(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 妃英理 鈴木園子 沖野ヨーコ 栗山緑 桐下 桐下の娘 同僚の娘 ゴロ |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 蘭の母親、腕利きの弁護士 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 人気アイドル 妃弁護士の秘書 事件の依頼人、会社員 桐下の娘、高校2年生 桐下の会社の同僚の娘、高校3年生 妃英理の愛猫、ロシアンブルー |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 高島雅羅 松井菜桜子 声の出演なし 声の出演なし 水鳥鉄夫 声の出演なし 倉田雅世 高山みなみ |
朝9時に依頼人と会い、10時から昼の1時過ぎまでポアロで昼飯を食いつつのんびりコーヒータイム…そして2時からお待ちかねの沖野ヨーコの連続ドラマをビデオに録画しながら観賞しつつその後の話の展開をじっくり推理…
その日もそんな忙しいながらも充実したスケジュールの書き込まれた手帳を見ながら家を出て、満足そうな表情を浮かべて毛利探偵事務所へと降りてきた小五郎。早速依頼人と会うための準備に取り掛かろうと、事務所の扉を開けるのでしたが……
扉を開けてみると中にはまだ蘭とコナンの二人がいて、二人とも子を見る親のような温かな笑みを満面に浮かべて床の上を見つめていました。そして二人の視線の先にいたのは何と……
そこにいたのは一匹のネコ…それはロシアンブルーという種類の、ブルーグレー、即ち青みがかった灰色の毛並みに、グリーンの瞳が特徴的な愛くるしいネコでしたが、野良猫のようにどこにでもいて家の中に迷い込んでくるようなネコでもありませんでした。そのようなネコが探偵事務所の中にいたのには、”ちゃんとした理由”が存在していたのです。
3日間、ネコを預かって欲しい…そう蘭に頼み込んできたのは、他でもない母親の妃英理。何とそのネコは妃英理の愛猫だったのです…!?
小五郎に愛想を尽かして10年前に家を出て行き、現在は”法曹界のクイーン”と呼ばれる腕利きの弁護士として活躍する妃でしたが、娘の蘭とも離れ離れということもあり寂しさもあってか、彼女は以前から”ゴロ”と名付けられた茶色と黒ブチのネコ飼っていたことは小五郎も知っていました。
ところがどうやら以前飼っていたそのネコ、もともと高齢だったこともあって先月亡くなってしまったらしく、そこで知り合いから新たにネコを譲ってもらっていたという訳だったのです。
そしてそのネコが探偵事務所を訪問することとなったのは、妃が仕事で依頼人の待つ沖縄に飛行機で向かうことになったのですが、そんな時いつもネコを預かり世話をしてくれていた彼女の秘書の栗山緑が風邪で寝込んでしまったため、急な頼みとなると蘭にしかできないということだったのです。
しかし…理由は確かにもっともなものの、そうなれば蘭が学校に行っている間に面倒を見るのは小五郎しかおらず……蘭は早速そのネコを小五郎に託し、迎えに来た親友の園子とともに学校へ出かけてしまいます。そしてコナンも当然学校に行こうとするのでしたが、ネコの世話などしたくもない小五郎はコナンを強引に引き止めようとして…
そうこうしているうちに探偵事務所には依頼人が姿を現わします。予定では朝9時に桐下という名字の女性の依頼人がやって来るはずだったのですが、彼女は体調を崩したらしく、代わりに彼女の夫が会社に行く前に事務所を訪れることになったというのでした。そして事務所に現われるなり、桐下は彼の娘が彼の携帯電話に送ってきたという暗号めいたメッセージを小五郎に見せたのですが…
よゝ└⊂⇒±Wσ言延¬゜νカゝレゝ(=〒〒<σ⊃きあつτこのようなメッセージが桐下の携帯に送られてきたというのでしす。何でも彼女の娘は間違って彼の携帯に送ったものらしく、意味が分からない上に娘からは早く消せと言われているというのです。
しかし知られたくないと相手が思っていればいるほど逆に知りたくなってしまうのが人間の性分というもの…もしかしたらただならぬ内容なのではないかと心配になり、小五郎に相談に来たという訳だったのです。
一方依頼を受けた小五郎も、突然事務所に現われた厄介なネコの面倒を見つつ頭を捻りますが、何度見ても小五郎にはさっぱり意味が分からないらしく……
今回のお話は原作では珍しい2話完結のお話で、アニメでは30分放映の短いシリーズ。そしてメインは何といっても妃英理が新しく飼い始めたロシアンブルーの愛猫ゴロと小五郎の微笑ましい(笑)やり取りの数々です。ゴロの仕草の一つ一つが可愛らしくて、動物好きにはたまらない作品です。
