名探偵コナン651「コナンvs平次 東西探偵推理勝負」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File651 コナンvs平次 東西探偵推理勝負
英題
Conan vs. Heiji, Deduction Battle Between the Detectives of the East and West
放映日
2012/3/24(1時間スペシャル)
原題
第74巻
File5「どっちが名探偵なんだ?」
File6「阿部ちゃん」
File7「魔法の料理」
File8「EYE(イーワイイー)」(3ページ目冒頭まで)
ジャンル
本格
事件現場
米花町三丁目 レストランDanny's(ダニーズ) 男子トイレ
管轄
東京警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
工藤新一
毛利蘭
毛利小五郎
目暮警部
高木刑事
服部平次
遠山和葉
世良真純
須貝絡利(39)
甘粕亨(36)
東條参平(45)
柴宮研吾
アンドレ・キャメル
ジョディ先生
ジェイムズ
本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
警視庁捜査一課警部
巡査部長、目暮の部下
西の高校生探偵、新一のライヴァル
平次の幼なじみ
女子高生探偵、截拳道の使い手で蘭たちの同級生
客、米花町のマンション在住、カレーを注文
客、杯戸町のアパート在住、ラーメンを注文
客、米花町在住、麻婆豆腐を注文
被害者、埼玉県で建設会社のアルバイトとして勤務
FBI捜査官
FBI捜査官
FBI捜査官
高山みなみ
声の出演なし
山崎和佳奈
小山力也
茶風林
高木渉
堀川りょう
宮村優子
日高のり子
五王四郎
田中一成
広瀬正志
声の出演なし
梁田清之
一城みゆ希
家弓家正
あらすじ
「西と東か…じゃあぶっちゃけ西と東…どっちが名探偵なんだ?」

 大阪からまた服部平次がやってくる…用件は着いてから話すと言っていたもののどうせまたややこしい事件を持ってくるのであろうと、その日小五郎と蘭、それにコナンの三人のいつもの面々はその到着を毛利探偵事務所で今かと待っていました。

 ところがこの日はもう一人の人物が毛利探偵事務所で服部平次の到着を待っていたのです。それは最近転校してきた女子高生探偵で截拳道の使い手の世良真純…彼女は大阪府警本部長の息子で高校生探偵である服部平次のことを聞いて関心を示しますが、そこから話は妙な方向へ…蘭が平次と新一が「西の服部、東の工藤」と並び称されていると話をすると、西と東のどっちが名探偵なんだとぶっちゃけた疑問を投げかけてきたのです。

 突然そう言われて答えに窮する蘭は同じぐらいではと言葉を濁す反面、コナンはでもあえて言うならと当然といえば当然ですが「東の工藤」を挙げようとします。ところがそこへ…

 西や…この西の名探偵、服部平次の方がめちゃめちゃ上だと言いながら姿を見せたのは当の服部平次本人…どうやらコナンから世良真純のことは聞いている様子でしたが、事務所に来るなり彼女に気づかないボケっぷりをさっそくお見舞いすると、今回東京にやって来た用事について話そうとします。ところがその時…

 突然服部平次の携帯電話が鳴り出し、出るとそれは平次の幼なじみの遠山和葉からのものでした。二人はいつものように本来は一緒に探偵事務所を訪れる予定だったのですが、先日お土産にもらったレトルトカレーを和葉の母親が妙に気に入ってしまい、それが東京限定のファミレスのものだったためついでに買ってきて欲しいと頼まれ、和葉はそれを買いにファミレスに寄ってから来ることになっていたのです。

 そして和葉が電話してきたのはそのファミレスからでしたが、開口一番「助けて」と言ったかと思うと、そのファミレスのトイレで人が死んだといって大騒ぎになっていると伝えてきたのです。何でも変な外国人の大男に店から出るなと言われたため出られないらしく…

 それを聞いた平次とコナンはさっそく現場へ向かおうとしますが、そこへ世良真純からこの事件で西と東、どっちが上かはっきりさせてはどうかと提案されると……丁度いい機会だと平次がその提案を受けて立つと、コナンが新一に電話で状況を伝えつつ推理勝負をするという形で白黒つけるということになったのです。

 事件現場のファミレスに到着した平次とコナンたちはさっそく現場にいた和葉、そして既に捜査を開始していた目暮警部と高木刑事から事件の状況について詳しく話を聞き始めます。どうやら和葉の出会ったその外国人が事件の第一発見者らしく、突然男子トイレから出てくるなり人が死んだから警察を呼べ、トイレは封鎖して念のため客は一人も外へ出すなと大声で言っていたというのでした。

 そして死因は口に含まれていたという青酸系の毒物が混入された飴玉らしく、自殺の可能性も残されているというのです。それらは皆第一発見者の外国人の話だというのですが、妙に現場に慣れた感じのするその外国人とはいったい…!?

