(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 鈴木園子 山村刑事 世良真純 光井珠実(41) 湯地志信(36) 二瓶純夏(39) 沢栗未紅 沢栗勲(37) 担任 生徒 SIT隊長 SIT隊員 SAT隊員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 群馬県警のヘッポコ刑事 女子高生探偵、截拳道の使い手で蘭たちの同級生 アマチュア小説家、SNS仲間で石材店手伝い、ゾウ? アマチュア小説家、SNS仲間でパン屋勤務、ネズミ? アマチュア小説家、SNS仲間で主婦、キツネ? 先月亡くなった直本賞受賞のミステリー作家 沢栗未紅の兄、サバイバルゲームのリーダー 帝丹高校2年B組 担任 帝丹高校2年B組 生徒 警視庁刑事部捜査第一課 特殊犯捜査係(SIT) 隊長 警視庁刑事部捜査第一課 特殊犯捜査係(SIT) 隊員 警視庁特殊部隊(SAT) 隊員 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 小山力也 緒方賢一 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 松井菜桜子 声の出演なし 日高のり子 青木和代 むたあきこ 遠藤みやこ 声の出演なし 松山鷹志 菅原淳一 松本健太 松本大 松本健太 中田隼人 |
帝丹高校の2年B組の蘭たちのクラスに突如やって来た転校生の世良真純。3年前から親と一緒にアメリカに住んでいたものの自分が生まれ育った日本に住みたいとわがままを言って東京に戻ってきたらしく、今はホテルで暮らしているようでした。
そんな世良真純でしたが転校初日からすぐにクラスの人気者に…明るくて気さくでボーイッシュでカワイイし、その上截拳道の使い手の女探偵とくれば魅力を感じない訳にはいかない…蘭と園子も彼女の噂話をしつつ帰り道を歩いていたのです。
ところが噂をすれば何とやらで、二人の目の前に現れたのはその世良真純でした。彼女は園子のキツい一言も豪快に笑い飛ばすと、先日の事件でともに活躍したコナンの様子が気になるらしく蘭の家に遊びにいってもいいかと言い出したのです。
しかし残念ながらコナンはつい先ほど阿笠博士の家に行ってしまっていて不在…小五郎の話によると明日の朝早くキャンプに出かけるため探偵団たちと一緒に阿笠博士の家に泊まることになったというのです。
それを聞いた世良真純はタッチの差で会えなかったことをひどく悔しがりますが、話を聞けば聞くほどコナンのことを気にしている様子。難事件をいろいろと解決している眠りの小五郎の事件話にもあまり関心がない様子で、小五郎が事件を解決する時にはいつもそばにコナンがいたのかと問いただすとコナンがいる時にまた来るからと言って帰ろうとしたのです。
ところが彼女がドアを開けて外に出ようとしたその時、探偵事務所に新たな訪問客が訪れます。小五郎の事件の話を自分たちにじっくりと聞かせて欲しいと言いつつ中に入ってきたのは三人の女性で、三人が三人共女流ミステリー作家でSNSで知り合った友達だというのです。
続けて彼女たちは小五郎の話を聞かせてもらえると「沢栗」から聞いていないのかと訊ねると、その「沢栗」が先月亡くなったミステリー作家の沢栗未紅ではないかとすかさず蘭が反応…すると確かに沢栗未紅も彼女たちのSNSの仲間だったらしいのですが、三人を事務所へ誘ったのは自分だと言って姿を現したのはその沢栗未紅の弟だという沢栗勲という男でした。
沢栗の姿を見た三人の女流小説家たちは話が通っていないと少し驚いた様子でしたが、するとそれを聞いた沢栗勲は「そりゃそうだ」と不適な笑みを浮かべながら突然ポケットから拳銃を取り出して天井へ向けて一発発射したのです。
それから沢栗は拳銃を身構えながら小五郎以外の全員に携帯電話を机の上に出して奥の壁際まで行くようにと命令をはじめます。蘭たちもそれに渋々従う形をいったんは取りますが、携帯を机の上に置こうとしている間に世良真純が蘭に耳打ちして彼女が足、蘭が拳銃を狙い沢栗を倒すと密かに作戦を練ります。
すると沢栗の一瞬の隙をついて世良真純が足払いを食らわせ、蘭が拳銃を得意の蹴りで弾き飛ばすと世良真純が沢栗を抑え込み二人の作戦は見事に成功したかのように思えました。ところが沢栗は次の瞬間左手に持っていた物を世良真純に見せ自分に危害を加えるのをやめるように告げると、それを見た世良真純は男からサッと離れるしか手立てがなかったのでした。何と沢栗は体に爆弾を巻きつけており、左手に握り締めていたのはその爆破の起動スイッチだったのです!