ミステリーとしては暗号解読なのですが、これも推理するというよりは、小五郎が数々のヒントを頼りに推理していく過程を一緒になって楽しむといった趣向で、内容も極めてシンプル。そして話自体も心温まるハートフルなミステリーで、心が癒されること請け合いの好作品に仕上がっています。
また毛利探偵事務所が舞台となっているので、小五郎の日常生活を垣間見るシーンも多数あり、小五郎ファンにとってもたまらない作品ですね。
今回は大体原作に忠実な作りになっていますが、やはり若干の変更・カット・追加はありました。まず冒頭の小五郎が探偵事務所に降りてきながら沖野ヨーコのドラマについて考えるシーンで、”微妙な表情”を見逃してしまわないように念入りにビデオをチェックしようと決意するシーンがカットされています。
次に妃英理が蘭にゴロの世話を頼むシーンで原作では秘書の栗山緑さんが風邪でうなされているシーンがイメージとして登場するのですが、アニメではこれがなくて栗山さんは名前だけの登場になってしまっています。あまり登場のないキャラクターだけにこれは残念ですね。
それから園子が探偵事務所を訪問してきた際に、ドアを開けて小五郎たちが取り込み中であるのを見て「アタシ、空気読めてなかった?」と気を使うセリフと、そのすぐ後に蘭が「行ってきまーす」と小五郎に挨拶するシーンが追加されているのは礼儀正しくて良いですね(笑)
そして依頼人が探偵事務所を訪れて小五郎と話を始める際に三毛猫ホームズの話を切り出すシーンがありますが、そこでまず小五郎が横にいるコナンについて触れるセリフがあるのですが、そこが全てカット。更に原作ではコナンがゴロに後を託して学校へ向かう際にゴロの頭を撫でるシーンがありますが、そこで小五郎が「ヨロシクするのは俺だっつーの!」と独り言を言うシーンもアニメではカットされています。
後半に入ると小五郎が自分の肩に何度も乗るゴロに対し、俺の肩はお前のイスじゃないんだと怒鳴るシーンがあるのですが、そこが若干カット。次に小五郎が暗号の”⇒”について考えている際に、園子の出した年賀状を思い出すシーンがありますが、そこで蘭が年賀状を選り分ける回想シーンが追加されています。
それから蘭と園子が学校から戻って来た後に園子の最近よく出る口癖「メガネのガキンチョ」のセリフがまたしても追加されていますね。
人気アイドル沖野ヨーコの出演する連続TVドラマシリーズ。この日の昼の2時から小五郎は放映第6回目を録画しつつじっくり見る予定になっていました。
妃英理が飼っているネコの品種。名前のとおりブルーグレー、即ち青みがかった灰色の毛並みに、グリーンの瞳が特徴的な、ロシアが原産地と言われているネコです。
この点ネコで青い毛並みというのは非常に珍しいらしく、また毛並みの手触りも実に滑らかなことから古くからロシア帝国の貴族に愛されてきたという歴史を持つネコなのだとか。
妃英理は以前から”ゴロ”と名付けられた茶色と黒ブチのネコ飼っていましたが。老齢であったために今回の話のひと月前に亡くなり、そこでこのロシアンブルーを新しく知り合いから譲ってもらったのでした。
ちなみにこの作品が収録されている原作コミックス第51巻もロシアンブルーのネコの写真ですが、このネコは青山先生&高山みなみさんご夫妻の飼われているネコで、名前は「まじっく快斗」にちなんで”カイト”といいます。なぜ”コナン”じゃないかは51巻の表表紙見返しの青山先生のコメントを見ればすぐ分かりますね(笑)
参考までにロシアンブルーについてはフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを、青山先生の愛猫の”カイト”くんのブログはこちらのページになります。
人気ミステリー作家赤川次郎氏が生み出したネコの名探偵。
一応名探偵ですが決して人間の言葉をしゃべったり自分から捜査をしたりする訳ではなく、その何気ない動作が飼い主である片山義太郎刑事にいつも事件解決の重要な手掛かりやヒントを与えてくれることから、周りからは名探偵として大事にされています。
詳しくは当サイトの「三毛猫ホームズ」のページと、フリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
今回の携帯メールの暗号文には少なからずこのギリシャ文字が使われていました。α(アルファ)、β(ベータ)、Σ(シグマ)、Θ(シータ)などはよく使われますし、ガンダムファンならΖ(ゼータ)と聞けばたまらないはず(笑)
ちなみにこれらのギリシャ文字もそれ以外で今回出てきたマークのようなものもすべて「きごう」と打って変換すると出てきます。候補がありすぎるために変換するのに時間はかかりますが、いちいち覚えるよりは記号で打った方が速いかもしれません。
ギリシャ文字について詳しく知りたい方はフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。