もなく事件が発生し、すぐに現場捜査へと駆り出されます。
そして松本管理官の命令で今回捜査指揮を執る目暮の2つ先輩のベテラン刑事・長さんと佐藤刑事とともに、米花町4丁目で発生した殺人事件の現場へと足早に向かったのでした。
今回の殺人事件で被害にあったのは仲本広俊という27歳の会社員の男性で、自宅マンション23階の部屋の中で、刃渡り18センチほどの文化包丁で腹部を刺され血まみれになって亡くなっていたのでした。
死亡推定時刻は朝の7時から7時半の間ぐらいで、それからしばらく経った午後1時過ぎに会社の同僚で、彼の婚約者でもある志村由依が現場を訪れ、彼の無残な姿を発見したというのです。
玄関の扉の鍵はこじ開けられた痕もなく、部屋の中も荒らされた形跡がないことから、警察は顔見知りの犯行と断定。婚約者の志村に仲本を恨みに思う人間の心当たりを聞き、アルバムからピックアップした写真を手に町中へと聞き込みに向かいます。
すると、犯人と思われる怪しげなレインコートの人物を、犯行時間と思われる朝7時半頃に偶然近くを通りかかったコナンたち少年探偵団が目撃していたことが判明。そしてアルバムの写真を見た探偵団たちの証言から、一人の男が容疑者として捜査線上にあがってきたのです。
男の名前は加藤彰といい、被害者・仲本の会社の同僚で、志村由依の元恋人らしく、現在は彼と付き合いのある友人の家に居候しているということでした。
そこで高木刑事たちは加藤が滞在していると思われる、その友人の家へと聞き込みへと向かったのですが、そこで彼らを待ち受けていたのは何と……
今回はおなじみ本庁の刑事恋物語シリーズの第6弾。突如持ち上がった鳥取県警の合同捜査本部への刑事派遣の候補として高木刑事を推す声が松本管理官から上がったことから、捜査一課は大騒ぎになります。
鳥取に派遣されれば、しばらく佐藤刑事とは離れ離れになることは確実…果たして高木刑事の運命は? そして今回自宅が警察に捜査されるというとんでもないとばっちりを受けることになったあの人物の、”知られざる日常”が明らかになります。
まず冒頭の3年と聞いた高木刑事が動揺を見せるシーンに3年が1095日、26780時間だと頭の中で素早く計算するシーンが追加されています(笑)
次にアニメでは被害者の仲本の住む高層マンションに「ゴールデンマンション」と名前がつけられていました。
あとは当日の新聞やTV番組などの日付が、放映日に合わせて9月19日金曜日から2月25日金曜日に変更されています。
それから何といっても仮面ヤイバー(笑)、大幅にシーンが追加され、ヤイバーキックも炸裂しました。
それ以外ではセリフなどに若干変更やカットが見られますが、大きな変更やカットはなく、原作にかなり忠実につくられています。
プロサッカー選手、東京スピリッツのエース・ストライカー赤木英雄の移籍先と噂されるイングランドの国内リーグ。イングランドはサッカー発祥の地でもあり、プレミアは長い伝統と歴史を誇る名門リーグです。
ちなみに他の有名な国の国内リーグといえば、イタリアのセリエA、ドイツのブンデスリーガ、スペインのリーガ・エスパニョーラなどがあります。日本はJリーグですよね。
ヒデの海外移籍騒動のニュースを報じていたスポーツ新聞。
全て鳥取に関係しているもの。いわば名物ですね。
今回は元太のしている腕時計と、千葉刑事が加藤彰から譲り受けた初代ヤイバーの録画ビデオが登場しました。
初代ヤイバーは仮面がグロテスクで、そこがまたファンにはたまらない魅力なのだとか。第4話のタイトルは「ジャガイモ男爵の陰謀」、6話目のラストでは必殺技ヤイバー雷神拳が炸裂しました。
日売テレビで朝の7時から放映されている、生放送のニュースバラエティー番組。
小五郎が毎回必ず録画しているという沖野ヨーコの4分クッキングはこの番組内のコーナーの一つ。
ともにプロ野球球団としてコナンの中では何度か登場しました。ファルコンズの方は72「三つ子別荘殺人事件」で登場し、富沢財閥会長だった富沢哲治氏が熱烈なファンでした。
一方ジャガーズの方は371-372「物言わぬ航路」で登場し、妃英理が大ファンということで知られています。
