(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 阿笠博士 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 高木刑事 須藤雲造(40) 堆沙利奈(29) 千住えり(72) 玉井照尚(42) 警官A 警官B 三水吉右衛門 ベルモット 怪盗キッド |
本編の主人公、正体は工藤新一 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 巡査部長、目暮の部下 トレジャーハンター トレジャーハンター トレジャーハンター 遺体で発見されたトレジャーハンター 地元の警察官 地元の警察官 江戸時代に活躍した絡繰人形師 黒の組織の女、映画女優クリス・ヴィンヤード 神出鬼没の大怪盗、通称怪盗1412号 |
高山みなみ 緒方賢一 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 声の出演なし 江川央生 山像かおり 山本圭子 声の出演なし 大西健晴 高橋トオル 声の出演なし 声の出演なし 山口勝平 |
またまた恒例のキャンプにやってきた探偵団の面々と阿笠博士たち。いつもいつもキャンプに来る度に、スリルと冒険に満ちた事件に巻き込まれてきた探偵団たちですが、今回もご多分に漏れず…一段と奇妙かつ摩訶不思議な冒険が、彼らを待っていたのでした。
それは探偵団の三人が暖をとるための薪拾いに出向いていた先でのことでした。奥深い山をずんずんと進んでいった探偵団たちは、やがて古びた屋敷を発見。その庭先で、石でできた箱のようなものが沼の中に沈んでいるのを発見したのです。
そして間もなくテントに戻った探偵団が阿笠博士とテントの中で待機していたコナンにそのことを話してみると…
コナンは何かが心の中で引っかかりでもしたような表情を見せ、結局探偵団たちの案内で石の箱が見つかった現場へと向かうことになったのです。
現場についてみると、探偵団たちが石の箱だと言っていたその物体は、石灯篭を分解したその一部分であることが判明します。ところがその石の箱…よく見ると内側の壁に文字が彫られているのが見て取れたのです。
”…其処に 仁王の石は在り…拳に溢るる其の石を手中に収め…”
─灯篭に文字を刻んだのは江戸時代末期に絡繰(からくり)人形師として活躍した三水吉右衛門という人物。そして彼の残したその文面から、どうやら目の前にある古びた屋敷に”仁王の石”が隠されているというのでした。
仁王とは金剛力士のこと、その金剛力士の石というのであればそれは金剛石、そして金剛石というのは…あの宝石の王様ダイヤモンドのことであり、お宝としてはまさに文句のつけようもないものだったのです…!
そしてその推理を裏付けるかのように、つい先日吉右衛門の倉から妙な地図が見つかったというニュースをテレビで見たことを阿笠博士(TVでは光彦)が思い出して…
だとするとそのテレビのニュースで映った地図をもとにこの場所を割り出した誰かが宝を独り占めするために暗号の刻まれた灯篭を沼の中に沈めたに違いない…コナンはそう推理するのでした。
ところがコナンがそう思ったのも束の間、灯篭を沼に沈めたのは暗号を隠すためだけではなかったことが分かります。なぜなら沼の中に沈んでいたのは、石灯篭だけではなかったのです…
何と沼に沈められた多くの石灯篭の山の中からにょきっと顔を出していたのは、まるで助けでも求めるかのように水上に向かって伸びる一本の人間の腕…どうやら石灯篭を沈めた人間は、自らが犯した殺人を隠そうと、遺体も一緒に沼の中に沈めていたらしいのです…!
