(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 妃英理 栗山緑 千葉刑事 トメさん 沖野ヨーコ 有沢悠子(37) 有沢嗣郎(37) 梶本創 梶本甲太 係員 前田聡 ゴロ |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 蘭の母親、腕利きの弁護士 妃弁護士の秘書 捜査一課刑事、目暮の部下 鑑識員 人気アイドル 柔道家、元70キロ級全日本チャンピオンで妃の知人 有沢悠子の夫、杯戸商事勤務 現全日本コーチ、元81キロ級金メダリスト 梶本創の息子 米花グランドホテル地下駐車場の係員 元空手日本チャンピオン 妃英理の愛猫、ロシアンブルー |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 高島雅羅 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 松岡洋子 川津泰彦 声の出演なし 声の出演なし 蓮池龍三 声の出演なし ??? |
ストーカーで困っている知り合いの所に行ってくる─その夜蘭の母親・妃弁護士は、以前その知り合い─有沢悠子の旦那が起こした交通事故の示談交渉を請け負ったことがある経緯から、最近その旦那が交通事故以来誰かに狙われていると夜も寝られずビクビクしているのを安心させるため、有沢悠子と会うことになっていました。
しかしストーカー調査なら弁護士より探偵の方が専門…とすれば蘭の父親である小五郎に相談すればよいものを……そうコナンが率直に疑問をぶつけてみると…
嫌だから…そう一言で片付けられてしまうのは小五郎のプライドを考えると身も蓋もない気がするものの、普段の小五郎の体たらくを考えればそれも仕方ないとコナンは思うのでした。
蘭からも呆れられる妃でしたが、そうこうしているうちに妃法律事務所に姿を見せたのは、問題の旦那を夫に持つ妃の知り合いだという有沢悠子─彼女は柔道女子70kg級の元全日本チャンピオンで、ケガさえしなければオリンピックで金メダル確実と言われた実力者でした。
彼女の到着を知った妃が自宅で待っているはずの彼女の旦那にすぐにでも会いに行くことを提案すると、有沢悠子はハンドバックから携帯電話を取り出し夫に連絡を取ります。
ところが彼女の夫はなかなか電話に出ず…ようやく出たかと思うと受話器から聴こえてきたのは、読経の音を背景にした夫の声でした。
どうやら彼女の夫は知り合いが急に亡くなったためお通夜に出席しているらしく、帰りも遅くなるので先に寝ていてくれというのでした。しかしストーカーの件で妃と会う約束があることから有沢悠子はとりあえず電話を妃に代わります。
電話を代わった妃は有沢悠子の夫と少し会話を交わし、9時25分には家に戻っているからその約束で来てくれと頼まれます。約束の時間までは2時間─そこで妃は有沢悠子の誘いもあり、蘭とコナンも連れて近くのホテルのレストランで夕食に洋風懐石を楽しんでから彼女自宅に行くことになったのです。
レストランで蘭が空手をしていることや有沢悠子の柔道を始めたきっかけなどについて話をした後、一行は有沢悠子の車で彼女の自宅へと向かいます。しかし彼女の一挙手一投足をつぶさに観察していたコナンは何か思う所があるようで……。
9時半ちょうど、約束の時刻に彼女の家に到着すると、玄関には彼女の夫のものと思われる靴が。すぐに呼んでくるからと有沢悠子は妃たちを応接室に案内して夫を呼びに行きます。
ところがたくさんのトロフィーや盾に蘭たちが感心していると有沢悠子が戻ってきて、彼女の夫が風呂場にもトイレにも、どこにもいないと言うのでした。
もしかして帰って来てすぐにタバコを買いに出かけたのかも…そう言って携帯電話で連絡を取ろうとすると、納戸から着信音が聞こえてきて……。
とある日の夜のこと、妃法律事務所を訪れた蘭とコナンは夫がストーカー被害に悩んでいるという柔道女子70キロ級の元全日本チャンピオン有沢悠子と出会います。彼女が妃に相談を持ちかけたのは、以前交通事故の示談の際に妃が素晴らしい弁護をした事から悠子の夫が妃を大変信頼していたからのようでした。
