(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 灰原哀 高木刑事 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 浦船正男 ニセの父 ニセの母 植村 桧田勝次 正男の母 上野 大塚 大塚の妻 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 巡査部長、目暮の部下 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 2806号室に新しく引っ越してきた子供 正男の父親を装う男 正男の母親を装う女 2806号室の元住人、磯部商事元社員 日売テレビ プロデューサー 浦船正男の母親 マンションの住人、2806号室隣りの2807号室 マンションの住人、2806号室隣りの2805号室 大塚の妻 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 林原めぐみ 高木渉 岩居由希子 高木渉 大谷育江 南央美 諸角憲一 はやみけい 声の出演なし 声の出演なし 梅田貴公美 梅田貴公美 巻島直樹 声の出演なし |
正月早々に風邪を引いてしまいせっかくの冬休みが台無しになってしまったコナン。蘭の手厚い看病を受ける特典はあるもののひどい咳で、じっと横になって安静にしなければならない有り様でした。
ところがそんなコナンの元に一本の電話が…携帯をチェックしてみると電話の主は光彦で、この日少年探偵団たちが歩美の家に集まりカルタ取りをやる約束をしていたにもかかわらずコナンが来ないため連絡してきたのでした。
通話はTV電話になっておりコナンが探偵団たちに風邪で咳がひどく横になっている状態であることを伝えていると、そこへ歩美の家のインターホンが鳴ります。ところがその後間髪を入れず玄関のドアをドンドンと叩き誰かいないのかと叫ぶ大きな声が聞こえてきて……
歩美が玄関のドアを開けてみるとそこにいたのはメガネをかけたつり目の少年でした。少年は歩美の顔を見るなり悪い奴、知らない奴らが急に自分の家にやってきて…とまくし立てはじめたのです。
しかしそこへ少年の父親と母親とおぼしき二人が姿を見せ、正男と少年の名前を呼びながら彼の悪ふざけをを叱りつけフードの襟を引っつかんで連れて帰ろうとします。主人に似て悪ふざけが好きで…大げさなのは母さん似だが…とごくありふれた親子の会話がそこにあるかのように思われたのですが…
ところが正男と呼ばれたその少年は予期せぬ反応を見せたのです。何とその二人は自分がまったく知らないアカの他人なのだと歩美たちに懸命に訴えかけて…
そんな正男少年の反応に少年の父親と母親とおぼしき二人は正真正銘自分が腹を痛めて産んだ子供だ、そのツリ目は父親譲りだと少年を諌めながらその場を後にしていきます。彼らはいったい…!?
同じマンションに住む歩美の話によれば、同じ階に部屋があるとするなら正男少年はつい先日2806号室に引っ越してきた浦船という名前の人物の子供だというのでした。
部屋が離れていることもあり、歩美は正男少年の両親にも会ったことはないというのですが、そこへTV電話で一部始終を見ていたコナンが予想もしない事を言い始めたのです。何とコナンが言うには今の少年は何かのトラブルに巻き込まれている可能性が高いので警察を呼べというのです。
どうしてそんなことが分かるのか…灰原哀のもっともな疑問にコナンは血がつながっていないのに親子のフリをしているからだと言うのですが、そこでコナンは体調が悪化し高木刑事に電話して来てもらえと言い残して電話を切ってしまい…
いったいなぜコナンには彼らが親子じゃないと分かったのか皆目見当もつかない少年探偵団たちでしたが、灰原哀の提言でとりあえず少年が住んでいると思しき2806号室の隣人に話を聞き情報収集することにします。
まず最初に探偵団たちが訪問したのは2807号室でした。探偵団たちに応対したのは中年の女で一昨日引っ越してきたばかりの浦船という人物については挨拶もまだのためまったく情報がないものの、正男少年には一度出会ったことがある様子。
ところが正男少年に対する彼女の印象は芳しいものではありませんでした。昨日荷物をたくさん抱えて買い物から帰ってきた際にエレベータのボタンを押してくれると言った正男少年でしたが、何と全部の階を押して彼女の住む28階だけ押さずにしれっと去っていったというのです。
一方2805号室の住人にも話を聞くことにした少年探偵団たちでしたが、応対した口ひげの初老の男性も普段から近所付き合いはあまりしないことから浦船一家については詳しく知らないというのでした。
ただ彼の話によると2週間ほど前に2806号室に日売テレビのプロデューサーだという桧田という人物が入っていくのを目撃したらしく、気になっていた彼が2806号室の様子を見に行ってみると玄関の所で正男少年と遭遇したというのです。
ところがここでも正男少年は男性に対し桧田がやって来たのは日売テレビの土曜の夜にやっている「突入!!隣のディナータイム」の収録のためで、今度はその日の夜に男性の家に突入する予定だと大ウソをついたらしく……。
とんだオオカミ少年だったと判明した正男少年のことだから、先ほどの知らない奴が自分の家にやって来たという話もきっとウソに違いない……少年探偵団たちはそう思い始めますが、ところが灰原哀が日売テレビに問い合わせしてみると何と桧田プロデューサーは2週間前ぐらいに交通事故に遭って昨日まで意識不明だったというのです…。
2806号室に何かの秘密があり、それを知ってしまった桧田は交通事故に見せかけて誰かに襲われたのかも…そして正男少年もその秘密を知ったために先ほどの二人に捕らえられたとでもいうのでしょうか…!?
