名探偵コナン491「赤と黒のクラッシュ　発端」

（青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー）

タイトル

File491　赤と黒のクラッシュ　発端

英題

Clash of Red and Black ! : The Beginning

放映日

2008/1/14

原題

【第56巻】
File10「間違い電話!?」
File11「血が語る真実」（ラスト5ページ目途中まで）

ジャンル

サスペンス

事件現場

西米花病院→Ｗバーガー→庵野の実家→庵野のアパート205号室

管轄

東京警視庁

登場人物

江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 鈴木園子 服部平次 本堂瑛祐 水無怜奈 瑛祐の父 庵野 庵野光子 アイナ 七川絢 音声メッセージ 犯人（詐欺師） 西郡宗兵 西郡の祖父

本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 西の高校生探偵、新一のライヴァル 蘭のクラスに来た水無怜奈似の転校生 日売テレビ　アナウンサー 本堂瑛祐の父 小五郎の友人、水無怜奈の大ファン 西米花病院裏に住む庵野の母親 庵野の愛犬のミニチュアダックスフンド 蘭と園子の中学時代の同級生 音声メッセージ 事件の犯人 模型店店長 西郡宗兵の祖父

高山みなみ 声の出演なし 山崎和佳奈 神谷明 松井菜桜子 堀川りょう 野田順子 声の出演なし 声の出演なし 柴本浩行 堀越真己 ？？？ 倉田雅世 池本小百合 志賀克也 声の出演なし 声の出演なし

（注）ネタバレになるため一部伏字になっています

あらすじ

「その男はただの会社員…カンパニーに雇われているってな!!」

　ついに本堂瑛祐の父親と思われる人物が写っているという写真を手に入れたコナンは、その日毛利探偵事務所のトイレから携帯を使いその時の経緯を服部平次に報告します。瑛祐の父親と思われる人物が”カンパニー”に雇われていると聞いた平次はコナンの身を案じますが、コナンは自分の中の好奇心が渇ききるまで、可能な限り深入りしてやると意気込むのでした。

　その後コナンは、蘭と園子に連れられて二人の中学時代の同級生のお見舞いのため西米花病院へと向かいます。ところが盲腸が破裂寸前だったはずの同級生の七川絢は、早くケーキやパフェをお腹いっぱい食べたいと、ケロッとした顔でもうすでに元気そのもの…拍子抜けで見舞いを終えた三人は、それから近所に出来たというハンバーガーショップへ行こうという話になったのです。

　ところがそんな三人の目の前に本堂瑛祐が姿を現したのです。しかも瑛祐は水無怜奈がどこかの病院に入院していると感づいたのか、写真を手に看護婦に探りを入れている様子…。

　しかしそこはドジっ子、蘭が声をかけると急に慌て出して通路を通りかかる車椅子に足を引っ掛けてすっ転び、持っていた写真を落としてしまいます。そしてそれを拾った園子に写真に写っているのが水無怜奈だと言われると…

　すると瑛祐は写真に写っているのは水無怜奈ではなく、自分の姉だと言うのでした。何でも水無怜奈によく似ていると言われるがまったくの別人で、その姉というのは10年前に家出してしまっているらしいのです。
　そして病院で聞き込みをしていたのは、その姉が大きくなったら看護師になると言っていたこと、それに病院という場所が姉が瑛祐を何度も助けてくれた場所のため、何となくここにいる気がするからだと彼は言うのですが…。

　そんな瑛祐の話しぶりを目の当たりにしたコナンには、彼が口から出任せを言っているようには見えず、瑛祐が本当に姉を探しているのではないかと思い始めます。

　ところがそこへ瑛祐の姉と水無怜奈がやっぱり同一人物ではないのかと園子が再び瑛祐に問い質したのをきっかけに、蘭があることを思いついたのです。それは小五郎の友人に水無怜奈の大ファンだという人物がいて、彼女が映っているビデオもいっぱい録画しているというので、それをこれから観せてもらいに行こうというものでした。

　その人物は名前を庵野といい小五郎の同級生で、ちょうど先日犬捜しを依頼されコナンが見事に彼の飼っているミニチュアダックスフントを見つけるお手柄をあげたばかりでした。そしてその際蘭は彼の部屋に犬を届けに行ったらしいのですが、すると部屋の中は水無怜奈の写真だらけで蘭たちはビックリしたらしいのです。
　そんな庵野なら、瑛祐の写真を見せればそれが水無怜奈と同一人物かどうか分かるかもしれない…蘭は考えたのでした。

　すぐに蘭と園子、それにコナンの三人は瑛祐を伴って病院の近くにあるＷバーガーでまず腹ごしらえをし、それから蘭が携帯電話で庵野と連絡を取ろうとします。ところが小五郎から聞いた電話番号にかけてもなぜか結果は間違い電話でした…。

　そこで蘭はもう一度競馬場にいる小五郎に連絡をして確認してみますが、すると小五郎はこの前電話で麻雀に誘ったばかりであり電話番号が変わっているはずはないと言うのです。

　狐につままれたような蘭たちでしたが、結局小五郎の助言で西米花病院のすぐ裏にあるという庵野の実家を訪問して事実を確認することになり…

今回の見どころ

コナン史上最長シリーズの幕開け

　本堂瑛祐の父親と思われる人物が写っているという写真を手に入れたコナンは、本堂瑛祐が水無怜奈に瓜二つの女性の写っている写真を手に病院で聞き込みをしている事を知り、蘭の提案でその写真に写る人物が水無怜奈かどうか確かめるため、小五郎の友人で水無怜奈の大ファンだという庵野という男性に連絡を取ろうとします。

　ところが小五郎から教えられた番号に携帯電話でかけてみると、なぜか間違い電話……しかし小五郎に再度確認してみると、庵野とはつい最近連絡と取ったばかりだというのです。一体これは…!?