有沢悠子が事務所に到着すると彼女はすぐに夫に携帯電話で連絡を入れますが、すると夫は知り合いに急な不幸がありお通夜に出ているから9時25分には自宅に戻ると途中で電話を変わった妃に言ったのです。
それから妃たちは2時間ほどの待ち合わせ時間を利用してグランドホテル内の洋風懐石レストランで食事をし、9時半ちょうどに有沢宅に到着します。
ところが一行が家に着くと有沢悠子の夫の靴は玄関に揃えて置かれていましたが、肝心の姿が見えませんでした。もしかしたらタバコでも買いにいったのかと悠子が携帯電話をかけてみると家のどこかで着信音が鳴っているのです。そして音を頼りにコナンが納戸の扉を開けてみるとそこには…。
まず冒頭オープニングテーマの前の所でいきなりアニメのみのオリジナルシーンが追加されています。蘭が妃に夜に呼び出されて妃法律事務所にやって来た理由を説明する所から始まって、喫茶ポアロのマスターたちと飲み会の約束をしている小五郎のもとに謎のFAXが届きます。小五郎のマグカップに沖野ヨーコのイラストが入っているのもファンならニヤリとする所ですね。
前半についてはまったくといっていいほど原作に忠実な作りになっていました。「英理おばさん」が「妃先生」、「BMW」が「車」になっているなど一部のセリフが変更になっているのみです。
後半についてもほぼ原作どおりの進行なのですが、ここでは大きな変更があります。男性と女性一人ずつの鑑識員が目暮たちの事情聴取が進行する中で鑑識活動をしています。そして男性の方は明らかにトメさんですね。そして事情聴取が済み再び警察の捜査が再開されて10時45分を回った直後にリビングで2人の刑事が有沢悠子に話を聞いているのですが、片方は千葉刑事です。
前半は前編の最後同様に妃と蘭が会話する向こうで事情聴取する千葉刑事の姿が見えるのが原作にはありませんが、それ以外は若干のセリフのカットはありますが原作にほぼ忠実です。
後半についても若干のセリフのカットはあるもののほぼ原作どおりでした。
柔らかくしなやかなものが、かえって強く固いものを制すること。転じて弱い者が強い者に勝つという意味。古代中国の兵法書「三略」の有名な一節で、日本では柔道の世界でよく使われています。
今回の話はまさしく柔道が絡んでいますが、タイトルはそれにミステリーをかけたものですが、アニメで放映された時には「謎を制す」の部分が普通に「剛を制す」と間違って表記されていたニュースサイトもありました。
米花グランドホテル内にある洋風懐石のお店。ここで有沢悠子と一緒に妃弁護士と蘭とコナンが食事をしました。有沢悠子はここの店を贔屓にしており、週に1度は食事に来るのだとか。
イカロスの翼はギリシャ神話の話の一つですが、以前203-204「黒いイカロスの翼」の際に紹介していますので、今回は割愛させて頂きます。詳しくはそちらを参照ください。
今回は犬も食わないケンカをよくする夫婦のお話でした。妃英理はいつもどおりでしたが、今回は小五郎はカッコよかったですよね。しかしお互いに素直になれないという感じで蘭でなくてもじれったくなってしまいます。
そして今回は犯人当てについてはまったく争いのない、犯人が最初から分かっている倒叙に近いミステリーであとは「どうやってやったか」というハウダニットが主眼の謎解きになっています。
ただ今回のは少し難易度は低かったかもしれないですね。電話中にテープでアリバイを偽装するというのはコナンでは一度随分前の某2時間SPでありましたし、犯人は空白の10分以外は妃や蘭、コナンたちとずっと一緒にいた訳ですからアリバイ崩しの基本である場所(殺害現場)をごまかしたというのはすぐに分かったのではないでしょうか。
それから今回はまたアニメでしか見られない鑑識のトメさんが前編に登場していました。セリフはありませんでしたが、トメさん応援団の一人としては登場には思わずニヤリとしてしまいます。それから千葉刑事はちゃっかり前編にも後編にも登場していました。
更に栗山緑秘書やゴロは原作でも出ていますがアニメでは前編で登場していましたね。ほんのわずかな登場ですが、細かい所までチェックするのがクセになっている側とすればチェックし甲斐があります。
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