名探偵コナン530-531「都市伝説の正体」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File530-531 都市伝説の正体
英題
The Urban Legend's True Identity
放映日
2009/4/18・4/25(前編・後編)
原題
第60巻
File6「ハンマー男」
File7「届けられた悪意」
File8「ハンマー男の正体」
第64巻
File7「口笛の男」(最初の3ページ半のみ)
ジャンル
本格
事件現場
米花マンション 3階中央の部屋
管轄
東京警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
毛利蘭
目暮警部
高木刑事
松本警視
白鳥警部
佐藤刑事
千葉刑事
トメさん
鈴木園子
宅配人
バイク便(ハンマー女)
ピザの配達人
ピザ店店長

OL
上司
佐藤警部
ハンマー男
本編の主人公、正体は工藤新一
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
警視庁捜査一課警部
巡査部長、目暮の部下
警視庁捜査一課警視、目暮の上司
警視庁捜査一課警部
警部補、目暮の部下
捜査一課刑事、目暮の部下
鑑識員
鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友
宅配便の男(KUROINU)
バイク便の女
ピザ配達の男(PIZZA-YA)
PIZZA-YAの店長
酔っ払い、ハンマー男の目撃者
ハンマー男の被害者
松本警視の上司
警視庁捜査一課警部
4件の傷害事件を起こした連続通り魔
高山みなみ
山崎和佳奈
茶風林
高木渉
加藤精三
井上和彦
湯屋敦子
千葉一伸
声の出演なし
松井菜桜子
廣田行生
むたあきこ
石野竜三
大滝進矢
岡和男
百々麻子
有本欽隆
???
???
(注)ネタバレになるため一部伏字になっています
あらすじ
「ハンマー男が逆に殴られたんだよ…この部屋を訪れた…あの3人の中の誰かにね!!」

 ハンマー男再び現れる─サッカーの東京スピリッツや沖野ヨーコの新作映画のニュースに混ざってその日の携帯ニュースチャンネルを賑わしていたのは、昨夜蘭たちの近くの公園に現れたという「ハンマー男」でした。

 これまでに4件の事件を起こし、狙われたのはいずれも髪の長い女性、犯人の身長は180を超えるらしく、朝のニュースでも放送されていたのだというのです。

 帰り道を不安がりながら歩く蘭と園子でしたが、一緒に歩くコナンはきっとそのうち警察が逮捕してくれるからと言って二人を安心させようとします。

 とそこへ噂をすればという言葉どおりに三人の前に現れたのは、警視庁捜査一課の高木刑事と佐藤刑事。さっそく「ハンマー男」の捜査がどうなっているか確かめようと蘭が駆け寄ろうとしたのですが、二人の様子がどうもおかしく……。

 恋人のように寄り添っていた高木刑事と佐藤刑事でしたが、実は張り込み中でそのことを張り込み対象に悟られないよう、咄嗟に二人は恋人のフリをしていただけでした。そしてその張り込み対象というのが、他でもないあの「ハンマー男」だったのです!

 実は昨夜の事件には目撃者がいて、「ハンマー男」を尾行していくと問題のマンションに入っていったというのです。そして通報を聞き駆けつけた警察が1軒ずつ調べた所ほとんどの住人にアリバイがあったらしいのですが、明らかに部屋の中にいるのに玄関の呼び鈴を鳴らしても返事がなかったのが3階の中央の部屋だというのでした。

 問題の部屋の住人は現在バックパッカーとして海外を放浪中らしく、しばらく部屋を男の友人に貸すと親に伝えており、隣の住人の証言では以前は彼女を連れて一緒に住んでいたらしいのですが、最近は彼女も訪ねてこなくなり、1日中部屋にこもって外出するのは夜ぐらい、いつも帽子やフードを被っていて顔まではよく覚えていない…というのです。

 そんな話を高木刑事がコナンにしていると、マンションの玄関側を遠くから張り込みしていた千葉刑事がやって来て、3人の人間が問題の部屋に出入りしていたことを報告します。

 それは10分置きぐらいに1人ずつで宅配便の男は宅配便の荷物を届けただけ、バイク便の女は部屋の住人の荷物を引き取りにきただけ、ピザ配達の男は注文されたピザをデリバリーしに来ただけだと証言します。そして3人とも部屋の住人には会っておらず、玄関の扉の下に置いてあった紙の指示どおりに行動したというのでした。

 ところが刑事たちは3人の事情聴取をしている時にとんでもない失態に気づきます。3人の訪問者に気を取られる余りに玄関の見張りをしている刑事がいなくなっていたのでした。

 「ハンマー男」の狙いはいろいろな人を部屋に呼び込んで、警察にその都度確認させることで張り込みの人数を減らし手薄になったら逃走する……佐藤刑事はそう確信し問題の3階中央の部屋へ急行します。

 しかしそれは勘違いでした。ちゃんと刑事が一人玄関に戻って張り込みを続けていたらしく、その後誰も出ていないというのです。

 ということは「ハンマー男」はまだ部屋の中にいて、刑事を待ち伏せている!? 佐藤刑事はそのように警戒しますが、その心配もありませんでした。何と「ハンマー男」はまだ部屋の中にいて、うつ伏せになって床の上に倒れていたのです! そして頭からは血を流しており……

 「ハンマー男」が逆に殴られた? とすれば怪しいのは部屋に出入りしていた3人の配達員ということになるのですが…。

今回の見どころ
世間を騒がしているハンマー男が逆に被害者に!?

