(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 服部平次 遠山和葉 山村刑事 犬伏幸姫(28) 犬伏考子(47) 犬伏娑臣(74) 犬伏知晃(42) 犬伏禅也(34) 犬伏佐記(35) ハチ おじいさん 犬伏恒弟 犬伏蛍慈 犬伏美我子 工藤伸壱(43) 房太郎 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 西の高校生探偵、新一のライヴァル 平次の幼なじみ 群馬県警のヘッポコ刑事 犬伏家養子 犬伏家養子 犬伏家当主、犬伏恒弟の妻 犬伏家養子、犬伏病院勤務医 犬伏家養子、サバイバルゲームインストラクター 犬伏家養子、犬伏家の家事全般を担当 犬伏家で飼われている秋田犬 冒頭で小五郎たちが出会った老人 犬伏グループ元会長、5年前に病死 犬伏家養子、1番目の犠牲者、崖から転落死 犬伏家養子、2番目の犠牲者、沼で溺死 犬伏家養子、3番目の犠牲者、練炭自殺に偽装し殺害 明治の頃に犬伏家で飼われていた犬 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 堀川りょう 宮村優子 古川登志夫 的井香織 秋元千賀子 声の出演なし 伊井篤史 有本欽隆 さとうあい ??? 真田五郎 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし |
工藤伸壱宅での事件を解決した平次とコナン。しかし遺体の口から出てきた真珠の謎は残されたまま、今度は小五郎、蘭、和葉も加えて小五郎の運転するレンタカーで犬伏家を訪問することになります。
犬伏家は山の中腹にそびえるように立ちお城のような屋根を持っていることから、周辺の住民から「犬伏城」と呼ばれているというのでした。そしてその犬伏城へ向かう途中、平次とコナンはもう一度犬伏家で起きた事件について整理していたのです。
目下の所3人目の犠牲者となった練炭自殺に見せかけて殺された工藤伸壱(くどうしんいち)の他に、2番目が沼で溺れ火の気のない場所にもかかわらず沼の周りの草が燃える中で亡くなっていたという犬伏美我子(みわこ)と1番目には火のついた魔犬に襲われて崖から落ちたという犬伏蛍慈(けいじ)の3人が養子の中で亡くなっている人物でした。
残る養子はあと5名でしたが、まず平次たちはレンタカーで犬伏城に向かう途中に残りの5名の1人であるまだ20代で一番若い犬伏幸姫(みゆき)という女性と出会います。彼女は小五郎が話に夢中でよそ見をしていて危うく崖から落ちそうになる所を救ってくれたのでした。
それから犬伏城に到着した平次たちは入口の所で屋敷で飼われている秋田犬ハチの出迎えを受け、ほどなくして姿を現した5名の中では最年長の犬伏考子(たかこ)と出会います。
しかし彼女は小五郎のことを事件を調べに来た刑事と勘違いしているらしく、あれこれと調べられるのを歓迎していない様子が伺えたのでした。
それから平次たちは脳梗塞で先月倒れてからずっと寝たきりだという犬伏家当主の犬伏娑臣(さとみ)の所へ挨拶に向かいますが、当然意識はなく養子の1人で近くにある犬伏病院に勤務している犬伏知晃(ともあき)が娑臣の容態を診ている最中でした。
そこへもう一人犬伏禅也(よしや)という30代半ばの養子が現れて、これで残された5名の養子のうち4名が出揃います。
残る1名は犬伏佐記(さき)といい、少し遠くにあるというクリーニング屋に出した服を取りに行っているらしく、彼女を待っている間に平次たちはお茶を飲みながら養子たちから犬伏家に伝わる恐るべき「魔犬の謂われ」を聞かされることになったのです。
そもそもはじまりは明治時代まで遡り、犬伏家の先祖が犬を燃やして殺してしまったことがきっかけでした。急にいなくなった犬伏家の一人娘が山で迷い傷だらけで倒れていたのを探し出し助けてきてくれた犬に対し、主人は犬が娘を襲ったと勘違いし怒りに任せて何度も鞭で叩いた上に体に火をつけて燃やしてしまったというのです。
その後息を吹き返した娘から本当のことを聞かされ、悔いた主人は犬のために立派な墓を建てますが、その数日後に起きた火事で主人だけが逃げ遅れて亡くなるという事件が発生。それ以来犬伏家は炎の魔犬に祟られているとまことしやかに囁かれるようになったのだというのでした。
「魔犬の謂われ」を聞かされた平次たちは、それから当時の主人が悔いて建てたという犬のお墓を見るため、昼間小五郎が不注意で落ちそうになった崖の下へと向かうことになります。
「勇敢な犬伏家の愛犬 房太郎の墓」と刻まれた墓石を見た小五郎たちは、火がついた犬が出ればこの房太郎の呪いだと犬伏家の人たちが勘違いするのも分かるような気がしたのでした。
そしてコナンが崖から落ちて転落死したという1番目の犠牲者・犬伏蛍慈はこの崖から落ちたのかとそばにいた幸姫に訊ねようとしたその時でした。
コナンからの質問を受けて幸姫が指し示した崖の上から、何とクリーニング屋に向かっていたはずの養子の1人・犬伏佐記が自転車に乗ったまま落ちてきたのです!!
