名探偵コナン462-465「黒の組織の影」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File462 黒の組織の影 幼い目撃者
File463 黒の組織の影 奇妙な照明
英題
Shadows of the Black Organization: The Childish Witness
Shadows of the Black Organization: The Strange Illumination
放映日
2007/1/29・2/5
原題
第53巻
File7「目撃者は一人」
File8「釘とへび」
File9「トンカチの正体」
ジャンル
本格
事件現場
杯戸中央病院~毛利探偵事務所~堤無津川~杯戸新橋~杯戸中央橋~タトゥーショップ〈Nail Snake〉~杯戸大橋
管轄
東京警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
毛利蘭
毛利小五郎
目暮警部
高木刑事
鈴木園子
千葉刑事
沖野ヨーコ
本堂瑛祐
板垣ロク(22)
柱谷巧
柱谷(巧の父)
桐谷
安居
関内
アナウンサー
店員
ヴォーカル
水無怜奈
ジン
ウォッカ
ベルモット
ジョディ先生
赤井秀一
ジェイムズ
本編の主人公、正体は工藤新一
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
警視庁捜査一課警部
巡査部長、目暮の部下
鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友
捜査一課刑事、目暮の部下
人気アイドル
蘭のクラスに来た水無怜奈似の転校生
人気ミュージシャン
幼い目撃者
巧の父親
タトゥーショップ〈Nail Snake〉の客
タトゥーショップ〈Nail Snake〉の客
タトゥーショップ〈Nail Snake〉の客
臨時ニュースのアナウンサー
タトゥーショップ〈Nail Snake〉の店員
インディーズバンド〈Nail Snake〉のヴォーカル
日売テレビ アナウンサー
黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物
黒の組織の男、ジンの手下
黒の組織の女、映画女優クリス・ヴィンヤード
FBI捜査官
FBI捜査官
FBI捜査官、ジョディと赤井の上司
高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
茶風林
高木渉
松井菜桜子
原作のみ登場
声の出演なし
野田順子
声の出演なし
坂本千夏
拡森信吾
津田健次郎
声の出演なし
声の出演なし

引田有美
津久井教生
かわのをとや
声の出演なし
声の出演なし
声の出演なし
声の出演なし
一城みゆ希
池田秀一
家弓家正
(注)ネタバレになるため一部伏字になっています
あらすじ
「…いや…おまじないなんかじゃねぇ…こいつがさっきやった事は、あの時あの人がオレにやったのと一緒…」

 高級ブランドの服を着て、馬鹿高いスーパーカーとハイテクメカで華麗に捜査し、行く先々で女にモテモテ。そんな007=ジェームズ・ボンドになりたい気分…

 一張羅のスーツを着て、レンタカーを借り、使い切りカメラを片手に浮気の現場写真をコソコソを撮影し、あげくの果てに逆恨みで浮気女のオバサンに怒鳴られてしまった小五郎は、正月から4日も経ったその日、珍しく低いテンションで探偵事務所のデスクに座りボヤいていました。ところが憂鬱な気分にさらに追い打ちをかけるかのように、小五郎の目の前に再びあの人物が姿を見せたのです。

 その人物とは蘭がつい今しがたスーパーで偶然出会い連れてきたという、ドジでお調子者のあの本堂瑛祐。いつでも遊びに来ていいという小五郎の言葉を真に受けて再び探偵事務所を訪れた瑛祐は、小五郎のため電話番でも何でも手伝うと大張り切りでいました。

 ところが今回もドジの連続…いきなり蘭に熱いコーヒーをかけられたかと思うと、依頼人からと思われる電話に出ようとして自分で電話を切ってしまい…敢え無く小五郎から大目玉をもらってしまいます。