謎が深まる中、灰原哀と少年探偵団たちの取った行動は何と2806号室に直接行って確かめるという大胆なものでした。ところが探偵団たちが呼び鈴を鳴らす2806号室の中で彼らを待っていたのは何と……
2806号室の呼び鈴を鳴らした少年探偵団たちを中から出迎えたのは先ほどの正男少年の母親を名乗るメガネの女性でした。彼女は少年探偵団たちに先ほど正男少年の発言で騒がせた事を詫びると正男少年にも謝るように促し正男少年もウソをついたことを謝ります。
これで万事解決…ところがそこで灰原哀は急に正男少年と遊びたいと言い出します。するとそれに合わせるように歩美は一緒にカルタ取りをしようと自分の持っていたカルタを取り出し…
それに対し正男少年もカルタ取りは得意で誰にも負けたことがないと受けて立つ姿勢を見せ、探偵団たちは部屋の中に入るとすぐにカルタ取りが開始されます。
灰原哀が部屋の中が荒らされた形跡がまったくないことを確かめつつカルタ取りは進んでいきますが、歩美が順調に枚数を伸ばす中で大見得を切ったはずの正男少年はなぜか一枚も取ることができず……
正月早々風邪を引いてしまったコナン。そんなコナンの元に歩美の家に集まった少年探偵団たちからTV電話がかかってきますが、その途中突然歩美の家を訪れた少年が知らない奴らが自分の家にやって来たと歩美たちに訴えかけるのを見て、その少年は何かのトラブルに巻き込まれている可能性が高く警察を呼べと探偵団たちに伝え電話を切ってしまいます。
なぜTV電話越しに見た映像と音声だけでコナンにはそんなことが分かったのか不思議がる探偵団たち。結局まずは自分たちで少年の住む2806号室の両隣の住人に話を聞いて事実を確かめることにしたのですが、住人たちは一昨日引っ越してきたばかりの浦船家のことはよく知らなず、一方で正男少年には彼のウソでひどい目に遭わされとんだオオカミ少年というのでした。
そんな正男少年の評判を聞き、知らない人間が自分たちの家に来たという正男少年の訴えもウソなのではないかと思い始める探偵団たちでしたが、直接彼の自宅に確かめに行ってみると灰原哀は正男少年の様子を見て何かを感じたようでした。そんな中、歩美の提案もあって彼とカルタ取りをすることになり……
2012年第1回目の放送ということで、冒頭に登場人物たちからのご挨拶が挿入されています。登場しているのはコナン、蘭、小五郎に加えて灰原哀と歩美・元太・光彦の少年探偵団で奇しくも今回の主要キャラの登場メンバーと同じですね。
コナン「新年あけまして」
一同「おめでとうございます!」
コナン「いよいよ17年目に突入した名探偵コナン」
小五郎「これまで数々の何事件を解決してきましたが」
蘭「今年は今まで以上に」
光彦「サスペンスフルに」
歩美「アクティブに」
元太「パワフルに」
哀「そしてミステリアスに」
コナン「グレードアップして頑張りますので」
一同「よろしくお願いします!」
それから突然小五郎が飛び出してきてこれからの1年間を無事に乗り切るために大切な108つの袋をお教えしましょうと言い出すのですが、結末がどうなるかは見てのお楽しみです(苦笑)
ちなみにこの108つの袋というのは昨年2011年に放送された625-626「絶叫手術室」で登場したエピソードです。
まず冒頭には見どころでも触れたとおりにコナンたちによる新年の挨拶が新たに挿入されています。その後OPが終わると前半は原作1話目の最後までですが、細かいセリフの追加や言い回しの変更はあるもののほぼ原作に忠実な構成で最後まで進んでいきます。
気になる点というと2806号室の隣人として登場する男女二人ですが、それぞれに上野、大塚と名前がつけられています。そして大塚の隣はおそらく2804号室だと思いますが、ここにも山本と表札が出ていました。
後半は原作2話目のオオカミ少年が1枚目のカルタをゲットしそれに対し灰原が何かのメッセージを作ろうとしているのかと疑問に思う所までですが、こちらも細かいセリフの変更や追加などありますが、ほぼ原作どおりの構成になっています。
