(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 沖矢昴 男 男 オペレーター ミネルバ・グラス ハーデス・サバラ 仮面ヤイバー |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 工藤邸に居候する謎の大学院生 廃ビルにいた怪しい二人組 廃ビルにいた怪しい二人組 110番のオペレーター テニスプレーヤー、世界ランク1位で芝の女王 逃亡中の連続殺人犯 子供達に大人気の特撮ヒーロー |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 声の出演なし 緒方賢一 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 置鮎龍太郎 清川元夢 塩屋浩三 冨樫かずみ 声の出演なし 菅原正志 声の出演なし |
ロンドンの事件が終わり日本に戻ったコナンは、少年探偵団たちとロンドンでの活躍について話しながら帰り道を歩いていました。
ところが灰原哀がコナンに放った一言を歩美が勘違いし、それがきっかけで隠れん坊をすることとなってしまいます。
そんな探偵団たちが元太の知っているいい場所ということでやって来たのが、コナンの記憶によると来週から取り壊す予定の廃ビルでした。
入口のシャッターは中途半端に閉じられていましたが、つい先日元太がその隙間から中に入ると誰もいなかったこともあり、三人はコナンを置いてさっさと中へと入っていってしまいます。
探偵団たちについて廃ビルの中へと入ったコナンは結局オニの役目で隠れん坊に参加することとなってしまいますが、数を数え終わると電光石火、元太以外の面々を次々と見つけ出したのです。
そして残された元太も時間の問題と思われたその時でした。突然みんなの携帯電話が鳴り出し何事かとチェックしてみると、それは震度5以上の揺れが想定される時に受信される緊急地震速報で、それにコナンたちが気づくが早いか、ビルは大きく揺れ出し…
何とかコナンの指示どおりに窓から離れランドセルで頭を守り、そしてその場に伏せて揺れが収まるまで我慢した探偵団たちでしたが、コナンたちは一人まだ隠れん坊をしているはずの元太と探偵団バッジで連絡を取ります。
すると元太はまだ隠れん坊をやりたそうでしたが、余震が来る恐れや子供しかいない場所で遊ぶのは危険だというコナンの判断により隠れん坊はそこで強制終了に…そして元太もコナンたちと合流するため下へ降りることにしたのですが、すると遠くからガンガンと、何か壁を叩く音が聞こえてきて……
誰かいる…元太は音のした方へ向かいますが、音は今はもう止んでおり、最初に2回、次に5回、また2回音がしたら止まってしまったことをコナンに伝えます。するとそれを聞いたコナンは……
252!! 要救助者有り!!─それは東京消防庁の通話コードで252は、逃げ遅れたり助けなければいけない人がいた時に使うコード…光彦も見たというパニック映画に出ていたレスキューの人も使っていたらしく、元太が聞いた音がその252なら、誰かがその映画で見たのを参考にSOSの代わりに救助信号を送っているのかもしれないのです。
それからコナンたちは元太と合流し、問題の音のした部屋を探しはじめようとしますが、するととある方向からガンガンと何かを叩く音が聞こえてきたのです。
元太の聞いた252の音とは違うような感じでしたが、とにかく確かめてみようとコナンたちは階段を上がって音のする部屋の前まで向かい、慎重にドアを開けて中の様子を探ります。
すると部屋の中には二人の男がいて、何をしているのかと訊ねるとビルを取り壊すため壁を叩いて強度を調べているという返事が返ってきたのです。
たまたまそのリズムが元太が聞いた252だっただけ…男の説明を聞いて納得しその場を後にする探偵団たちでしたが、最後にコナンが解体する時の爆薬をどれぐらい使うか聞いてみると、そこそこ大きいのでそれなりに使うという返事が…。
それを聞いたコナンは男たちの言っていることがウソだと確信します。日本では火薬の取り扱いやそれに関する法規制が厳しく、都心のビルの解体は通常重機をビルの上に乗せて上から解体するか横から解体するかのどちらかで、すぐ隣に使用中の建物が建っているビルの爆破解体というのはまずあり得ないからでした。
つまり問題の二人組は解体業者を装って誰かをここに監禁している悪い人間たち…元太が聞いたとおり252要救助者、助けなければいけない人物がいるのです!