 「探偵って結構暇なんですね…」─自分がせっかくの依頼の電話を切ってしまったにもかかわらず、そうこぼしながらあくびを連発する瑛祐。そこにはもう先ほどまでの大張り切りでいた姿はありませんでしたが、どうやら彼は何にでも好奇心旺盛らしく、今度は蘭とコナンがマンガ雑誌を読んでいてふと思ったことに興味を示し始めたのです。

 「取材のため」と書いてあるが、実際はどうだか分らない…それは漫画家が休載する際には決まり文句のように使われる言葉でしたが、確かに本当の所は当事者以外は分かるはずもないことでした。仕事が嫌になって逃げ出したかもしれないし、風邪で寝込んでいるかもしれないし、あるいは誘拐されてどこかに監禁されているということもあり得ない話ではありませんでした。

 そしてそこから話題は最近姿を見せなくなった有名人の話になり、真っ先に思いついた蘭が名前を挙げたのが、板垣ロクという名前のミュージシャンでした。

 板垣ロクは元々はインディーズ出身のミュージシャンで、昨年メジャーデビューと同時に大ブレイクしTVにもよく出演していたのですが、充電期間と称してここ最近姿が見えなくなっていたのです。そしてインディーズ時代からの大ファンだという園子も、デビューして1年も経っていないのに充電期間に入ったため何かあったに違いないと心配しているらしいのですが…

 ところがそこへ突然小さな訪問者が姿を見せ、衝撃的な発言をします。何と板垣ロクはもう殺されてしまっているというのです…!!!

 その小さな目撃者は名前を柱谷巧といい、何でもつい先日板垣ロクのCDのコマーシャルがテレビで流れているのを見て騒ぎ出したというのでした。そして初めは信じていなかったものの板垣が急に休みに入ったということを耳にして少々不安になったという巧の父親に連れられ、その日毛利探偵事務所を訪れたという訳だったのです。

 巧少年が板垣ロクを目撃したのはつい先日の初詣でのことらしく、年明けと同時に上がった花火の音が鳴り響くちょうどその時、ノコギリのような銀髪でギザギザの頭をした板垣ロクが大きなカバンに入れられ橋から落とされる所を目撃したというのです。
 ところが巧の父親は当時はとても道が混んでいて停車も多く疲れていたらしく、どの橋を渡った時に花火が上がったかまでは覚えていないというのでした。

 そこでコナンはさらに当時のことを詳しく話すように巧少年を促しますが、すると少年は奇妙なことを言い出したのです。

 板垣ロクを橋から突き落した男はカバンを捨てた後、更に自分が着ていた服から色々と出して捨て、その後タバコを吸って間もなくそばにあった黒っぽい車に乗ってどこかに行ってしまったらしいのですが、顔は帽子を被っていて見えなかったものの、腕に何だか気持ち悪い釘の絵が描いてあったというのです…。

 そしてそれだけではなかったのです。その時巧少年の乗っていた車のそばに大きな光るトンカチが見えた、そう少年は証言したのですが、あまりに突飛な巧少年の証言に小五郎は少年がウソをついていると怒り出し…

今回の見どころ
ノコギリ、釘、トンカチ…

 正月から4日が経ったその日、毛利探偵事務所で本堂瑛祐とコナンを交えて最近姿が見えなくなった有名人の話題をしていた蘭は、園子が大ファンだという人気ミュージシャン板垣ロクがメジャーデビューから1年も経たずに突然休みに入ったことを思い出し、彼の名前を口に出します。

 するとそこへ偶然にも板垣ロクが殺されて橋の上から落とされたのを見たという少年が、父親に連れられて探偵事務所を訪れたのです。

 柱谷巧という名前の少年がその光景を目撃したのは正月の初詣の際、父親の運転する車の中にいた時のことで、少年はその時犯人の腕に何だか気持ち悪い「釘の絵」が描かれ、更に彼のそばには「大きな光るトンカチ」が見えたと証言するのでしたが……

 果たして「釘の絵」と「大きな光るトンカチ」の正体とは、そして小五郎たちは少年がその光景を目撃したという橋を割り出し、犯人を突き止めることができるのでしょうか?