激しく地面に叩きつけられた佐記でしたが、平次たちがそばに駆けつけるとまだかろうじて息があり、「い、犬…燃えた…」という謎の言葉を最期に残したのです。
佐記の言葉を耳にした平次とコナンは、和葉に救急車と警察の手配を任せるとすぐに彼女が落ちたと思われる崖の上へ向かいます。周辺の地理をよく知る幸姫の案内で獣道を通って素早く崖の上に出ることができた二人でしたが…
崖の上には何と、まるで火のついた魔犬が走り抜けたかのように、崖の縁20メートルぐらいから点々と火のついた足跡が残されていて……
工藤伸壱宅での事件を解決した平次とコナンは、今度は小五郎と蘭、それに和葉も加えた5人で群馬県にある犬伏家の屋敷へと向かいます。
屋敷に到着した平次たちは犬伏家の人たちから「魔犬の謂われ」という犬伏家の先祖が娘を助けた飼い犬・房太郎を勘違いで焼き殺してしまいその数日後に起きた火事で主人が亡くなったという逸話を聞かされた後、その先祖が房太郎を供養するために作ったという崖下の墓に案内されます。
ところがそこにクリーニング屋に向かっていたはずの犬伏家の養子の一人・佐記が自転車に乗ったまま崖の上から転落し地面に激突するという新たな事件が発生。
平次とコナンはすぐに彼女が落ちてきた崖の上を調べに向かいますが、崖の上に残されていたのはまるで火のついた魔犬が走り抜けたかのように点々と火のついた足跡だけで……
「この電話番号に電話して、スペシャルメッセージを聞くと応募したことになるよ!」というメッセージとともに鬼火の章では「劇場グッズリングノート・シャープペン・ペンケースをセットにして20名様」に、足跡の章では「劇場版名探偵コナン 沈黙の15分ストラップを20名様」に、姫の章では「劇場版名探偵コナン 沈黙の15分オリジナルサウンドトラックCDを20名様」にプレゼントのキャンペーンが開催されていました。昨年の映画公開時同様にエンディングテーマの際にはエンディングテーマの画面が少し小さくなって空いたスペースにキャンペーンの応募方法などが明記されていました。
原作第1話に相当する前半部分は、2番目の被害者が沼に浮いた状態で発見された部分がアニメでは沼のほとりになっているほか細かいセリフの変更・カットなどが若干あったもののほぼ原作に忠実なストーリー展開でした。
後半は原作2話目最後までに相当しますが、平次とコナンが小五郎・山村とビー玉を捜しにいこうとする所まではほぼ原作に忠実な進行となっていますが、その後は平次・コナンたちが車で移動→蘭・和葉が幸姫と台所で料理の準備→平次・コナンたちが崖下を再調査→蘭・和葉がハチに餌を与えに向かうというように交互に場面が切り替わるのですが、ここの平次・コナンパートがすべてカットされていて蘭・和葉パートのみが最後まで続いていきます。
まず前半についてですが、冒頭オープニング前に前回カットされていた平次とコナンと小五郎、それに山村が車で崖下に向かいながら話をするシーンが挿入されています。
CMの後前回までのあらすじが終わってから前話でも出てきた蘭と和葉がハチに餌をやるシーンから再びスタートし、それから二人が犬伏家の屋敷内に戻るまで続いた後、今度は前回カットされていた崖下で平次とコナンと小五郎、そして山村が調査をするカットが挿入され、それから更に原作3話目の崖の上のシーンの所へと戻ります。
その後は沼に案内される直前まで進みますが、この辺りは蘭と和葉がハチに無事で良かったと声をかけるシーンがカットされてしまっているほか細かいセリフの変更やカットはあるもののほぼ原作に忠実なストーリー進行となっています。
後半については細かいセリフの変更やカットはあるもののほぼ原作通りにストーリーは進んでいき、幸姫の名前の話について平次とコナン、それに蘭と和葉が話をしていて今度は伸壱の話題に変わる直前の所まででエンディングとなります。
前半・後半ともに細かいセリフの追加・変更・削除はありますが原作にほぼ忠実にストーリーが進行します。
大きく違うのはラストの部分でエンディング前の山村刑事が犯人のセリフを代弁して喋る部分が犯人のセリフそのままになっていて山村刑事のセリフではなくなっている点ぐらいです。
