(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 阿笠博士 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 妃英理 沖矢昴 世良真純 姉 妹 夫(神辺敏夫) 妻(神辺の妻) 父親 息子 ジン ウォッカ ベルモット ゴロ 仮面ヤイバー |
本編の主人公、正体は工藤新一 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 蘭の母親、腕利きの弁護士 工藤邸に居候する謎の大学院生 女子高生探偵、截拳道の使い手で蘭たちの同級生 阿笠博士の屋敷を訪れた人物 阿笠博士の屋敷を訪れた人物 阿笠博士の屋敷を訪れた人物 阿笠博士の屋敷を訪れた人物 阿笠博士の屋敷を訪れた人物 阿笠博士の屋敷を訪れた人物 黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物 黒の組織の男、ジンの手下 黒の組織の女、映画女優クリス・ヴィンヤード 妃英理の愛猫、ロシアンブルー 子供たちに大人気の特撮ヒーロー |
高山みなみ 緒方賢一 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 高島雅羅 声の出演なし 日高のり子 ? ? ?坂東尚樹 ?田浦環 ? ? 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし |
その日カレーを一緒に食べようと阿笠博士邸に集まった少年探偵団のメンバーたち。博士が様子を見に来てみると、もう既に食いしん坊の元太が何杯おかわりしても平気なぐらいのたくさんのカレーが、歩美と灰原哀の二人の手により大きな鍋で完成間近という所まで来ていました。
一方探偵団の男子メンバーはというと、まずコナンは歩美たちのすぐ横でノートPCを開き、阿笠博士邸の倉庫から出てきたという掘り出し物の壺の価値をインターネットを使って調べている最中でした。
何年か前のフリーマーケットに絨毯と一緒に買ったことは覚えているらしいのですが、誰から買ったものかまでは忘れてしまったらしく、いつの時代に誰が焼いたかについてもちゃんとした鑑定家に依頼するしかないとさすがのコナンでもお手上げの状況だったのです。
そして元太と光彦の二人はというと、飲み物を買ってくるように頼まれてヤイバーチョコやヤイバースナック、それに光彦が好きだというヨーグルトやコナンから頼まれたサッカー雑誌まで余計なものをたくさん買い、大きな袋を両手に抱えて買い物から戻る途中でした。ところが二人が阿笠邸前まで来ると、あの女子高生探偵の世良真純がまたしても姿を現します。
世良は二人に先日の探偵事務所の篭城事件の解決に探偵団たちが一役買ってくれたことにお礼を述べつつも、工藤新一が事件を解決したことや、そのことを秘密にしておくようにと釘を刺していたという灰原哀について話が及ぶと強い関心を示します。ところがその元太たちと世良のやり取りを、工藤邸の窓の影から屋敷に居候する沖矢昴がひそかに覗き見していて……
その後元太と光彦が阿笠邸に戻るとカレーは美味しそうな匂いをリビング一杯に漂わせていて、腹ペコの元太は我慢ができないのかオードブルにカレーを食べて本番でもカレーをたんまり食えないかと訳の分からないことを言い出しますが、あと30分はかかると灰原哀にあっさりと却下されてしまいます。
すると元太は今度は何かやっていないと空腹が我慢できないと言い出し、部屋の中でサッカーボールを蹴り始めたのです。これには壺の鑑定に苦戦をしていたコナンも思わず注意をしますが、元太はその言葉を聞かずに更に強くボールを蹴り上げたのです。すると…