沢栗の要求というのは次のようなものでした。彼の妹の沢栗未紅は若くして直本賞を受賞したベストセラー作家でしたが、先月群馬の温泉旅館で手首を切って自殺したと警察から連絡があったというのです。
ところが彼は妹の死を自殺とは考えていないらしく、一緒に温泉に行った事務所に来ている三人の女流小説家の誰かに殺されたと考えているというのです。そしてその証拠になるようなものも一式揃えて持ってきているらしく、それらを使って小五郎の名推理で事件を解決に導いて欲しいというのですが…。
しかし沢栗の考えというのはそれだけではありませんでした。何と犯人が分かったらそいつを自分の手で殺して自分もあの世に消えてやると考えているというのです。しかも自分が起きているのにも限界があるからと体に巻きつけている爆弾の爆破時刻が明日の朝であることも告白して…
一方その頃阿笠博士の家では探偵団たちは明日のキャンプに向けて準備にいそしんでいましたが、コナンは灰原哀に先日世良という名前の探偵が自分の前に現れ自分の名前や探偵であることも知っていたという一件について話をしている所でした。
そして蘭たちのクラスにその世良真純が転校してきたことをまだまったく知らされていないコナンは、光彦たちが博士の家に来る途中に蘭が見知らぬ男と一緒に歩いていたのを見たことを知り、気になって蘭の携帯に電話をかけることになります。
ところがちょうどその頃、蘭のいる探偵事務所では篭城騒ぎの真っ最中…下手に切ると怪しまれるのではという世良真純の言葉で電話に出ることを許された蘭はコナンと話しはじめますが、それとなく知らない男と歩いていたことを聞きはじめると電話の向こうから聞こえてきたのはあの世良という探偵の声…何でアイツが…とコナンは驚きますが、そこで世良真純が電話をさっさと切るフリをして通話状態を保持したまま携帯を机の上に残していったのです…。
それから世良真純は早口で聞き取れなかったからと言ってもう一度沢栗に彼の要求がどんなものであるかを話すようにと促します。その結果、沢栗の毛利探偵事務所での篭城計画は事件現場から離れた阿笠博士の家にいるコナンの知る所となり……
なぜかコナンの様子が気になる転校生の世良が蘭に頼んで毛利探偵事務所を初めて訪問していた時、名探偵である小五郎の話が聞けると言われて来たという三人のアマチュア女性小説家が事務所を訪問してきます。
ところがその彼女たちのSNS仲間でもあったというミステリー作家沢栗未紅の兄だという人物が突如現れ、拳銃と体に巻きつけた爆弾を盾に探偵事務所で篭城を起こす騒ぎに発展します。
その男─沢栗勲の要求は先月群馬の温泉旅館で亡くなったという妹の未紅の死の真相を突き止めるというもの。警察は自殺だと言っているものの、彼は妹が一緒に温泉に行った三人のアマチュア小説家の一人によって殺害されたのだと確信しているらしく、その謎を小五郎に解くように要求していたのです。しかも真相が分かり次第犯人を殺害して自分も命を断つと宣言しており…
一方明日のキャンプに備えて阿笠博士の屋敷で準備をしていたコナンは、ふとしたことから蘭にかけた電話で篭城事件を知ることに。そして蘭の携帯を通して得られる情報や少年探偵団たちの協力も得て真相にたどり着くのでしたが…
被害者が事件の直前にSNSでつぶやいていたゾウ、キツネ、ネズミの正体とは? そしてコナンは立て篭もりの続く毛利探偵事務所から蘭たちを無事に救い出すことはできるのでしょうか?