　本堂瑛祐が探す人物とは一体……そして意識不明のまま杯戸中央病院にＦＢＩによって匿われている水無怜奈の運命は……!?　コナン史上最大、全14回にわたる赤と黒のクラッシュ・シリーズの発端となった事件。

「わたしの優しさも感じてくれてる？」

　本堂瑛祐が小さい頃姉から大量の血を輸血されたことがあると蘭たちに話をした際、それを聞いた蘭がコナンに対して言った言葉。

　これは作品をしっかり読んでいらっしゃる方ならどなたもご存知、188-193「命がけの復活」シリーズでのことですよね。

蘭と園子の中学時代の同級生、七川絢

　彼女は少し前の作品ですが、343-344「コンビニの落とし穴にも登場しており、今回が２度目の登場になります。

　ちなみに前回はサンデーマートの店員として登場し、店の商品を盗んだとして店長からあらぬ疑いをかけられひどい目に遭っているのですが、今度は盲腸ですか…出る度に災難に遭う方です（苦笑）

原作との相違点

　今回の作品は484-485「黒い写真の行方」の次の話ですが、アニメでは冒頭に西郡宗兵とその友人の一人（同作品の犯人）が回想シーンの形で何シーンか追加されています。

　それからＯＰが終わってタイトルコールの直後、蘭と園子の友人で今回西米花病院に入院した七川綾が登場しますが、原作では園子が綾のセリフを代弁していますが、アニメでは彼女は「じゃあねーまた会おうね」と笑顔尾で手を振りながら登場しています。

　その他、蘭が小五郎の友人の庵野の家に行こうと提案した際に庵野の行方不明のミニチュアダックスフンドをコナンが見つけ出したという件の部分がカットされている、庵野の母が以前息子が空き巣に入られたことがあるとコナンたちに話した時に黒犯人の回想シーンが追加されている、最後の犯人を捕まえるシーンの追加…などの違いはありますが、それ以外は若干セリフの言い回しないしセリフの順番を変えて構成し直しているところが何箇所かあるのですが、基本的には原作に忠実な作りになっています。

豆知識

ウェルカム・バーガー (Welcome Burger)

　コナンではもうすっかりお馴染みのマクドナルド似のハンバーガー店。
　マクドナルドはコナンのスポンサーとしてＴＶアニメ内では長いことＣＭが流れていますよね。

米花中央銀行

　事件の舞台となった銀行の名前。原作では銀行の名前は見ることはできず「米花支店」とだけなっているのですが、アニメでは名前も登場しています。

ＮＥＸＴコナンズヒント

輸血

コント

コナン「蘭姉ちゃん血液型は？」
蘭「新型」
コナン「…、何それ？」

ＯＰ

「愛は暗闇の中で」（ＺＡＲＤ）

ＥＤ

「雪どけのあの川の流れのように」（三枝夕夏 IN db）

監督

佐藤真人

脚本

古内一成

絵コンテ

青木雄三

演出

戸澤稔

作画監督

増永麗、アベ正己
サブキャラクターデザイン・総作画監督　佐々木恵子

ビデオ

-

ＤＶＤ

PART17-1

評価

■以下ネタバレつき感想■
（未見の方はご注意下さい）

感想

評価　★★★

　何と全14回にわたるシリーズということで、過去のコナンでは188-193「命がけの復活」が一応最長シリーズとされ全6回でしたよね。

　ただここの所のコナンはたとえばＦＢＩ編と呼べるシリーズは新出先生初登場の24巻から42巻まで伏線が巧妙に張られていたりと、もっと長いスパンで大きな謎を追う趣向の話が多く、一話完結のスタイルを取りつつ全体として大きな事件を扱っているため、ずっと通して読むないし観てないと分からなくなる部分が多いのは事実です。
　今回のシリーズも実際は最低限425「ブラックインパクト！組織の手が届く瞬間」以降の作品はほとんど目を通しておいた方がいいと思います（実際は更に遡ってＦＢＩ編や灰原哀と宮野明美の関係についても知っておかないといけませんが）

　そして今回の事件は近年社会問題化している振り込め詐欺がテーマになっていますが、これはさすがに読んでいて分かった方も多いのではないでしょうか。というよりこれを振り込め詐欺と気づけないということは、実際にこういう被害に遭いそうになった時、騙される可能性大なのかもしれませんね（苦笑）
　それにしても個人的にはこういう人の弱みに付け込んで金を騙し取るという行為が最も忌み嫌うものなので、組織的・継続的な犯行に関しては30年40年と刑務所に入って反省してもらうぐらい、もっと厳罰にしてもいいのではないかと思います。

　最長シリーズの幕開けとしてはまずまずの内容ではないかと思いますが、謎解きについてはそれほどの難易度ではないでしょうね。

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