(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 妃英理 鈴木園子 白鳥警部 佐藤刑事 千葉刑事 宮本由美 沖野ヨーコ 小林澄子先生 京極真 目暮みどり 浦井垂人(53) 浦井星江(49) 司会者 鑑識員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 蘭の母親、腕利きの弁護士 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 警視庁捜査一課警部 警部補、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 交通課の婦警、佐藤刑事の親友 人気アイドル 帝丹小学校1年B組担任 杯戸高校空手部 主将 目暮警部の妻 ウライ製菓社長 浦井垂人の妻、ウライ製菓副社長 ウライ製菓8周年記念パーティーの司会者 鑑識員 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 小山力也 茶風林 高木渉 声の出演なし 松井菜桜子 井上和彦 湯屋敦子 千葉一伸 杉本ゆう 長沢美樹 声の出演なし 檜山修之 折笠愛 秋元羊介 竹口安芸子 私市淳 松本大 |
CMに出演したのが縁でお菓子メーカーのウライ製菓のホワイトデーパーティーに招待されることになった小五郎。その日3月14日は会社の創業日でもあり、パーティーは夜6時から杯戸シティホテルで開かれる予定になっていました。
そして今回のそのパーティー、社長の浦井垂人の妻・星江によればパーティー客たちの度肝を抜いて会場がパーッと明るくなるようなアイデア、目玉が飛び出るぐらいの趣向が用意されているというのですが、果たしてその内容とは…!?
一方蘭とコナンの周辺では、ホワイトデーに向けて悲喜こもごものドラマが繰り広げられようとしていました。蘭は学校帰りに園子に新一からのお返しについて聞かれますが、バレンタインデーのチョコはあげたというより勝手に食べられたという感じだったためよく分からない状態で、他方園子も京極真からのお返しが来るかどうか不安な様子でいたのです。
一方コナンたちとも親しい警視庁の刑事たちはというと、まず高木・佐藤両刑事は高木刑事が2月14日の張り込み中に食べかけのポッキーをもらっただけである反面、どれにしようか迷うぐらいたくさんのお菓子を買い込む白鳥警部もいたりして……順調そうな白鳥警部を除けばどんなホワイトデーになるか想像すらつかない状態だったのです。
それからコナンと蘭は、小五郎に同伴してウライ製菓のホワイトデーパーティーに出席するため杯戸シティホテルへと向かいます。
残念ながらドラマの撮影が長引いているらしく人気アイドルの沖野ヨーコが欠席となってしまいますが、パーティー主催者のウライ製菓社長・浦井垂人と妻の星江の出迎えを受けた三人はさっそく会場内でくつろぎ始めます。
立食形式で好きなものを自分で選べるということで張り切る小五郎を尻目に、蘭はというと園子から浦井社長は毎回パーティーで面白いことをやってくれると聞かされていたらしく…これまでにやったことがある手品や着ぐるみ、寸劇などに加え今回も何かがあるのではと期待しつつ会場の様子を見守っていたのです。
それから会場内では小五郎が沖野ヨーコと共演したスパイチョコ・ホワイトの酸っぱいCMが上映され出席者の笑いを誘うなど、場内は和やかな雰囲気に。小五郎の起用はどうやら大正解だったようでした。
そして小五郎はCMの主役の一人として挨拶をすることとなり壇上に立ちますが、ちょうどその時、社長夫人の星江が蘭に手相を診てあげると言い出したのです。
星江の手相占いはなかなかのもので蘭が運が強いことや、恋愛についても色々な障害があって好きな人となかなか結ばれず絶望的な状況に追い込まれるが、最終的にはドラマチックな展開の末に結ばれることもあるのであまりケンカはしないようにと、まるで新一と蘭のことをそばで見てきたかのような見立てを披露したのです。
ところが占いが終わったちょうどその時、星江の隣に立っていた浦井社長が「ぐっ」と嗚咽を漏らしたかと思うと突然苦しみ出し、悶絶するように仰向けに倒れて…
それを見た出席者たちの悲鳴が場内にこだまし、ざわつく中、妻の星江は面白いこと好きの夫の趣向と勘違いしたのか、今回の寸劇はミステリーなのかと声をかけつつ、壇上でスピーチをしていた小五郎をあなたの出番だと言って呼び出します。
そのことを全く知らされていなかった小五郎でしたが、状況をすぐに悟ると浦井社長のもとに近づき、「死亡推定時刻は19時54分…私の長年の探偵の勘が正しければ…犯人は間違いなく…この中にいる!!!」と叫び、場内からはどっと笑いが巻き起こります。
そこまでは上手くアドリブを利かせた小五郎でしたが、この次はどうしたらいいのかと浦井にそっと問いかけます。しかしそこでコナンから驚きの一言が……
「返事できないよ、この人息していないもん」─コナンはすぐにアーモンド臭を嗅ぎ取り、青酸カリによる毒殺だと推理しはじめ……
沖野ヨーコとCMに出演したのが縁でお菓子メーカーのウライ製菓のホワイトデーパーティーに招待されることになった小五郎。パーティーにはバレンタインデーのお返しの動向も気になる蘭とコナンも一緒にやってきていました。
場内にCMが流れると場内から大爆笑が巻き起こりパーティーは和やかな雰囲気で進みますが、突然ウライ製菓社長の浦井垂人が苦しみながらその場に倒れこんだのです。