原作との相違点
「黒の組織の影 幼い目撃者」

 まず冒頭の杯戸中央病院でのジェイムズ、ジョディ、赤井の会話の最中にジェイムズの話の中の「組織(かれら)」という言葉の際にジン、ウォッカ、ベルモットのイラストが追加されています。

 次に探偵事務所に舞台が移ってすぐ、小五郎がため息まじりに007ことジェームズ・ボンドになりたいとこぼした際のボンドの登場シーンが、スーパーカーを乗り回し、銃を撃ち、水上バイクを乗り回し、敵を拳闘で倒したりと大幅に追加されて、それに対応する形で小五郎が頑張って捜査しているシーンも大幅に追加されていますが、ビンタを食らったりして散々なことになっています(苦笑)

 それから本堂瑛祐が巧少年の言っていることが嘘か本当か確かめるシーンでコナンは水無怜奈のことを思い出しハッとさせられる訳ですが、そのシーンに425「ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間」の回想シーンが数分挿入されています。そしてその直後の臨時ニュースのアナウンサーが、原作では男性ですが、アニメでは女性アナウンサーに代わっています。

 そして瑛祐が巧少年の言っていることが本当だと断言できたことを謙遜しておまじないのようなものだと言ったのをコナンが心の中で否定するシーンがありますが、これが3つの橋全部を行ってみることになった後、車の中で考え事をしている直後に挿入されています(そのため「今やった事」が「さっきやった事」になっている)

 そしてその後ジン、ウォッカ、ベルモットの三人が再び回想で登場し、そこで「幼い目撃者」の回は終わっているのですが、今回のこの辺りの構成は徐々に話を盛り上げていくのに非常に効果的でなかなか良かったと思います。

 それ以外もカットされているシーンはまったくなく、細かいセリフ回しの違いなどはあるものの、原作に非常に忠実に作られていました。

「黒の組織の影 奇妙な照明」

 この回も前半はセリフ回しに若干の追加や変更はありますが、ほぼ原作に忠実に作られていますが、最後の杯戸大橋に来た時、原作ではコナンが走りながら何かを確認するシーンがありますが、これが橋をぶらぶらと歩き道路に映った自分の影を気にするシーンになっています。

 そして後半(原作3話目に相当)に入ると全体的にかなりセリフやシーンのカットが目立ちましたが、解決編として大きな支障があるようなカットはありません。個人的には小五郎のダジャレの部分のカットは残念でしたが(苦笑)

 それから原作では高木刑事とともに千葉刑事も登場しているのですが、アニメでは残念ながら高木刑事のみの登場となっています。

豆知識
杯戸中央病院

 作品冒頭で登場した、水無怜奈の入院する病院

007(ジェームズ・ボンド) (スパイ映画)

 今更説明するまでもないと思いますが、イアン・フレミング原作の小説に登場する主人公で、1960年代に映画化されて一躍スパイ映画ブームを巻き起こした人気シリーズ。

 そして40年以上経った現在も新作映画が公開され続けているイギリスを代表する人気キャラクターでもあります。

 青山剛昌の名探偵図鑑でも27巻で紹介されていますが、当サイトの探偵ファイルにもありますので、詳しくはジェイムズ・ボンドのページを参照下さい。

週刊ヨンデー (マンガ雑誌)

 冒頭コナンが探偵事務所で読んでいたマンガ雑誌。アニメのみの設定で、原作では少年サンデーになっていました。

杯戸大橋、杯戸中央橋、杯戸新橋 (橋)

 正月柱谷親子が初詣に行った際に通った橋で、この3つのうちのどれかを通ったはずということで問題になりました。今回は犯人当てだけでなく、この橋を当てるのも一つの楽しみになっています。

