(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 目暮警部 高木刑事 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 小林澄子先生 与田昌作 川口恭一郎(30) 工場主 警備員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校1年B組担任 米田看板の看板職人、元高校の美術教師 新潟の高校の体育教師 米田看板の工場主 花時計近辺を巡回していた警備員 |
高山みなみ 声の出演なし 小山力也 声の出演なし 林原めぐみ 茶風林 高木渉 岩居由希子 高木渉 大谷育江 声の出演なし 声の出演なし 土門仁 松本大 高桑満 |
長くかかった米花公園の花時計の修繕が完了し、お披露目の式典が開かれることとなり、そのイベントの中でバトントワラーを演じる小学生の一人に選ばれ、毎朝早起きして花時計の前で練習に励んでいた歩美。ところがここ2日ほどその場にストーカーっぽいいかにも怪しげな人物が姿を現わすらしく、イベントの開催まであと2日と迫ったその日コナンは哀、元太、それに光彦を伴い様子を見に来ていました。
すると歩美が言っていたように問題のストーカー男が姿を見せ…グレーのコートに黒い帽子を目深に被りフラフラした足取りで不気味な笑いを浮かべながら花時計の方へ近づいてきますが、元太が勇敢にもその人物に近づいて注意をしようとすると、ストーカー男は元太と元太を止めようと間に入ったコナンに酒臭い息を吐きかけ、大笑いしながら今度は何と花時計のアーチをよじ登りはじめたのです。
酔っ払ってあんな所に登ってもし落ちたらただのケガでは済まない…コナンはそう心配しますが、その心配をよそにストーカー男はまるで曲芸師のようにアーチに足をひっかけて宙吊りとなるとまたしても不気味な笑みを浮かべるのでした。この男はいったい…!?
そして翌日─その日も歩美はコナンたち少年探偵団を伴って前日同様にバトンの練習をすべく米花公園へとやって来ます。ところがその日は何と、花時計の前で昨日と同じコートと帽子の男が頭から血を流して仰向けに倒れて亡くなっていたのです。ちょうど花時計の6時を示す白石の所には血がべっとりとつき、男のそばにはウイスキーの瓶、手には赤や黄色の塗料が付着し、更に頬には花時計の長針がかすめた時にできたものと思われる傷跡が残されていて…。
さっそく目暮警部をはじめとする警視庁捜査一課による捜査が開始され、コナンたちは前日ストーカー男が酔っ払って花時計のアーチによじ登っているのを目撃したことを証言。更には花時計周辺を巡回していたという警備員により3時50分頃に花時計前に来た時には花が荒らされた様子もなく遺体もなかったことが証言されたのです。
そして歩美が現場を訪れたのは午前5時20分頃であることから、花時計の長針が男の死後その顔に傷をつけたのは4時半である可能性が高く、男はそれより前の3時50分から4時半の間に花時計のアーチによじ登り、酔っ払って足を踏み外して転落死した─その時現場に現れた小五郎の推理に目暮も納得し、この事件は事故として処理されることがほぼ確定しかけたのです。
その後元太の父親の証言により亡くなった男は近所の看板職人・与田昌作であることが確認されます。工場主によれば与田は元々酒癖が悪く飲むと気が大きくなり暴れることもあったといい、ますます事故死であることが裏付けられたかに見えたのですが、そこで工場主からとんでもない証言が…
何と与田は一番最後の仕事をした際、酔っ払って看板を取り付けようとして屋根から落ちたらしく、それ以来高所恐怖症になっていたというのでした。その話を聞いたコナンは最初に見たストーカー男が花時計のアーチに平気で登っていたことを思い出し、これがただの事故死ではなく殺人なのではと疑い始め……
修繕が完了した米花公園の花時計のお披露目の式典でバトントワラーに抜擢されることとなった歩美の前に2日ほど前から現れるようになったというストーカー男。相談を受けたコナンたち少年探偵団が翌日の朝様子を見に行くと歩美が言うようにストーカー男は現れ酒臭い息を吐きながら花時計のアーチによじ登るなど奇行を繰り返すのでした。
ところが更に次の日の朝5時20分頃に歩美たちが再び花時計の前に行ってみると、昨日と同じコートに黒い帽子の男が頭から血を流して死んでいたのです。
警備員の巡回時間とコナンたちが現場に現れた時間、そして残された花時計の長針によりついたと思われる男の頬の傷などの証言・証拠から男は酔っ払った状態で花時計のアーチによじ登り足を踏み外して転落死した不幸な事故という線が濃厚となります。
しかしその後男の身元確認のため男が勤めていたという看板工場へ向かってみると、工場主からは意外な証言が飛び出して…。
事件の被害者である与田昌作が勤務していた工場の名前。
川口恭一郎は1週間前からこの駅前にあるビジネスホテルに宿泊していました。
今回の作品はオーソドックスな本格短編ミステリーでした。脚本は脚本家・ミステリー作家としても有名な辻真先氏ということで、期待どおりなかなか楽しめる作品となっていました。
犯人当てについてはまあ今回は間違える人はいないでしょうし、それよりも犯人が分かった上でアリバイもある中でいったいどうやってやったかというアリバイ崩し、ハウダニットが焦点の作品です。この一点だけ見ても完成度はかなり高かったと思います。ちゃんと伏線となる元太がシーソーで転ぶシーンもありますしね。このヒントはなかなかのものだったと思います。
キャラクターについては今回は探偵団たちと目暮・高木に加え小五郎が登場していましたが、小五郎がいいアクセントになっていたと思います。目暮や高木とのやり取りも可笑しくて、やっぱりなくてはならないキャラだと改めて再確認できますよね。
そしてエンディング後には今回声の出演はありませんが、歩美を応援すべく蘭・阿笠博士・小林先生が姿を見せていました。特に小林先生は画面の左端にほんの一瞬なので見つけるのも大変ですが、確かにいますのでぜひチェックしてみてください。