(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 目暮警部 高木刑事 千葉刑事 狩谷伴子(39) 狩谷大策(68) 狩谷嗣貴(42) 狩谷滋英(37) 狩谷叡祐 相田素花 加藤 中村 電話の声 アナウンサー 坪内 森五郎 ジン ウオッカ ベルモット |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 今回の依頼人 狩谷家主人 狩谷家長男、イラストレーターで伴子の夫 狩谷家次男、純愛小説家 狩谷家三男、 叡祐の婚約者 狩谷家の家政婦 狩谷家の家政婦 狩谷家に電話をかけてきた男 ニュース番組のキャスター 滋英が本を出している出版社の編集者 伴子の中学時代の同級生 黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物 黒の組織の男、ジンの手下 黒の組織の女、映画女優クリス・ヴィンヤード |
高山みなみ 声の出演なし 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 声の出演なし 茶風林 高木渉 原作のみ 弥永和子 北村弘一 飯塚昭三 西村朋紘 岩永哲哉 本間ゆかり 磯辺万沙子 佐藤しのぶ 目黒光祐 千葉一伸 声の出演なし 神谷明 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし |
ようやく入手した黒の組織のボスのものと思われるメールアドレス。しかしこちらから送信などすれば、逆に自分の身元を相手に知られてしまうだけ…やってはいけないと言われると逆にやりたくなる人間心理と戦うコナンは、禁断のアドレスを前にして苛立ちを隠せないのでした。
そんなコナンが携帯電話を手に探偵事務所の中で悩んでいると、蘭が中に入ってきて今から一緒に出かけるから早く着替えてくるようにとコナンを急かせます。それもそのはず、その日は小五郎が依頼人の女性に会うために彼女の家を訪問することになっていたのですが、依頼人の要望で家族を装い彼女の家を訪問することになっていたからでした。
蘭に急かされ慌てて部屋へと戻るコナン。ところが黒の組織のことを考えていた最中に不意をつかれ、慌てて部屋に戻ろうとしたために携帯電話を事務所のテーブルに置き忘れてしまい…
一方蘭の方はというと、コナンが部屋で着替えを済ませている時間を利用して新一にメールを送ろうとします。
これから小五郎の依頼人の家に行くことと、そしてもし何かあれば助言して欲しいといつもと同じような感じの内容を打ち込み、送信ボタンを押すのでした。ところが…
蘭が送信ボタンを押すのとほぼ時を同じくして、コナンが置き忘れていた携帯電話がマナーモードでの着信を知らせるようにブルブルと震え出したのです。あまりの偶然に気になった蘭がコナンの携帯を手に取り画面をのぞいて見ると、案の定メールの着信を知らせる表示が…
なぜ新一の所に送ったはずのメールがコナンの所に…!? しかもその疑惑を裏付けるかのように、着替えを終えて事務所に戻ってきたコナンは大慌てで蘭から携帯を奪い返したのです。その態度にますます蘭は不信を抱き始め……
蘭から疑惑の目で見られていることに気づいたコナンは、その疑惑をどうにかして払拭する良い方法はないかとあれこれ考えながら、小五郎たちとともに依頼人の家へと向うことになったのです…。
携帯電話を探して欲しい…─今回狩谷伴子という女性が依頼してきたのは、偶然にも携帯電話についてでした。何でも今日中に自分の不倫相手からメールが届くことになっているのですが、自分の携帯電話がどこを探しても見当たらない。そこで今日届くはずのそのメールを誰かに見られる前に、その携帯を探し出して欲しいというのです。
相手の男性は彼の妻に知られないようにいつも非通知で、向こうから一方的にかかってくるらしく、しかも伴子が送ったメールの方はろくに見もしないため、不倫相手の男性に対しては連絡の取りようもないからというのですが…
そしてその携帯電話、間違いなく自分の住むこの家のどこかにあり、しかも家に住んでいる誰かが持っているというのです。一昨日見当たらなくなってからすぐにその携帯に電話をかけたところ誰かが無言で電話に出たらしいのですが、その時家に住む彼女の義父の奏でる尺八の独特の音色が聞こえたからだというのです。