もっとも今回はそのことを警察に連絡すれば一件落着であることから、コナンは携帯電話でさっそく高木刑事に連絡しようとします。
ところがコナンたちの話し声が大きかったのか、先ほどの二人組が再びコナンたち少年探偵団の前に姿を現して……
ひょんなことから学校帰りに近くの廃ビルで隠れん坊をすることになったコナンたち少年探偵団の面々。コナンがオニで隠れん坊はスタートしますがそこは持ち前の推理力を活かして次々に見つけ出していきます。
そして残すはあと元太のみとなった所で、突然大きな地震が…幸いケガもなく無事でしたが余震の危険もあるため隠れん坊は打ち切りとなり、コナンは元太を探偵団バッジで呼び出します。
ところがその元太が252─要救助者有りと思われる壁と叩く音を耳にし、それを知ったコナンたちは元太と合流すると問題の部屋を探し始めたのですが、その途中金づちで壁をガンガンと叩く怪しい二人組がいるのを発見して…
今回のお話ではコナンたち少年探偵団の携帯電話の待ち受け画面が登場してきます。
コナンは小五郎に勝手に変えられたということで酔っ払い小五郎、灰原哀は博士の寝顔、歩美は線香花火をしている自分、光彦は仮面ヤイバー、そして元太は近所の野良猫でした。
まず前半は原作第1話の最後までですが、冒頭の探偵団たちにロンドンの事件について聞かれるコナンの部分はミネルバ・グラスや犯人の登場する回想シーンまで登場してセリフなどもいくつか追加されています。
更にその次の仮面ヤイバーのショーウィンドーの所も原作では探偵団たちがただ眺めているだけですが、アニメでは今日発売の新作フィギュアやレーザーポリスのフィギュアまで飾られていて興奮する探偵団たちがしっかり描かれています。
そしてそのすぐ後のロンドンでの新一と蘭のやり取りの部分についても原作では新一と蘭がチラッと一コマ登場するだけですが、ロンドン編の回想が長めに挿入されています。
その後もかくれんぼが始まるまで全体的にセリフの追加が多くなっていて、灰原哀がシャッターをくぐって「かくれんぼする者よっといで」と歌いながらランドセルを放り投げて廃ビルの中に入っていくシーンというのもありました。
かくれんぼが始まるとまず缶が原作ではコーヒーですがアニメではオレンジジュースの缶になっています。その後オニとなったコナンが元太以外をあっという間に見つけ出す訳ですが、ほどなく原作では大きな地震が発生して収まってからコナンが元太を呼び出して元太が応答するという流れで、それから元太の「誰かいるぞ、このビル…」というセリフになる所が、アニメでは丸々4ページぐらいカットされてしまっていて元太の方からコナンを呼び出す形になっています。
これはおそらくこの年の春先に発生した東日本大震災のことがあり、地震を想像させるようなシーンは放送しないように配慮されたのだと想像されます。ただ実際この地震のシーンがなくても先の話は十分理解できるので大丈夫です。ちなみにその後も地震に関連するセリフはすべてカットされていて、それを補ううためもあるのでしょうが今回は全体的に新たなセリフの追加が大変多いです。
そして杯戸美術館が阿笠博士の発明品のトロピカル・レインボーで爆破されるという話の所が原作ではセリフだけですがアニメでは回想シーンが追加されています。
後半については細かいセリフの追加や変更などはありますが、ほぼ原作どおりで光彦が110番した電話を切る直前までストーリーが進んでいきます。
まず前半は原作3話目の2人組の男たちの一人がロッカーを開けようとする所までですが、細かいセリフの追加・変更・カットはあるもののほぼ原作に忠実な作りでストーリーが進行していきます。
後半についても細かいセリフの追加・変更・削除はあるもののほぼ原作どおりとなっています。ただラストの部分に阿笠博士の「念には念をいれねばねん」というしょうもないダジャレと(苦笑)、「私の声ってそんなに老けているのね…」という灰原のセリフが追加されているのが見どころです。
東京消防庁の通話コードが今回の事件のキーワードとなりました。252(要救助者あり)や254(現場待機)などのコードが登場しています。
作中で”都心で突然色々な災害が起こりまくって、大勢の人たちが逃げられなくなるパニック映画”とか”例のパニック映画”といわれていたのは2008年に伊藤英明、内野聖陽主演で公開された「252 生存者あり」という映画のことだと思われます。
アニメのみ。事件の舞台となった廃ビルの右隣にあるビルに入っています。
廃ビルの中にいた男二人組が食べたと思われる弁当はこのコンビニのものでした。原作でもサンデーマートになっていますが、アニメでは更に支店名まで追記されています。
このエピソードは156-157「本庁の刑事恋物語2」に登場します。まだ初登場から間もない佐藤刑事がひどい目に遭った事件でしたよね(苦笑)
今回は東京消防庁の通話コードを使った暗号解読のミステリーでしたが、何とコナンと灰原哀が犯人たちに捕らわれてしまい、少年探偵団の三人が犯人に立ち向かっていくという内容になっています。コナンが犯人の手に落ちたというと136-137「青の古城探索事件」を思い浮かべますが、あの時は灰原哀がいましたので今回はよりいっそうシビアな展開となりました。
とはいえコナンが探偵バッジを使ってひそかに指示を与える訳ですが、そこで中盤で伏線を張っておいた携帯電話の待ち受け画面と通話コードが活きてくる訳ですよね、暗号としては少し強引な気もしましたがコナンが捕らわれの身ということもあっていつも以上にハラハラドキドキさせられました。
そしてラストには沖矢昴が久々に登場するとともに、誘拐の被害者が実は阿笠博士だったということが明らかにされてビックリした方も多かったと思います。自分は何となく阿笠博士ではないかという気がしていたのでやっぱりという感じでしたが(苦笑)、なかなか意外性のあるラストだったのではないでしょうか。あとはトロピカルレインボーという名前が久しぶりに出てきてちょっと懐かしかったですね。
それから今回の作品では本当は大きな地震が起きるのですが、東日本大震災の影響もあるのでしょうか地震という表現はすべてなくなっていました。とはいえほとんど作品に影響を与えていないので、アニメでも存分に楽しめるはずです。