(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 沖野ヨーコ 君島伸郎(67) 沖しのぶ(25) 上諏訪幹彦(52) 土屋大輔(45) 橋本善成(22) 山崎哲史(32) 本間健太郎(70) 堺正章 上田晋也 有田哲平 滝川洋二 華村政之輔 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵、1時限目の講師 人気アイドル、ゲストパネラー 演歌の大御所、ゲストパネラー 君島の弟子 日売TVプロデューサー ディレクター 番組AD ポン菓子機会社社長、2時限目の講師 古美術鑑定士、3時限目の講師 校長 教頭 学級委員長 大学教授、阿笠博士の友人 インチキ鑑定家 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 長沢美樹 亀井三郎 中島沙樹 加門良 村松康雄 阪口大助 青山穣 松岡文雄 堺正章 上田晋也 有田哲平 鳥海勝美 声の出演なし |
よろこんで出演させて頂きます─その日小五郎にかかってきた電話は何と日売テレビからのものでした。そしてその内容というのが同局の看板番組として名高い「世界一受けたい授業」の11月12日土曜日の放送回に講師として出演して欲しいというものだったのです。
出演料を聞いた小五郎はよほど期待外れだったのか一度は出演を断ろうとしますが、熱狂的ファンである人気アイドル沖野ヨーコもゲストパネラーとして出演すると知ると二つ返事で承諾し…相手の方が一枚も二枚も上手だとコナンも認めざるを得なかったのでした。
そして収録日当日の9月27日火曜日、小五郎が蘭とコナンを伴い日売テレビの入口前で待っていると、三人は車から降りるなり若い女性を怒鳴りつける風格のある男の姿に目を奪われます。男は演歌の大御所として有名な君島伸郎で、他人にだけでなく自分にも厳しいことで有名な人物…「だからこそ演歌界のトップに君臨していられるんだ」という小五郎にコナンはやけに君島の肩を持つなと怪訝な表情に…。
それから小五郎たちは広島のミステリーツアーで知り合ったプロデューサーの上諏訪幹彦と落ち合い13階へと移動。既にスタッフから連絡が行っていると思うがと上諏訪は小五郎に身近な犯罪から身を守る方法をレクチャーして欲しいと要望を伝えます。
そして13階に到着した小五郎たちは番組担当ADだという橋本善成の出迎えを受け控室へと案内されます。すると部屋の中には先着がいて、橋本の紹介で小五郎と同じく番組内で講師を務めるという2人の人物を紹介されます。
1人目は1時限目の小五郎に次いで2時限目を担当するという山崎哲史。彼は親の会社を継いだだけではあるものの山崎機工というポン菓子機会社の社長で、ポン菓子機は今の時代でも子供たちには意外と人気がある、後でコナンにも見せてあげると挨拶を受けたのでした。
そして2人目は古美術の鑑定士をしているという本間健太郎でしたが、2人への挨拶が済むと小五郎は肝心の沖野ヨーコの姿が見えないことに疑問を感じているらしく、ADの橋本に訊ねます。するとゲストパネラーの控室は下のフロアだという橋本の返事に小五郎は不満げな様子……リハーサルが開始するまでの間に弁当を食べて待つよう言われたのですが、諦めきれない小五郎は弁当とお茶を持って11階へと移動し…。
結局釣られて蘭とコナンも弁当とお茶を持参して11階へと移動しますが、小五郎が受付でヨーコの控室の場所を聞いていると、向こうからコナンも見覚えのある顔が近づいてきたのです。阿笠博士の友達の大学教授で名前を滝川洋二といい、これから番組の打ち合わせがあるというのでした。
ところが滝川に付き添っていた若い男の話によるとまだ沖野ヨーコは局入りしていないらしく、それを聞いた小五郎は心の底からガッカリした様子…呆れた蘭に堺校長に挨拶しなくていいのかと言われると、気乗りしなさそうな様子で弁当を持ったまま控室へと向かったのです。
小五郎が「世界一受けたい授業」で校長を務める堺正章の控室に挨拶に向かうと、部屋の中では演歌の大御所・君島伸郎が持参してきた清の時代、芸術に熱心だったという第6代乾隆帝の時に作られたという壺を堺校長に見せている最中でした。どうやら君島もこの日の収録のゲストパネラーらしいのですが、君島は大事な話があるから後にしてくれないかと少し不機嫌そう。
ところが実は小五郎、小学生の時初めて買ったレコードが君島の代表作「男は度胸だどんと来い」らしく、そのことを話していると妙に打ち解けた雰囲気に…しかし堺校長の方はというと、打ち合わせの時間だからと控室を後にしてしまい…。
その後小五郎は君島の控室に連れて行かれて蘭とコナンと4人で弁当を食べることに。何だかんだで二人は意気投合している様子でしたが、先ほど日売テレビの前で叱られていた女性に対しては相変わらずの態度…彼女は君島の弟子で沖しのぶといい、お客様に気を遣わせるなとこの時も厳しく叱られていたのです。
それから君島の話は再び例の清王朝時代の壺の話となり、君島の話では今回の収録でその壺の値段を先ほど小五郎が挨拶を交わした3時限目の講師である古美術鑑定士の本間健太郎に鑑定してもらう予定になっているというのでした。君島の話ではその時代の壺は愛好家の間では特に人気があるらしく、相場では1億から1億6千万円ととんでもない値段がつくと考えているようだったのです。果たして本当にそんな途方もない値段がつくのでしょうか…!?
