(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 小林澄子先生 村上雅也(26) 矢野悦子(24) 井澤 山本 金子 女の子 キャロン コージ 男 仮面ヤイバー |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校1年B組担任 市役所に勤務する公務員 村上の恋人 1年B組生徒、オーディオ店について発表 1年B組生徒、オーディオ店について発表 1年B組生徒、オーディオ店について発表 帝丹小学校の生徒 女の子の愛犬 行方不明の男の子 悪徳金融業者の男 子供達に大人気の特撮ヒーロー |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 加藤優子 小野大輔 山縣里美 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 城雅子 声の出演なし 声の出演なし 今村直樹 声の出演なし |
町をたんけんしよう…八百屋、花屋、パン屋、スーパー、そして小嶋酒店と、昨週はクラスのみんなで米花町を探険して、いろいろなお店を見つける課外授業を体験した帝丹小学校1年B組の生徒たち。
そして今週はというと、それぞれの班で1件ずつ店を決め、それぞれどんな物を売っているか、どんな工夫をしているかなどをお店の人に聞いてくる。もちろん店でなくても郵便局とか図書館とかなどでもよく、どんな仕事をしているか、何が大変かなど、いろいろな話を聞いてきて、そしてそれらをレポートにまとめてみんなの前で発表する…それが今回担任の小林先生から与えられた1年B組の生徒たちの新たな課題だったのです。
こうして1年B組の生徒たちはそれぞれの班に分かれてどんなお店や仕事をレポートするかを話し合うことになり、コナンと灰原哀、それに歩美、元太、光彦の少年探偵団の5人のメンバーたちも例に漏れず話し合いを始めたのでした。
最初に出てきた案というのは、いかにも元太らしいうなぎ屋のレポート…うまくいけばうな重がたらふく食わせてもらえると元太の想像は膨らむばかりだったのですが、これはあっさり却下…。
続いて灰原哀は駅前のエステサロンに興味があると個人的な意見を述べたのですが、灰原の案を聞きその当否を考えていた光彦が突然何かを閃いたらしく…
ユニークで、今後の少年探偵団の活動に大いに役立つ…そう考えて探偵団が訪れた場所というのが、何とコナンが居候している毛利探偵事務所…。そして探偵団たちのレポートの対象となった小五郎も、授業の一環なら仕方ないと嫌々ながらもインタビューを受けることになります。
ところが…最初はどんな仕事をしているのか、どんな仕事を得意としているのか、あるいはどんな仕事が好きかなどといった当たり障りのないものだったのが、いつの間にかどうして結婚しているのに奥さんと一緒に住んでいないのとか、年収はどれぐらいなのかといった、およそ小学生らしくない、しかも小五郎にとって聞いて欲しくもないようなことを次々と質問されに至り…ついに小五郎は、用事を思い出したと言ってごまかし、その場から逃げ出してしまったのです…。
しかし今日の探偵団はヤル気が違いました。諦めて帰るのかと思えば、何と逃亡を図った小五郎を尾行して実際の仕事ぶりを見てみると言い出し、小五郎の後を追いかけ始めたのです。これにはさすがのコナンもビックリしたらしく…
こうした始まった少年探偵団たちによる小五郎のマル秘調査。しかし所詮は小学一年生の尾行、普通の探偵ならこの程度の尾行はバレバレで、すぐに気づかれて追い返されるか撒かれるはずなのですが、なぜか小五郎はまったく気づかず…
やがて小五郎はTR線の米花駅に向かい、売店で買い物をした後、東都環状線芝浜行きの内回りの電車に乗車…途中ハプニングはあったものの探偵団たちは小五郎を尾行し続け、とある公園にやって来ます。
それから公園に到着した小五郎は、遊具の馬にまたがり、イヤホンでラジオを聴きながら競馬新聞に見入っていました。コナンの話によると実際に10日ほど前にある資産家が一人娘の恋人の素行調査を依頼してきたらしく、その日は近くのアパートに住む村上雅也というその青年を尾行していることは間違いないらしいのです。しかし小五郎の張り込みというのは…