まず前半ですが、冒頭は夕方になり外が夕焼けで赤く染まる中カルタ取りを再開するシーンからはじまりますが、ここで原作では「花より団子」で元太が7枚目の札をゲットするところからですが、アニメではその前にカルタのシーンが若干ですが追加されています。
最初が「月とスッポン」で灰原がゲットすると、「頭隠して尻隠さず」で歩美、「鬼に金棒」で元太、「天知る地知る」でオオカミ少年、「嘘から出た誠」で光彦と来て残りあと5枚となり「花より団子」へと続いていきます。
それ以外はほぼ原作に忠実な作りで解決シーン直前に蘭が再びコナンの様子を見に行く所まで進んでいきます。
後半も細かいセリフの言い回しに変更などありますが、ほぼ原作に忠実な作りで最後まで進みます。
ただ一点だけラストの新聞が原作では日売新聞なのですが、アニメではなぜなのか米花新聞になっているのと、最後にコナンの「みんなも風邪には気をつけろよ」というセリフが追加されていますね。
口蓋扁桃の内側の咽頭側索が赤く腫れ上がっているのが症状らしく、要するにカゼなのだそうです(苦笑)
以前問題の2806号室に住んでいたという植村の勤務していた会社で、最近になり脱税疑惑が持ち上がった会社です。
日売テレビが土曜の夜にやっているらしい番組の名前。一般人のお宅に突然お邪魔してご飯をご馳走になるといえば有名なのが「突撃!隣の晩ごはん」という番組ですよね。そのパロディだと思われます。
イソップ童話の一つで正式なタイトルは「嘘をつく子供」というそうです。羊飼いの少年がある時退屈しのぎに「狼が出た!」と叫ぶと大人たちは武器を持って集まってきます。ところが実はそれはウソでオオカミなど来ません。
調子に乗った少年がそんなことを何度も繰り返しているうちにしまいには誰も少年のことを信用しなくなり、本当に狼が現れた時に少年が叫んでも大人たちは誰も信用せずに助けにいかなかったため、結果狼に食べられてしまったというお話です。
普段からウソをついていると本当に信じてもらいたい時に信用してもらえないことから、普段から正直に生活する事が重要だとということを教訓として戒めているのだと思われます。
長野県にある湖の名前でワカサギ釣りでも有名ですよね。
食用のカニとしてズワイガニやタラバガニとともに有名です。その分布は主に太平洋の北西部で日本海では北海道沿岸各地から太平洋側は茨城県、日本海側では島根県まで分布しているそうですが、いずれにしろ海の生物なので湖には生息していません。
アニメのみED後にコナンたちが歩いている後ろに求人広告がありました。米花前2丁目4-12、駅より徒歩4分とあります。
今回は2012年第1回目の放送ということで、カルタを題材にした作品というのは初めてだと記憶していますがまずまず面白い作品でした。
謎解き部分については少年が残したメッセージということもあってそんなに難易度も高くはなかったと思います。私が珍しく瞬殺で当てられたぐらいですからね(苦笑) ただコナンがなぜ親子でないと見抜いたかという点については富士額の知識もメンデルの遺伝の法則も詳しく知らなかったため、こちらはさすがに分かりませんでした。
そして最後は緊迫感のあるシーンでコナンが麻酔銃とキック力増強シューズを使い大活躍でしたが、それにしてもあの携帯電話でニセの両親たちが探偵団たちの話を聞いていた事が分かった時はかなりゾクッとしました。適度に緊張感もあって楽しめるミステリー作品だと思います。
それから今回はまた歩美のマンションが舞台となりましたね。2806室が歩美の家と同じフロアということは歩美の住む階は28階なのかなと思われますが、あとはなかなか姿を現さない歩美の母親の存在がどうしても気になります。これまでも声とか足とかは出てきているのですが、いったい顔を見せることが今後あるのでしょうか(苦笑)
髪の毛の生え際が富士山のような形をしている額のことをこう呼び、特に江戸時代には美人の条件の一つになっていたそうです。
これは江戸時代の女性はみんな髪を結っていたため必ず額が見えていたこともあり、その形の美しさも美人の条件と考えられたためと思われます。
ちなみにこの富士額というのはメンデルの遺伝の法則で優性遺伝のため、両親どちらも富士額ではない場合は富士額の子供は生まれないというのが今回のコナンの推理の基礎になっている知識です。