もし不倫をしていることが家族の誰かに知られることにでもなれば、家を追い出されて慰藉料もどれだけ取られるか分かったものではない…伴子の必死の訴えを聞いた小五郎は、伴子の”中学時代の同級生”だと偽り、狩谷家に住む一人一人に探りを入れることになったのですが…
その家の主人で伴子の義父にあたる、厳格で尺八を吹くのが趣味の狩谷大策、次男で秋のドラマ化が決定しているなど、おしゃべるだが順調な活躍ぶりの純愛小説家の狩谷滋英、そして長男でイラストレーターとして活躍し少し前に話題となった嫉妬深い伴子の夫の狩谷嗣貴、と順番に探りを入れていきますが、手掛かりらしいものは何一つ入手することはできず、小五郎もコナンも途方に暮れてしまいます。
ところが探す所もなくなり小五郎たちが困り果てていると、伴子が小五郎の前に現れて、肝心の携帯電話は自分の手で見つけることができたからもう大丈夫だと、笑顔で話しかけてきたのです。
大したことはできなかったものの無事依頼人の携帯電話も見つかり、また依頼料も指定の口座に振り込まれるとなれば、小五郎も探偵の仕事としては言うことは何もありませんでした。
コナンの方も気になる点はいくつかあったものの、それよりも今は自分に疑惑の目を向けている蘭を何とかしなくてはいけない…そのことで頭が一杯だったのです。
そして帰りの車の中でもまだ依然として自分に疑いの眼差しが注がれていると感じたコナンは、ひとまず態勢を立て直すために阿笠博士の家に泊まろうとしますが、それもあっさりと蘭に一蹴されてしまいます…。
しかし何とか博士の助言が欲しいコナンは、修理を依頼しておいた探偵バッジを受け取るという名目で博士の家に寄り道していくことだけは何とか蘭に許してもらい…
束の間とはいえ蘭の疑惑の目から解き放たれたコナンは、さっそく博士に相談を持ちかけようとしますが、家の中で灰原哀が見ていたテレビのニュースを偶然目にして言葉を失います。
失くなった携帯電話を無事に発見することができ、ホッと一安心だったはずの狩谷伴子が何と……
今回は188-193「命がけの復活」以来、実に5年ぶりにあの展開になります。ハラハラドキドキのこの展開、次に放映される400回目とも合わせて必見ですね。
そして肝心の事件の方はというと、携帯電話が頻繁に出てきますので、携帯音痴の人間にはかなり厳しい回かもしれないです。私もあまり携帯は使わない人種なものですから、目暮警部じゃありませんが、さすがにこの話は訳が分からず(苦笑)
まず小五郎が依頼人の携帯電話をどうやって探したらよいものかと迷うシーンから森五郎(笑)に変身する直前までのシーンがカットされています。そしてそのシーンは次男へ探りを入れた後、依頼人の夫である長男に探りを入れる手前の所に挿入されています。
次に同じく殺人事件が発生して目暮と高木刑事が捜査を開始してから小五郎が自分が事件関係者であると被害者に依頼を受けた経緯を話し始めた所から、再び狩谷家を目暮たちと訪れて玄関の前で家政婦二人と話をするシーンまでが丸々3ページ分ぐらいカットされています。
それから狩谷家の家政婦二人に中村と加藤と名前がつけられています。そして殺人事件が起きてから長男の嗣貴に警官が事情を聞く場面があるのですが、そこが原作では千葉刑事なのですが、アニメでは高木刑事に変更されています。千葉刑事ファンにとっては非常に残念な変更点です。でも千葉一伸氏はちゃっかりアナウンサー役で出演していますが(笑)
また前編の一番最後には怪しげな影が挿入されていて来週に期待を持たせる作りになっています。しかし後編が始まると前編のあらすじ紹介は一切なしで、加えていきなり原作47巻のFile2の冒頭から高木刑事の「さすがは毛利さん」というセリフまでページ半分ぐらいもほぼカット…
更にコナンが真相にたどり着き小五郎を眠らせようとするものの蘭にじーっと見られていて断念するシーンも、非常に見どころなのですがこれも残念なことにカット…
他にも所々カットされているセリフも多数あり、こうやって詳細に検討してみると、今回原作では4話分なのを前後編の2話に収めようとしているので、かなり圧縮されている感じがしますね。コンパクトにまとまってはいますが、面白いシーンなども中にはあるので残念といえば残念です。
狩谷家の次男・狩谷滋英の書いた純愛小説。説明するまでもないと思いますが2005年に一大ブームを巻き起こしたペ・ヨンジュン主演の韓国ドラマ「冬のソナタ」のもじりだと思われます。