(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 今岡海四郎(60) 今岡汀(25) 杉山刑事 坂田巡査 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 Surf Shop カモメ 店主 海四郎の妻 刑事 巡査 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 稲葉実 半場友恵 桜井敏治 三戸耕三 |
その日コナンと蘭は小五郎と一緒に3人で米花町から車で2時間の所にある大浜海岸に来ていました。
何でも小五郎が突然サーフィンをやると言い出し、断るとややこしくなるからと渋々一緒に付いてきたというのですが、そもそものきっかけは小五郎が最近知り合った今岡汀という若い女性に誘われたからという下心丸出しの動機でした。
それはともかく3人はウェットスーツに着替え、リーシュコードの繋ぎ方を教わると、さっそく海にへと繰り出します。汀が見事に波に乗り、コナンと蘭もいい感じで波を捕まえますが、小五郎はというと波に飲まれて散々な目に遭い…。
それからサーフィンを終えてSurf Shop カモメに戻った小五郎たちは、仕入れ先から戻ってきたという店主の今岡海四郎と挨拶を交わします。
サーフィンが初めてだという小五郎は、自分は波に乗っていくタイプでサーフィンもしかりといつものようにお調子者ぶりを発揮しますが、一方コナンはというと店に張られている大潮カレンダーに興味深々な様子。
何でも大浜海岸は潮の満潮と干潮の差が大きいので有名で、夜中の満潮時には今より100メートルぐらい海岸線が近くなること、それが朝になるとまるで逃げるように波が引いていき、ずっと1キロ以上波に洗われて何もない遠浅の砂浜が続くというのでした。そして今夜はというと大潮らしく…
それからコナンは店内に飾られているトロフィーにも注目します。すると汀はアマチュア界ではそれなりのサーファーだったらしく、先ほどのサーフィンの腕前が見事なのも納得だったのです。
ところがそれから衝撃の事実が…小五郎が汀が海四郎の娘だとばかり思って話をしていると、二人は親子ではなく何と35歳も離れた夫婦だということが分かったのです。それを聞いた小五郎はガックリと肩を落として…
もういいや…何か疲れちまったからと急にやる気がなくなってしまった小五郎を残し、蘭は汀と再び海に繰り出そうとしますが、ここで突然海四郎がこれから海に出ることに強硬に反対したのです。何でも車の中で聞いた天気予報によると低気圧が接近していて波頭が白く立ち始めているというのですが…
サーフィンは少しぐらい波があった方が面白いという人もいるという言葉にも高波にさらわれて命を落とす初心者はたくさんいる、決して海を侮ってはいけないと反論。更にそんな意気地のないことを言っていたらサーフィンを楽しめない、自分がついているから大丈夫だと言う汀に対し、「思い上がったことを言うな、高波の前でお前に何ができるというんだ、自惚れるのもいい加減にしろ」と海四郎は声を荒げたのです。
それから海四郎は朝には低気圧も抜けるからそれまで待ちなさいと諭し出ていきますが、それに対し汀はチャレンジスピリットがない…いつの間にかプラモデル作りが生きがいのジジイになってしまって面白くもない…自分には聞こえる、海がかかってこいって言っているのが…この辺がカッカしている、波乗り娘の血が騒ぐってやつらしいと興奮気味に話し……どうやら夫婦の仲は決して上手くいっているとは言い難かったのです。
その一部始終を聞いていた小五郎たちは、サーフィンができないんじゃ仕方がないと何とか理由をつけてペンションに引き上げることに。ほどなく海四郎の言っていた通り大浜海岸の一帯はどんよりとした雲に覆われ荒れ模様に変わっていきます。
何とかペンションへと戻った小五郎はそれからコナンにマッサージをさせながら夫婦のことについて話をしていましたが、そこへ海四郎が姿を見せます。何でも汀がいなくなったらしく…
汀は海四郎が調理場で明日の仕込みをしている間に姿が見えなくなり、それで小五郎たちの所に遊びに来ているかと思って来たというのです。しかし小五郎たちの所にいないことが分かると今度はまさか海に向かったのではと心配をはじめます。
汀のサーフボードは店に置いたままらしいのですが、商品のボードを持ち出す可能性もゼロではないというのでした。それよりも何よりも汀はこんな日の荒れた海を見るとまるで獲物の狙うサメのように目つきが鋭くなるらしくといい…
