(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 佐藤刑事 千葉刑事 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 大岡善吉(64) 久栄克俊(53) 甲斐谷貴和子(25) 立野寿巳男(27) 花沢トシ子(49) 中島 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 警部補、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 杯戸町スーパー勤務の警備員、事件の被害者 米花商事勤務 経理担当、恐喝された男 薬剤師で十王南薬局、恐喝された女 巡査、米花町5丁目交番勤務 主婦 花沢トシ子の友人 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 茶風林 高木渉 湯屋敦子 千葉一伸 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 小山武宏 鈴木清信 本名陽子 柿原徹也 西宏子 声の出演なし |
「確かに…また来月も頼むよ」「もう勘弁してくれ限界なんだ…その金を工面するのだってどんなに苦労したか…」
「あんた…会社じゃ経理担当だろ、金を作る方法なんていくらでも」「馬鹿を言うな、そんなことできるわけないだろ!」
「別にいいんだぜ、だがあのことばバレたらどうなるかな…娘さんの結婚、娘の幸せのためだったら何だってできるだろ?」
「もう許してください…私のお給料じゃ、そんな金額払い続けるなんて無理です…お願いします」「給料で足りなきゃ夜バイトでもすればいいじゃねえか?」
「もうやっています。でもこれ以上は…」「逃げたっていいんだぜ、その代わりこの動画がネットに流れることになるがな、それがイヤなら分かってるよな?」
とある日の夜、コナン、蘭、小五郎の三人は生春巻きが絶品だったという店で外食して歩いて帰る所でした。そしてその途中、近所の主婦から何か言われている若い巡査の姿を目撃したのです。
巡査の名前は立野寿巳男といい、米花町5丁目交番に勤務する、まじめで親切で人が良く町内の人からの信頼も厚い警察官でした。そして近々念願叶って米花署の刑事課に異動することになっているというのです。
小五郎が声をかけてみるとどうやら花沢トシ子という名前の主婦はいつもゴミ置き場を荒らす不届き者がいるから、立野巡査に夜通し見張ってひっ捕らえてくれと頼んでいたのです。
とその時前方に見える民家の玄関からフラフラと出てくる人の姿が…そのまま地面にひざまずいたため、大丈夫ですかと蘭は声をかけます。ところがその紫のフードをかぶった若い女性はどこか様子がおかしく、しかも紫の上着には何と血痕が付着していて…
コナンがそれって血痕じゃないのと聞くと、女は中で人が死んでいると…急いで家の中へコナンが向かうと、6畳の和室の真ん中で胸から血を流してうつ伏せの状態で倒れている年配男性を発見したのです!
男性は既に亡くなっていて、入口のそばには凶器と思われる包丁が残されていました。遺体の手には抵抗したのか防御創が、また座布団にも血痕がついていて、これは返り血を防ぐため座布団を上から押し付けて刺したものとコナンは推理します。
更にコナンは被害者が畳に血で何かを書き残しているのに気づきます。それはイニシャルの「K」の文字で、ダイイングメッセージのように思われるのですが…果たして一体!?
その後目暮警部ら警察による捜査が開始されます。被害者は大岡善吉といい、現場の家に一人暮らしで杯戸町のスーパーで警備員をしている60代の男でした。
続けて遺体を発見した第一発見者の女性が事情を聞かれますが、彼女は甲斐谷貴和子という名前でイニシャルは「KK」だったのです。
更に今度は主婦の花沢トシ子が証言します。彼女は中島という友達としゃべりながらずっと見ていたというのですが、まず18時過ぎに大岡が帰ってきて、そのすぐ後にまず50歳ぐらいのサラリーマン風の男がやって来た。そして10分ぐらいでそそくさと帰っていき、それから20分ぐらいしてから甲斐谷がやって来て大岡の家に入っていき、中島が帰った所に立野巡査がやって来た。その後5分ぐらい話をしていたら小五郎たちがやって来て、それから甲斐谷が出てきたというのが花沢の証言だったのです。
