(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 鈴木園子 沖野ヨーコ 本堂瑛祐 新木張太郎 楠田陸道 西矢忠吾 看護師(村田) 院長 中道 会沢栄介 ビル 西郡宗兵 多湖 イーサン・本堂 水無怜奈 ジン ウオッカ ベルモット ジョディ先生 赤井秀一 ジェイムズ |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 人気アイドル 蘭のクラスに来た水無怜奈似の転校生 入院患者、右足骨折、18日に入院 入院患者、頚椎捻挫、19日に入院 入院患者、急性腰痛、21日に入院 杯戸中央病院 女性看護師 杯戸中央病院 院長 帝丹高校生徒、サッカー部所属 帝丹高校生徒、サッカー部所属 FBI捜査官、水無怜奈の見張り役 模型店店長 西郡のモデラー仲間 瑛祐の父親、CIA諜報員 日売テレビ アナウンサー 黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物 黒の組織の男、ジンの手下 黒の組織の女、映画女優クリス・ヴィンヤード FBI捜査官 FBI捜査官 FBI捜査官、ジョディと赤井の上司 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 林原めぐみ 松井菜桜子 三枝夕夏? 野田順子 仲木隆司 岩田光央 天田益男 久保田民絵 村松康雄 坪井智浩 声の出演なし 長嶝高士 小野坂昌也 北島淳司 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 一城みゆ希 池田秀一 家弓家正 |
奥平邸での事件を解決してからしばらく経った冬休みのある日のこと、コナンは蘭が電話で園子と話している場面に遭遇します。ところが受話器を手にした蘭の表情がどうも冴えないのでした。
どうやら蘭は園子と本堂瑛祐のことについて話しているようでしたが、気になったコナンは詳しい事情を尋ねます。するとここ最近瑛祐と電話で連絡を取ることができなくなっているらしく、クラスの連絡網が彼の所で止まってしまっているというのでした。そしてそれは冬休みがはじまって間もない頃から続いているというのですが…
気になったコナンは更に瑛祐が冬休みに入る前に何か言っていなかったかと蘭に尋ねます。すると瑛祐は”手がかりを見つけた”と言っていたというのです。しかもその手がかりの場所というのが、何とあの杯戸中央病院らしく……
杯戸中央病院……それは”キール”と呼ばれる黒ずくめの仲間、水無怜奈が意識不明の状態で入院している場所。しかし彼女はFBIの手で所在を知られないように慎重に匿われているはずでした。
それなのになぜそう易々と…コナンは動揺を見せますが、そんなコナンに更なる衝撃の情報が蘭によってもたらされたのです。
何とその瑛祐がつかんだという手がかり、彼が捜している彼の姉についてのものではなく、ずっと音信不通となっている彼の父親に関するものだというのです。何でも父親の"会社”の仲間を見つけたと言っていたらしく……
蘭から瑛祐の話を聞いたコナンは、すぐにFBIのジョディと連絡を取り、阿笠博士の屋敷で彼女と面会。そしてコナンから瑛祐の父親の会社=カンパニーの仲間の手がかりを見つけたということを聞かされたジョディもその事実に驚き、一刻も早く手を打たなければと険しい表情でいたのでした。
しかしその場にいた中で阿笠博士だけが何が何やら分からない様子でいたのです。それもそのはず、阿笠だけは”カンパニー”というのが何を意味しているのかさっぱり分からなかったからでした。そこで阿笠は恐る恐るその意味をコナンに訊ねるのでしたが……
ジョディと相談を終えたコナンは、姿を消した瑛祐や彼が見たというカンパニーの仲間について詳しい事情を調べるためにジョディと彼女を迎えにきたジョディの上司ジェイムズ・ブラックとともに杯戸中央病院へと向かいます。
ところがとの途上、コナンはある疑問点に気づきます。それは以前瑛祐の父親だという人物について調べた際、瑛祐の父親は息子を連れてきた時は2人きりであり、”カンパニー”の仲間は同伴していなかったという点でした。
そうだとすれば瑛祐は”カンパニー”の仲間とは会っていないことになる…にもかかわらずなぜ瑛祐は父親の”会社”の仲間について手がかりを見つけたと言っていたのでしょううか…!?
そのことに気づいたコナンは再び携帯電話で蘭と連絡を取り、瑛祐が話していた点について問い質します。すると蘭によれば瑛祐は実際にその人物を見かけた訳ではなく、父親の”会社”の上司に打っていたメールアドレスと同じ番号を打っている人間が、杯戸中央病院の中にいたと言っていたという新たな事実が判明したのです。
しかしコナンは再びある疑問点に気づきます。その人物を見ていないのになぜメールアドレスが分かったのかという率直な疑問ででした。するとまたしても衝撃の情報が蘭によってもたらされたのです。
何でも瑛祐は彼の父親が仕事で海外に行ってしまった後もたまに電話で連絡を取っていたらしいのですが、その電話口から何かの曲によく似た携帯電話のプッシュ音が聞こえてきたというのです。そしてその曲というのが何とあの……
蘭からもたらされた情報は、即ち杯戸中央病院に黒ずくめの仲間が潜伏しているかもしれないという可能性を示していたのでした。大至急ジョディは杯戸中央病院に待機していた同僚の赤井秀一と連絡を取り、FBIの捜査官たちに自分たちが病院に戻るまでは目立った行動は控えるようにと伝えます。
そして病院に到着するとコナンたちはすぐに瑛祐が写真を見せたという看護師の女性と面会し、その時の状況について詳しく聞くこととなったのです。
すると瑛祐が彼女に見せた写真は水無怜奈のものであり、彼がこの病院で捜していたのは水無怜奈であったことが分かったのです。そして分かったのはそれだけではありませんでした。何とその看護師によると、瑛祐以外にも病院の中で水無怜奈によく似た患者を見かけたが本人か、と訊ねる人物がいたというのです!!!