君島との話を終えると小五郎たちは「世界一受けたい授業」が収録される日売S1スタジオを見学に向かいます。テレビで見るより意外と狭いという印象はあるものの、そこには当たり前ではあるものの普段テレビで見るのと同じ光景が広がっていたのです。
スタジオ内には先ほど小五郎が挨拶した2時限目の講師であるポン菓子機会社社長の山崎哲史も「古き良きポン菓子機体験」のための準備に追われていましたが、コナンたちがその珍しい機械に気を取られていると今度は君島が3時限目「真贋を見極める 贋作の歴史と現在のレプリカ技術」の講師である鑑定士の本間健太郎のもとに挨拶にやってきます。
実際に本物と偽物の骨董品を用意して本間にその違いをレクチャーしてもらうというのですが、本間が用意してきたものは全て偽物で本物は君島が持ってきたという例の清王朝の壺だけ。ところが君島から壺を魅せられた本間は急に目の色が変わり……。
それから堺校長、そして教頭の上田晋也と学級委員長の有田哲平のくりーむしちゅーの2人がスタジオ入りし、小五郎たち3人の講師も交えてディレクターの土屋大輔の案内でリハーサルが開始されます。まずは1時限目の小五郎の授業からだったのですが、とここで小五郎の予期せぬ人物がスタジオを訪れて……
ところがここで思わぬ事件が発生します。リハーサルを見守っていた蘭とコナンに気づいた沖野ヨーコが二人のもとにやってくると、ポン菓子機の山崎がヨーコを自分の携帯写メで隠し撮りしようとして蘭に咎められたのです。ヨーコのファンだからついと申し訳なさそうにする山崎でしたが、そこへ更に小五郎が怒鳴り込んできただけでなく、君島までがやって来て山崎の携帯電話を真っ二つにしてしまったのです。プロデューサーの上諏訪が間に入り何とかその場は収まったものの、現場には不穏な空気が漂いはじめて……
その後リハーサルは2時限目へと突入し、先ほど携帯電話を真っ二つにされた山崎がポン菓子機の実演をはじめます。大きな音に蘭がビックリさせられはしたものの無事に実演は終了。
しかしここでまたしても問題が…何と君島が持参したあの清王朝の壺がなくなってしまったというのです!!! 1時限目のリハーサルの時まではちゃんと偽物の壺と一緒に置いてあったらしいのですが…
日売テレビの看板番組「世界一受けたい授業」に講師として出演することになった小五郎は、番組収録のため蘭とコナンを連れて日売テレビへ向かいます。
そして堺校長に挨拶に行った際に演歌の大御所・君島伸郎と親しくなった小五郎は、君島が番組のために持ってきた清王朝の壺が1億円は下らないと知り驚愕させられたのでした。
その後番組のリハーサルがスタートしますが、2時限目で講義をすることになっていたポン菓子機会社社長の山崎哲史が人気アイドルの沖野ヨーコを盗撮する事件が発生。山崎は怒った君島に携帯電話を真っ二つにされてしまいます。
不穏な空気が流れはじめる中、リハーサルは2時限目の山崎のポン菓子機まで無事進みますが、今度は君島の持ってきた清王朝時代の壺がどこかに紛失するという事件が発生して……
今回の事件は同じ土曜日の夜8時から放送されている「世界一受けたい授業」とのコラボ企画で、同番組で校長をしている堺正章氏と教頭・学級委員長をしているお笑いコンビのくりーむしちゅーの二人がゲスト出演するというまさに夢の企画になりました。
ちなみにコナンも「世界一受けたい授業」には結構よく出演していて、今回の放映があった日の20時からの「世界一受けたい授業」にも出演しています(後述)
上諏訪は594-595「広島宮島七不思議ツアー」に、華村は627-628「コナンキッドの龍馬お宝攻防戦」でそれぞれ登場しています。
2004年10月30日から日本テレビ系列で放送されている教育バラエティ番組。各界の著名人を講師として招き「国語」「算数」「理科」「社会」「保健体育」といった分野に渡る様々な問題をわかりやすく講義することで大変な人気を集めています。
放送はこの事件が放送されている時点で毎週土曜日の19:56~20:54で、18時から放送されているコナンとは同じ曜日というだけでなく、後述するようにコナン自身がたまに番組に助手のような形で登場しています。
その「世界一受けたい授業」で科学を教えてくれる講師で、理科指導者育成のために作られ、コナンの学習まんがのサイエンスコナンや理科ファイルにも協力しているガリレオ工房の設立者。
この先生が登場する回にはコナンがゲストとして登場するのですが、今回の事件の前編では逆にコナンの作品中にチラッと登場しています。
これまでに登場したのは2011年11月12日の段階で
■2011/11/12 名探偵コナンと謎解き実験!世にも不思議な「消える!?」トリックサイエンス スペシャル
■2011/04/09 名探偵コナンと謎解き実験!身近なものですぐ出来る驚きトリックサイエンス
■2010/12/18 名探偵コナンとナゾ解き実験!聖なる夜の摩訶不思議トリックサイエンス
■2010/08/14 名探偵コナンと真夏の自由研究!世にも不思議なクエスチョン大実験!