 世間を騒がしている髪の長い女性ばかり狙うハンマー男を捕まえるために都内にある米花マンションに張り込みをしていた佐藤刑事と高木刑事は、張り込みがバレないように恋人のフリをしていた所を偶然出くわした蘭と園子とコナンに目撃されます。

 二人がそのマンションを張り込んでいたのは、昨夜女性が襲撃された所に偶然居合わせた男性がハンマー男の後をつけていってこのマンションに入った所を目撃して警察に通報、警察の聞き込みの結果3階中央の部屋が怪しいという結論となったからでした。

 ところが高木刑事がコナンたちに事情を説明していると玄関を張り込みしていた千葉刑事が姿を現して、3人の配達人が問題の部屋に出入りした事を告げます。

 宅配人の男にバイク便の女にピザ配達の男、それぞれがガラガラ声の電話で仕事を依頼され、玄関の扉の下にあった紙の指示に従って行動しただけだと主張しますが、そうこうしているうちに玄関に刑事が誰もおらず張り込みが手薄になっていることに気づき、これらがハンマー男がマンションから逃げるための策略だと考えた佐藤刑事は急ぎ3階中央の部屋に向かいます。

 ところがハンマー男は逃走しているどころか、3人の配達人の誰かに逆に殴られて床の上に倒れており……

原作との相違点
前編

 まず冒頭のオープニングテーマの前にアニメオリジナルシーンとして女性がハンマー男に襲われるまでの過程が追加されています。かなりホラーです。

 そしてまず前半ですが、蘭と園子が昨晩のハンマー男の事件の話をしている時に蘭なら空手でやっつけられるからといった内容のやり取りが若干ですが追加されています。

 それから問題の部屋に出入りした宅配員3人が事情聴取されますが、宅配便の男は原作では荷物を届けに行ったのですが、アニメでは荷物を取りにいったことになってそれに合わせて証言も若干変わっています。それ以外は若干のセリフのカットなどありますが、ほぼ原作どおりです。

 後半に入るとまず目暮警部が登場する前に救急車とパトカーがマンションの前に停車しているシーンがあるのですが、アニメではそこに「米花マンシ」というマンションの看板がチラッと見えます。その後犯人が何の目的でハンマー男を殴ったのかという話になって目暮の話す中で「米花マンション」という表記がちゃんとありました。

 そして目暮警部のカミナリが落ちた後、原作では高木・佐藤・千葉刑事は驚くだけですが、アニメでは「面目次第もありません」と神妙に謝ります。

 その後千葉刑事がピザ屋に電話するシーンの前と4人で「うーん…」と推理に行き詰まる前の部分で伝票絡みの推理があるのですが、そこが原作とアニメでは少し違っています。

 それから部屋の中を念入りに調べ始めますが、そのシーンの切り替わりでまたしても鑑識のトメさんと女性鑑識員の姿が。「柔よく謎を制す」に続き連続での登場です。残りはほぼ原作どおりでした。

後編

 後編については大きなカットや変更点はなくほぼ原作どおりでしたが、エンディング後に次回作品の冒頭部分が若干導入されていて、若かりし頃の松本警視の姿を見ることができます。

 それから本編とは直接関係ありませんが、最後のネクストコナンズヒントに、新一の通う帝丹高校の体育教師・岸田先生(ニックネーム「ゴリラ」)が登場しています。これはかなり初期の作品ですが、7「月いちプレゼント脅迫事件」で名前が登場した先生です。

豆知識
パチンコOKUHO

 作中最後に高木刑事が張り込みをした奥穂町3丁目にあるパチンコ店の2階。殺人事件の被疑者の弟がターゲットでした。

NEXTコナンズヒント
File530 シフトパッド
File531 ニックネーム
コント
File530
高木「今度こそ佐藤さんと…コナン君邪魔しないでね」
コナン「それはどうかな」

File531
高木「さすが推理クイーン園子さん」
園子「オッホッホッホ、ダンスクイーンでもあるわな」
コナン「えっ?」
OP
Everlasting Luv」(BREAKERZ)
ED
Doing all right」(GARNET CROW)
監督
於地紘仁
構成
影山楙倫
絵コンテ
影山楙倫
演出
File530 鎌仲史陽
File531 戸澤稔
作画監督
File530 岩井伸之、小笠原理恵
File531 増永麗
ビデオ
-
DVD
PART18-2
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★

 今回の作品は本庁の刑事恋物語に入れてもいい高木&佐藤刑事がメインの作品でした。本庁の刑事も大体登場していましたね。

 作品自体は都市伝説というものを上手く使って「ハンマー男」という名前から犯人が実は女性であるという意外性に持っていくというシンプルな構成でした。謎解きとしては標準レベルだったかなと思います。

 そしてここ最近のコナンは妙に効果音の使い方が上手いなという印象を受けるのですが、特にコナンが佐藤と高木の邪魔をした時の効果音が可笑しかったです。

 それからファンとして見逃せないのがネクストコナンズヒントの岸田先生でしょうか。これはかなり初期作品に登場した名前なのですが、登場した7「月いちプレゼント脅迫事件」が自分の中では五本の指に入るお気に入り作品であることと愛称が「ゴリラ」ということもあって妙に印象に残っていました。

 あの時は確かコナン(新一)が「ああ、あのゴリラ」と言っただけで名前しか出てこなかったはずなので、今回イラストつきで見れたのはとても貴重なものを見られたような感じで嬉しかったですね。

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