(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 目暮警部 高木刑事 千葉刑事 鈴木園子 恩田和美(48) 大嶺良介(24) 金山誠一(24) 上宮桃子(24) 神田智(32) 結城夏美 結城佳代子 刑事 警備員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 ゲームソフト会社 オンダック社長 誘拐犯 ゲームプログラマー、恩田の部下で大嶺の友人 恩田の秘書 チーフプロデューサー、オンダック副社長 誘拐された少女の母親 誘拐された少女 目暮の部下 ビルの警備員 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 茶風林 高木渉 千葉一伸 松井菜桜子 岡和男 西村朋紘 川中子雅人 ゆかな 木村雅史 浦和めぐみ ??? 柳沢栄治 梅津秀行 |
その日の夜、大嶺良介は渋谷区にある首都高速の高架橋下の公園にゲームソフト会社社長の恩田和美を呼び出していました。その目的は恩田を恐喝すること、なぜなら恩田は大嶺の友人の金山誠一が作ったゲームソフトで20億円も儲けたにも関わらず金山にはたったの10万しか給料を払っておらず、労働に見合った報酬を出していないと考えたからでした。
恩田は柔道四段でオリンピックの候補にもなったという強者でしたが、大嶺の構える拳銃を前にしては身動きが取れませんでした。それをいいことに言いたい放題の大嶺でしたが、石につまずきバランスを崩し……気がつくと恩田は胸のあたりを血で真っ赤に染めて仰向けに倒れていたのです。慌てて逃げ出す大嶺でしたが、公園には監視カメラが設置されておりその一部始終を撮影していたのでした。
その翌日の昼下がり、コナンは蘭と園子に連れられて「MIα MALL」という名前のショッピングモールにあるCREAM HEAVENという喫茶店に来ていました。何でも小学生同伴に限りドラゴンマウンテンパフェが2割引ということで半ば無理矢理連れてこられた感じのコナン。本当はテレビでサッカーの試合が見たかったのに…心の中でそう呪いつつコナンはトイレのため席を立ちます。
コナンがトイレで用を足して外に出ると、高木刑事が千葉刑事と若い女性と一緒に立っていて、携帯電話で何事か話をしていました。会話の内容からどうやら誘拐事件が発生しているらしく結城佳代子という5歳の女の子が人質に取られ、犯人は拳銃まで所持しているというのです。若い女性は誘拐された少女の母親で涙ながらに娘を助けて欲しいと訴えていました。
子供を人質にした犯人がショッピングモールから逃げようとするなら車しかない─話を陰で聞いていたコナンはショッピングモールの駐車場へと急ぎ向かいます。
車を奪おうとすれば人の目につきにくい場所…柱の陰…それに入口から一番離れた所…そう考えながらコナンが駐車場を見ていると、少女の口を塞いで車の陰から辺りの様子を伺うサングラスの若い男がいるのを発見します。男はほどなく駐車場に入ってきた水色の車に近づき、運転手を殴って車から引きずり降ろそうとしていました。
それを見たコナンは近くにあったショッピングカートをキック力増強シューズで蹴り飛ばして誘拐犯の男にぶつけます。男は吹き飛びコナンは車の中にいた少女を無事助け出しますが、その直後に現れた千葉刑事たちの姿に気づいた男はおもむろに起き上がると少女に気を取られていたコナンの襟を背後から掴んで車の中に放り投げ、そのまま車に乗り込んで逃走を始めたのです。
コナンはまず拳銃を確認しないと下手に手を出せないと男の出方をうかがっていたのですが、男はよほど慌てているのか車を駐車場のいたる所にぶつけがなら駐車場の坂を下っていきます。そして目暮警部と高木刑事の静止も振り切って駐車場を出るとそのまま市街を逃走しますが、ここでもひどい運転でコナンは生きた心地がしないのでした。そして偶然ついたラジオのニュースで男が昨日の夜にゲームソフト会社社長を射殺した事件の重要参考人として警察から追われている大嶺である事を知ったのです。
大嶺は新宿界隈を根城にするチンピラで、恐喝と暴行で二度の逮捕歴がある札付きのワルでした。一方殺害された恩田も大手ゲームソフト会社の社長で年収10数億円と言われる成功者ではあるものの社員の給料の低さや外注スタッフへの未払いなど金銭面でのトラブルが絶えなかったといいます。
そしてそのワンマンぶりを岩手県盛岡の同郷の友人で恩田の会社に勤める金山から聞かされ激怒した大嶺は、恩田から金を取ろうと渋谷区の公園に呼び出し思わず射殺してしまった。そしてその一部始終は公園の中にある監視カメラに捉えられていたというのでした。
一方コナンは車を乗り捨てた後大嶺によりどこかのビルの一部屋に連れてこられますが、まずは拳銃を確認しようとネズミが出たとウソをついて大嶺に抱きつきます。ところが大嶺は拳銃を持っておらず、それならばとコナンは隙をついて大嶺の足を踏みつけまんまと部屋の外へと脱出することに成功します。ところが廊下をしばらく進んで階段の手前あたりで急に明かりが消え、階段の上から誰かが降りてくる足音が聞こえてきたのでした。そして突然何かの音がして…
その後コナンは何が起きたのかも分からず、大嶺に先導されてある部屋に入ります。その部屋には小窓がついていて外へ出られる構造になっていましたが、ふと大嶺を見ると彼の左肩には銃で撃たれた傷が……どうやら大嶺はコナンをかばって代わりにピストルで撃たれたようなのです。
ピストルを撃ってきたのは知り合いか…そうじゃないなら誰で、どうしてあそこにいるのが分かったのか、それになぜ撃ってきたのか…まだまだ訳の分からない事だらけの事件でしたが、窓から外に出ることに成功したコナンは大嶺に対し何だか奇妙な感覚を抱いていました。
なぜ一人で逃げずに自分を助けたのか、本当に大嶺は殺人犯なのか…大嶺は撃った本人が言っているのだから間違いないと言うのですが、そういうキャラにはどうしても見えず……
一方誘拐されたコナンを救い出すため、小五郎は殺害された恩田の事件を洗い直し会社のWEBサイトの情報を元に事件のきっかけを作った大嶺の友人でゲームプログラマーの金山誠一のアパートを訪れます。すると金山は今回の事件には共犯がいる可能性を示唆し、その容疑者として恩田の秘書・上宮桃子や副社長・神田智の名前を出すのでした。この事件の裏にはいったい何が!?