それからほどなくして米花町には左頬をくっきりと手の形に腫らした太った少年がとぼとぼと歩く姿が…彼が部屋の中で蹴ったボールは天井に当たったかと思うと方向を変え、グツグツと美味しそうに煮込んで完成目前に迫っていたカレー鍋の中に見事にゴールしていたのです。
「反省してます」という少年の傍らには先ほどまで彼と一緒に買い物をしていたやせ型の少年と、その間インターネットで壺について調べていたメガネの少年、そしてカレーを台無しにされて怒りが収まらない茶髪の少女が歩いていましたが、メガネの少年はその気まずい雰囲気に耐えかねたのか精肉店で安売りしている肉を買ってくると言ってその場を立ち去っていってしまいます。
そして残された二人の少年は茶髪の少女をなだめるのに必死でしたが、何とその三人の様子をとある人物が背後から観察していたのです。それは何とまたしてもあの沖矢昴…ところがその様子を更に通りの向こうから伺っている何者かの姿が…! それは車に乗った二人組で沖矢昴がその気配に気づいて後ろを振り返りますが、車はT字路の左へと消えていき……
その頃阿笠博士邸ではカレーまみれになってしまった歩美がお風呂で汚れを落とし、博士の用意してくれた灰原哀の服を着てリビングに戻る所でした。ところがちょうどその時玄関のインターホンを鳴らす音がして応対した博士が…
一方カレーの食材の買い直しのため外出し精肉店に寄ってからスーパー米花に来ていたコナンは、そこで元太と光彦から不気味な話を聞かされます。
それは動画サイトに灰原哀の画像が流れていたというもので、阿笠博士が壺を自慢している画像に映っていたと先ほど偶然出会った世良真純から聞いた話だというのでした。
世良という名前を聞き驚くコナンでしたが、当の灰原哀はその動画画像に自分は映っているはずはないと不思議な様子。黒の組織に見つかれば大変なことになるとコナンは灰原哀にすぐに携帯電話で阿笠博士に確認をするように言いますが、阿笠博士からの応答がないらしく……
まさか黒の組織が…!? 屋敷に二人残っていた阿笠博士と歩美の様子が心配になったコナンはすぐにスーパーを出て屋敷に戻ります。すると玄関ではスタンガンで気絶させられたという阿笠博士が倒れていましたが、幸い軽症な様子で動画サイトで自慢げに公開していた壺も無事でした。
ところが歩美の方はというと、壺と一緒に出てきた古い絨毯に包まれてどこかに連れていかれでもしたのか、絨毯とともに姿を消してしまっていて床にはこぼれたコーヒーの跡が残るのみだったのです。
誘拐されたのか…しかしなぜ歩美なのか…さまざまな思いが交錯する中で、コナンは阿笠博士が公開したという問題の動画をチェックしてみることにしたのですが、そこに映っていたのは何と……
阿笠博士の家でカレーを食べるために集まったコナンたち少年探偵団。ところがカレーは待つのを我慢しきれなくなりサッカーボールを部屋の中で蹴っていた元太のせいで台無しに…コナンと灰原、それに元太と光彦は食材を買い直しに近くのスーパーへと向かいます。
すると屋敷の中は阿笠博士とカレーで服を汚されお風呂に入っていた歩美の二人だけとなりますが、その隙を狙った何者かが阿笠を玄関でスタンガンで襲うと、歩美をそばに置いてあった古い絨毯にくるんでどこかに連れ去ってしまいます。
なぜ歩美が…!? なぜ歩美を誘拐したのか…不思議がるコナンでしたが、自分が調査を頼まれた博士が自宅倉庫から見つけたという古い壺…その壺をインターネットの動画サイトで自慢する博士の動画画像に灰原哀の姿が映っていたことを知ると、黒の組織との関連から灰原哀の服を借りて着ていた歩美が灰原と間違われて誘拐されたのではないかと疑います。
果たして誘拐犯の目的と黒の組織との関連は!? そして動画画像に灰原哀の姿を見つけたという世良真純と、工藤邸に居候しコナンたちの様子を影で伺う沖矢昴の真意とは一体…?