 とある交差点を起点に右折すると杯戸大橋、真っすぐ行くと杯戸中央橋、左折すると杯戸新橋に行くことができます。

Nail Snake (タトゥーショップ

 杯戸中央橋のそばにあるタトゥー(刺青)を入れる店。インディーズ時代からのファンだという園子の言によれば、板垣ロクのバンドのファンショップも兼ねているタトゥー店で、ファンならそこでタトゥーを入れてもらうのが決まりになっているのだとか。

ドリップ式モモカフェ (コーヒー)

 つい最近発売されたドリップ式のコーヒーで、点数を集めて送るとかわいいコーヒーポットが当たると宣伝されていたらしく、蘭がそれを知ってスーパーで購入。それを飲んだ小五郎も美味いと絶賛していました。

 そしてこのコーヒーのCMをしていたのが、何を隠そう小五郎も好きなあの人気アイドル沖野ヨーコでしたね。

NEXTコナンズヒント
File462 蛇と釘
File463 赤毛連盟
コント
File462
コナン「ねえ、ホントにあのポット欲しいの?」
蘭「点数たまった!」
コナン「早ッ、ええーッ!?」

File463
コナン「ボク、ホームズ大好き!」
蘭「どっかのホームズオタクと一緒…」
コナン「あぁ…、そうね…」
OP
雲に乗って」(三枝夕夏 IN db)
ED
白い雪」(倉木麻衣)
監督
佐藤真人
構成
File462 辻久子
File463 鎌仲史陽、佐藤真人
絵コンテ
File462 辻久子
File463 鎌仲史陽、佐藤真人
演出
File462 戸澤稔
File463 岡田宇啓
作画監督
File462 菅野智之/サブキャラクターデザイン 佐々木恵子
File463 小林勝利/総作画監督 菅野智之/サブキャラクターデザイン 佐々木恵子
ビデオ
-
DVD
PART15-10
評価

(注)この作品にはコナン・ドイル原作のホームズ作品「赤毛連盟」についてネタバレがあります
未読の方はご注意下さい。

タイトル
File464 黒の組織の影 謎の高額報酬
File465 黒の組織の影 真珠の流れ星
英題
Shadows of the Black Organization: Mystery of the Huge Reward
Shadows of the Black Organization: The Shining Star of Pearl
放映日
2007/2/12・2/19
原題
第53巻
File10「不可思議なバイト」
第54巻
File1「夕食の献立」
File2「夢見るスター」
ジャンル
本格
事件現場
鳥矢町3丁目船本達仁邸2階 兼世夫人の部屋のベランダ
管轄
東京警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
毛利蘭
毛利小五郎
目暮警部
高木刑事
榎本梓
本堂瑛祐
船本達仁(43)
船本兼世(39)
船本透司(8)
茂野孝美(48)
水無怜奈
ジン
ウオッカ
ベルモット
キャンティ
コルン
ネズミの仲間
ジョディ先生
ジェイムズ
仮面ヤイバー
ジョッカー
本編の主人公、正体は工藤新一
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
警視庁捜査一課警部
巡査部長、目暮の部下
毛利探偵事務所下 喫茶店《ポアロ》店員
蘭のクラスに来た水無怜奈似の転校生
船本家 主人
達仁の妻、事件の被害者
達仁の息子
船本家 家政婦
日売テレビ アナウンサー
黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物
黒の組織の男、ジンの手下
黒の組織の女、映画女優クリス・ヴィンヤード
黒の組織の女、スナイパー
黒の組織の男、スナイパー
黒の組織に紛れ込んだ”鼠”の仲間
FBI捜査官
FBI捜査官、ジョディと赤井の上司
子供達に大人気の特撮ヒーロー
ヤイバーの宿敵
高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
茶風林
高木渉
榎本充希子
野田順子
菅生隆之
川村万梨阿
かないみか
弥永和子
声の出演なし
堀之紀
立木文彦
小山茉美
井上喜久子
木下浩之
木村雅史
原作のみ登場
原作のみ登場
声の出演なし
声の出演なし
あらすじ
「それにこの子… 確か… 確か… あの時の!!!」