浦井社長は手品や着ぐるみ、寸劇など、毎回パーティーで面白い趣向を凝らして出席者を楽しませてきたこともあり、今回もミステリー劇か何かの趣向だと勘違いした浦井の妻星江は小五郎に浦井の様子を調べるようにと促し、小五郎はアドリブを利かせて周囲を笑いに包み込みますが、浦井は本当に息をしておらずそばには青酸カリのものと思われるアーモンド臭が残されていて…
今回の作品は2002年に放映された266-268「バレンタインの真実」の続編といえる作品です。
上記のお話を知らなくても楽しめることは楽しめると思いますが、是非セットで楽しむことをオススメします。
今回の作品は2011年3月5日と12日に前後編で放送される予定でしたが、3月11日に発生した東日本大震災の影響で12日の放送は休止となり19日に後編が放映されることとなりました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
そして19日の放送ではオープニングのラストとネクストコナンズヒント前にいつもある「この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りします(しました)」とスポンサー表記とコナンの声が挿入される部分がなくなっていました。これは震災の影響でしばらく続いたCM自粛の影響だと思います。現にこの回のCMは「ポポポポーン」などAC(公共広告機構)の宣伝が多数ありました。
まず前半については原作1話目分に相当しますが、序盤の小五郎&沖野ヨーコが共演するスパイチョコ・ホワイトのCMが予想どおりかなり豪華な作りになっていました。このあたりは映像だと迫力がありますね。
それからパーティー会場にやって来た小五郎がより取り見取りだぜといってアニメではかなりがっついて特にエビフライやアワビなどを嬉しそうに皿によそっていました。そして最後には「さすがは杯戸シティホテル、料理も一流だ」というセリフが追加されています。
その後もう一度スパイチョコ・ホワイトのCMが会場内に流れるのですが、その部分はカットされて浦井夫妻と小五郎の会話へと続いていきます。その後小五郎が会場内で挨拶とスピーチをすることとなり、アニメでは蘭が星江から手相を診てもらっている間ずっとバックで喋っているようなのですが、音が小さいので何を喋っているのかまでは聞き取れませんでした(苦笑)
その他細かいセリフの追加や変更などあるものの、ほぼ原作に忠実な構成でストーリーが進行していきます。
後半は2話目の千葉刑事が社長の車のグローブボックスを調べて目暮に報告し自殺に決まりかけて星江がニヤリとする所まで続いていきますが、こちらも細かいセリフのカットや変更・追加はあるものの原作に忠実なストーリーの流れとなっています。
まず前半ではコナンが花粉症の千葉刑事を見て「ミラクル!?」とつぶやいた後、目暮警部の「被害者の車から発見された毒物とオブラートの鑑定を急がせろ」というセリフが追加されていて、更にその後小五郎のタバコがテーブルの上で発見された後の蘭のセリフが一部コナンのものになっています。
そして最後に小五郎の「あるんですよ、そんなミラクルなトリックがね」というセリフが挿入され前半は終了となりますが、全体的には細かいセリフのカット・変更・追加はあるものの原作に忠実なストーリー構成となっています。
後半については細かいセリフの追加・変更・カットはあるもののほぼ原作に忠実な構成となっていました。
一点だけラストの蘭→みどり→妃→佐藤→再び蘭→園子と続くシーンの所の佐藤と蘭の間に小林先生のカットが追加されています。
今回のパーティー会場となったホテル。これまでに76「コナンvs怪盗キッド」、File116-117「ミステリー作家失踪事件」、176-178「黒の組織との再会」で名前が登場しています。
今回のパーティーで8周年を迎えたお菓子メーカー。社長は浦井垂人で甘味担当、彼の妻の浦井星江が副社長で酸味を担当しているそうです。
ウライ製菓が新発売することとなったお菓子で、小五郎がヨーコとCMで共演することとなりました。レモンの酸味が売りの商品のようで、他に既に発売している姉妹商品としてスパイチョコ・ブラックというのもあるようです。
今回は「バレンタインの真実」の続編ということでついにホワイトデーの話も描かれました。しかし新一と蘭、園子と京極だけでなく、今回は小五郎と妃、目暮とみどりさん、高木&佐藤刑事、白鳥警部&小林先生といろいろな人の恋模様が描かれて贅沢な作品となっていましたね。ラストはとても心温まるお話だったと思います。
一方ミステリー的な点にも触れておかなくてはなりませんが、こちらはミラクルフルーツというものを知らないとまったく答えが導けないので、自分などは今回初めて知ったのでトリックは全然見当もつきませんでしたね(苦笑)
人間は一つの味覚しか感じることができないので激辛料理に酢を入れると酢の酸っぱさで辛さを感じなくなるということなどは知っていましたが、ミラクルフルーツというものの存在は初めて知り、とても勉強になりました。
あとは目暮警部が毎日愛妻弁当であることとか、千葉刑事が花粉症であるとか、いろいろと今回は新たな発見のあった回ですね。登場人物も非常に多くて更新が大変(苦笑)でしたが、何とか頑張って完了させることができました。
今回のトリックで使われた食べると酸味が甘味に変わるという西アフリカ原産の赤い小さな木の実。
味覚器に作用して一時的に酸味を甘味に変えるミラクリンという糖タンパク質を含むまさにミラクルな果実なのだとか。
そして舌の上で念入りに転がせば効果は1~2時間続くそうです。
新一が蘭に送ったホワイトデーの贈り物は税務署の袋に入っていました。確定申告の締め切りは3月15日でホワイトデーの一日後です。
新一が蘭に贈ったホワイトデーの贈り物。電話した際に鼻声だったことからという何とも心温まる贈り物ですよね。