名探偵コナン573-574「恥ずかしいお守りの行方」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File573-574 恥ずかしいお守りの行方
英題
The Location of the Embarrassing Charm
放映日
2010/5/15・5/22(前編・後編)
原題
第66巻
File8「お守り奪還作戦!」
File9「最高の試合」
File10「意地悪」
ジャンル
本格
事件現場
渋谷のスポーツバー(Sports Cafe CLUB Be) 男子トイレ
管轄
東京警視庁捜査一課(高木巡査部長)
登場人物
江戸川コナン
毛利蘭
毛利小五郎
高木刑事
服部平次
遠山和葉
国末照明(20)
薩摩和雄(51)
春藤健吾(44)
久間卓哉(26)
国末の友人
テニス部員
テニス部員
店員
男性アナウンサー
女性アナウンサー
赤青龍
黒鵬
右川翔
比護隆佑
仮面ヤイバー
本編の主人公、正体は工藤新一
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
巡査部長、目暮の部下
西の高校生探偵、新一のライヴァル
平次の幼なじみ
帝丹大学2年生、和葉の家の隣に実家
スポーツバーの客、相撲を観戦
スポーツバーの客、ビーチバレーを観戦
スポーツバーの客、サッカーを観戦
国末照明の友人
帝丹大学 テニス部員
帝丹大学 テニス部員
CLUB Beの店員
スポーツニュースの男性アナウンサー
スポーツニュースの女性アナウンサー
薩摩和雄がファンの力士
赤青龍の対戦相手の力士
プロゴルファー
ビッグ大阪のFW、元ノワール東京選手
子供達に大人気の特撮ヒーロー
高山みなみ
山崎和佳奈
小山力也
高木渉
堀川りょう
宮村優子
小川輝晃
園江治
宝亀克寿
二又一成
白鳥哲
幸田昌明
河野裕
幸田昌明
河野裕
樹元オリエ
声の出演なし
声の出演なし
声の出演なし
声の出演なし
声の出演なし
あらすじ
「─って…そのお守り、もしかして和葉ちゃんが大切にしてた…」

 和葉のお守りが欲しい…その日服部平次と遠山和葉が東京の毛利探偵事務所にいたのは、ある人物を捜しにきたからでした。

 捜しているのは帝丹大学2年生で和葉の家の隣に実家があるという国末照明という男性で、数日前から連絡がつかず学校も休みアパートにも戻っていないというのでした。何でも彼はテニス部に所属していて今度出場する大会に勝負をかけているらしく、和葉はこの前の連休に彼が大阪に帰省した際お守りをに作ってくれるようにと頼まれたのです。もっぱらよく効くという噂もあり頼まれたというのですが…

 和葉はお守りを作ることは作ったものの渡す約束の日に合気道の稽古が重なり、稽古を道場の外から見守っていた国末と偶然鉢合わせとなった平次が代わりに女子更衣室までお守りを取りに行って国末に渡すことになります。ところが何と平次が渡したお守りというのは和葉が大切にしている平次とペアの手錠の鎖が入ったあのお守りだったのです……。

 次の日、さっそく平次と和葉はコナンと蘭を連れて帝丹大学に向かいます。ところが国末の所属するテニス部に行ってみると彼は不運にも大会前の練習中に左手首を骨折してしまったらしく、最近姿を見せていないというのでした。

 腕をケガしていて何をするにも不自由なことから国末は友人の部屋に世話になっているらしく、それを聞くと平次たちは今度はその友人の部屋に向かいます。ところが国末は一日中部屋にいても仕方ないと気晴らしに渋谷のスポーツバーに向かったというのです。何でも「最高だ! 俺にもツキが戻った。その証拠をこれから見せてやる」と興奮しながら電話してきたらしく…。