 たまの日曜日の朝、気の滅入る依頼の事も忘れてポアロの熱いコーヒーを飲んでのんびり気分を味わおうとしていた小五郎の目の前に、またしても現れた本堂瑛祐。いつでも遊びに来いとはいったものの、朝の7時となるといくら何でも邪険にしたくもなるのでした…。

 ところがその日瑛祐は何と面白そうな事件の話を持ってきたらしく、それを聞いた小五郎は途端に嬉しそうな表情に変わり、依頼人は金持ちかと詳しい話を聞こうと耳を傾けたのです。

 しかし喜んだのも束の間…瑛祐が見つけた事件というのはインターネットのHPでそれっぽいものを見つけただけで、金持ちどころか「依頼人」すらいる訳でもなく…慈善事業をやっている訳じゃないと怒り出した小五郎に、瑛祐はあえなく大目玉を頂戴することになってしまったのでした…。

 それでもせっかく来たのだから話だけでも…と蘭がとりなしますが、ここ最近の瑛祐の不審な行動の数々を目の当たりにしているコナンは、小五郎が瑛祐の話を聞かないように沖野ヨーコの話題を出して見事に誘導。それっきり瑛祐の持ってきた事件はお蔵入り…となったかに思えたのですが…

 ところがその事件がコナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズ作品の代表作の一つである「赤毛連盟」を読んで思いついた、ただの作り話かもしれないと瑛祐が話した途端、コナンの顔色が変わってしまいます。敬愛するホームズに関係するとなると我を忘れてしまい、結局小五郎とともに瑛祐が持ってきた事件について詳しく聞くことになってしまったのです。

 「超高額バイトキターッ! エコ万歳! こいつは春から縁起がいいぜ」

 昨夜瑛祐がインターネットをしていた時のこと、あるサイトの日記を閲覧した所、次のような風変りではあるものの高額の報酬がもらえるというアルバイトについて書かれた記事を発見したというのでした。

 そのアルバイトというのは、指定された近くの駐車場に停めてある車を使い、あるゴミ置場に置いてあるゴミを、回収車に回収される前に車に積み込んである前回の回収日に回収したゴミと交換するというごくごく簡単なもので、その対価として1回の作業が終わる毎にその日の午後に何と5万円が振り込まれるというのです。ゴミの回収日は週2回だから、最低でも月40万円は稼げることとなり、確かにこんなおいしい話はありませんでした。

 ところがその依頼主、何でもゴミの無害化の研究をしている団体らしく、ゴミを集めて色々と調べたいといっているらしいのですが、あまりにおいしい話のため気になったアルバイターがデジカメを使って調べた所、依頼主が回収したゴミを調べるどころが動かした形跡すらなかったらしく…

 赤毛連盟のようにアルバイターがゴミを回収している間に、アルバイターの家のそばで依頼主がよからぬ事をやっているのか…!? 奇妙な話に関心を抱いた小五郎たちは、まだ朝の7時過ぎでそのアルバイターが現場に来ているかもしれないという瑛祐の言葉に乗せられ、そのゴミ置き場があるという鳥矢町3丁目に向かうことになります。

 しかし小五郎たちが問題の鳥矢町3丁目のゴミ置き場に行ってみると、可燃ゴミの回収日は火曜日と金曜日だという張り紙が…
 貴重な日曜日を台無しにされた小五郎はまたしても激怒し、パチンコ屋が開くまで辺りをブラブラしていると言い残して蘭たちと別れようとします。

 するとそこへ一昨日の夜9時から10時頃に不審な人物を見かけなかったかという、聞き慣れた男の声が。小五郎が振り返ると男は目暮警部の指揮の下、殺人事件の捜査のため聞き込みをしていた高木刑事だったのです。