それから今回の事件では昼の2時からデーゲームが中継されていたのですが、解説者の名前は絵川卓郎。これは元巨人軍投手で野球解説者の江川卓氏のもじりでしょうか(笑)
昼の1時から放映されている番組。おそらく徹子の部屋をもじったものだと思います。今回の事件が起きた日のゲストはTWO-MIXでした。
沖野ヨーコらとアース・レディースを結成していた女優・星野輝美が主演を務める人気シリーズ。今回の事件があった日の昼の1時45分から金曜サスペンスの枠で第8弾「タイトル戦に隠された陰謀・逆転の一手」が再放送されていました。
今回の作品は本庁の刑事恋物語ですが、それ以外にも千葉刑事の知られざる生態や、仮面ヤイバーの初代が見られたり、沖野ヨーコの4分クッキング、ジャガーズや星野輝美の再登場(名前だけですが)など、見どころは満載です。
しかし何といっても原作者・青山先生の仕掛けた一番の大トリックは、長さんの正体ということになるでしょう。まあしかし、よくこんな話を思いつくなあと関心してしまいましたね(笑)
勘のいい視聴者・読者なら、仲本、志村、加藤と出揃ったあたりで「あれっ?」と思ったでしょう。そして長さんが何となくいかりや氏に似ていると気づけば、これはドリフかとすぐに分かったでしょうね。それに気づけただけでこの話は最高に楽しいものになったはずです(笑)
そして「では高木は?」ということになって、そこに実はとんでもない大仕掛け、どんでん返しが待っているのですから、ファンとしてはたまらないです。ちなみに冒頭で刑事の一人として「荒井」という名前も出ましたが、ドリフは志村けんが加入するまでは荒井注(既に故人)がメンバーだったことも付け加えておきます。
話としてはこんな風にとても楽しく、盛り上がる場面が多かった訳ですが、ミステリとしてもそれなりに楽しめる作品でしたね。千葉刑事が早起きのためにしているちょっとした工夫というのが犯人逮捕に結びついたというのも驚きでしたし、ビデオの歌やCMを早送りして時間を稼ぐというのもなかなか面白いトリックだったと思います。
しかし今回は一緒に生活している千葉刑事をアリバイの証人にするという時間のトリックだった訳ですが、これは千葉刑事がいい加減というか、細かいことを気にしないズボラな性格でなければ成功しない、危なっかしいトリックであったことも事実です。私は結構几帳面な性格で、ビデオなどを撮る時は時間を常に気にする性格なので、このトリックは怖くて仕掛けられません(苦笑)
それからこの作品、サンデーで連載された当初はまだいかりや氏は健在でした。それから間もなくいかりや氏が他界されたため、そういうこともあってアニメの放映は先延ばしにされていたのかもしれませんね。健在であればご本人にもぜひ見て頂きたい作品でした。
最後に今回の長さん、もちろんいかりや氏をモデルにしたことは分かるのですが、個人的には見ていてキャラが何となくですが、「ちびまる子ちゃん」の野口さんに思えて仕方がなかったです。顔の作りもそっくりですし、普段は喋らないどころか、存在感もないのに、突然ふっと口を開いて存在感を存分に発揮してくれます。そのあたり結構雰囲気が似ているんですね(笑) 皆さんはどう思われたでしょうか?
「8時だョ!全員集合」「ドリフ大爆笑」などで知られるお笑いグループ。初期は何度もメンバーが入れ替わっていますが、人気を確立したのはいかりや長介、加藤茶、高木ブー、仲本工事、志村けんの5人のメンバーになってから。
1960年代から活躍を始め、当時はバンドとして活躍するなど音楽活動が中心でしたが、志村けんが加入した頃からはお笑い番組での活躍が目立つようになります。
また近年では単独で活躍することも多く、特にリーダーのいかりや長介は、「踊る大捜査線」などで俳優としても活躍しましたが、2004年3月20日に癌のため他界しています。
今回の作品は明らかにこのドリフ・メンバーを意図して作った作品であり、登場人物として加藤、仲本、志村それに長さんが登場。では高木は…ということで高木刑事なのか?ということになる訳ですが、それが実はひっかけであり(笑)、見事などんでん返しになっている訳ですね。
なおドリフターズについては、ウィキペディアのザ・ドリフターズのページにかなり詳しく紹介されていますので、そちらを参照下さい。