沼に沈められていた遺体を引き揚げてみると、それは中年の男性で、所持していた運転免許証から玉井照尚という人物だということが分かります。また彼の所持していた手帳から、彼が宝探しを生業とするトレジャーハンターであること、そして三水吉右衛門の宝についても詳しく調べ、相棒と組んでその宝を探していることが伺い知れたのでした。
更には…玉井の手帳にはこうも書かれていたのです─「これならあのキザなコソドロを出し抜ける…何度も煮え湯を飲まされたあの手品師を…」
”キザなコソドロ”…それが何度も対決している宿命のライバル、怪盗キッドを意味していることをコナンが気づかない訳はありませんでした。
キッドも”仁王の石”を狙っている…それを知って闘志を燃やしたコナンは、この辺りにまだ殺人鬼がうろついているかもしれないとは思いつつも、阿笠博士が警察を呼んで来るまでの間という条件で、探偵団の面々とともに古びた屋敷の中でお宝探しをすることになったのです。
ところがいざ中に入ってみると…古びた屋敷を建てたのが絡繰人形師として名を馳せた三水吉右衛門だけに、一筋縄ではいくはずもなく……
今回は何と言っても怪盗キッドとの対決が注目。ビッグジュエルを狙う怪盗が今回のトレジャーハンティングにどう関係していくのか、要注目です。
まず冒頭。原作ではいきなり「七つの子?」と阿笠博士がコナン(新一)に問いかけるシーンから始まりますが、アニメでは少年探偵団の三人が薪を拾っているシーンが追加されています。
元太の「男は山だよな~」というセリフに始まり、その元太を光彦と歩美がちゃんと薪拾いをするように諌めるシーン。それからコナンがくしゃみをして、阿笠博士から「風邪でも引いたのか?」と心配されるシーンが追加されています。
それから探偵団の三人が妙な石の箱を発見したという場所へコナンが案内を頼んでから、三人がコナン、灰原、博士を例の奇抜な屋敷に案内するまでの間にも若干オリジナルシーンが追加。探偵団たちの子供っぽい仕草が見られて、結構楽しいシーンになっています。
次に原作では例のボスのメールアドレスは一応はっきりと番号が明らかにされるのですが、アニメではこれが出てきません。
またコナンがダイヤモンドについて語るシーンが原作では石灯篭の発見直後にありますが、アニメでは遺体が見つかりしばらくして、封印編の最後の方でなされます。それに伴って吉右衛門についての阿笠博士のセリフが光彦のセリフに変わっていて、更にその直後にカラクリ人形についての説明が探偵団たちによって繰り広げられます。
以上のように大筋では変化はありませんが細かいセリフまわしなどではいろいろと変更もあります。全体としては話を整理して分かり易くする工夫がなされていて好感が持てる作品作りです。
「からす なぜ啼くの からすは山に かわいい七つの子があるからよ」で始まる、日本の童謡の中でも最も有名な曲の一つ。野口雨情作詞、本居長世作曲。
この曲について詳しく知りたい方はフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを、メロディを聴いてみたい方はこちらのページ(音が出るので注意)を参照下さい。
人類に災いをもたらすために送り込まれた女性パンドラが開けてしまった、神によって様々な災いが詰められた箱のこと。
この神話から転じて”パンドラの箱”という言葉は、災いをもたらすため開けてはいけない、触れてはいけない物を指す慣用句になりました。
この神話について詳しく知りたい方は、フリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
幕末を生きた絡繰人形師で、彼の作り出す人形はまるで生きているようだと大名や商人に気に入られて一代で財を成したといいます。佐幕派(倒幕派の反対で幕府を支持する派閥)の浪人たちに資金援助もしていたとか。
と作中では語られていますが、ネットで検索してみた所コナン関係のページ以外はゼロ…。不勉強のため実在の人物かどうか確認できませんでした。
ダイヤモンドは自然に生成鉱物の中で最も硬度の高い石で、御存知の通り宝石の中でも最も価値の高いものの一つです。ダイヤモンドについて詳しく知りたい方はフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
一方”ダイヤモンドカットダイヤモンド”はベルギーの諺で、硬いダイヤモンドを削るにはダイヤモンドが必要。転じて智者同士、強者同士の冷静で凄まじい戦いのこと言うのだそうです。
歴代の天皇が即位の際に継承する鏡、剣、玉の3つの神器のこと。八咫鏡(やたのかがみ)、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)(別名・草薙剣)、そして八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の3つを指します。
詳しくはフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。