 それから平次とコナンたちはその後すぐに彼らの前に姿を現した第一発見者というその外国人も伴って、事件現場の男子トイレへと向かいます。現場にはまだ被害者の男性の遺体がそのまま残されていましたが、身元を特定するような物がないらしく名前も分かっていませんでした。

 その一方で外国人の証言により次のような事が判明していました。彼は被害者の2つ隣のトイレで用を足していたらしいのですが、そこへ自殺をほのめかすような被害者の声が聞こえてきたというのです。

 「いくら幼馴染みっていってもそんな頼みは聞けないよ…阿部さんに毒を盛って殺したのは自分だ…だったら自分は責任を取るしかない!!」…そう言ったかと思うと突然呻きだしたというのです。ところが警察が阿部という人物が毒殺されたという事件を調べた所、他県は調査中なものの東京都内では該当する事件がないらしく…

 その後その他に気づいたことはないかと尋ねられた外国人は、被害者が阿部という人物のことを「ちゃん」付けで呼んでいたこと、更に丁度この少年のような喋り方だと言って服部平次の方を指差し……

 それから現場の調査がひと通り済むとコナンは平次とともにトイレの前の壁にもたれて事件を整理していましたが、まだ情報が少なくさっぱりな様子。

 ところがそんな中、服部平次の方はすでに被害者の男性が自殺ではないこと、それに犯人がまだファミレスの中にいるということまで分かっっているらしく……

今回の見どころ
世良真純の一言で東西の名探偵が推理勝負を繰り広げることに…

 詳しいことは来てから話すと伝えてはるばる大阪から東京の毛利探偵事務所までやって来た服部平次。ところが到着するなり途中で寄り道のため離れ離れとなった和葉から事件に巻き込まれたという連絡が…事件は和葉が東京のファミレス限定のカレーを買うために訪れたダニーズという店で発生し、人が死んで大騒ぎになっているが「変な外国人の大男」に店から出るなと言われて足止めを食っているというのでした。

 和葉からの連絡で急遽そのファミレスへと向かうこととなった平次とコナンたち、さらにはその時毛利探偵事務所を再び訪れていた世良真純の余計な一言もあり、東と西でコナン=新一と平次は推理勝負をすることとなってしまい…

土曜夜18時に移動後では初の1時間スペシャル

 今回はこの次の週の特番の都合もあったのだと思いますが、土曜日の夜18時に移動してからは初めての1時間スペシャルとして放送されました。

映画「名探偵コナン 11人目のストライカー」公開記念スペシャルプレゼント

 この週からスタートしました。「欲しい商品の番号に電話して、スペシャルメッセージを聞くと応募したことになるよ!」ということで、今回はバンダイナムコゲームス「名探偵コナン 過去からのプレリュード(ニンテンドーDS版)」を10名様、同プレイステーションポータブル版を10名様、番組特製QUOカード(非売品)を100名様というプレゼントの内容でした。

原作との相違点

 まずオープニング前にコナンと平次が電話で世良真純について話すシーンが追加されています。

 それからオープニング後、冒頭に平次と和葉が米花シティビル行きのバスに乗るシーンが追加されています。後で出てくる東京のファミレス限定のカレーを必死に探す和葉を平次がおのぼりさん呼ばわりするなど相変わらずの二人のやり取りが展開されています。長野で信州味噌を買い忘れたってちなみに何のエピソードでしたっけ?

 それから和葉が米花町三丁目のバス停でバスを降りるシーンと、さらに場面が変わって蘭とコナンが東京にやってきた平次と和葉の話をしていると世良真純が二人の前に現れるシーンまで、アニメで追加されたオリジナルシーンが今回は満載となっています。

 その後は原作に忠実に進んでいき、気になった箇所を挙げていくと、問題のレトルトカレーが原作では何も表記ないのがアニメでは中辛になっている、ダニーズに「辛いものフェア」ののぼりがアニメのみ見られる点などが気になりつつも平次とコナンたちがデニーズへ向かう直前までで前編の前半相当部分は終了します。

 それから次の前編の後半相当部分に関してはキャメル捜査官が登場し、FBIだと知った世良真純が興味深々な表情を見せる所までは原作に忠実ですが、この後にもう少し先でダニーズに到着してから登場することになるジョディとジェイムズが少し早めにオリジナルシーンで姿を見せます。ここでもまたカレーの話題が、本当にそんなに美味しいんですかね、このカレー(苦笑)

 その後は原作どおりに進んでいき、原作1話目終了に相当する平次が事件が他殺で犯人がまだファミレスの中にいることが分かったとコナンに話す所で前編相当部分は終了します。

