(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 鈴木園子 沖野ヨーコ 阿笠少年 木之下 野井 蝶野晴男(46) 中山未紗 フサエ・キャンベル 小畑与一郎 飼育員 アナウンス ビリー |
本編の主人公、正体は工藤新一 小学校1年生時代の新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 人気アイドル 40年前、小学6年生当時の阿笠博士 阿笠少年の友達の女の子、4年A組 阿笠少年のご近所、大型犬を飼う 阿笠少年の知り合い、ハムスターを飼う 沖野ヨーコとジョイントライブをする歌手 海外の有名ブランドのデザイナー 東都動物園初代園長、帝丹小の卒業生 東都動物園の飼育員 東都動物園のアナウンス係 謎の男、フサエの母の再婚相手の友人 |
高山みなみ 高山みなみ 山崎和佳奈 声の出演なし 緒方賢一 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 松井菜桜子 声の出演なし 田中一成 本多知恵子 京田尚子 二又一成 声の出演なし 増山江威子 声の出演なし 千葉一伸 友川まり 小林清志 |
秋もすっかり深まった11月の終わりのこと、阿笠博士の家に遊びに来ていた探偵団たちは、大事な手紙をどこかに失くしてしまったという博士の頼みを聞いて家の中を捜し回っていました。知り合いの博士の息子さんの結婚式の招待状らしく、今日中に出欠の返事を書いて出さなくてはいけないということで、探偵団たちは必死になって捜索を続けます。
もっとも手紙の方は意外にもあっさりと他の郵便物と一緒にTVの裏の隙間に落ちている所を発見され、探偵団たちも一安心だったのです。年賀状、暑中見舞い、免許証の更新の催促状など、失くしたと思っていた手紙が一気に発見され、喜ぶ阿笠博士だったのですが…
ところが手紙の束の中から手渡された一枚の葉書を見た途端、博士の表情が一変したのです。それは遠い昔を懐かしむような…、何ともせつない、でもどこか嬉しそうな表情…。何でもその葉書はもう40年も前のこと、博士が当時小学6年生の時に友達からもらったものだというのです…。
─小学6年生の夏休み明け最初の登校日、阿笠少年は一日目からあやうく遅刻しそうになったため、いつもとは違う学校への近道を急いで駆けていました。すると前方に電柱の後ろに隠れて青い顔をして立往生している、下級生の女の子の姿が目に止まったというのです。
その女の子は目深にかぶった帽子の下からクリクリっとした瞳をのぞかせる可愛らしい子でしたが、電柱の陰に隠れて立往生していたのは、実は小さい頃に飼い犬に噛まれたことがあり、それ以来動物嫌いになってしまったため、すぐ先の野井という家で飼われている大きな犬が吠えるのが怖くてその前を通ることができないからだというのでした。
何とかその時は阿笠少年の背中に隠れるようにして無事道を通ることができたのですが、そのままでは可哀想だと感じた阿笠少年は、ハムスターを飼う知り合いの家に女の子を連れて行き、動物嫌いを治してあげあげようと考えます。
そしてそんな阿笠少年の優しい心遣いが功を奏し、最初はハムスターに怯えていたその女の子も日を重ねるごとに慣れて段々と動物嫌いも解消されていき、ついには大型犬を飼う野井という名前の家の前も笑って通れるようになったというのです。
そうやって新学期からずっと女の子と一緒に学校に通っていたという阿笠少年。ところが楽しい時間は長く続くことはなく…女の子はその年の11月末のある雨の日、阿笠少年に直接別れを告げることもなく、突然引っ越していってしまったのでした…。
そしてその時女の子が阿笠少年の家の郵便受けに残していったのが、40年を経た今阿笠博士が手にしている一枚の葉書という訳だったのです。
─「三か月間ありがとう! 阿笠君に会えてとても楽しかったよ! バイバイはイヤだからまた会おうね! 10年後のこの日、お日様が沈む前に思い出のあの場所で… 会えなかったらそのまた10年後…おばあちゃんになっても待っているから、もしもヒマだったら会いに来てね… 大大大好きな阿笠君へ… 11月24日、4年A組 木之下…」