ところがその時コナンが海四郎の胸ポケットで何かが光っているのに気づきます。どうやら携帯電話の着信で、海四郎が確認すると汀からのものでした。
無断でごめんカラオケなう、オールかも─いくらサメでもカラオケ店では何もできないと小五郎は安堵しますが、しかし海四郎は無断で出かけるとは何を考えているかサッパリ分からないとこちらも汀に不満な様子。こんなはずじゃなかった…それが夫婦の最近の口癖だというのでした。
そして夜が明けて朝日が昇り朝を迎えると、3人は砂浜へと繰り出します。低気圧は明け方には去り、潮はずっと沖まで引いていて、昨夜の荒れ模様が嘘のようにきれいな砂浜が広がっていました。
ところがその時、砂浜の向こうに何かが転がっているのにコナンが気づきます。流木かと小五郎が一瞬思ったのも束の間、それはウェットスーツを着ている人影でした。
まさかと思い3人が近づいていくと……それはウェットスーツを来た姿でうつ伏せに倒れている汀の変わり果てた姿だったのです。
汀はもう既に亡くなっており、小五郎は蘭に警察を、コナンに海四郎に連絡するとともに念のために遺体の周りに敷くダンボールか何かをもらってくるように指示。コナンは急いで店へと向かいますが、その時にはもう汀の首にリーシュコードが巻きついていて絞められたような跡があるのに気づき、これがおそらく殺人事件だと直感していたのです。
もっとも遺体の回りにあるのは駆け寄ったコナンたち3人の足跡だけ……いったい犯人はどうやって被害者を…!?
小五郎が最近知り合ったという今岡汀に誘われて東京から車で2時間の大浜海岸にやって来た小五郎、蘭、コナンの三人は、彼女と35歳の年齢差があるという彼女の夫の海四郎が経営するサーフショップでお世話になりつつ初めてのサーフィンを楽しんでいました。
最初はいい雰囲気でしたが、海四郎が悪天候の中で海に繰り出そうとする汀を諌めると夫婦の中は険悪に…更に汀の行方不明騒動を経て翌朝にはその汀が大浜海岸の砂浜で亡くなっているのが発見されたのです。しかも彼女の回りの砂浜にはまったく足跡などは残されておらず…
「この電話番号に電話して、メッセージを聞くと応募したことになるよ!」ということでプレゼントの告知がエンディング直前にありました。
今回は「番組特製オリジナルキーホルダー」を100名様(非売品)という内容でした。
東京から車で時間の所にあるそうですが、どこの都道府県からは作品内では確認できませんでした(パトカーや救急車の文字が見えていましたが、小さ過ぎて字がはっきりと読み取れませんでした)
ちなみに実在するか調べてみると、大浜海岸というのは徳島県と静岡県にありました。徳島は遠すぎて論外ですが、静岡県は掛川市にあり、時間的にも東京から2時間20分ぐらいで到着できるため、ここの砂浜がモデルになっているのかもしれません。
今岡海四郎と汀夫妻が経営するサーフショップの名前。
サーフィンをやる時の命綱のようなもので、サーフボードが行方不明にならないように足首につなぐそうです。
長さはサーフボードより少し長め、大体大人で2mぐらいで子供で1m50cmと言っていました。
今回は海が舞台の本格ミステリーで小五郎と蘭とコナンのみのTVオリジナルストーリーでしたね。管轄はどこか不明ですが、杉山刑事と坂田巡査という警察官が登場しています。どちらも初めてだと思われますが、ちょっと地味でしたね(苦笑)
ミステリー作品としては密室ファンには垂涎ものの足跡のない殺人というやつでしたが、トリックはああやって映像で見てみると運動会のようで笑ってしまうという感想もネットではチラホラあったようですね。
それは同感な一面もない訳ではないのですが、個人的にはそこよりもクレーンのヒントで被害者を吊るして足跡をつけずにあの位置に運んだと間違って推理させる、いわゆるミスリードをさせる作りになっていた部分を評価したいです。その点でダマされたという方も多かったのではないでしょうか。
それ以外もいろいろと伏線も張られていてと、オーソドックスに楽しめた作品でした。ただコナンたちと警察以外の登場人物が2人なので、犯人当て(フーダニット)の楽しみがない分物足りないと感じた方もいたのかなと。
それが評価に現れているような気がするのですが、このあたりはハウダニット(どうやってやったか)主体の作品では逆に犯人をわかり易くすることはありますし、その点も踏まえてハウダニットを楽しんでもらいたいですね。
最後にエンディング後の競馬のくだりはまずまず面白かったですが、残念ながら競馬中継の音声がよく聞き取れなくて、騎手の名前や馬の名前を解読して作品データに反映できなかったのがちょっと残念といえば残念です(苦笑)