 事件が名探偵を呼んでいたのか…偶然にも捜査現場を訪れることとなってしまった小五郎たちは、またしても目暮警部に協力して殺人事件の解決に挑むことになったのです。

 この点その日目暮が捜査していた事件とは次のようなものでした。近くに住む資産家の家に夫と息子、それに家政婦と一緒に住んでいる船本兼世という39歳の女性が、昨日の朝なかなか起きてこなかったため気になった家政婦が部屋に様子を見に行くと、夫人が後頭部を拳銃で撃たれ、ベランダの壁にもたれかかった状態で事切れているのを発見したというのです。

 死亡推定時刻は一昨日の夜9時から10時の間で夫人が友人のホームパーティーから帰った直後のことだったらしく、帰宅時に夫人がかけていた真珠のネックレスとブレスレットが失くなっていることから、警察は強盗目的の犯行の線で捜査を進めていたのでした。

 ところが目暮と高木が小五郎に事件のあらましを説明し終えたちょうどその頃、そこに一人の少年が現われ、自分は犯人を知っていると言い出したのです。

 少年はどうやら被害者の兼世夫人の息子らしく、真剣な表情で自分の母親を殺したのは真っ黒な格好をした、外国の女だと主張したのですが…

今回の見どころ
「赤毛連盟」を彷彿とさせる事件の調査に乗り出した小五郎だったが…

 日曜の朝ののんびりとした一時を喫茶ポアロで過ごしていた小五郎の下に、またもや現われた本堂瑛祐。そして今回もまんまと瑛祐に乗せられ、彼がインターネットで見つけたという風変わりな事件を調査することになります。

 瑛祐が今回持ち込んだのは、簡単なゴミ出し作業を手伝うだけで1回5万円が振り込まれるという何ともおいしい、しかしどこか謎めいたアルバイトの真相を突き止めるというものでしたが、いざ問題のゴミ置き場のある鳥矢町3丁目に行ってみると、回収日は火曜日と金曜日だということが分かり結局調査はそこで打ち止め…

 ところがそこで偶然、近くの資産家の家で発生した殺人事件を捜査する目暮警部と高木刑事と遭遇し、小五郎は成り行きから事件解決に協力することとなるのですが…

原作との相違点
「黒の組織の影 謎の高額報酬」

 まず冒頭に先週までの2回分のあらすじが挿入されています。ミステリとしては今週からの2回分とは独立しており繋がりはないのですが、「黒の組織の影」の話、特に本堂瑛祐との関係では話は依然として続いているので、あらすじがつけられたのだと思います。

 次にタイトルコールに続いてジン、ウオッカとキャンティ、コルンの会話シーンの前に杯戸中央病院で依然意識の戻らない水無怜奈がベッドに横になっているシーンが追加されています。

 続いて黒の組織のメンバーたちの会話シーンですが、ここはまずアニメではジンがタバコに火をつけるシーンが追加されています。そして原作ジンたちの乗った車とキャンティたちの乗った車はともに道路を走りながら会話が進むのですが、アニメでは夜間工事のため交通整理がかかり渋滞で2台とも足止めされ、車を停めた状態でやり取りが進められていきます。イライラしたのか、最後にはキャンティがブチキレて車を暴走させていました(苦笑)

 それから喫茶ポアロでの小五郎たちの朝の一時では、小五郎が瑛祐をぶん殴る際に二度とも画面が梓さんに切り替わって殴る音で梓さんがビックリするような演出になっています。
 そして瑛祐が「確か鳥矢町3丁目の公園のそばだったと…」と言った直後に「よかったら…」と瑛祐がそのまま続けて話すのですが、その部分とそのすぐ後の小五郎の「パチンコ屋の玉の出具合の調査も兼ねて…」というセリフの順番が入れ替わっています。

 後半に入ってすぐですが、ゴミ置き場のゴミの収集日が原作とアニメで異なっています。原作では資源ごみが火曜日で可燃ごみが月木、そして不燃ごみが金曜日になっていますが、アニメでは資源ごみが月曜日で可燃ゴミが火金、そし不燃ごみが土曜日となっています。