蘭の携帯ストラップとして御馴染みですが、今回はコナンに事件のことを伝えるために大活躍しましたね。
第1話目にあたる「勃発」のエンディングテーマのいわゆる声の出演の所で、なぜかテロップに小五郎の名前が抜けてしまっていますよね。
これは単純なミスだと思いますが、名前がないというのは役者さんに対し結構な失礼にあたると思うのでDVD発売時には修正しておいて頂きたいものです。
今回は1話目の「勃発」では劇場用前売り券が本日発売されたという告知、そして3話目の「解放」では今回の映画にキャストとして参加しているファッションモデルで女優の桐谷美玲さんが登場してPRをしていました。
まず冒頭は前作646-647「幽霊ホテルの推理対決」のラストで帝丹高校に転校生としてやって来た世良が2年B組の生徒たちに紹介されるシーンからスタートします。
そしてオープニング後の前半の最初では蘭と園子のクラスメートたちに囲まれていろいろと会話するシーンがありますが、ここで「どこから来たんだ?」と質問する生徒の部分が、原作では男子ですがアニメでは女子に変更されています。
それから蘭と園子が夕暮れの中で帰り道に世良の噂話をしつつ歩いているシーンになりますが、ここは米花町内を歩いていくということでアニメではよくあることですが町内の風景が結構細かく描写されています。
こういう所に描かれているビルとかお店の看板を調べるのが趣味になっているのですが(苦笑)、今回も米花国際バス、文具・雑貨ベイカドーなどの看板の名前を見つけることができました。
そして場面が毛利探偵事務所に移るとまず世良が小五郎と話をするシーンとなりますが、ここでも小五郎の机の上に置かれているチラシなどがアニメでは結構細かく描写されています。
ここではあまりはっきり見えませんが米花町町内会のチラシと競馬新聞の馬勝など文字が見られ、実はこの2つこの後事件の後半の方でまた細かな描写があるんですよね。
それから少し場面が進んでコナンが阿笠博士の家でキャンプの準備をしながら灰原哀と世良の事について話をしている最中に「またまたお手柄小学生」という題名の新聞記事が登場しますが、アニメではこの新聞に「米花新聞」と名前がつけられています。
以上のように前半部分は細かい描写の追加がたくさん見られるほか細かいセリフの変更が若干あったものの、ほぼ原作どおりの構成で原作の第1話目の最後までシーンが進んでいきます。
後半は原作2話目の冒頭からスタートしますが、まず原作1ページ目に相当する部分からコナンと阿笠博士と灰原哀の会話中には若干のカットがあります。
そして灰原哀がネットを調べて出てきた事件のあった日付ですが、これが原作では14日になっていますがアニメでは2月4日に変更されています。
その後舞台が再び毛利探偵事務所に戻り、事件直前に被害者が呟いていたSNSの呟きのコピーが小五郎に手渡されるのですが、アニメではこのコピーの内容までしっかり描かれていて、兄のIDを使って被害者が呟いている部分の名前が多分勲の名前から来ているのでしょうが「イサッチ」となっているのが何だか妙に笑えました(笑)
それ以外はほぼ原作に忠実な構成で、原作2話目後半の犯人に蘭の携帯電話の通話がまだコナンにつながっているのがバレてピンチに陥り、「あの人」が登場する所まで続いていきます。
前半部分は原作2話目後半の「あの方」登場の所からスタートし、原作3話目に入り世良が蘭と会話している中で米花町町内会の会報が出てくるのですが、ここがアニメではより詳しく描かれています。「町内会温泉ツアーのお知らせ」という題で日時は2月4日~5日で1泊2日になっていますね。
更に同じシーンでチラシの下に前話でも登場した競馬新聞「馬勝」の詳細な描写があるのですが、この内容がちょっと笑えました。米花11Rの予想に馬の名前があって大半は端が欠けていて名前がはっきりとは分からないのですが、「テイタンホームズ、シンジツ、キッドリター…、リトルコナン…、ジンスピ…、ソーコ、テイ…、ベ…」となっており、このあたりにも製作者サイドの遊び心が感じされていいですね。
それから更にSITの話になりますが、ここで世良がSITについて説明している部分がアニメでは結構分かりやすく描写が追加されています。ここで立て篭もりの犯人の後ろに「純清流水」というダンボール箱があるのが何だか妙に目に留まったのは自分だけでしょうか(苦笑)
