映画「迷宮の十字路」聖地巡礼の旅 梅小路公園

梅小路公園は京都駅のやや西側にある公園で、緑も豊かで市民憩いの場であると同時に、イベントなども多数開催されている大きな公園です。
また園内には京都水族館や京都鉄道博物館といった有名施設があり、近年再開発が著しいエリアでもあります。

ちなみに「迷宮の十字路」が公開された2003年(平成15年)当時には京都水族館はまだ誕生しておらず(2012年3月開業)、京都鉄道博物館も梅小路蒸気機関車館という現在よりやや規模の小さい施設でした(2016年4月リニューアルオープン)。

作中では梅小路公園という名前はまったく登場しませんが、描かれている映像に梅小路公園と明らかに同じと思われる描写が多数存在することと、平次が犯人との格闘の末に搬送された病院の名前が「梅小路病院」であることから、舞台となったのは梅小路公園と断定しても問題ないと思います。

中でも最も決定的なのが上記写真の特徴的なデザインの休憩所で、これはもう見たままですよね。
この休憩所は梅小路公園の中央南側、芝生広場の南にある「河原遊び場」にあります。

まず梅小路公園を紹介する前に、事件の流れを整理しておくと、
先斗町の桜屋で事件が発生した後、平次とコナンは寺町通にある桜古美術店を捜索、その結果を山能寺にて小五郎たちに報告します。
その後平次と和葉は大阪へと戻るためバイクを走らせるのですが、その途中で犯人の乗ったバイクに襲撃され、その犯人を追いかけて梅小路公園へとやって来ることになります。

そして映像などを確認すると、この際に平次と犯人のバイクが通った道は、京都の中央を南北に走る「大宮通」であったことが分かります。
これは今から解説しますが、梅小路公園にあるいくつかの出入口のうち、バイクが通過したのが大宮通沿いにある「大宮口」であり、そこに到達するまでバイクは一度も右折も左折もしていないからです。

そして上記が梅小路公園の「大宮口」のすぐ手前にある交差点の様子です。
作中でも暗いですがここを通過していることが分かります。
この場所の一番の特徴は、交差点の奥が徐々に上り坂になっている点なのですが、その両端の歩道部分は平らなままになっていて、乗用車が通る車道だけが高架になって上がっていく、その始まりにあたる地点です。

なぜこんな構造になっているかというと、実はこの先にはJRの線路があって、その上を渡るようにして道路が線路の上を通過しているんですね。
そして大宮通をこのまま南へ進むと九条大宮で世界遺産の東寺の角へと出るのですが、東寺につくやや手前で線路の上を通過し、そこから緩やかな下り坂になり、元の高さまで戻ることになります。

上記交差点に差し掛かると、犯人は右へと曲がり、上記写真の歩道部分を奥へと突っ切っていきます。
ここを右奥へ進むと梅小路公園の芝生広場の方へと出ることができます。
右にある白と紺の格子柄のタイルは犯人が公園へと侵入する際に映像でも確認できます。

ちなみにこんな感じで車道だけが登り坂で上がっていくんですね

そして映画公開時にはなかった京都水族館はこの歩道の右側にあります。

これが歩道を右奥へと進んだ先です
作中では道の右側に工事の建材のようなものが積まれていて、その上にまるでここからジャンプしてくれとでも言わんばかりに斜めに板が立てかけられていました
現在はもちろんそれはありませんし、前述のように右手には京都水族館の大きな建物が奥まで続いています。

これは大宮通の方を向いた様子で、この左奥からバイクがこちらに向かって突っ込んできました。

作中では舗装されていない砂利道で周囲に赤いコーンが並べられていますが、現在は正方形のタイルできちんと舗装され、気も多数植えられていて、当時とは若干様子が異なっています。
ただ大宮通が右に向かうに従って徐々に坂道を上がっていく様子やその置きの建物、あるいは右奥に見える三角形の屋根とその前の自販機は、現在もそのまま残っています。

ちなみに平次や犯人がバイクで突っ込んだせいではないと思いますが(苦笑)、現在の梅小路公園はここから先はバイクおよび自転車での侵入が禁止されています。
先ほどの京都水族館の手前に駐輪場があって、3時間まで無料なのでそれを利用すれば大丈夫です。

その後芝生公園の奥へとバイクが進んでいく時の構図
ベンチもありませんし街路樹の位置も若干違っていてかなり印象が変わっている気がしますが、左奥の三角形の屋根が3つ4つあるあたりは、当時のままです。

そして作中では分かりにくいですが、上記写真のような曲線を描いた屋根の休憩所のそばにバイクを停車して平次は河原遊び場の方へと向かうのですが、この休憩所、これ以外にも3つほどあって、最初どれの近くに停めたのかが分かりませんでした。

いろいろ試行錯誤して発見したのが上記の写真です。屋根の曲線と奥の三角形の屋根の建物とその手前の格子縞のタイルなどは当時のままですよね。

しかし一番の決め手になったのは休憩所にあるベンチです。
他の2つの休憩所は真横に一文字で椅子が並べられているのですが、作中のベンチ、そして上記写真のベンチはL字型に並んでいますよね。
このことに気付いてからはあっさりこの休憩所だと分かりました。

こんな感じです。
そして上記の写真が平次がバイクを停めて、和葉を残して河原遊び場へと向かう直前の構図です。

平次が河原遊び場の奥へと向かう様子
ここは緑の茂り具合も全然異なっていて、ここだという場所は特定できませんでした。

そして作中ではいきなりあの印象的なデザインの休憩所の前に犯人が現れるシーンに移りますが、こんな感じで木々と小川の中に休憩所はたたずんでいます。

そして犯人が背にした休憩所の構図は大体こんな感じです

犯人と平次が対峙した構図
これも場所は特定できませんでしたが、大体こんな感じでしょうか
分かりにくいですが、奥に柵とその向こうにJRの線路が真横に走っています。

休憩所とその手前の小川の様子
ここで犯人が平次に木刀を投げ、決闘がはじまります。
ちなみにこの小川ですが、作中ではまっすぐ流れている部分が多く感じますが、実際はかなり曲がりくねった曲水になっています。

休憩所の前にある案内板より、休憩所の位置は真ん中上部の「現在地」の位置になります。
少し切れてしまっていますが、左下の京都水族館前から園内に侵入し、水族館前をまっすぐ右の方に進んで、中央広場にあるベンチの前で停車して、河原遊び場の方へと向かったというのが正しい順路です。

また線路の前には桜の木も植えられていました。

最後に大宮通を南下した際のルートや犯人が平次のバイクを待ち伏せした位置についても検証してみましたが、夜ではっきり分かりにくいこともあって、これについてはほとんど分かりませんでした。

通過している際に歩道と車道の境に柵が見えるのですが、七条以北の大宮通には現在の所はほとんどありませんし、目につく建物もありませんでした。
この部分はあまり忠実に再現されていないか、もしくは別の通りがモデルとなって描写されているのかもしれませんね。

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