それを聞くときっと前来たサラリーマン風の男が大岡を…と甲斐谷。目暮は早急に問題の男を探し出さねばと高木に言いますが、すると花沢は事件現場を取り囲む野次馬の中に問題の男がいるのを見つけ出し…その直後、帽子を目深に被った男は警察が自分の方を見ているのに気づいたのか現場から逃げ出しますが、後を追いかける立野と小五郎に結局捕らえられてしまいます。目暮が男に名前を尋ねると久栄克俊と答え、この男もイニシャルが「KK」だと分かり……
それから警視庁米花警察署の第一取調室で、高木刑事が久栄克俊から事情を聞くことになります。すると久栄は包丁が自分のものと認めたものの自分はやっていないと訴えるのでした。
更に久栄は大岡から強請られていたことを告白します。7年前から賭け麻雀にハマってしまい、雀荘が摘発された時に客だった久栄は逮捕されたらしいのですが、大岡も常連客だったらしく現場にいたといいます。それから久栄は賭け事から足を洗い真面目に働いていたというのですが、2年前偶然立ち寄った杯戸町のスーパーで大岡に会って以来、金を強請られるようになったというのでした。
半年前に娘の縁談がまとまると要求はエスカレートし、このままでは娘の縁談も滅茶苦茶にされてしまうと、そう思うといてもたってもいなくなり…
そしてこの日も呼び出されたらしいのですが、金の代わりに包丁を所持。しかし揉み合っているうちに大岡の手を切ってしまい、血が噴き出すのを見たら急に怖くなって包丁を放り出して逃げ出した…本当にそれだけだというのが久栄の告白内容でした。
一方第二取調室では甲斐谷貴和子の事情聴取が佐藤刑事の手で行われていました。リュックの中には人体にきわめて有害な薬品が入っていて、薬剤師の立場を利用し勤務先の薬局から盗み出したことを認めたのです。
更に彼女も大岡から強請られていたことを告白…昨年卒業なのになかなか就職が決まらなくて、ノイローゼみたいになって万引きを繰り返すように…それを大岡に見つかり強請られ、更に就職してからは倍の金額を要求されわざわざ十王市の彼女の勤務先まで押しかけてきたことから、一生大岡に強請られるかと思うといてもたってもいられなかったというのでした。
しかしその日も金を払えと呼び出されたらしいのですが、自分は恐喝のネタとなっている動画データのある携帯電話を壊しただけだというのです。
それから警察の調べで大岡は海外のカジノにはまっていたらしく、恐喝はその資金を稼ぐためだったらしいことが判明。一方コナンはというと大岡の部屋にあったカレンダーに何かの暗号なのか所々妙な書き込みがあることが気になっている様子でした。おそらく強請りと何かの関係が?
家の中に不審者はおらず、部屋の勝手口や窓などもすべて内側から施錠されていた…つまり現場に出入りできたのは2人だけ…犯人はいったい?
外食からの帰り道、小五郎たちは米花町5丁目交番に勤務する立野巡査と近所の主婦が話をしている姿を目撃。それ以外はゴミ置き場を荒らす人物がいるという程度の話でしたが、その直後に目の前の民家から若い女性がフラフラと出てきたのをきっかけに家の中で大岡という年配男性が刃物で刺されて殺害されているのを発見したのです。
被害者はダイイングメッセージなのか血で「K」の文字を残しており、第一発見者の若い女は甲斐谷貴和子とイニシャルがKK、更に近所の主婦の証言から甲斐谷の前に現場を訪れた久栄克俊という50代の男もイニシャルがKKであることが判明します。
その後容疑者の二人は警察から事情聴取を受けますが、すると二人は揃って被害者である大岡から強請りを受けていたことを告白したのです。いったい犯人は…!?
久栄克俊が娘の縁談を進める際に利用していたホテルの名前。
容疑者の一人久栄克俊の勤務する会社。
容疑者の一人甲斐谷貴和子が勤務する十王市にある薬局。
今回は4週連続の30分もののTVオリジナル作品の3回目で、オーソドックスな本格ミステリーで結構楽しめました。
ただいまわの際にメッセージを残すのにわざわざKの文字を残すというのは被害者の心理としてはどうなのかなというのは残りますけどね。実際コナンがいなかったら完全にKのイニシャルの二人のうちどちらかという結論になってしまっていた訳ですから、端的に警官なり実名なりを書いた方が絶対見てもらえると思います。まあそれだと犯人に隠滅されてしまう状況だったら暗号化するのでしょうが、そのあたりの状況が分からないので何とも言えませんよね。
もっともそれ以外はしっかりとした伏線やヒントも散りばめられていますので存分に謎解きが楽しめます。ただ犯人は意外性はあるものの、まあ犯人の一連のわざとらしい動きでさすがに気づきますよね(苦笑)
そして最後には目暮警部の全国29万人の警察官といった一連のセリフはなかなか見ごたえがありましたよね。たまにこんな感じで犯人に説教しますけど、こういう時の目暮警部って本当に威厳と風格があります。