しかしこの40年間、二人はついに再会を果たすことはなかったのでした。それもそのはず、どうやら博士には葉書の中で女の子が書いている「思い出のあの場所」というのがどこなのか見当がつかないというのです…。
それを聞いて博士の鈍感ぶりにコナンは呆れますが、偶然にもその日は11月24日、しかも女の子との別れからちょうど40年目の…ひょっとしたら女の子は40年目の今日もその場所で待ってくれているかもしれない…
そこでこの手のことには疎い阿笠博士に代わって、コナンと哀、そして探偵団の面々がその「思い出のあの場所」がどこなのかを考えてみることとなったのです。
そしてその手掛かりは、葉書の宛名の下の所に書かれた「4163 33 6 0 ヒントは動物だよ」という文言。
女の子が待っているという日没まではあと4時間ぐらい…限られた時間の中あれこれと知恵を絞った探偵団たちは、やがてその「思い出の場所」が都内にある東都動物園であると推理し、急いで現地に向ったのですが…
40年も昔、小学校6年生の秋の3か月に一緒に学校に通った帽子を目深にかぶった可愛らしい女の子。しかし突然引っ越してしまい、40年も経った今ではすでに懐かしい思い出の一つでした。
ところがふとしたことから40年前に博士の家のポストに入れられていたというその女の子からの葉書が再び博士の目に触れることとなり…
10年後の11月24日に「思い出のあの場所」で待つ。10年後のその日がダメなら更に10年ごとに…そしてその日はちょうど40年後の11月24日。果たして40年経った今も約束どおり、彼女は「思い出のあの場所」で待っていてくれるのでしょうか?
今回も細かいセリフの変更・追加・カットはありましたが、ほぼ原作どおりでした。ただ前編冒頭のイチョウの葉が舞い降りる帝丹小学校の映像と、後編のエンディング曲後のエピソードだけは原作にはない完全なオリジナルです。
それ以外で気になった点があるとすれば、前編で探偵団たちが”4163”の部分を推理して「それだ!!」と言った後、原作ではコナンが「おいおい…」というだけですが、アニメではその後追い打ちをかけるように灰原哀が「コラコラ…」と言うのがちょっとおかしかったですね(笑)
都内にある動物園。初代園長は小畑与一郎といい、帝丹小学校の卒業生なのだそうです。
パンダがいることからして、モデルは東京にある上野動物園でしょうか。
今回はせつなくなる本当にいいお話でした。実際に40年という歳月を考えると気が遠くなってしまいそうであり得そうもない話のような感じもしますが、それだけ二人の間には固い絆が結ばれていたということなのでしょうね。
ストーリーはもう文句のつけようもなく抜群の出来でしたが、その一方で暗号解読の方も面白いですね。小学生が考えそうな内容で、まさか野井さんや蝶野さんの名前が関係あるとは思いつかなかったです。
ただ英語ができないかもしれない阿笠少年にはちょっと気の毒かもしれませんが(苦笑) とはいえコナンのおかげで無事再会を果たした二人、そう遠くない日にまた再会できることを心より願っております。
海外の有名ブランド。今回の事件のあった日には蘭と園子がこのブランドの限定発売品を買うため店の前に並んでいましたが、人気ブランドということもありすごい行列を作っていました。
ブランドを象徴するのがイチョウの葉の柄で、これはまあ今回の話を読んでいけばなぜなのか理由はすぐ分かるかと思います。有名ブランドとはいえ高価なものばかりではなく、リーズナブルな値段のものも数多くあるとか。
今回の暗号解読のヒントとなったのがこの動物の鳴き声でした。確かに比べてみると英語と日本語では全然違いますよね。
作中ではネズミ(ハムスターやコウモリも同じ)、ニワトリ、犬が出てきましたが、他の動物たちの鳴き声がどうなのか知りたい方はAll About(オールアバウト)のこちらのページでチェックしてみて下さい。