■2010/05/15 名探偵コナンと謎解き実験!世にも不思議なトリックサイエンス PART3
■2010/01/23 名探偵コナンと謎解き実験!世にも不思議なトリックサイエンス PART2
2011年11月12日分はこの事件の前編が放映された日でこの日はまさしく両番組のコラボのスペシャルデーでした。
ちなみにレギュラー放送以外に日本テレビ系列では世界一受けたい授業をメインに据えた「春・秋の番組対抗スペシャル」という特番が放送されていますが、その中でコナンも蘭や小五郎と「名探偵コナン」チームを組んでよく登場しています。
小五郎たちが13階に移動したエレベータ横に張り紙がありました。10月3日(月)19:00~20:00の放送で視聴率は19.7%と好成績でした。
他にも「ニヤネ家」とか「ヨルナンデス!」とか「NEWS SERO」とか「スッカリ!!」とか、どこかで見覚えのある番組名の張り紙がたくさん並んでいましたね(笑)
「魅惑の果実」、「日売ecoウィーク」
2時限目の講師、山崎哲史が社長を務めるポン菓子機会社。名刺には住所として「東都広末区町■■■139」とありました。
彼の授業は「古き良きポン菓子機体験」ということで米や麦、とうもろこしがポンと言う間にお菓子になるとのことです。
ポン菓子機の正式名称は穀類膨張機。回転式の圧力釜に生米などの穀物を入れ急減圧で爆発させて駄菓子にする機械らしく、コナンも実物を見るのは初めてと言っていましたよね。
演歌の大御所・君島伸郎の代表作だという歌。小五郎が小学生の時に初めて買ったレコードがこの曲だったそうです。あの歌は実にいい、男の心意気を感じるとベタぼめの小五郎でしたよね。
今回の事件は「世界一受けたい授業」とのコラボということで、放送前にもネットのニュースで結構報道されて注目を集めていましたよね。
コナンではよく別の番組などとコラボしたりしていますが、今回の世界一受けたい授業に関してはこの企画の何年も前からコナンの方が世界一受けたい授業にたまに科学の授業でゲスト出演しているので、そんなに違和感を感じる方も多くななかったのではないかと思います。堺校長とくりーむしちゅーのお二人も違和感なく事件に溶け込んでいたと個人的には感じました。
一方事件の方は師匠の名誉を守るために弟子がやむを得ず犯したものということで、お騒がせではあるもののこういう解決法もアリかなと思います。ちなみに器物損壊材罪(刑法264条)は親告罪なので器物の持ち主が告訴しない限り元々犯罪自体成立しないですが。
そして壺の隠し場所としては、鑑定士の反応などで大体偽物だと想像つきますから、そうなると壊して小さくしたと推理できなくはありませんよね。全員がポン菓子機に注目している瞬間を利用して、しかも破片を飛び散らないように袋に入れて壊すというのはなかなか上手いトリックだなと思いました。
ただ調べられればすぐにバレるのは明らかなので殺人とかなら絶対やらないでしょうけど、師匠を守るために自分は犠牲になるのを覚悟してという事情であれば、理解できない行動ではないのかなと思います。最後のコナンのネクナイなのに締まらないというオチも笑えましたし、全体としてまずまず楽しめました。
最後に小五郎が小学生時代に初めて買ったレコードだという君島伸郎の「男は度胸だどんと来い」ってどんな歌なんでしょうね、それが気になって仕方ないです(笑) ちなみに私が生まれて初めて買った曲って何だったか…正直覚えていないですね。