 何か大変な事件にでも巻き込まれているのではと考えていた平次とコナンは少し拍子抜けでしたが、一方和葉の方はというと国末がお守りをいつも財布にちゃんと入れていると聞き、無事お守りが戻りそうだと分かると蘭にひそかに相談を持ちかけます。何と和葉はお守りの中に平次の写真をこっそり入れていたらしく、それを平次に見られる前に自分の手で回収するためにとわざわざついてきたというのでした。

 それから平次たちは国末の友人の案内で渋谷のスポーツバーに向かいますが、なぜか店の前にはパトカーが停車していて高木刑事も姿を見せていました。何があったのかと高木に尋ねると、腕を吊った男が店内のトイレで殴られ頭から血を流した状態で運ばれ意識不明の重体だというのです。平次が高木に写真を見せるとどうやら被害者は国末らしく…。

 その店はちょうど開店1周年で客全員にクラッカーを渡して夜8時ジャストに簡単なお祝いをする予定になっていて、その5分前にクラッカーを客に配り始めていました。国末はカウンターで飲んでいてクラッカーを受け取ったもののそのままクラッカーを置いてトイレに向かい、クラッカーが鳴ってしばらくしても戻ってこなかった事から様子を見に行き倒れているのを発見したというのです。その事から犯行時刻はクラッカーの鳴った8時の5分前後であることが判明していて、さらに8時前からレジが壊れていたらしく犯人はまだ店の中にいる可能性が極めて高いというのです。

 それだけ聞くと平次とコナンは一人一人に事情を聞く必要はなく、ある簡単な質問を客たちにすれば充分と高木刑事に言うのです。そして言われた通りに高木刑事が質問してみると…。

今回の見どころ
スポーツバーで起きた傷害事件と和葉の恥ずかしいお守りの行方

 和葉の隣に実家がある帝丹大学2年生の国末照明によく効くからとお守りの作成を頼まれた和葉。ところが渡す約束の日に合気道の稽古が重なり、代わりに届けた平次は間違って和葉が大切にしている平次とペアの手錠の鎖が入ったお守りを渡してしまいます。ところがその国末が数日前から音信不通であることが分かり、責任を感じた平次は国末を捜しお守りを返してもらうために東京に向かいます。

 一方和葉もなぜか平次について東京にやって来ていたのですが、それには理由がありました。何とそのお守りの中に平次の写真をこっそり入れていたのです。それを平次に見つかる前に自分の手で取り戻す…それが和葉に与えられた密かな使命でした。

 毛利探偵事務所にやって来た次の朝、平次たちは早速帝丹大学に向かいますが、国末は大会前に骨折した事が原因で学校も部活も休んでいて、友人の部屋に厄介になっていることが分かります。そしてその日は渋谷のスポーツバーに行っていることも分かり、友人の案内でそのスポーツバーを訪れます。

 ところがスポーツバーに着いてみると店の前にはパトカーが停車していて、高木刑事に話を聞くと何と国末が店のトイレで何者かに殴られて意識不明になっていることが判明します。犯人はまだ店内にいて、犯行時刻は店の1周年を祝うクラッカーが鳴った夜8時の前後5分だということも分かっていたのですが…。

 犯人はいったい!? そして和葉は恥ずかしいお守りの中身を他人に見られることなく無事お守りを取り戻せるのでしょうか!?

原作との相違点
前編

 まず前半の冒頭国末が和葉にお守りを作って欲しいというシーンで国末の紹介テロップがあり、そこに20歳という年齢の設定が追加されています。それ以外は細かいセリフのカットや変更・追加はあるものの、ほぼ原作どおりでした。

 後半についてもほぼ原作どおりで、最後にコナンによる事件のあらましと謎をまとめたおさらいのシーンが追加されています。

後編

 まず前半ですが、アニメでは原作にない野球のニュースの際女性アナウンサーが「新宿スタジアム」と言っているのが聞き取れます。そしてデーゲームのスコアが原作では1対5になっているのが、アニメでは1対10になっています。それ以外はほぼ原作どおりでした。