 が…しかしなぜかアニメでは小五郎のセリフは原作のまま可燃ごみが月曜と木曜だと言っています。これは一体(苦笑) 可能であればDVDを出す時は是非修正をお願いしたいものです。
 そしてその後の「普通日曜日にゴミの回収はしない」というツッコミのセリフがコナンから蘭のセリフに変わっています。まあこれは探偵事務所で普段ゴミ出ししているのは蘭でしょうから適役と言えるでしょう。

 その後高木刑事から小五郎が聞き込みされる訳ですが、その際の「あ、いや… 私はこの辺の住人じゃないんで…」というセリフがなくなっています。このセリフの後に高木刑事と気づいてビックリしながらツッコミを入れるというやり取りになっているので、この部分をカットしたのはちょっと頂けない気がしますね。

 そして高木刑事が小五郎に事件の詳細を説明している場面では高木刑事の「弾は頭部を貫通…」と小五郎の「で、目撃者は?」などのセリフが若干追加され、また説明が一通り終わった後で三人が「うーーーん…」と唸るシーンがあるのですが、これがカットされて代わりに目暮の「バカモン!」というセリフが追加されています。

 更にその直後に目暮が事件と関係のない蘭とコナンを帰そうとし、小五郎も時刻に気づき「とても大事な用事」(笑)のために慌てて現場を立ち去ろうとするシーンが追加されているのですが、蘭の「調査…出玉の…」というセリフをはじめこの一連のやり取りがなかなか面白くアレンジされていて良かったと思います。

 そして最後の少年が母親を殺した人物を知っていると懸命に訴えるシーンの後、黒ずくめの仲間キールのバイク事故の回想シーンに続けてコナンが覚悟を決めて捜査に取り組もうと決意するシーンで締めくくられています。

「黒の組織の影 真珠の流れ星」

 こちらはまず小五郎の「その外国人の女が第一容疑者に…」からそれを受けた目暮警部のセリフがカットされ、その後も微妙にセリフのカットされている部分が続きます。

 全体としてかなりカットが多く、忙しない30分だったかと。ただ解決編として大きな支障があるようなカットはありません。

豆知識
赤毛連盟 (小説)

 ご存知アーサー・コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズ作品の代表作の一つで、1892年に発表された短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されています。

 内容については本編で触れられている通りですので割愛させて頂きますが、名作中の名作ですからできれば今回の作品を見る前に読んでおきたいですね。

ブルマン (コーヒー)

 原作のみでアニメでは残念ながら該当部分はカットされていましたが、小五郎が解決編の際に本堂瑛祐に買いに行かせたコーヒーの名前。正式名称はブルーマウンテン。

 詳しいことはこちらのページを参照下さい。

NEXTコナンズヒント
File464 節分の豆まき
File465 雪だるまの手袋
コント
File464
コナン「鬼は外!」
高木「イテッ」
コナン「来週は黒ずくめの」
高木「イテッ」
コナン「奴らと勝負だ!」
高木「聞いてる、コナン君?」

File465
元太「高木刑事、手袋を反対から読むと?」
高木「ハハ、その手には(6回ぶつ音) イタタッ…、何も言ってないよ!」
OP
雲に乗って」(三枝夕夏 IN db)
ED
白い雪」(倉木麻衣)
監督
佐藤真人
構成
File464 佐野隆史
File465 大河桝玖
絵コンテ
File464 佐野隆史
File465 大河桝玖
演出
File464 宮原秀二
File465 静野孔文
作画監督
File464 武内啓/総作画監督 増永麗、新沼大祐/サブキャラクターデザイン 佐々木恵子
File465 藤原りえ/サブキャラクターデザイン 佐々木恵子
ビデオ
-
DVD
PART15-10
評価

TOPへ

名探偵コナンカレンダー

×