その後原作3話目中盤の「撃て」という世良のセリフまでで前半は終了しますが、今回も細かなセリフのカットや追加・変更等はありますが、ほぼ原作に忠実な構成となっています。
後半についてもほぼすべて原作どおりの構成で、原作4話目の2ページ目の終わりの新一が「待ってください」という直前までストーリーが進んでいきます。
そしてこの最後の部分に世良の「そして工藤新一…いったいどうするつもりだ?」というセリフと、蘭の「新一お願い…沢栗さんを止めて、新一」というセリフが追加されています。
まず前半部分については前話で終了した新一の「待ってください」からかと思いきや、少し遡って原作4話目の冒頭からスタートします。
その後は新一の推理が一段落した所で灰原哀と阿笠博士がコナンに話しかけるシーンと、SIT隊長が挨拶するセリフなどが追加されているなどオリジナルシーンの追加が若干あるもののほぼ原作どおりの構成でストーリーが進んでいきます。
後半についてはほぼ原作どおりの構成でストーリーが最後まで進んでいきます。作品全体としてはほぼ原作どおりの構成でカットも少なく、所々に分かり易い描写などが追加されていて非常にいい感じで仕上がっていたと思います。ちなみに作品全体で「呟き(つぶやき)」の部分がすべて「書き込み」に改められていたのですが、これは「つぶやき」だと大半の人がツイッターを連想してしまうからでしょうかね。
文字どおりインターネット上に構築された社会的(ソーシャル)ネットワークのことで、提供サイトを通して同じ趣味や嗜好を持つ人たちと、また日本国内だけでなく世界中の人たちと交流を深めることができるのが大きな特徴です。
現在SNSとして最も有名なのは何といってもFacebookでしょう。2011年前後に巻き起こった「アラブの春」と呼ばれる中東での民主化運動は大きなニュースとなりましたが、これもFacebookから起きたものでした。
Facebookのいい所は他の匿名性の高いサービスと異なり携帯電話番号による本人認証があり、原則本名で参加する(しないと相手にされない)ので場が荒れにくいという所です。これはサイトを持っている私などは身を持って体験しているのですが、Facebookからの投稿にはどこか安心感と信頼感があるんですよね。当サイトでもコメント欄を最近Facebook経由で設置しました。
Facebook以外では日本発のSNSとしては以前一世を風靡したMixi(ミクシィ)やモバイルでや有名なGreeやモバゲーなどが有名です。
また広義にはコメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているものも含まれるため、ブログや2ちゃんねるのような電子掲示板、そしてツイッターなどもSNSの一つといえます。
コナンの世界の文学賞としては結構有名な賞。名前の由来は文藝春秋の社長・菊池寛により友人の直木三十五を記念して1935年に芥川賞とともに創設された直木賞に間違いないと思われます。
直本賞受賞作家としてコナンで登場した人物といえば、これまでには9「天下一夜祭殺人事件」の今竹智、176-178「黒の組織との再会」の南条実果がいます。
ちなみに天下一夜祭の事件はコナン最初期の事件で静岡県警の横溝警部がまだ埼玉県警時代だった時の彼の初登場の話なので覚えている方も多いかと思います。
またコナンの文学賞としては他に454-455「ひっくり返った結末」に登場した芥川賞をもじったと思われる芥山賞というのもあります。
群馬県にある温泉旅館。ベストセラー作家となったミステリー作家の沢栗未紅が先月「自殺」したとされる場所で、この旅館の205号室で事件が発生しました。
先月14日(アニメでは2月4日)に喫茶ポアロのマスターたちが町内会の温泉旅行で訪れたのもこの旅館ということですが、この経緯は同じ年に放映された644-645「死ぬほど美味いラーメン」で語られています。
ちなみに風変わりな名前だと思う方も多いかと思いますが、今回はSNSがある意味話題となっている話ということもあるので、写真共有サイトのフリッカー(Flickr)のもじりではないかと考えられます。
日本ではこの作品が放映された時点ではあまり馴染みのない方も多いかもしれませんが、米Yahooに買収された海外ではかなりメジャーな写真共有サイトです。