 そして後半相当部分の残り30分ですが、まず前半相当部分についてはほぼ原作に忠実に再現されていて、ジョディがキャメルから受け取ったメールの添付写真を見るところまで進んでいきます。気になった点といえば平次が世良真純から工藤新一と勝負していたのにコナンを相手に話をしている点をゴマかそうとした時にコナンの頭を髪の毛がくしゃくしゃになるぐらいかき回すシーンぐらいでしょうかね(苦笑)

 他には平次が容疑者たちを事情聴取した後に三人とも辛い料理を食べていたと発言して目暮・高木・コナンが目をキョトンとさせるシーンが結構面白く演出されている点などがある中、原作2話目の最後まで進んで前半は終了となります。

 後半は原作3話目相当部分でいよいよ解決編となりますが、ここでは建設会社社長殺人事件が原作では先月になっているのがアニメでは先週になっている、更にアニメでは倒れている社長の姿が追加されています。ちなみにここで今回登場はありませんが千葉刑事が名前だけ高木刑事の口から語られて出てきます。

 さらに事件解決後にもボーナスカットがあるのですが、それについてはここでは伏せておいてネタバレ感想の方で触れたいと思います。

 そしてエンディング後には次の「毒と幻のデザイン」の冒頭の原作約2ページ分ぐらいの平次が東京にやって来た理由となる事件についての説明が平次の口から語られるのですが、実は次回の放送は映画「11人目のストライカー」の公開を意識してか「迷宮のフーリガン」の再放送なんですよね(苦笑)。

豆知識
ダニーズ

東京のファミレス限定のレトルトカレーが発売されているという問題のファミリーレストラン。もちろんデニーズのもじりでしょうね。

米花町三丁目

アニメのみ。冒頭で和葉がこのバス停でバスから下りてファミリーレストランのダニーズへ向かいました。

NEXTコナンズヒント
切符(放映分は直後に「迷宮のフーリガン」の再放映のため)
8頭分(本来のNEXTヒント)
コント
「コナンvs平次 東西探偵推理勝負」放映分
平次「勝負はオレの勝ちやな」
コナン「よく言うぜ…」
世良「やっぱりボクだよ」
コナン&平次「おいおい」

「迷宮のフーリガン(前編)」放映分
コナン「ドラマに沈黙に映画公開!」
蘭「12日から必見コナン3days!」

「迷宮のフーリガン(後編)」放映分
コナン「映画名探偵コナン 11人目のストライカー!」
蘭「本日公開初日です!」
コナン「イエイ」
OP
Miss Mystery」(BREAKERZ)
ED
悲しいほど 今日の夕陽 きれいだね」(grram)
監督
於地紘仁
構成
於地紘仁
絵コンテ
影山楙倫、大宙征基
演出
吉村あきら、山崎茂
作画監督
岩井伸之、大友健一、橋本正則
デザインワークス 宍戸久美子/サブキャラクターデザイン 永野美春
ビデオ
-
DVD
PART21-1
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★

 今回は服部平次と世良真純が初対面でしたが、世良真純の余計な一言が原因でなぜか平次とコナンが推理対決をするなかなか面白い展開でしたね。さらにはFBIも登場し世良真純のことをなぜか気にするそぶりが思わせぶりで今後の展開がますます気になる所だと思います。

 ただ事件としては関西独特の「しょっぱい」ではない「辛い」という言葉使いさえ知っていれば解ける内容ということで難易度的にはさほどではなかったとは思いますが、面白かったのは最後にコナンが下手な関西弁を使って犯人を怒らせるあたりですね。これは平次まで激怒させるということになってしまいましたが(苦笑)、しかしこのあたりも関西人の特徴を上手くつかんで推理合戦としてはコナンの完勝だったと思います。

 もっとも冒頭でアメちゃんと自分から別に犯人がいて毒殺されたという推理を導かなければコナンの名推理もなかった訳で、そういう意味でも引き分けは妥当だったのかなと納得でした。今更どちらが名探偵かなどと別に白黒つけたって仕方ないですしね(苦笑)

 そしてラストには原作にはなかったのですが、犯人が抵抗を見せて蘭と和葉にボコボコにされるというシーンが追加されていて、これはアニメならではの迫力のあるいい演出だったと思います。他のオリジナルシーンも含めていい感じに無理なく追加されていたので、原作にはないストーリーを楽しめました。

 さらにエンディング後には次の「毒と幻のデザイン」へとつながっていくのですが、ここで時間切れで次の放映が「迷宮のフーリガン」というのがちょっと苦笑いでしたが、まあ映画公開もありますし仕方のない所です。

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