しかし運の悪いことに看護師はちょうどその時誰かにぶつかり、その拍子にコンタクトを落としてしまい、それを探している最中だったらしく、顔はよく見えなかったというのでした。
もっとも声は男だったらしく、さらに履いていたサンダルが新しく売店に入れたサンダルだったため、年末に入院した患者には間違いないというのです。
看護師を聞いたコナンやジョディたちは、その男が黒ずくめの組織の仲間であると確信し、すぐに割り出しに全力を傾けることになります。
その一方で彼らは水無怜奈の扱いについては意見が分かれるのでした。直ちに水無怜奈を別の病院に移すべきだとジョディは主張しますが、ジェイムズはそんなに簡単に別の病院は見つからないと頭を抱えたのです。
そして赤井秀一はというと、これは1本だった糸を2本に増やすためのチャンスだと、何と今のままで大丈夫だと言うのです。赤井は一体何を考えているのでしょうか?
それからほどなくしてFBIの懸命の調べで問題の人物は3人にまで絞られます。しかしここでもう一つ問題が発生したのです。
それは日本で捜査権のないFBIが患者として病院に潜伏している黒の組織の仲間を、3人の中からどうやって割り出すかという点だったのですが……
冬休みに入り突如姿を消した本堂瑛祐。蘭の話によれば父親の”会社”の仲間の手がかりを掴んだとのことでしたが、よくよく話を聞いてみると、それは父親が以前瑛祐と電話で話していた時に聞こえてきたという上司へメールをする際に打っていたメールアドレスの音…それと同じ音を杯戸中央病院で耳にしたという事だったのです。
ところがその音というのが童謡「七つの子」によく似た音らしく……その音は瑛祐の父が上司へメールしている音ではなく、黒の組織の何者かが組織のボスである”あの方”へ向けてメールを打っている音だったのです!!!
その音が杯戸病院の中から聞こえてきたということは、組織の一員が病院内に潜伏している何よりの証…そのことに気づいたコナンは、ジョディたちFBIとともに急ぎ病院に向かい、病院に潜む黒い影の割り出しに全力を傾けることになったのですが……
この話の冒頭でまた小五郎が人気アイドルの沖野ヨーコが歌っているのをテレビで見ているシーンがあるのですが、この部分原作では何を歌っているのかまったくわかりません。しかしアニメでは明らかにこの回のエンディングテーマ曲でもある「雪どけのあの川の流れのように」ですね。そのため声の出演の所でも沖野ヨーコのクレジットはありません。
まず今回の赤と黒のクラッシュ・シリーズですが、原作では実はすべてが続いている訳ではなく、実はこの前の回までの「血縁・絶叫・冥土」(奥平邸の事件)とこの週から2話続くエピソードの間には488「テレビ局の悪魔」と単発もの「逃亡者」の2エピソードが途中に挟まっています。そして原作には「テレビ局の悪魔」の冒頭でコナンと灰原哀が奥平邸での事件のことについて話す部分があるのですが、アニメではテレビ局の悪魔の方がこの会話部分をカットした形で奥平邸の事件よりも先に放映されてしまっているため、カットされた部分はこの第495話の冒頭にくっつけられています。
その他第1話目では看護師に話を聞く直前に話の聞き役をコナンが引き受けることをジョディたちFBIと車で話し合うシーンが約1ページ半くらいあり、そこが丸々カットされていますが、それ以外はほぼ原作どおりです。
第2話目についてはほぼ原作どおりで大きな変更点はまったくありませんでした。あるとすれば看護師の女性の名前に村田と名前がついていたぐらい(笑) ジェイムズの親友だという院長の方も名札が見えるのですが、こちらは小さすぎて分かりませんでした。
アメリカ合衆国の国策遂行のために情報収集と分析・対外工作を行う大統領直属の諜報機関でCIA長官によって統括されています。詳しくはウィキペディアでもどうぞ。
一方ノン・オフィシャル・カバーとは、海外勤務CIA工作員の身分として、一般の民間人として政府と無関係の職業を装う場合を指し、合衆国政府職員として外交特権を付与されるオフィシャル・カバー(official cover)と区別されます。
オフィシャル・カバーの場合大使館等の海外公館に職員として勤務するため外交官特権により不逮捕特権がありますが、NOCの場合は、公式には米政府からの保護を受けられないため、海外での諜報活動がバレるとその国の法律に従い逮捕・拘束され、刑務所送りになる可能性もあるという大きな違いがあります。
赤と黒のクラッシュ・シリーズの第3話目で、ここからはFBIとコナンvs黒の組織という構図で話が展開していきます。
そして今回は病院に潜伏する黒の組織の一員が誰かを当てるという謎解きが中心に展開される訳ですが、謎解き部分はコナンが隠し撮りした容疑者3人との対面ビデオを後で分析するという形で、いろいろとヒントもあって推理するのは楽しいものの、推理の決定打の一つが医学的知識がないとちょっと分からない点が少し残念ではあります。
それとコナンと赤井の推理が見事だっただけに、まあ表立って捜査できないこともあって仕方ないのかもしれませんが、あそこまではっきり犯人が分かり確保できるチャンスもありながら結局自殺されてしまうFBIの他の連中の不手際は正直いただけません。
とはいえ次はいよいよ黒の組織が本腰を入れて乗り込んできますので、いやが上にも緊張感が高まってきます。次の展開に期待したい所です。