「この電話番号に電話して、メッセージを聞くと応募したことになるよ!」ということで、前編では名探偵コナン×Jリーグ「コラボTシャツ(赤・青どちらか)を100名様、後編では青山剛昌先生 描き下ろし「週刊少年サンデーオリジナル 図書カード(500円分)」を100名様というプレゼントの内容でした。
前半はまず冒頭に世良真純がホテルの自室でネットをして阿笠博士について情報を得ているシーンと、続けて黒い影が2つが動画サイトを見ているシーンもオリジナルで追加されています。
その後原作第1話目の最後まで進んでいき全体的に原作どおりの構成ですが、大きな変更がないように配慮しつつ各キャラクターのセリフが若干追加されている傾向になっています。
後半もほぼ原作どおりの流れでストーリーが進行していき、特筆すべき点としてはコナンたちが猫を探して街中を駆け回るシーンがかなり長めに演出が施されていることぐらいです。
そして最後は原作2話目の阿笠博士が最近自分の家を訪れた知らない人物が3組いると話す所に「おそらく犯人はその3組の中にいる、必ず見つけ出してやるぜ!」というコナンのセリフが追加されて前編は終了となります。
後編の前半はまず1ページ分ぐらい戻り前編でも既に出ている灰原哀の「つまりどこかの資産家の飼い猫の飼育係が…」というセリフの所からスタートし、原作第3話目のコナンが犯人が分かったと探偵団たちに知らせた直後の博士の「知っている人ってまさか…」という所で前半は終了となります。この間細かいセリフの変更の他はほぼ原作に忠実な構成となっています。
後半はいよいよ解決編ですがこちらも細かいセリフの変更などあるものの原作どおりの構成でストーリーが進んでいきます。演出で多少触れたい部分があるのですが、その点についてはネタバレになるためネタバレ感想の方で触れたいと思います。
フルコースでスープの前に出される最初の料理のことで前菜とかお通しといった日本語に相当します。
元太は「おーどぶる」でカレー食って本番でたんまりカレー食うことを希望しましたが、灰原哀に即刻却下されましたよね(苦笑)
コナンたちが作り直しとなったカレーの食材を買いに向かったスーパーの名前。
ツボに入る猫の動画の動画が流行らしく妃英理もゴロの動画を動画サイトに投稿していましたよね。
ツボ猫動画というのが実際流行しているかというとこの放送時点ではその事実はなさそうですが、似たような現象として「ねこ鍋」というのが2007年に動画サイトが発端となり大変な人気を集めたことがあります。
土鍋の中で身を丸くして眠る猫の様子を撮影した動画が可愛いと評判になり高アクセス数を記録した後にDVDや写真集として発売されるなど社会現象となったのを覚えている方も多いかと思います。
元太と光彦が買い物に行った際に頼まれもしないのに買ってきたものの中に入っていました。他に光彦の好物のヨーグルトとコナンのサッカー雑誌などもありましたよね。
米花三丁目にあるインテリアショップで犯人たちが経営していました。
今回は少年探偵団が活躍するお話で歩美ちゃんが誘拐されてしまいますが、灰原哀の服を借りてきていたことから黒の組織との関連が疑われ、更にコナンたちの周りで怪しい行動を見せる沖矢昴と世良真純の動向も気になるなど、黒の組織シリーズとしてもチェックしておかなければいけない作品となっています。
ちなみに歩美ちゃんというのはこれまでにも誘拐されたことがあり、12「歩美ちゃん誘拐事件」、140「SOS!歩美からのメッセージ」といった事件でも誘拐されています。650回以上の放映でこれが多いのか少ないのかは何とも言いようがありませんが(苦笑)
そしてミステリーとしては犯人当てと犯人の真の目的が壺ではなく絨毯だったという意外性もありそれなりに楽しめますが、少しパンチに欠ける部分もあったかもしれません。あとはインターネットを駆使した事件捜査ということもありいかにも現代という感じのストーリーになっているので、その道に疎い方には理解しにくい面もあったかもしれませんね。
それにしても最近は動画投稿というのがすっかり定着してきて、誰でも気軽に投稿できるようになりましたが、その反面今回のように思わぬ事件に突然巻き込まれることもあるでしょうから注意しなくてはいけません。
それ以外に特筆すべき所というと、まず元太ですが部屋の中であんなに思いっきりサッカーボール蹴ってはいけません(苦笑) ビンタ一発で済んだだけでも有り難いと思わなくてはいけないです(笑)
そして原作との相違点でも触れた部分として最後の阿笠博士のペルシャ絨毯と分かった時の喜びようと、事件の証拠品のため戻ってくるまで数ヶ月かかると聞いた時のショックの受け方のアニメでの演出が妙に笑えました。こういう細かい所で笑いを取るアニメ独自の演出というのが最近すごくいい感じなので、原作作品でも毎週放映を楽しみにしています。