(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 佐藤刑事 千葉刑事 榎本梓(23) 榎本杉人(28) 河瀬透治(28) 鳥平貴文 宅配人 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 警部補、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 毛利探偵事務所下 喫茶店《ポアロ》店員 証券会社社員、榎本梓の兄 証券会社社員、杉人の同僚 証券会社社員、事件の被害者で杉人の会社の上司 梓のマンションに小包を届けた宅配業者 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 湯屋敦子 千葉一伸 榎本充希子 柴本浩行 古澤徹 声の出演なし 柳沢栄治 |
証券マン自宅マンションで殺害…凶器は狩猟用ライフル…警察は怨恨の線で捜査中…
今朝のテレビのニュースでも新聞でも大々的に報じられる事件に不安そうな表情を隠せない蘭。それもそのはずその事件が起きたマンションは毛利探偵事務所の結構近くにあり、まだこの近所に殺人犯が潜んでいるかもしれないからでした。
そんな話を毛利探偵事務所のあるビルの1階にある喫茶ポアロで小五郎、蘭、コナンの三人がしていると店内には皿の割れる大きな音が。ポアロのウェイトレス榎本梓が料理皿を落として割ってしまったのですが、よく見ると梓は非常に動揺した様子で顔色も優れませんでした。いったい彼女に何が?
ところがその原因をコナンはすぐに突き止めます。よくよく店内を見渡してみると目つきの悪い客がいっぱいおり、どこかで見た記憶のある顔もあったのです。特にカウンター席でコートと帽子にサングラスの男などはコナンがよく知っている人物にそっくりで……。
正体がバレた高木刑事は事情を素直に小五郎たちに話し始めます。店内にいるのは警視庁捜査一課の刑事たちで、彼らは梓の兄の行方を探しているというのでした。何と先ほど見た例の証券マン殺害事件の容疑者として梓の兄が疑われているというのです。
梓の兄はクレー射撃の経験者で被害者の証券マン鳥平貴文は彼の会社の上司でした。加えて現場にあった凶器のライフルからも彼の指紋が検出され、警察が彼のアパートに向かうと既にもぬけの殻で会社も無断欠勤しているというのです。
警察はその行方不明の梓の兄が妹の梓に連絡してくるかもと思い喫茶ポアロで張り込みをしているのでした。しかし梓には一度だけ連絡があったらしく、その時には心配するな、そして自分は無実で人殺しなどしていないと言っていたというのです。
小五郎が高木刑事に事情を聞いていると喫茶ポアロには河瀬透治という梓の兄の同僚がやって来て、梓の気持ちを代弁するように彼女の兄が人を殺せるような男ではないこと、そして指紋も同僚4、5人で被害者のマンションに遊びにいった際にライフルを見せてもらった時についた可能性が高いこと、梓の兄は被害者のことを厳しいもののいい人だと言っていたことなどを証言します。
しかしその一方で梓の兄はキャッシュカードも財布も持たず慌てて自分の部屋を飛び出し、更にアパート近くのゴミ置き場ではボタンに彼の指紋の残された被害者の返り血つきのYシャツが残されていたことが警察の調べで分かっていたのでした。
結局その日は梓の住むマンションの部屋に小五郎と蘭とコナン、それに警察の監視役として高木刑事と千葉刑事が同行して事態の推移を見守ることになります。
ところが小五郎たちが梓の部屋の中を見て話をしているとチャイムの音が鳴り、小五郎が扉を開けると宅配便業者が荷物を持って立っていました。送り主は「榎本杉人」となっており、それは梓の兄の名前だったのです。
四角い箱にリボンが結んであり、高木刑事が中を検めると中身はただのクッキーの詰め合わせでした。何か心当たりはあるかと聞かれた梓は自分の好物だから送ってきたのではと答え、それから買い物に行くと言い残し高木刑事の監視つきで近所のスーパーに向かったのです。
ところが残された小五郎たちが千葉刑事と話をしていると……高木刑事から連絡が入り、何と梓が行方をくらましたというのでした!! 下着コーナーで買い物をするからと言って高木刑事を待たせて裏口から抜け出したのです。
まさか梓の兄・榎本杉人が彼女にコンタクトをつけたのか…先ほどのクッキーが当然疑われますが、千葉刑事の動揺をよそにコナンは別の心配をしていたのでした。それは……
喫茶ポアロで料理を待ちながら新聞を読んでいた小五郎たちは、店内に目つきの悪い見慣れた顔の客がたくさんいることに気づき、その一人が高木刑事であることを見抜きます。
正体のバレた高木刑事たち警視庁の刑事の目的は、ポアロのウェイトレス榎本梓の兄に殺人容疑がかけられ消息不明となっていることから、妹に連絡をつけるのではと彼女の身辺を張り込むことでした。
凶器の猟銃に残された指紋や梓の兄の住むアパート近くのゴミ置き場に彼のYシャツが血まみれで見つかった点など不利な要素も数多くありましたが、梓の兄は妹の自分は無実だと一度だけ連絡してきたといいます。
梓の言葉を信じる小五郎たちは梓のマンションに高木刑事と千葉刑事の監視つきで押しかけますが、しばらくすると宅配業者から荷物が届けられ中を開けるとそれは何の変哲もないクッキーの詰め合わせでした。
ところがその直後に高木刑事の監視つきで近所のスーパーに買い物に出かけた梓が姿をくらまし……梓の兄は本当に無実なのか、そして姿をくらました梓はいったいどこに!?
まず冒頭でポアロの梓さんに人物紹介のテロップと年齢が追加されています。そしてその直後の梓さんの兄にも同じように人物紹介と年齢が追加されていました。そして以後の「梓ちゃんの兄さん」は「杉人さん」に置き換えられています。前半はそれ以外は若干のセリフのカットと変更があるものの原作に忠実な流れになっています。
後半の解決編については大きなカットや変更はありませんが、全体的にセリフの省略や細かい部分でカットが目につきます。原作2話分をアニメ1話分で放映する場合には大体このような感じでセリフのカットが多くなりますね。
綿の入った防寒用の上着。「ドテラを着て気ドッテラ」というダジャレを梓の兄・杉人が写メで梓に送っていましたよね。
今回はポアロの梓さんの兄が登場し、いきなり殺人容疑が降りかかるというとんでもない災難に見舞われます。
謎解きについては犯人が思わず口を滑らせた部分を指摘する部分と、血まみれのTシャツの不可解な点、それから杉人の写メに写っていた雪でアリバイが証明できる点など、相変わらず一つ一つ丁寧に伏線を張っていて面白いですね。今回は犯人当ての要素はないのですが、しっかりとした謎解きが楽しめます。
そして事件解決後の刑事たちがポアロの常連となるというオチがまたかなり笑えました。強面の刑事たちが何かかわいらしく見えたのは私だけではないと思います。
最後に梓さんも初登場以来結構な数の作品に登場していますが、癒し系で相変わらずいいキャラクターですね。TVオリジナルから生まれたキャラクターで原作に登場する前から当サイトでは応援していただけに活躍には目を細めてしまいます。