(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 横溝警部 梅津英章(70) 前川浩一(50) 江原麻麗(35) 梅津泰子(28) 八木橋生輔(27) 従業員 鑑識 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 静岡県警警部 不動産会社社長 温泉パーク支配人 梅津英章の長女 梅津英章の次女 梅津英章の秘書 温泉パーク従業員 鑑識員 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 大塚明夫 平野稔 牛山茂 山口眞弓 半場友恵 幸野善之 桃森すもも 小田敏充 |
帰り道に海沿いの道を運転中、「海浜温泉パーク」の看板を見て思わず足を運ぶこととなった小五郎と蘭、それにコナンの三人。期待に胸を膨らませて入口のガラス戸を開けますが、エントランスでは二人の男が何やら言い争いをしていました。
言い争いをしていたのは不動産会社社長の梅津英章と海浜温泉パークの支配人の前川浩一。どうやら梅津は温泉パークを売却する契約書にサインするように迫り前川がそれを断固拒否していたのです。
梅津は前川のことを「バカな二代目」だと吐き捨て、小五郎たちにも温泉に入ってもガッカリすると言っている割には自分は長女の江原麻麗と次女の梅津泰子、それに秘書の八木橋生輔を連れて温泉パークに入っていくのでしたが、これは単なる嫌がらせで、この1ヶ月間毎晩貸切の露天風呂を予約しているらしいのでした。
その様子を見ていた小五郎たちは温泉の後で採れたてのタコ料理を出してくれると聞き、気分を直して温泉パーク内部へと向かいます。一方支配人の前川はタコが足りなくなりそうだから岩場に行って突付いてくるといって出かけます。時刻はちょうど夜の7時でした。
温泉パークには五右衛門風呂、ジャグジー、シャワー室、寝湯、貸切露天風呂が2つに浮遊風呂、掛湯、足湯、うたせ湯、座湯、ミストサウナといろいろなお風呂や浴室設備があり、どれに入るか思わず迷ってしまうぐらいの豊富な温泉が用意されていました。蘭はコナンと一緒にとりあえず五右衛門風呂へ向かいますが、蘭と一緒に入るお風呂にコナンは思わず顔を赤らめます。次の浮遊風呂では一緒に入ることもできず…
一方小五郎は一足先にレストランでビールを片手に刺身や酢の物、唐揚げなどのタコ料理を満喫していました。風呂から出てきたコナンは帰りの運転を心配するが、近くの旅館に泊まることにしたから大丈夫だというのです。
それから間もなくして支配人の前川がビールのおかわりを運んできて話しをはじめます。前川は元々は漁師をやっていたらしく、1年前に父親が急死したため後を継いだというのでした。他にもタコ漁のことなどを話していたのですが、すると突然遠くの方からガラガラボッシャーンという音が聞こえてきて…
何事かと前川は従業員の女性に音のした貸切露天風呂の様子を見に行かせます。すると風呂の中で不動産会社社長の梅津が頭から血を流して既に亡くなっており……時刻はちょうど夜の8時でした。
すぐに静岡県警の横溝警部の捜査がはじまり、前川によれば元々貸切露天風呂の崖の上にある石がグラついていて工事を入れようとしていた所で、安全管理上重大な過失ではあるものの不幸な事故ということでいったんは決着しかけます。
ところが問題の石が落ちてきた崖の上を調べてみると穴の周りの石に何か擦れたような跡が発見され、石が自然に抜け落ちて被害者に当たったのではなく、何者かが崖の上から被害者目がけて石を投げ落とした殺人の線が色濃くなってきたのです。
温泉パークの海側はかなり高い崖になっていて登るのは不可能で、入口は正面のガラスのドアだけ。しかしそこには女性従業員がずっと立っていたことから、犯行が可能だったのは8時に温泉パークの中にいた人間だけということになりすぐに関係者全員がロビーに集められます。
すると犯行時刻の夜8時、被害者と何らかの関係のある秘書は貸切露天風呂に近いシャワー室に、長女もすぐ隣のジャグジーに、次女は奥の方にある寝湯にいたと証言、全員に被害者を殺害する機会があることが確認されます。さらに秘書と次女には結婚を猛反対された経緯があり、長女は事業に失敗して借金まみれで金に困っていたという動機も持っていたのでした。
一方温泉パークの買収で対立していた前川には、夜7時からタコを突きに岩場に向かい、7時半からはずっと小五郎とレストランにいたというアリバイありました。いったいこの中の誰が犯人なのでしょうか!?
探偵事務所への帰り道に看板を見て思わず立ち寄った海浜温泉パーク。入口で支配人と不動産会社社長の言い争う場面に遭遇しますが、気を取り直して豊富な温泉を楽しむことになります。
ところが小五郎とコナンがレストランで支配人の前川と話をしていると、遠くからガラガラボッシャーンという音がして、様子を見に行くと貸切露天風呂で不動産会社社長の梅津が頭から血を流して亡くなっていたのでした。
音を聞いて現場に駆けつけたのが夜の8時。すぐに静岡県警横溝警部による捜査がはじまり、問題の時刻に温泉パーク内にいた関係者全員のアリバイが調べられたのですが…。
番組内で表示されている電話番号に電話すると抽選で劇場グッズ(リングノート・下敷き)をセットにして20名様にプレゼントという企画をやっていました。
今回小五郎たちが立ち寄った浴場施設。五右衛門風呂、ジャグジー、シャワー室、寝湯、貸切露天風呂が2つに浮遊風呂、掛湯、足湯、うたせ湯、座湯、ミストサウナと豊富な温泉や施設が用意されていました。
今回は3回連続TVオリジナル短編の3回目でしたが、一番内容の充実していた作品ではないでしょうか。本格ミステリとしても実に丁寧に作られていて、個人的には大満足でした。
犯人当てについてはさして難しくなかったとは思いますが、いろいろと伏線も丁寧に張ってあって、一つ一つが解決編できちんと消化されていくのを見ていてウンウンと頷く、そんな作品でした。特にシャンプーの封が切られていなかったという伏線から本当の犯行時刻を導き出すあたりは感心しましたね。決定的証拠となったズボンに付着した血を咄嗟に隠そうとしたのを見抜いた点も実にお見事という感じでした。
あとは今回は蘭のサービスカット満載で、特にラストは妙に艶かしかったですね。小五郎のいびきとの併せ技で寝られなくなるという上手いオチでしたし、いろいろと見所満載の言うことなしの完成度の高い作品だったと思います。
そして久しぶりに横溝警部の姿をレギュラー放送で観れて嬉しかったです。何とレギュラー放送ではまともに捜査に立ち会ったのは2005年の415-417「仏滅に出る悪霊」以来ですから5年ぶりです。昨年の映画13弾「漆黒の追跡者」でも登場しましたが、やはり特別思い入れのあるキャラだけにこれからも活躍をどんどん見たいですね。