(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 目暮警部 高木刑事 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 松本警視 白鳥警部 佐藤刑事 千葉刑事 平棟堂次(41) 坊川舞子(62) 麦田秀邦(56) 鍋井永貴(25) 坊川継治(50) 麦田篤則(42) 鍋井進(34) 鬼保独郎 森村警視 アナウンサー 店員 仮面ヤイバー |
本編の主人公、正体は工藤新一 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 警視庁捜査一課警視、目暮の上司 警視庁捜査一課警部 警部補、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 犯罪心理学者 坊川継治の妻 麦田篤則の弟 鍋井進の息子 20年前の事件の被害者、坊川総合病院院長 20年前の事件の被害者、東都大学理工学部准教授 15年前の事件の被害者、企業法務専門の弁護士 元強盗殺人犯 20年前の事件で殉職した刑事、二階級特進 平棟にインタビューするアナウンサー 店員(雀荘の店員) 子供たちに大人気の特撮ヒーロー |
高山みなみ 茶風林 高木渉 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 加藤精三 井上和彦 湯屋敦子 千葉一伸 仲木隆司 谷育子 塚田正昭 森功至 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 佐藤正治 小西克幸 瀬那歩美 掛川裕彦 声の出演なし |
警視庁捜査一課の目暮警部の上司である松本警視…今彼の頭を占めていたのは20年前と15年前に起きた連続殺人事件の事でした。その事件で顔に刀傷を負った松本警視でしたが、実は彼の同僚だった森村刑事は殉職しており、連続殺人事件の時効まであと3日足らずとなったその日も何としてでも犯人を捕まえようとずっと泊まり込みで捜査を指揮し、犯人逮捕に執念を燃やしていたのです。
松本が気になっていたのは森村刑事が残した最後の言葉…犯人が吹く「レット・イット・ビー」には何か意味があるという言葉が、彼の頭をずっと離れずにいたのでしたが…。
一方庄堂邸にいた真一文字の傷の男には15年前の事件当時海外にホームステイしていたという明確なアリバイがあったため容疑者からは外れたものの、連続殺人犯と思われる人物とホームステイ直前にサウナで会っており、それについての聞き込みを佐藤刑事と高木刑事が担当していました。しかし何分15年も前の事で建物も客層もガラッと変わっており、有力な手がかりは得られなかったのです。
しかし少年探偵団たちとの帰り道に聞き込みを終えた二人の刑事と偶然出会ったコナンはテレビでやっていた事件の概要と松本警視から聞いた話をまとめて既に事件を整理していました。それによるとまず20年前、最初の事件の被害者となったのが医者の坊川継治で、凶器は彼の所持していた日本刀でした。その2日後に今度は東都大学理工学部准教授の麦田篤則が同じ日本刀で殺害され、更に2人の家の周辺で聞き込みをしていた刑事が不審者に職務質問をしていた最中に突然逃げ出した犯人の車に轢かれて殉職、それが松本警視の同僚だった森村刑事でした。
その後松本警視は逃走した車を追い詰めるも日本刀で斬りつけられて顔を負傷、直後に刀を奪い取り反撃を加えて犯人に真一文字の傷を負わせるものの間一髪の所で逃走を許します。そしてそれから5年後、今から15年前には弁護士の鍋井進が自宅にあった包丁で殺害されたというのですが、被害者には共通点がなく捜査は難航を極めたというのです。同一犯と分かったのは、佐藤刑事が思わず漏らした言葉によれば、被害者の体にある文字が残されていたらしく……
ちょうどその頃、テレビの番組内ではこの事件が採りあげられていて、女性キャスターが男性のコメンテーターに意見を聞いている所でした。そのコメンテーターは平棟堂次といい、犯罪心理学者で時効寸前となった今となっては犯人を捕まえることは極めて困難なこと、怖くて自分の家に引き籠もっているのでなければ15年逃げ隠れした苦労を棒に振る覚悟で自分を殺しに来いとブラウン管を通じて連続殺人犯を挑発するのでした。
一方探偵団たちは学校帰りに歩美の家に遊びに行くことになっていて、高木刑事たちと別れるとその足で歩美の住む高層マンションへと向かいます。部屋に到着すると歩美と灰原がお菓子とジュースを買いに出かけたのですが、そこで灰原が口にした言葉にコナンは衝撃を受けます。
何と1階でエレベーターに乗る際、ビートルズの「レット・イット・ビー」を口笛で吹く男とすれ違ったというのです。帽子や髪やヒゲで顔は見えなかったというのですが、それは連続殺人犯である真一文字の傷跡の男が気に入っていたという曲…。事態を重く見たコナンはすぐに警視庁に連絡を取ると同時に、歩美と同じマンションに住んでいるという先ほど連続殺人犯を挑発していた犯罪心理学者の平棟の部屋へと急行するのでしたが……
20年前と15年前に起きた連続殺人事件。20年前には2人が殺害され、犯人に職務質問していた森村警部補が逃走する犯人の車に轢かれて殉職、当時警部補だった松本警視は犯人を塩葉埠頭に追い詰めますが、犯人の反撃に遭い顔に刀傷を負います。そして15年前にも1人が殺害され、事件は3日後に時効が迫っていました。
連続殺人犯の有力な手がかりとなるのは、20年前に松本警視が犯人の刀を奪ってつけた真一文字の刀傷と、機嫌の良い時によく吹いていたという「レット・イット・ビー」の口笛。ところがコナンが少年探偵団たちと歩美のマンションに遊びに来ていた際、買い物に出かけた灰原哀が、1階のエレベーターの前で妙な男とすれ違った時にその口笛が鳴るのを耳にしたらしく…。
果たしてコナン、そして警視庁の刑事たちは時効前に連続殺人犯を逮捕することができるのでしょうか?