 後半についても細かいセリフのカットや変更はあるものの、ほぼ原作に忠実な構成になっていました。

豆知識
帝丹大学

 今回の被害者国末照明が通っている大学。テニス部に所属していました。

402 AKADA

 アニメのみ。国末がケガをしている最中厄介になっていた友人の隣の部屋でしょうか、マンションの表札に名前がありました。

Sports Cafe CLUB Be

 アニメのみ。国末が訪れた渋谷にあるスポーツバー。アニメではスポーツバーではなくスポーツカフェとなっていて、名前もちゃんとついていました。

福岡ファルコンズ

 アニメのみ。CLUB Beの店内にユニフォームが飾られていました。ただファルコンズといえば福岡ではなく鹿児島だったはずなのですが、今回はなぜか福岡ファルコンズになっています。隼野球が真髄でしたよね。

 ちなみにファルコズは72「三つ子別荘殺人事件」、390-391「本庁の刑事恋物語6」、431-432「本庁の刑事恋物語7」、371-372「物言わぬ航路」で登場しています。

仮面ヤイバーチョコバー

 アニメのみでBEIKAという会社の商品。3人の容疑者に高木刑事が事情を聴こうとする直前に後ろのモニターにこのCMが見えます。直後にスポーツニュースが始まります。少し文字が不鮮明のためひょっとしたらチョコレートかもしれません。

NIMITOPS

 アニメのみ。久間卓哉が外の自販機でタバコを買った際に右隣にあったコンビニエンスストア。どう見てもミニストップ(MINISTOP)にしか見えないですね。

東都スタジアム

 この日はサッカーの東京スピリッツvsビッグ大阪が行われていました。

杯戸中央病院

 今回の被害者国末照明が搬送された病院。

NEXTコナンズヒント
File573 ポケット
File574 コップ
コント
File573
平次「おい工藤、お守りに何か入ってんのか?」
コナン「さあな」
和葉「えっ、工藤?」
平次「いや、ちゃうちゃう」

File574
蘭「次回園子とコスプレに挑戦」
コナン「何の格好するの?」
蘭「真っ黒な格好」
コナン「えっ…」
OP
As the Dew」(GARNET CROW)
ED
Hello Mr. my yesterday」(Hundred Percent Free)
監督
於地紘仁
構成
金崎貴臣
絵コンテ
金崎貴臣
演出
File573 黒田晃一郎
File574 鎌仲史陽
作画監督
File573 山本道隆、長谷川真史
File574 岩井伸之、神谷友美
ビデオ
-
DVD
PART19-3
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★★

 今回は和葉の大事なお守りを平次が間違えて人に渡してしまい、それを取り返す顛末を描いたユニークな作品でしたね。蘭からも少しからかわれていましたし、和葉は今回は本当に災難でした。しかし最後の平次の写真への落書き、これはもう大爆笑で正直あのオチだけで今回は満点という評価でしょうか。久々に腹を抱えて笑いました。

 ミステリーとしてはあの突然大声を上げたのと、サッカーなのにビジターチームというセリフを見た瞬間にピンときましたし、石川遼もどきのゴルファーがボールを投げて観客が奪い合いしているシーンでホームランボールだということも分かりましたし、それがポップコーンの中に入っていることまで今回は完全勝利で謎を解くことができました。

 ただ今回はサッカーと野球の両方をよく知っていればかなりヒントが解り易いのでそれに当てはまる方なら難易度は高くなかったのではと思います。

 一方犯人の行動についてはちょっと同情できませんね。たまたま被害者が意識を取り戻し大事に至らなかったから良かったものの、病気で亡くなった彼女もそんなボールを供えられてもきっと喜ばないと思います。それよりも自分の好きな人が犯罪者になってしまうとしたら悲しむだけだと思いますね。

TOPへ

名探偵コナンカレンダー

×