光彦が何かの本で読んだとおり、プロの張り込み術の鉄則というのは”風景の一部になる”ことでしたが、小五郎の尾行は遠目から見るとまさにその鉄則どおりの見事なものだったのです…。あまりの”演技力”に探偵団たちは感心するばかりだったのですが、コナンはというと…
それから間もなくして、張り込みのターゲットだった村上がアパートを出て、何かを警戒するように、あるいは人目を避けるようにしながらどこかへ向かいます。当然小五郎も村上の後を追いかけ、さらにその後を探偵団たちも追いかけようとしたのですが、その時突然予期せぬ出来事が発生して……
全員サービスビデオ第5弾となった今回の作品は映画「水平線上の陰謀」の公開に合わせて小五郎がメインの作品です。
学校の課題で店や仕事に携わる人たちの仕事内容や苦労する点などについて話を聞き、みんなの前でそのレポートを発表することになった1年B組の生徒たち。そんな中で少年探偵団たちは、探偵団らしく名探偵として名高い毛利小五郎の仕事ぶりを調査することになります。
探偵団たちの鋭い質問に小五郎は慌てて逃げ出しますが、探偵団たちは小五郎を尾行することで探偵の普段の仕事ぶりを観察することになったのですが、その途中思わぬ事件が発生して、探偵団たちは小五郎に協力してその事件を解決することになります。
小五郎の日頃の探偵ぶりをのぞくことができる貴重な今回の作品。笑いあり、スリルありの充実した内容で個人的に完成度はかなり高いと思います。
小五郎たちが尾行の後に立ち寄ったファミリーレストラン。
作品の途中で出てきた銀行の名前。
今回は素行調査を依頼された青年が友人の借金の保証人になっていたために悪徳業者に誘拐され、そして資産家の恋人に身代金を要求するという、何とも卑劣な犯行に小五郎たちは巻き込まれていく訳ですが、非常にリアリティーのある事件展開の連続で、探偵業の勉強にはまさしくうってつけの事件だったかもしれません。
前半は小五郎の普段の探偵業をこっそり覗き見するというある種のユーモア・ミステリといった趣なのですが、後半は一転して誘拐事件を追いかけるというサスペンス仕立てになっていて、まるで映画の中のような追跡劇が展開されて一気にストーリーに引きこまれていきます。
そしてラストの小五郎とコナン、それに探偵団たちが協力して犯人を捕まえるシーンも見ごたえがあって良かったと思います。
この点犯人当てを含めて謎といえるようなものはないので本格ファンには不満もあるでしょうすが、探偵術を学んだり、楽しい雰囲気に浸りたい方にはオススメの作品だと思います。
そして何といっても一番の見どころはエンディング後の最後のオチ、これは大受けでしたね。「探偵は楽しい」というテーマで少年探偵団たちはレポートを発表できた訳ですが、そのせいで毛利探偵事務所があんなに繁盛するようになるとは(苦笑) まあしかしいい迷惑でしかないのでしょうけどね(笑)
それにしても今回の作品で特筆すべきは、探偵団たちが実にいい感じで描写されていた点に尽きます。
最初の元太のうな重ももちろんでしたが(これは過去のうな重語録のベスト3といっていい出来栄え・笑)、その後の小五郎を尾行するシーンで小五郎の名演技(実際は地で、ただ競馬新聞と競馬中継に夢中になっていただけ)に心から感心したり、事件後の学校の発表会でのレポートのシーンなどは実に子供らしく、見ていて微笑ましくて仕方なかったです。
それに犯人を捕まえる時も、阿笠博士がきちんと注意して危ない目に遭わせなかったりと配慮があり、細かい所までよく考えられていました。
最近はどうも事件に突っ込みすぎて、ともすると可愛げのない生意気に思えるシーンも多く、私も眉をしかめるような場面が多々あるのですが、こういう風に子供らしく描くと探偵団も捨てたものではないことがよく分かりました。
しかし小五郎というのは…こんなに人間観察していて楽しい人間はいないですよきっと(笑) それぐらい小五郎の日常生活は楽しいもので、こういう生活が送れたらきっとストレスも犯罪もない社会になるのではないでしょうかね。難しいとは思いますが。