まず冒頭の連続殺人犯と間違われた男について目暮と松本警視が話すシーンですが、これは原作ではおそらく松本警視の部屋の中で話が進んでいくのですが、アニメでは男を取り調べる取調室の前で話が進み、取調室の中には原作ではこの部分に登場のない千葉刑事の姿を見ることができます。
そしてコナンが高木&佐藤刑事と20年前の事件についてまとめている場面では、2人目の被害者の肩書が「准教授」の所が「助教授」になっている、歩美のマンションへ行く時のご馳走作る云々という一コマがカット(うな重も残念ながらカット)、そして口笛およびその曲が原作ではビートルズの「レット・イット・ビー」なのですが、アニメでは曲名は登場せずに20年前に流行した曲という事になっています。曲も「レット・イット・ビー」ではないように聴こえます。やはり固有名詞を出すとまずいのでしょうかね。
それ以外は若干のカットやセリフの変更はあるものの原作に忠実な構成となっています。
前半については細かいセリフのカットや変更はありますが、ほぼ原作に忠実な構成になっていました。
後半に入るとまず被害者4人の共通点を見つけたコナンが推理を披露するのですが、それが原作では高木刑事の運転する車の中なのですが、アニメでは自動販売機でジュースを飲みながらになっています。そしてジュースの缶をゴミ箱に捨てる時、リンゴとレモンの他によく見ると「カメンサイダー」という妙な名前の缶がありました。それ以外は細かいセリフのカットはあるもののほぼ原作どおりです。
前半・後半ともに若干のセリフのカットや変更はありますが、ほぼ原作どおりの構成でした。
20年前に松本警視が連続殺人犯を追いつめた場所。
佐藤&高木刑事が聞き込みに向かったサウナの名前。アニメによると営業時間は10時から21時で定休日は水曜日です。
歩美のマンションに到着した後に歩美と灰原が買って来たお菓子とジュースの中にこれが入っていました。フィギュアのおまけがついているそうです。
一人目の犠牲者・坊川継治氏が院長を務める大きな病院。
「初恋の傷跡」に続く形で連続殺人犯を追いかける本シリーズですが、最初は松本警視の顔の傷をつけた憎き犯人の正体を暴き森村刑事の仇を討つスケールの大きい熱い話かと思っていたら、終わってみれば本庁の刑事恋物語になっていたという、ちょっと予想していたのとは違う結末になりました。個人的には肩透かしを食らった感じです。
ストーリー自体はまずまず面白かったとは思うのですが、如何せん模倣犯というのは何となく予想できていました。やはりせっかく時効目前になっているのにわざわざまた殺人を犯すというのは余程の事情がないとあり得ないと思いますし、時効3日前でまた殺人というのはいくらなんでも不自然ですからね。それに容疑者に上がっているのが被害者の遺族3人という所からもあの犯罪心理学者が連続殺人犯で遺族が仇を討つというのは予想できる展開だったのではないでしょうか。そうなると犯行当時10歳だった人物は連続殺人犯にはいくらなんでも該当しない分、逆に模倣犯だとすると一番臭いですよね。
まあそんな感じで今回はちょっと意外性に欠ける展開だったので少し辛めの点数です。本庁の刑事恋物語ファンにはついにという感じの展開でしたね。
事件の被害者4人が麻雀の卓をよく囲んでいたという奥穂町にある雀荘。
上記雀荘で聞き込みを終えた高木刑事が警視庁に連絡を取った際にここの派出所で電話を借りていました。アニメのみで原作ではちゃんとした名前はついていません。
作中最後に高木刑事が入院した病院の名前。アニメのみで、原作では東京警察病院になっています。