物語の中盤で、鞍馬山で犯人に弓矢で襲われた平次は間一髪の所でコナンが気付いて難を逃れました。
その後はバイクで犯人を追跡していくことになる訳ですが、このルートについては検証の結果、かなりの範囲で場所が判明しております。
まず二人は貴船街道を貴船口から北へと進み、鞍馬寺の西門前にバイクを停め、西門から鞍馬山へと入っていきました。
その後僧正ヶ谷不動堂まで山登りをして、物陰に潜んでいた犯人に襲撃され、今度は逆に追いかける形となり、鞍馬寺の西門まで追いかけた後、バイクでの追跡戦となります。
最初は貴船街道を南の叡山・貴船口駅の方へと下っていくのですが、途中「急カーブ」の大きな看板がある「梅宮橋」という橋の横で犯人は鞍馬山へと逃げ込み、木の根道を上って吊り橋に出て、更に追跡の後にいつの間にか鞍馬街道を南へ進む形になります。
そして鞍馬寺の仁王門のある叡山・鞍馬駅の改札から叡山の線路へと侵入し、線路を伝って貴船口の方面へと向かい、貴船口駅の手前で橋の上を通過し、その直後に犯人の発煙筒の煙で視界がなくなり、間一髪の所で前方から来た叡山の電車を避けたものの、最後はとある踏切の手前あたりでバイクが転倒し、犯人を取り逃がしてしまいます。
上記がおおよその流れですが、今回採り上げるのはこのうちの鞍馬寺西門および、犯人を追って西門を出てから貴船街道をバイクで疾走し鞍馬山に入っていく所までになります。
まずは物語の前半で平次のバイクが鞍馬寺西門へとやってくる時の貴船街道の様子
まだ桜は咲いていない時期ですが、奥にある家や左の小川、右の石垣などは忠実に再現されています。
そして西門そばのこの駐車場にバイクを駐車します。
茶色い壁もその奥の家々も当時のままです。
左側に犯人のバイクが駐車されていました
そして駐車場から西門の方へと平次が指を指します
そしてコナンと駐車場で会話
この時には背後にもう1台ピンク色のワゴン車が停まっていました。
そして前方に青いバイク、奥に平次とコナンの構図
そして西門入口の所にある道標
左の貴船神社100mは変わっていませんが、右側は作中では「鞍馬寺・奥の院 588メートル」でしたが、現在はご覧の通りです。
奥の院は573mになっていますね。
そして二人は西門から鞍馬山の境内へと入っていきます
そして犯人が西門をくぐった平次とコナンの様子を見下ろしている構図
作中とほぼ同じですが、参道を外れて茂みに入る訳にもいかないので(苦笑)、これが精一杯です。
ちなみに左に見える受付の建物はちょうど建て替えられたのか、修理されていたのか、とにかく取材当時工事をしていました。
こんな感じで工事中でした
ここからは鞍馬山で犯人に襲撃された後、犯人を追いかけていく場面になります。
まずは西門を出ていく所の構図
コナンが西門を出て奥ノ院橋を渡っている構図
橋は当時と変わっていませんが、橋の脇は作中では左手にガードレール、右には何もなかったのですが、現在は両脇ともこげ茶色の鉄柵に変わっています
そして追跡も空しく犯人のバイクが出ていってしまう時の構図
左側のブロックも、右側の白い柵も当時のままです
そして犯人のバイクは走り去り、それを見届けるしかないコナンの構図です
しかしこの後平次のバイクに拾われ、貴船街道をバイクで追いかけていくことになります。
この後に貴船街道を下っていく際に2カットあるのですが、残念ながら取材の時には場所を特定できませんでした。
ただその後場所の特定はできたので、また次回貴船神社に行く時に取材をしてきたいと思います。
そして作中ではしばらくして赤い橋をバイクが通過していきますが、それと同じと思われるのがこの橋です。
ちょうど京都バスの「貴船」バス停の前にあり、バス停の横には東屋(休憩所)と公衆トイレがあるのですが、作中では橋の向こうにそれらしき建物が確認はできませんでした。
この後平次たちは犯人を一度捕えかけますが、前方に赤い橋の見える右急カーブの所で、犯人に脇道に入られて逃げられてしまいます。
上記写真は作中には登場しませんが、その急カーブの直前の道の様子です。
左手に見える石段を上がった先にある社は「梅宮社」といって貴船神社の境外末社の一つです。
このようなお社です
そして問題の急カーブにやってきました
犯人はこの「急カーブ」と書かれた白地に赤文字の看板の先で左折して鞍馬山へと逃げ込んでいきます
作中には出てきませんがカーブの先にある橋「梅ノ宮橋」のアップです。
梅宮社のそばに架かるのでこの名前なのだと思われます
作中ではこのような構図で向こうから犯人のバイクがやってきて写真の右手へと曲がっていきます。
そしてこれが「急カーブ」の看板のアップとその先の様子です。
工事しているように見えますが…
ご覧のような感じで先は行き止まりで山道は続いていませんでした
写真の感じでお分かりかと思いますが、かなり急な斜面になっています。
道がなくてもバイクで進めなくはない訳ですが、この急斜面だとちょっと厳しいと思います(苦笑)
以上で貴船街道編は終了となり、この後犯人と平次たちのバイクは木の根道などを突っ切り、、吊り橋を渡って更に山道を進んでから、鞍馬寺の「東側」を南北に通る「鞍馬街道」を北から南へと進んでいくシーンになります。
この鞍馬街道に舞台が移るまでの山道のシーンは架空の設定なのではないかと思っていますが、ひょっとしたらモデルになっている場所があるのかもしれません。
ちなみに貴船街道は鞍馬寺の「西側」を南北に通っており、鞍馬寺を挟んで正反対にある訳ですが、両街道はこの先の南の方で叡山電車の「貴船口」駅の付近で合流し、鞍馬街道が貴船街道を吸収する形で、京都の北山を経て鞍馬口まで鞍馬街道の下り道が続いていきます。
もちろん逆に京都の中心部から鞍馬を目指す場合は大変な上り坂を上っていかなければなりません。
現在は叡山電車が通っているので鞍馬に行くことは容易になりましたが、昔の人々は鞍馬街道の厳しい山道を通らなければなりませんでした。
最後に鞍馬寺の西門についてですが、作中ではここを南へ貴船街道を下っていきますが、実は西門を出て右手すぐの所に貴船神社というこの地域ではよく知られている神社があります。この一帯は観光ガイドでは「鞍馬・貴船」とセットで紹介されることが多く、鞍馬寺と並ぶ観光スポットといえる神社です。水の神様を祀り、また縁結びのご利益でも知られています。
そしてこの貴船神社、作中ではまったく登場してきませんが、実は映画に関連する「最も目立つある場所」にちゃっかりと登場しているんですね。
それが貴船神社では写真撮影スポットとして有名な上記の南参道の構図です
石段の両脇にずらっと並ぶ赤い灯籠がとても印象的ですが、このカットは「迷宮の十字路」のポスターにあるあの構図です
ポスターでは前方に平次とコナンと蘭と和葉がいて、奥に能面があるのでそちらに目が行きがちですが、よくよく見ると赤い灯籠と石段が印象的で、すばらしいコナンたちとのコラボになっています。