横溝正史の金田一耕助シリーズの代表作「犬神家の一族」に登場するキャラクター。信州の名家である犬神家の正式な跡取りなのだそうですが、何といっても奇妙な白いマスクを被っているのが特徴的です。
徴兵の後フィリピンで米軍の空襲に遭い顔面に大きな傷を負ったためだというのですが、その強烈なキャラクターはいろいろな作品でネタにされ、また怪奇色の強いミステリ作品ではこのような不気味な仮面やマスクを被ったキャラが結構登場したりしますが、その先駆けとなったキャラクターともいえます。
前作「被害者はクドウシンイチ」から続く本格推理巨編でしたが、平次が登場する作品は大体こういった本格推理巨編になることが多いですが、今回の作品もまずまずの出来栄えだったのではないでしょうか。
炎の魔犬のトリックについては擬似炎と100円ライターとピアノ線ということでしたがなかなか面白いトリックだったと思います。まあトリックそのものよりもクイズ番組の解答の所で後ろのセットの炎が実はヒントで「眼鏡をかけて考えてみよう」というのは全然関係ないひっかけ=ニセの手がかりだったのが上手かったなという印象ですね。これはしてやられました。
一方犯人当てについては個人的に「南総里見八犬伝」は大好きな話で結構小さい頃から小説やボードゲームなどで親しんでいたこともあり、仁義八行についても詳しく知っていたこともあってこちらはすぐに分かりました。そのせいか犯人当ての意外性の面で驚きが少なかったこともあり、個人的には満点評価とはならなかったです。
最後の一つだけどうしても気になった点が。崖下を再調査した時山村刑事が「犬と玉といったら…」と何かを言いかけたのですが、小五郎からくだらない駄洒落じゃないだろうなと言われて結局言うのを止めたシーンがありましたが、あれ本当は何と言いたかったのでしょうか。結局最後までこの点については明らかにされず、謎が一つ残ってしまい個人的にはどうしても気になってしまっています(苦笑)
江戸時代後期に曲亭馬琴(滝沢馬琴)が発表したこの時代を代表する長編小説。日本の長編伝奇小説の古典の一つにも挙げられる名作です。1814年から何と28年をかけて1842年に完結し全98巻にも及ぶ大河小説となりました。
あらすじは概ね作品中に小五郎が語ったとおりで、舞台は室町時代の房総半島の南端にある安房、まず元の城主(神余光弘)を謀殺した逆臣(山下定包)を里見義実が見事討ち果たし城主となります。
この時逆臣(山下定包)の妻玉梓(たまずさ)も捕らえられ斬首されるのですが、その際に「この身が滅びようと我が魂は怨霊と化して里見家を末代まで祟ってやる」という言葉を残します。
それから時は経ち十数年後、里見氏は自国の飢饉に乗じて隣国の安西景連氏に攻められ落城を目前となります。この時義実は飼犬の八房に「景連の首を取ってきたら娘の伏姫を与える」と戯れを言ったのですが、すると八房は本当に景連の首を持参して戻って来たのでした。
すると八房は他の褒美には目もくれず約束の履行を求めたことから、伏姫は君主たるもの自らの言葉を違えてはいけないと、八房を伴って山に籠もってしまいます。
その後伏姫は山で読経の日々を過ごしますが、実は八房には玉梓の呪いがかかっていて読経の功徳で怨念自体は消えたものの、八房の気を受けて伏姫は懐妊。そのことを恥じた伏姫は自害しますが、その時伏姫が持っていた数珠が仁義八行の文字が記された八つの大玉となって天に飛び散ったのでした。
やがて飛び散った8つの玉を各地で授かった犬の名を持つ8名の剣士が里見義実の下に集結することとなり、襲い掛かる玉梓の怨霊を見事打ち払って大団円を迎えるというのが大筋です。
「仁義礼智忠信孝悌」の、人間が生きて行く上で大切な八つの道徳的規範を示したものです。ちなみにそれぞれの玉と登場人物の関係は下記の通り。
仁(誰それと隔たりなくいつくしむ心)→犬江親兵衛
義(義理人情を尽くす心)→犬川荘助
礼(礼儀を重んじ感謝する心)→犬村大角
智(善悪を見分ける心)→犬坂毛野
忠(まごころで仕える心)→犬山道節
信(信じる心)→犬飼現八
孝(先祖を大切にする心)→犬塚信乃
梯(仲良くする心)→犬田小文吾