クリームヘブンのドラゴンマウンテンパフェのキッズサービスの広告を見た蘭と園子に付き合わされて杯戸町のショッピングモールを訪れていたコナンは、トイレの外で携帯電話を使っていた高木刑事のやり取りから誘拐事件が発生していることを知り、犯人が現われると予想した駐車場で張り込みを開始します。
すると予想どおり犯人は誘拐された少女を連れて車の陰に潜み、入ってきた車を奪おうと運転手に襲いかかります。コナンはキック力増強シューズでショッピングカートを蹴って誘拐犯を吹っ飛ばしますが、少女に気を取られている隙に後ろから捕まえられ、そのまま車に乗せられ新たな誘拐の被害者となってしまったのでした。
その誘拐犯は大嶺といい、前日の夜にゲームソフト会社社長の恩田という男を拳銃で射殺した事件の重要参考人として警察に追われていて、本人もそのことは否定しませんでした。ところが車を乗り捨てた後に連れてこられたビルの一室からコナンが逃げ出そうと廊下に出た所で急に明かりが暗くなり、前方にあった階段の上から足音がしたかと思うと銃弾が飛んできたのですが、コナンは間一髪大嶺にかばわれて助かったのです。
コナンを銃撃しようとした人物はいったい何者なのか、そしてコナンを誘拐した大嶺は本当に殺人犯なのでしょうか!?
事件当日コナンと蘭と園子が訪れていた杯戸町にあるショッピングモール
MIα MALLの1階にある喫茶店。その日はキッズサービスが実施中でドラゴンマウンテンパフェが小学生のお子様同伴の方に限り何と20%OFFで食べられるということで、コナンは蘭と園子から有難がられていたのでした。ちなみに問題のパフェはイチゴにパイナップルにオレンジにコーンとポッキーがついて更にアイスがたっぷりの豪勢なものでした。蘭と園子はあれを一人一つずつ食べるようで、凄いです(苦笑)
恩田和美が社長を務めるゲームソフト会社の名前。おそらく社長の名前が「おんだ」だからオンダックで案外安易な名前です(苦笑)
会社のWEBサイトには部下の金山誠一が開発したゲームとして「サスケvsモンスター」「トリオブラザーズ」「探偵アール セカンド」「ゼカカカカ」「ドリフトドリフト」などの名前がありました。
会社のWEBサイトによるとオンダックの副社長・神田智はこの大学のシステム工業学科を卒業しています。
ミラクル・ミルクレープというデザートを販売しています。ポイントもつくそうです(笑) ちなみにパティスリーとは小麦粉を生地に使ったケーキ類の総称で、それを販売している店もそう呼ばれます。
今回はタイトルが何とも魅力的でコナンが犯人と2日過ごすということになっていますが、実際はそんなに長くいた訳ではありませんでしたよね。評価については今回はちょっと辛いです。ミステリーとして見ると真犯人を当てるための伏線がありませんし、細かいヒントも乏しいですし犯人の意外性もそんなにある訳ではないですし、この作品が本格ミステリーだというのなら全体的に少し寂しい内容だったかもしれません。
一応ホームページに趣味モデルガンとあるのは分かったのですが状況証拠にすぎませんし、決定的物証である右手の指をケガを負っていることも拳銃を捨てたビルにあった足跡についても真犯人自体がようやく出て来たのは小五郎が眠らされる直前で、そこまでは一切登場しないので視聴者にとってはヒントとはいえません。
また細かい部分でもキャラ同士のやり取りとかカーチェイスの部分とか、アクションとユーモアの部分は楽しめたのですが、随所に粗さを感じざるを得ず心から楽しめる所まで行きませんでした。
まず大嶺が最後罪を償ってまっとうな人間になると言っていましたが、恩田に対する恐喝だけではなくて未成年者略取(誘拐)の罪もありますし、車を奪った強盗の罪もありますからかなりの刑を食らってもおかしくないはずなので、個人的にはあまりめでたしめでたしという気持ちになれませんでした。特に未成年者を誘拐して車を奪って逃走するあたりなどはアメリカだったら即射殺されてもおかしくないぐらいの極めて凶悪な犯罪ではないでしょうか。
そしてこれもすごく気になっているのですが、車を乗り捨てた後に移動したビルで真犯人がコナンと大嶺を拳銃で狙いましたが、あれって犯人にとって何の意味があるのでしょうか。コナンを殺害する意味などあの時点でまったくありませんし、大嶺についてもあのまま撃たれて死んでいたら明らかに他殺ということになって恩田殺害事件も別の犯人がいるということになり真犯人にとって何のメリットもない気がします。それにその後コナンと大嶺の追跡を簡単に止めてしまっている点も結局なぜなのか説明がありませんでしたし、犯人の行動に一貫性がないのが妙に気になりました。