(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 鈴木園子 横溝重悟 砂田善三(66) 砂田康之(36) 砂田尚樹(33) 八代美沙(27) 刑事 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 神奈川県警警部、静岡県警横溝警部の弟 資産家 プロゴルファー、砂田善三の息子 外車ディーラー、砂田善三の息子 家政婦 神奈川県警刑事、横溝の部下 |
高山みなみ 山崎和佳奈 松井菜桜子 大塚明夫 宝亀克寿 楠大典 桐本琢也 伊藤美紀 川村拓央 |
その日蘭と園子、それにコナンの三人は園子の知り合いだという資産家の砂田善三の屋敷を訪れていました。わざわざ見に来いと催促され訪問した目的というのが…。
それは善三自慢のサボテンが無数にある温室で、中には高価なものもあるらしく、特注の警報装置まで設置され夜はセキュリティーカードを持っている善三しか装置を解除できないという徹底ぶりで管理されていました。
中でも目玉というのが「キンシャチ(金鯱)」と呼ばれる大きなサボテンで、花をつけるまで50年もかかるという代物らしく、善三が蘭たちの年齢の頃、まだ小さい頃から手塩にかけ、いつしか大きく育ち花をつけるようになったというのでした。園子も昔父親とともに見に来たことがあるらしいのですが、ヨチヨチ歩きの頃だったらしく本人はまったく覚えていない様子。
蘭たちが善三からサボテンの説明を受けていると、そこへ突如男が二人温室の中へと駆け込んできます。二人は善三の息子たちで長男の康之はプロゴルファー、次男の尚樹は外車ディーラーらしく、善三が遺言状を書き換えたことを弁護士から聞き慌てて飛んできたらしいのでした。ちゃんと話を聞かせろと善三に訴えるものの客人の前だと一喝され、いったんは引き下がることになるのですが…
二人の息子がその場を立ち去ると、善三は今度は何かに気づいたらしくおもむろに家政婦の八代美沙を呼び出します。どうやら素焼きの植木鉢は使うなと言われたにも関わらずそれが温室に置いてあったことに不満を感じたらしく、すぐに片付けるようにと家政婦を一喝。とはいえ良くやってくれている方だと家政婦をフォローはするのでしたが…
どうやら園子によると善三は昔は「鬼の善三」で知られたかなりのやり手だったらしく相当厳格な人間の様子。善三が屋敷に戻るといって温室を出ていくと、蘭たちはようやく息をつくことができホッ胸を撫で下ろすのでした。
一方善三が自室に戻ると、そこには何かを家捜しする長男・康之の姿が。しかし善三は遺言状は自分の懐に閉まっていると息子の魂胆など見抜いている様子。
どうやら書き換えた遺言状では遺産を二人の息子たちに分配されないようにしてあるらしく、すべてサボテンと一緒に植物園に寄付することにしてあるというのです。
金を息子より、サボテンに譲るのかと康之は大いに不満をぶつけますが、善三からは万年予選敗退の三流プロゴルファーなどさっさと辞め事業を継がない限り遺言を元に戻す気はないという冷たい返事が。
康之が怒って部屋を出ようとすると、入口に立っていたのは弟の尚樹でした。どうやら弟も金の無心にきたらしいのですが、始めたばかりの外車屋も早々に資金難だと既に善三の耳には入っているらしく、久しぶりに戻ってきたと思ったら兄弟揃って金の話しかできないのかと怒り心頭の様子の善三だったのです。
ケンカ売ったって無駄だ、ここは落ち着いて夜また説得しようと、とりあえず引き下がる二人の息子でしたが……
その頃屋敷に戻ってきた蘭と園子とコナンの三人は食事をご馳走になり、リビングでくつろいでいる所でした。そこへまず長男の康之が姿を見せ外でゴルフの練習に行くと言い残し、次に弟の尚樹がガレージに置きっぱなしの車を見てくるからといってその場を後にします。
それから蘭がグレイビーソースのレシピ教えて欲しいと家政婦の八代美沙に頼んだのを、新一のためかと園子がからかう二人のやり取りに思わずコナンが照れるなど、のんびりとした時間が続きますが、食後のコーヒーを家政婦に勧められると園子はそろそろお暇すると言って帰ろうとします。
そこで帰る前に善三に挨拶していこうとしますが、善三は毎日20時から21時まで欠かさずサボテンの手入れをしているらしく、その日も20時半まで誰も入れるなと家政婦は言われているというのでした。
ところがその時突然警報ベルの音が遠くから聞こえてきたのです。音はサボテン室からのようでコナンたちは急いで向かいますが、すると温室の入口前には長男の康之がいて驚いた様子で室内を凝視していたのです。
「違う、オレじゃない」と康之は弁明しますが、その手には善三の懐にしまわれていたはずの遺言状が握られており、さらに温室では善三がキンシャチの前あたりで仰向けに倒れていて……
花をつけるまで50年かかるという貴重なサボテンを是非見に来て欲しいと言われ知り合いの資産家・砂田善三の屋敷を訪れた園子と蘭、コナンの三人。
ところがサボテンを見学して食事をご馳走になり、帰ろうという時、善三がサボテンのある温室で殺害されるという事件が発生します。
警報ベルが鳴り現場にかけつけたコナンたちは入口に立つプロゴルファーで善三の長男・康之の姿を発見、彼の手には善三が書き換えたという遺言状が握られており…
善三の遺言状には金の無心しかしない長男の康之とこの日康之とともに屋敷を訪れていた外車ディーラーの尚樹の二人の息子を相続から外し遺産を植物園に寄付する旨が書かれていたというのですが……
次回予告でもあるとおり、翌週・翌々週と「まじっく快斗」が2本放映されますが、「名探偵コナン」のレギュラー放送としては今作品が2012年の最後の作品となりました。
今回は「推理クイーン園子」シリーズということで、キレキレの眠りの園子の推理が披露されますが、新一を思いグレイビーソースのレシピを家政婦に聞こうとする蘭をからかうなど、いつもの調子で安心して楽しめました。二人の会話を聞いて照れるコナン(新一)のシーンなども微笑ましかったですよね。
トリックとしては植木鉢を上手く使って非常ベルを鳴らし犯行時刻を錯覚させるというもので、倒れてしまった柱サボテンが犯行の決定的証拠になるなど、なかなかによく考えられていて30分ものとしてはまさに標準レベル、十分楽しめるのではないかと思います。
それ以外では神奈川県警の横溝警部が2年ぶりの久々登場で元気な姿を見られて嬉しかったのですが、ただこの点に関し若干人物描写に違和感を感じました。
横溝弟ってコナンもドキっとさせられるぐらい結構キレ者で、きちんとした推理にはきちんと耳を傾けてくれるタイプの刑事だと思うのですが、今回は最初からコナンの推理をまともに聞く感じではなかったですよね。正直いつもの小五郎がまさにこんな感じなのですが、正直横溝弟のはずなのですが、小五郎にしか見えなかったですね(苦笑)
色々なキャラクターがこうやってオリジナルでも見られるのはそれはそれで素晴らしいことですし個人的にも嬉しいことなのですが、もう少しそのあたり違和感なく見られると嬉しいかなと思います。