沢栗勲がリーダーを務めるサバイバルゲームのチーム名。コナンいわくアメリカ陸軍特殊部隊グリーンベレーのもじり。
アメリカ陸軍特殊部隊(グリーンベレー)は対ゲリラ戦を主な任務として遂行しの隊員一人が「陸軍の歩兵200人」に相当する戦力を持っているといわれているほど優秀な部隊です。一騎当千とまではいかないまでもすごいですよね。ちなみに名前の由来は隊員のみに許される緑のベレー帽から来ているのだとか。
SIT(Special Investigation Team)とは警察組織の刑事部捜査第一課に設置される特殊犯捜査係(Sousa Ikka Tokusyuhan)のことで、主に誘拐事件や人質立てこもり事件の捜査を担当しています。
SAT(Special Assault Team)とは警察の特殊部隊で主にハイジャックやテロなどの国家を揺るがす重大かつ特殊な犯罪に対処する他、一般刑事事件の中で刑事部の特殊犯捜査係だけでは対処できない凶悪事件にも出動を要請される場合があります。
ちなみにこれまでのコナンでは562「虹色の誘拐」でSITが一度登場しています。
ミステリー作家の沢栗未紅のデビュー作で100万部を突破しベストセラーになった作品です。アニメのみの表記ですが出版社は何とあの大学館(笑)
ミステリー沢栗未紅のデビュー作「死神の葬列」を刊行した出版社でアニメのみ表記がありました。まあコナンも連載している少年サンデーの出版元である小学館のもじりなのはすぐにお気づきかと思いますが(苦笑)
ちなみに「大学館」と聞いてこれまで出てきた作品を言えたら相当なコナン通だと思います。これまでに登場した中で最も有名なのは何といっても116-117「ミステリー作家失踪事件」でしょう。このお話では雑誌〈文芸時代〉の編集部が事件の舞台となりました。
そしてその他にも88-89「ドラキュラ荘殺人事件」や379-380「秘湯雪闇振袖事件」で名前が登場しています。
アニメのみですが、灰原哀がインターネットで容疑者のアマチュア小説家三人と沢栗勲について調べた時に「まじっくK」(苦笑)の同人小説サイトとして名前がチラッと見えました。
今回のお話は毛利探偵事務所で篭城騒ぎを起こして小五郎に妹の死の真相を解明して欲しいという何とも穏やかではない事件でした。正直この沢栗勲という男が自分でも言っている通り少しキレやすいタイプというか頭が弱いというのは間違いないでしょう。だからこそこういう事件を起こしてしまうんでしょうね。
まあ妹をそれだけ思う純粋な気持ちというのは分からなくはないですし、警察が自殺と相手にしてくれなかったという経緯があるからかもしれませんが、まずは普通に探偵に相談してみてもよかったのではと思いたくなります。
それは置いておいても今回の作品はミステリーとしては大どんでん返しの連続で十分楽しめたのではないかと思います。
被害者が色で容疑者たちにあだ名をつけていたというのは見事に当てられた方も少なくないと思うのですが、そこから実は最後に部屋を訪れたネズミ=犯人なのではなく真犯人が別にいるという流れ、そして立て篭もり犯を取り押さえるためにわざと自殺だと間違った結論を導き出す所まで練りに練られたプロットで自分も一本取られました。個人的には被害者の呟きが見事な叙述トリックになっているのが目からウロコで、ここは相当感心させられたというか本当に素晴らしかったと思います。
そしてその本格ミステリーの部分だけでなく蘭&世良のアクションやSITやSATまでも巻き込んでの犯人との緊迫のやり取りなども見ごたえがあったと思いますし、サスペンスとしても楽しめたのではないでしょうか。
ただあの蘭がカーテンを閉めた部分については、正直ちょっとビックリしました(苦笑) 彼女は映画第9弾の「水平線上の陰謀」でも結構ビックリするような行動を取っていましたが、新一への信頼感が強いとはいえ常に「最悪の事態も想定しつつ行動」することを普段からモットーに生きている自分などには真似できないというか、かなりビックリする行動に映りました。
あとはラストの世良真純の蘭に対する「君は思ったより手強いって事がね」という言葉が気になるといえば気になりますが、これは園子が幽霊ホテルの事件の時に「ある日突然強力なライバルが現れちゃうかも」と言っていた事とリンクしているのは想像がつくかと思います。いったいこちらもどういう展開を見せるのか注目ですよね。